JP5089523B2 - 乗客コンベアの手摺監視装置 - Google Patents

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Description

この発明は、移動手摺の走行速度を監視し、移動手摺の速度低下を抑える機能を有する乗客コンベアの手摺監視装置に関する。
従来の乗客コンベアの手摺監視装置では、トラス内にワイヤ及びばねを介して、滑剤塗布器(薬剤塗布器)が移動手摺の内側面(断面C字の端面)に接触した状態で取り付けられている。この滑剤塗布器は、移動手摺の内側面の接触箇所に滑剤(薬剤:例えば、パラフィン等の蝋)を塗布する(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−182534号公報
ここで、一般的な乗客コンベアでは、移動手摺の走行経路の往路側において、内曲面と、欄干の往路側手摺ガイドとが接触する。さらに、移動手摺の走行経路の帰路側において、内曲面と、トラス内の帰路側手摺ガイドとが接触する。これにより、移動手摺の走行速度の低下は、手摺ガイドと内側面との接触によるものではなく、主に、往路側手摺ガイドと内曲面との接触箇所、及び帰路側手摺ガイドと内曲面との接触箇所での摩擦抵抗の上昇に起因していた。このため、上記のような従来の乗客コンベアの手摺監視装置では、内側面に滑剤を塗布しても、移動手摺の走行速度の低下を根本的に改善させることはできなかった。
また、従来の乗客コンベアの保守作業において、内曲面に滑剤を塗布するためには、一旦、移動手摺を手摺ガイドから取り外した上で、手作業により内曲面に滑剤を塗布しなければならないため、保守の作業負担が増加していた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、より適切に移動手摺の走行速度の低下を抑えることができるとともに、移動手摺の保守の作業負担を軽減させることができる乗客コンベアの手摺監視装置を得ることを目的とする。
この発明に係る乗客コンベアの手摺監視装置は、断面C字状の移動手摺の内曲面と接触状態になる位置である接触位置と、内曲面から離れた位置である非接触位置との間で変位可能であり、接触位置に配置されて内曲面と接触状態となることによって、内曲面の接触箇所に滑剤を塗布する滑剤塗布部と、外部からの指令に応じて滑剤塗布部を非接触位置と接触位置との一方から他方へ変位させる塗布駆動部と、移動手摺の走行速度に応じた信号を生成する信号生成部と、信号生成部を介して移動手摺の走行速度を監視し、その走行速度が所定速度未満になったことに応じて、塗布駆動部に指令を送ることにより、滑剤塗布部を非接触位置から接触位置に変位させる手摺監視部とを備え、前記手摺監視部は、前記滑剤塗布部を前記非接触位置から前記接触位置に変位させた後、前記移動手摺の走行速度が所定の改善速度以上になるまで、前記滑剤塗布部を前記接触位置に配置した状態を前記塗布駆動部に維持させ、前記移動手摺の走行速度が前記改善速度以上になったことに応じて、前記塗布駆動部に指令を送ることにより、前記滑剤塗布部を前記接触位置から前記非接触位置に変位させるものである。

この発明の乗客コンベアの手摺監視装置によれば、移動手摺の走行速度が所定速度未満になったことに応じて、手摺監視部が、塗布駆動部に指令を送り、滑剤塗布部を非接触位置から接触位置に変位させて、内曲面の滑剤塗布部との接触箇所に滑剤を塗布させるので、内曲面に滑剤が塗布されて内曲面の摩擦抵抗の増加が抑えられることによって、より適切に移動手摺の走行速度の低下を抑えることができる。これとともに、手作業による滑剤の内曲面への塗布工程が不要となることによって、移動手摺の保守の作業負担を軽減させることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエスカレータを模式的に示す側面図である。なお、図1の矢示Aは移動手摺9の往路側を示し、図1の矢示Bは移動手摺9の復路側を示す。
図1において、トラス1は、建物の上下階床間に架け渡されている。また、トラス1の上面部には、トラス1の長手方向に沿って、一対の欄干2が立てて設けられている。欄干2の外周には、往路側手摺ガイド3が設けられている。
トラス1の内部には、帰路側手摺ガイド4と、手摺駆動装置5と、信号生成部としてのエンコーダ6と、滑剤塗布器7と、制御盤8と、ステップ駆動機構及び駆動機(ともに図示せず)とが設けられている。往路側手摺ガイド3と帰路側手摺ガイド4とには、無端状の移動手摺9が設けられている。
