JPS6320427Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプレス機械に板材を送るためのダブル
ロールフイードの駆動軸機構に関するものであ
る。

従来、プレス機械に板材を送る場合にはプレス
の左右両側面部にロールフイードを設けたダブル
ロールフイードが多用されている。ダブルロール
フイードは元来板材の送り精度を良くするために
使用されているが、左右のロールフイードを同時
に駆動する左右連結軸が長いため、両ロールフイ
ードに至る軸の長さの相違から軸の捩れ角に相違
が生じ送り精度を低下させている。すなわち、左
右連結軸はプレスの回転軸の一端から動力的に連
結されて一定の往復回転運動をし、その両端部が
それぞれロールフイードと動力的に連結されてい
るため、左右連結軸の駆動される部分から両端ま
での距離が違う。従つて軸の捩れ角が相違するこ
とから、両ロールフイードが同期せず、また同じ
回転角度がえられず、送り精度が確保できないと
いう欠点があつた。

本考案の目的はこの欠点を除き、左右連結軸の
駆動される部分から両ロールフイードを連結する
部分までのそれぞれの捩れ角を等しくし、左右ロ
ールフイードを同期させて同じ角度回転させ、送
り精度を向上させるダブルロールフイードの駆動
軸機構を提供することにある。以下本考案の実施
例について図面を参照して説明する。

第１図及び第２図において、プレス１の左右両
側面部にそれぞれロールフイード２，２が装着さ
れたダブルロールフイードが示されている。プレ
ス１の回転軸３には偏心板４が位置調整可能に固
定されている。プレス１の機体には左右連結軸５
が回転自在に支持されている。左右連結軸５には
偏心板４と対応する位置に駆動レバー６が後述す
る駆動軸７を介して固定されている。駆動レバー
６の先端部と偏心板４の偏心部とにはコネクテイ
ングロツド８の両端部がそれぞれ枢着されてい
る。左右連結軸５の両端部にはロールフイード２
のラツク１０を駆動するレバー９，９が固定され
ている。細部については後述する。

第３図において、左右連結軸５及び駆動軸７は
プレス１のコラム部にブラケツト１１，１１によ
り回転自在に支持されている。

左右連結軸５の左側部は中空の駆動軸７の穴に
収容され、左端近傍で回転自在に保持され、駆動
軸７を介してプレス１の機体に回転自在に支持さ
れている。駆動軸７の一端には駆動レバー６が固
定され、駆動レバー６の先端部にはコネクテイン
グロツド８の一端部が枢着されている。駆動軸７
の他端は左右連結軸５の中央部に固定されてい
る。固定部７ａの位置は、左右連結軸５の両端部
に固定したレバー９，９と固定部７ａとの間の軸
５の捩れ角が等しくなるよう強度計算により決定
される。

第３図及び第４図において、レバー９によりロ
ールフイード２を駆動する機構を示している。コ
ネクテイングロツド８の昇降運動により駆動レバ
ー６が駆動軸７に一定の往復回転運動を与え、固
定部７ａを介して左右連結軸５が角θの往復回転
運動を行ない、レバー９が揺動する。レバー９に
は半径方向に長溝１２が設けられている。長溝１
２に摺動自在に案内されているスベリ子１３に固
定したピン１４には、ラツク１０の上端部が回転
自在に連結されている。ラツク１０はロールフイ
ード２の機体に昇降自在に案内されている。ロー
ルフイード２の機体には送りロール１５が回転自
在に設けられ、その上部には押えロール１６が回
転自在でかつ、送りロール１５に向けて付勢され
て設けられている。送りロール１５の軸には一方
向カムクラツチ１７が設けられ、一方向カムクラ
ツチ１７には同心にピニオン１８が固定されてい
る。ピニオン１８はラツク１０とかみ合つてい
る。送りロール１５と押えロール１６とにはそれ
ぞれ歯車１９，１９が固定され、かみ合つてい
る。よつて、レバー９の揺動によりラツク１０が
昇降し、ピニオン１８に一定の往復回転を与え
る。ピニオン１８の回転は一方向カムクラツチ１
７により送りロール１５に一方向の間欠回転運動
を与え、歯車１９を介して押えロール１６を送り
ロール１５とともに回転させる。送りロール１５
と押えロール１６との間に板材（図示せず）を挟
んで一定の送りを与える。他の一方のロールフイ
ード２も同様の構成を有し、両ロールフイード
２，２には板材を送るときほぼ同等の負荷が生ず
る。

第３図及び第５図において、左右連結軸５の右
側部に設けた位相調整機構２０を示している。左
右連結軸５の右端面にはプレート２１が固設され
ている。プレート２１には穴２２が開けられてい
る。

レバー９は左右連結軸５に枢着され、固定具２
３、例えばシュパンリングにより任意の位置で固
定できるようになつている。プレート２１の穴２
２に入る位置にはレバー９にブロツク２４が立設
されている。ブロツク２４を挟んで両側にはプレ
ート２１に螺合したボルト２５，２５が設けられ
ている。従つて、レバー９は固定具２３をゆる
め、ボルト２５の一方をゆるめ他方を締めること
により左右連結軸５の回りに若干調整できる。こ
れにより左右のレバー９，９の位相調整が可能で
ある。

次に作用について述べる。第１図乃至第４図に
おいて、プレス１の回転軸３が回転すると、偏心
板４によりコネクテイングロツド８を介し駆動レ
バー６を揺動させる。駆動レバー６の揺動は駆動
軸７、左右連結軸５及びレバー９，９を介してロ
ールフイード２，２に送り運動を与える。ロール
フイード２，２の負荷は左右連結軸５の両端部に
かかり、固定部７ａとの間に捩れが生ずる。前述
のとおり固定部７ａの両側の左右連結軸５の捩れ
角は駆動軸７を設けたことにより等しくすること
ができるので左右のロールフイード２，２は同期
して同じ角度だけ回転する。従つて秀れた送り精
度をうることができる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば左右連結軸の捩れによる左右ロールフイードの
送り長さの相違を消去することができ、高い送り
精度の確保が可能となり、実用上の効果と利点は
極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はダブルロールフイードを設けたプレス
の正面図、第２図は側面図、第３図は第２図の
−断面図、第４図は第３図の矢視図、第５図
は第３図の矢視図である。 １はプレス、２はロールフイード、３は回転
軸、４は偏心板、５は左右連結軸、６は駆動レバ
ー、７は駆動軸、７ａは固定部、８はコネクテイ
ングロツド、９はレバー、１０はラツク、１１は
ブラケツト、１２は長溝、１３はスベリ子、１４
はピン、１５は送りロール、１６は押えロール、
１７は一方向カムクラツチ、１８はピニオン、１
９は歯車、２０は位相調整機構、２１はプレー
ト、２２は穴、２３は固定具、２４はブロツク、
２５はボルトである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機械プレスに装備されたダブルロールフイード
   の駆動機構において、 その両端部に、その軸回りに揺動して左右のロ
   ールフイードを駆動するレバー９を固定し、プレ
   スの機体に回転自在に設けた左右連結軸５と、 プレスの回転軸の偏心板に連結された駆動レバ
   ー６を固定したその一端部を、プレスの機体に回
   転自在に軸受けされると共に、その中空部に左右
   連結軸５を回転自在に軸受けし、その他端部を左
   右連結軸５の両レバー９間の長さの中央部に連結
   し、この連結部と両レバー９間の左右連結軸５の
   ねじれ角を等しくした駆動軸７と、 を具備することを特徴とするダブルロールフイー
   ドの駆動軸機構。