さらに、トラス1には、無端状に連結された複数のステップ(図示せず)が設けられている。これらのステップは、ステップ駆動機構を介して、駆動機の駆動力を受けることによって走行され、下階側乗降口Cと上階側乗降口Dとの間で循環移動される。
手摺駆動装置5は、複数の押圧ローラと複数の駆動ローラとを有している。駆動ローラ及び押圧ローラは、互いに組になって、移動手摺9をその両面から挟み込むように配置されている。その駆動ローラは、駆動機から受けた駆動力によって回転される。移動手摺9は、駆動ローラを介して駆動機からの駆動力を受けて走行され、下階側乗降口Cと上階側乗降口Dとの間で循環移動される。
図2は、移動手摺9を示す断面図である。図2において、移動手摺9は、弾性体からなる芯体10と、キャンバス(帆布)11とによって構成されている。芯体10の断面形状は、C字状である。キャンバス11は、芯体10の乗客掴み面に対する裏面(芯体10のC字の内周面)に設けられている。また、キャンバス11は、一対のキャンバス内側面11a,11bと、一対のキャンバス内曲面(移動手摺の内曲面)11c,11dと、手摺駆動装置5の駆動ローラとの接触用のローラ転送面11eとを有している。
図3は、図1のIII−III線に沿う断面図である。図3において、往路側手摺ガイド3は、欄干2の外周に固定されたホルダ12と、一対のガイド部材13A,13Bとを有している。ホルダ12の断面形状は、逆ハット状である。また、ホルダ12は、中心から水平方向両側へ突出する一対の突出部12a,12bを有している。一対のガイド部材13A,13Bは、それぞれホルダ12の突出部12a,12bの先端箇所に取り付けられている。図4は、図1のIV−IV線に沿う断面図である。図4において、帰路側手摺ガイド4の断面形状は、T字状となっている。
図5は、図1のV−V線に沿う断面図である。図5において、滑剤塗布器7は、第1塗布駆動手段(塗布駆動部)としての水平移動用アクチュエータ14と、第2塗布駆動手段(塗布駆動部)としての上下移動用アクチュエータ15と、第1アーム16Aと、第2アーム16Bと、第1滑剤塗布部17Aと、第2滑剤塗布部17Bとを有している。水平移動用アクチュエータ14及び上下移動用アクチュエータ15は、例えばモータやソレノイド等である。
第1及び第2アーム16A,16Bの断面形状は、L字状となっている。また、第1及び第2アーム16A,16Bは、背面部(L字の一面部)同士が互いに対向し、かつ先端部(L字の他面部)が互いに反対方向へ向けて突出するように配置されている。第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bは、第1及び第2アーム16A,16Bの先端部に固定されている。また、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bは、例えば、パラフィン等の蝋によって形成されている。
第1及び第2アーム16A,16Bの背面同士は、水平移動用アクチュエータ14の駆動によって、互いに接近・開離するように(図5の左右方向へ)変位される。つまり、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bは、第1及び第2アーム16A,16Bの水平方向への変位に伴って、キャンバス内曲面11c,11dと接触状態となる中間接触位置(接触位置)と、キャンバス内曲面11c,11dから離れた位置である非接触位置との間で変位される。
また、第1及び第2アーム16A,16Bは、上下移動用アクチュエータ15の駆動によって、上下方向へ変位される。さらに、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bは、中間接触位置に配置されている状態において、第1及び第2アーム16A,16Bの上下方向の変位に伴って、第1接触位置と第2接触位置とのいずれか一方の位置へ変位される。
ここで、第1接触位置とは、キャンバス内曲面11c,11dのうちローラ転送面11e側の面にそれぞれ第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bが接触する位置である。また、第2接触位置とは、キャンバス内曲面11c,11dのうちローラ転送面11eの反対側(キャンバス内側面11a,11b側)の面にそれぞれ第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bが接触する位置である。
従って、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bは、非接触位置と中間接触位置との一方から他方へ変位可能となっており、かつ中間接触位置から第1接触位置と第2接触位置とのいずれか一方の位置へ選択的に変位可能となっている。
次に、往路側手摺ガイド3及び帰路側手摺ガイド4のそれぞれと移動手摺9との接触箇所に生じる摩擦力について説明する。キャンバス11における往路側手摺ガイド3との接触箇所は、図3に示すように、キャンバス内曲面11c,11dにおけるローラ転送面11e側の面である。つまり、移動手摺9の走行経路の往路側において、キャンバス内曲面11c,11dにおけるローラ転送面11e側の面で主に摩擦力が生じる。
これに対して、キャンバス11における帰路側手摺ガイド4との接触箇所は、図4に示すように、キャンバス内曲面11c,11dにおけるキャンバス内側面11a,11b側の面である。つまり、移動手摺9の走行経路の帰路側において、キャンバス内曲面11c,11dにおけるキャンバス内側面11a,11b側の面で主に摩擦力が生じる。従って、キャンバス11のキャンバス内曲面11c,11dに生じる摩擦力に起因して、移動手摺9の走行速度の低下が生じる。
図6は、図1の制御盤8を具体的に示すブロック図である。図6において、エンコーダ6は、回転体を有している。エンコーダ6の回転体の外周面は、移動手摺9に接触している。また、エンコーダ6の回転体は、移動手摺9の走行に伴って回転される。さらに、エンコーダ6は、回転体が回転することによって、パルス波を生成する。即ち、エンコーダ6は、移動手摺9の走行速度に応じた電気信号を生成する。
エンコーダ6によって生成された電気信号は、制御盤8に送られる。制御盤8は、主制御部8a及び手摺監視部8bを有している。主制御部8aは、ステップ及び移動手摺9の走行を制御する。手摺監視部8bは、水平移動用アクチュエータ14及び上下移動用アクチュエータ15に指令(駆動電流、駆動信号)を送ることによって、水平移動用アクチュエータ14及び上下移動用アクチュエータ15の駆動を制御する。また、手摺監視部8bは、エンコーダ6を介して、移動手摺9の走行速度Vを監視する。
さらに、手摺監視部8bは、所定速度としての設定値αと、所定の改善速度としての設定値βとを予め記憶している。設定値αとは、例えば、移動手摺9の通常走行速度の70%の値である。設定値βとは、移動手摺9の通常走行速度、即ちステップと同期する移動手摺9の走行速度の値である。また、手摺監視部8bは、移動手摺9の周回時間t0を予め記憶している。この周回時間t0とは、移動手摺9の走行速度が設定値αの状態で、移動手摺9上の任意の点が下階側乗降口Cと上階側乗降口Dとの間で一周循環移動する時間である。
さらに、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値α未満となったことを検出すると、キャンバス内曲面11c,11dへの滑剤の塗布を開始する。その後、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値β以上となったことを検出すると、キャンバス内曲面11c,11dへの滑剤の塗布を終了する。
より具体的に、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値α未満となったことを検出すると、水平移動用アクチュエータ14を駆動させて、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを非接触位置から接触位置に変位させる。その後、手摺監視部8bは、上下移動用アクチュエータ15を駆動させて、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを、中間接触位置から第1接触位置に変位させる。即ち、手摺監視部8bは、上下移動用アクチュエータ15を駆動させることにより、キャンバス内曲面11c,11dのうちローラ転送面11e側の面に第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを押し当てる。このときに、手摺監視部8bは、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを第1接触位置に配置した状態を、上下移動用アクチュエータ15に周回時間t0が経過するまで維持させる。
その後、手摺監視部8bは、上下移動用アクチュエータ15を再度駆動させて、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを、第1接触位置から第2接触位置に変位させる。即ち、手摺監視部8bは、上下移動用アクチュエータ15を駆動させることにより、キャンバス内曲面11c,11dのうちキャンバス内側面11a,11b側の面に第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを押し当てる。このときに、手摺監視部8bは、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを第2接触位置に配置した状態を、上下移動用アクチュエータ15に周回時間t0が経過するまで維持させる。
そして、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値β以上となったことを検出すると、水平移動用アクチュエータ14を駆動させて、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを中間接触位置から非接触位置に変位させる。この結果、走行速度Vと手摺走行時間tとの関係は、図7に示すようになる。
なお、図7において、走行速度Vが設定値βから設定値αへ低下する期間が、走行速度Vが設定値αから設定値βへ増加する期間(矢示tyの期間)の2倍程度の期間として示されている。しかしながら、図7は、滑剤塗布器7の作動状態を説明するために、走行速度Vと手摺走行時間tとの関係を模式的に示したものであって、実際には、走行速度Vが設定値βから設定値αへ低下する期間が例えば一ヶ月程度であり、走行速度Vが設定値αから設定値βへ増加する期間が例えば10分程度である。また、これらの期間は、エスカレータの設置環境や仕様等によって異なる。
ここで、制御盤8は、演算処理部(CPU)、記憶部(ROM、RAM及びハードディスク等)及び信号入出力部を持ったコンピュータ(図示せず)により構成することができる。制御盤8のコンピュータの記憶部には、主制御部8a及び手摺監視部8bの機能を実現するためのプログラムが格納されている。
次に、動作について説明する。図8は、図1の手摺監視部8bの動作を示すフローチャートである。図8において、手摺監視部8bは、移動手摺9の走行速度Vが設定値α未満となるかどうかを監視する(ステップS101)。そして、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値α未満となったことを検出すると、水平移動用アクチュエータ14を駆動させ、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを接触位置に配置する(ステップS102)。これにより、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bがキャンバス内曲面11c,11dに接触される。
そして、手摺監視部8bは、上下移動用アクチュエータ15を駆動させて、第1及び第2アーム16A,16Bを下方へ変位させることによって、手摺監視部8bは、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bをそれぞれ第1接触位置に配置する(ステップS103)。この状態で、手摺監視部8bは、周回時間t0が経過するまで待機する(ステップS104)。
そして、周回時間t0が経過すると、手摺監視部8bは、上下移動用アクチュエータ15を再び駆動させて、第1及び第2アーム16A,16Bを上方へ変位させることによって、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bをそれぞれ第2接触位置に配置する(ステップS105)。この状態で、手摺監視部8bは、周回時間t0が経過するまで待機する(ステップS106)。そして、周回時間t0が経過すると、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値β以上であるかどうかを確認する(ステップS107)。
このときに、走行速度Vが設定値β以上である場合には、手摺監視部8bは、上下移動用アクチュエータ15を駆動させて、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを中間接触位置に配置する。そして、手摺監視部8bは、水平移動用アクチュエータ14を駆動させて、第1及び第2アーム16A,16Bを変位させることによって、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを非接触位置に配置する(ステップS108)。この後、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値α未満になるまで待機し(ステップS101)、同様の動作を繰り返す。
一方、走行速度Vが設定値β未満である場合には(ステップS107のNO方向)、手摺監視部8bは、キャンバス内曲面11c,11dにおけるキャンバス内側面11a,11b側の面にそれぞれ第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを接触させ(ステップS103)、走行速度Vが設定値β以上になるまで、同様の動作を繰り返す。
上記のようなエスカレータの手摺監視装置では、移動手摺9の走行速度Vが設定値α未満になったことに応じて、手摺監視部8bが、水平移動用アクチュエータ14及び上下移動用アクチュエータ15に指令を送り、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを移動手摺9のキャンバス内曲面11c,11dにそれぞれ接触させる。この構成により、キャンバス内曲面11c,11dに滑剤が塗布されて、キャンバス内曲面11c,11dに生じる摩擦抵抗の増加が抑えられることによって、より適切に移動手摺9の走行速度の低下を抑えることができる。これとともに、手作業による滑剤のキャンバス内曲面11c,11dへの塗布工程が不要となることによって、移動手摺9の保守の作業負担を軽減させることができる。
また、滑剤塗布器7によってキャンバス内曲面11c,11dに滑剤が定期的に塗布される。この構成により、移動手摺9の定期保守点検の間隔が比較的長期化した場合でも、キャンバス11の磨耗を抑制することができ、移動手摺9の耐久性を向上させることができる。これに加えて、キャンバス内曲面11c,11dに生じる摩擦抵抗の増加が抑えられることにより、摩擦抵抗の増加に起因する駆動機の駆動力の損失を最小限に抑えることができる。
さらに、手摺監視部8bが、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを第1接触位置に配置させた状態を、上下移動用アクチュエータ15に周回時間t0が経過するまで維持させる。その後に、手摺監視部8bが、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを第2接触位置に配置させた状態を、上下移動用アクチュエータ15に周回時間t0が経過するまで維持させる。この構成により、移動手摺9の全長に渡って万遍なくキャンバス内曲面11c,11dに滑剤を塗布することができる。
ここで、特許文献1に示すような従来の乗客コンベアの手摺監視装置では、滑剤塗布器が常に内側面と接触することにより、常に滑剤が内側面に塗布され続けるため、必要以上に滑剤を消費するという問題もある。これに対して、実施の形態1のエスカレータの手摺監視装置では、走行速度Vが設定値α未満となったことに応じて手摺監視部8bが滑剤塗布器7を作動させ、その後、走行速度Vが設定値β以上となれば手摺監視部8bが滑剤塗布器7の作動を停止させる。この構成により、滑剤の過剰な消費を抑えることができる。
また、特許文献1に示すような従来の乗客コンベアの手摺監視装置では、手摺走行中に薬剤塗布器に加わる引張力が基準よりも低下することにより、実際の移動手摺の走行速度が予め設定された走行速度よりも低下したことが制御盤によって検出される。しかしながら、滑剤塗布器が引っ張られる際に手摺キャンバス内側面と滑剤塗布器との接触箇所に生じる摩擦力は、手摺キャンバス内側面及び滑剤塗布器の両方の表面状態にも左右される。このため、薬剤塗布器が引っ張られる量との関係に基づいて、移動手摺の走行速度の低下を導き出すことは必ずしも正確ではなく、監視の精度が低下していた。これに対して、実施の形態1のようなエスカレータの手摺監視装置では、手摺監視部8bがエンコーダ6を介して移動手摺9の走行状態を監視するので、従来の乗客コンベアの手摺監視装置よりも監視の精度を向上させることができる。
実施の形態2.
先の実施の形態1の手摺監視部8bは、移動手摺9の走行速度が設定値α未満になったことに応じて、滑剤塗布器7を作動させるのみであった。これに対して、実施の形態2の手摺監視部8bは、実施の形態1の手摺監視部8bの機能に加えて、移動手摺9の駆動系の異常発生を検出する機能を有する。ここで、手摺監視部8bによって検出される移動手摺9の駆動系の異常とは、手摺駆動装置5及び駆動機等の機械系の異常や、滑剤塗布器7における滑剤不足(滑剤切れ)である。
実施の形態2の手摺監視部8bは、先の図6における滑剤の塗布時間tyを記憶する。また、手摺監視部8bは、記憶している塗布時間tyの平均値の例えば2倍の値を異常検出基準時間t1として算出する。さらに、手摺監視部8bは、所定の異常検出基準速度としての設定値γを予め記憶している。設定値γは、設定値βの例えば90%程度の値である。
また、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値α未満となった時から、異常検出基準時間t1が経過した時点で、走行速度Vが設定値γ未満であれば、移動手摺9の駆動系の異常発生を検出(移動手摺9の駆動系に異常が発生したと判断)し、その異常発生を保守用メモリ(図示せず)に記憶する。
図9は、この発明の実施の形態2によるエスカレータの手摺監視装置の動作を示すフローチャートである。実施の形態2の手摺監視部8bの動作は、実施の形態1の手摺監視部8bにおける第1及び第2アーム16A,16Bを下方に変位させて、周回時間t0が経過した後、走行速度Vが設定値β未満のときの動作(先の図8におけるステップ107のNO方向の動作)が異なっている。ここでは、実施の形態1との違いについてのみ説明する。
図9において、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値β未満である場合には(ステップS107のNO方向)、走行速度Vが設定値α未満となった時から異常検出基準時間t1が経過したかどうかを確認する(ステップS201)。このときに、異常検出基準時間t1が経過していない場合には、手摺監視部8bは、滑剤塗布器7を継続して作動させる(ステップS103〜S107)。
一方、異常検出基準時間t1が経過している場合(ステップS201のYES方向)、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値γ未満であるかどうかを確認する(ステップS202)。このときに、走行速度Vが設定値γ以上である場合、手摺監視部8bは、水平移動用アクチュエータ14を駆動させて、第1及び第2アーム16A,16Bを変位させることによって、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを非接触位置に配置する(ステップS108)。この後、手摺監視部8bは、走行速度Vが設定値α未満になるまで待機し(ステップS101)、同様の動作を繰り返す。
また、走行速度Vが設定値γ未満である場合(ステップS202のNO方向)、手摺監視部8bは、移動手摺9の駆動系の異常発生を検出し(ステップS203)、その異常発生を保守用メモリに記憶する。そして、手摺監視部8bは、水平移動用アクチュエータ14及び上下移動用アクチュエータ15を駆動させて、第1及び第2滑剤塗布部17A,17Bを非接触位置に配置する(ステップS204)。このときに、手摺監視部8bは、リセットされるまで待機する(ステップS205)。そして、手摺監視部8bは、リセットされると、走行速度Vが設定値α未満になるまで待機し(ステップS101)、同様の動作を繰り返す。
上記のようなエスカレータの手摺監視装置では、走行速度Vが設定値α未満となった時から異常検出基準時間t1が経過したことに応じて、手摺監視部8bが移動手摺9の駆動系の異常発生を検出し、その異常を保守用メモリに記憶する。この構成により、保守作業員が制御盤8の保守用メモリの記憶情報を確認することによって、その保守作業員が移動手摺9の駆動系の異常発生を容易に把握することができ、点検作業の効率を向上させることができる。
なお、実施の形態2では、手摺監視部8bが、移動手摺9の駆動系の異常発生を検出すると、その異常を保守用メモリに記憶した。しかしながら、この例に限るものではなく、手摺監視部8bが、移動手摺9の駆動系の異常発生を検出後に、例えば公衆回線網等を通じて、移動手摺9の駆動系の異常発生を遠隔監視センタに通報してもよい。
また、実施の形態2では、所定の異常検出基準速度としての設定値γを設定値βの例えば90%程度の値としたが、所定の異常検出基準速度は、設定値β、即ち所定の改善速度と一致する値であってもよい。この場合、図9におけるステップS202の手摺監視部8bの動作を省略してもよい。
さらに、実施の形態1,2では、エスカレータの手摺監視装置について説明したが、この発明は、動く歩道の手摺監視装置にも適用できる。
また、実施の形態1,2では、所定の改善速度としての設定値βを、ステップと同期する移動手摺9の走行速度の値とした。しかしながら、この例に限るものではなく、所定の改善速度は、ステップの走行速度に例えば5%程度の幅をもたせてもよい(ステップの走行速度の95%〜105%程度の値としてもよい)。さらに、手摺監視部8bが主制御部8aからステップの走行速度の測定値又は指令値を、定期的又は常時取得して、ステップの走行速度の測定値又は指令値を基準に、所定の改善速度を相対的に変動させてもよい。
この発明の実施の形態1によるエスカレータを模式的に示す側面図である。 図1の移動手摺を示す断面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 図1のVI−VI線に沿う断面図である。 図1のV−V線に沿う断面図である。 図1の制御盤を具体的に示すブロック図である。 図5の滑剤塗布器の動作タイミングを模式的に示すグラフである。 図6の手摺監視部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2によるエスカレータの手摺監視装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
6 エンコーダ(信号生成部)、7 滑剤塗布器、8b 手摺監視部、9 移動手摺、11c,11d キャンバス内曲面(内曲面)、11e ローラ転送面、14 水平移動用アクチュエータ(塗布駆動部、第1塗布駆動手段)、15 上下移動用アクチュエータ(塗布駆動部、第2塗布駆動手段)、17A,17B 第1及び第2滑剤塗布部。

Claims (4)

  1. 断面C字状の移動手摺の内曲面と接触状態になる位置である接触位置と、前記内曲面から離れた位置である非接触位置との間で変位可能であり、前記接触位置に配置されて前記内曲面と接触状態となることによって、前記内曲面の接触箇所に滑剤を塗布する滑剤塗布部と、
    外部からの指令に応じて前記滑剤塗布部を前記非接触位置と前記接触位置との一方から他方へ変位させる塗布駆動部と、
    前記移動手摺の走行速度に応じた信号を生成する信号生成部と、
    前記信号生成部を介して前記移動手摺の走行速度を監視し、その走行速度が所定速度未満になったことに応じて、前記塗布駆動部に指令を送ることにより、前記滑剤塗布部を前記非接触位置から前記接触位置に変位させる手摺監視部と
    を備え
    前記手摺監視部は、
    前記滑剤塗布部を前記非接触位置から前記接触位置に変位させた後、前記移動手摺の走行速度が所定の改善速度以上になるまで、前記滑剤塗布部を前記接触位置に配置した状態を前記塗布駆動部に維持させ、
    前記移動手摺の走行速度が前記改善速度以上になったことに応じて、前記塗布駆動部に指令を送ることにより、前記滑剤塗布部を前記接触位置から前記非接触位置に変位させる
    ことを特徴とする乗客コンベアの手摺監視装置。
  2. 前記手摺監視部は、前記移動手摺の走行速度が前記所定速度未満になった時から所定の異常検出基準時間経過後に、前記移動手摺の走行速度が所定の異常検出基準速度未満であれば、前記移動手摺の駆動系に異常が発生したと判断する
    ことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベアの手摺監視装置。
  3. 前記滑剤塗布部は、前記接触位置である中間接触位置から、前記内曲面のうちローラ転送面側の面に接触する位置である第1接触位置と、前記内曲面のうち前記ローラ転送面の反対側の面に接触する位置である第2接触位置とのいずれか一方の位置に選択的に変位可能であり、
    前記塗布駆動部は、外部からの指令に応じて前記滑剤塗布部を前記非接触位置と前記中間接触位置との一方から他方へ変位させる第1塗布駆動手段と、外部からの指令に応じて前記滑剤塗布部を前記第1接触位置と前記第2接触位置との一方から他方へ変位させる第2塗布駆動手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗客コンベアの手摺監視装置。
  4. 前記手摺監視部は、
    前記第2塗布駆動手段に指令を送ることにより、前記中間接触位置から前記第1及び第2接触位置のいずれか一方の位置に前記滑剤塗布部を変位させて、前記滑剤塗布部をその一方の位置に配置した状態を前記第2塗布駆動手段に所定の周回時間が経過するまで維持させ、
    その後、前記第2塗布駆動手段に指令を送ることにより、前記第1及び第2接触位置の一方の位置からその他方の位置に前記滑剤塗布部を変位させて、前記滑剤塗布部をその他方の位置に配置した状態を前記第2塗布駆動手段に所定の周回時間が経過するまで維持させる
    ことを特徴とする請求項記載の乗客コンベアの手摺監視装置。
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