JPS6320344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は二分割状の一対の天板部と、それぞ
れの天板部の対向端側に設けられて枢軸を介して
前記天板部を傾動可能に連結する連結片と、天板
部側に上端側が枢着された脚柱と、前記天板部相
互の対向端側を昇降させることによりそれぞれの
脚柱相互を接地状態のまま接近乃至離間方向に追
従移動させる折畳手段とを備えて上記両天板を起
立平行状態の折畳姿勢乃至水平状態の展開姿勢に
変位させ得る折畳式構造体に関する。

ここで折畳式構造体とは、折畳式テーブルや折
畳式ステージ等の天板を起立状に二つ折りする構
造体をいう。

従来、この種の折畳式構造体は天板が大型から
なつており、折り畳む際に大きな力を必要とす
る。

そこで折畳式テーブルの折畳においてスプリン
グの引張力を利用する構成は知られている。

即ち、天板部と該天板部に枢着された脚柱との
間にスプリングを斜めに張架して、スプリングの
付勢力で天板を上方に傾動させている。

ここで、この天板部は相互の対向端（天板連結
部）を昇降させて傾動するのであるから、スプリ
ングを脚柱と天板との間に張設するのでは作用点
が離れずぎスプリングによる付勢力が減殺される
欠点がある。

そこで実公昭48−34178号の折畳式テーブルの
如く、引張スプリングの延びた状態でその中心線
が蝶番軸より多少下になり、また縮んだ状態で卓
板と平行になるように張設した構造により、折畳
操作力を軽減化する構成が知られている。

しかし上記構成では折畳構造に連結片の枢軸か
ら垂下する伸縮垂管に垂設スプリングを内蔵した
場合に、折畳時に垂設スプリングの外側に平行し
て引張スプリングを配設することになり、展開時
に垂設スプリングの縮小方向への引張力を減殺す
る結果となる。

この考案は上記事情に鑑みて創案されたもので
あつて、その目的とするところは垂設スプリング
の弾性復帰力を減殺することなく天板支持フレー
ムを利用してスプリングの位置決めを容易として
天板相互の折畳式動作をスプリングの付勢力を効
率良く用いて助勢し、折畳式構造体全体の折畳操
作力を軽減化すると共に、展開時には前記スプリ
ングのバネ力で天板自重による急激な展開動作を
緩衝するにある。

この考案は上記目的を達成するために、二分割
状の一対の天板部と、各天板部の裏面に固着され
た枠状の天板支持フレームと、それぞれの天板支
持フレームの対向端側に設けられて枢軸を介して
前記天板部を回動可能に連結する連結片と、天板
支持フレームに上端が枢着された脚柱と、前記連
結片の枢軸に内管が取り付けられて垂下し外管を
上下摺動自在に外嵌する二重管構造の伸縮垂管
と、前記連結片の枢軸を挟む両側端位置で上端が
枢着され下端が上記伸縮垂管の外管下方に枢着さ
れた左右一対のステーと、前記伸縮垂管に内臓さ
れて上端が連結片の枢着位置に連結され下端が伸
縮垂管の外管の下端に連結された垂設スプリング
と、脚柱と前記伸縮垂管の外管下方とに両端が枢
着された左右一対の連桿と、一方の天板部側に一
方端を連結し他方端をスプリングを拡張した状態
で他方の天板部側に連結してなるスプリングとを
備えた折畳式構造体において、 (a) スプリングと天板部側との一方の枢着位置が
一方の天板支持フレームの内端側から垂下する
ブラケツトにスプリングの先端が枢着して設定
されて、 折畳構造体展開姿勢における前記連結片の枢
軸位置と略同一高さ位置で且つ、折畳式構造体
折畳姿勢における前記連結片の枢軸位置より略
垂直に下方に離間する位置となるように設定す
る、 (b) スプリングと天板部側との他方の枢着位置が
他方の天板支持フレームの中途部に設けられた
横桟にスプリングの基端が枢着して設定され
て、 該枢着位置が脚柱と天板支持フレームとの枢
着位置と折畳式構造体展開姿勢における略同一
高さ位置に設定する。

という技術的手段を講じている。

これにより、スプリングのバネ力は折畳乃至展
開力が大きく働く天板相互の対向端に効率良く作
用することになる。

以下に、この考案を折畳式ステージに適用した
場合の好適一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図乃至第６図に示す折畳式ステージ１は、
同形同大に２分割された一対の天板部１０，１１
と、該天板部のそれぞれが個々に張設されて隣合
う一対の天板支持フレーム１２，１３とを備えて
いる。

天板支持フレーム１２，１３は、それらの対向
端部裏面側に固設した連結用のブラケツト１４，
１５を有している。

これらのブラケツト１４，１５相互が枢軸１６
で回動自在に連結され、屈曲乃至展開自在な連結
片を構成している。

該連結片の枢軸１６の位置は天板１０，１１及
び天板支持フレーム１２，１３のそれぞれの対向
面が衝合した状態で該衝合面の垂下延長線上に設
定される。

もつて、天板部１０，１１及び天板支持フレー
ム１２，１３は上記枢軸１６を支点として折畳手
段を介して折畳乃至展開されるようになつてい
る。

折畳手段は本実施例の場合、伸縮垂管２０とス
テー部材１７，１８とからなつている。

即ち、上記各ブラケツト１４，１５には、その
枢軸１６を挟む両側端位置に一対のステー部材１
７，１８の上端ブラケツトが回動自在にピン連結
され、且つ該ステー部材の下端部相互もピン１９
で屈曲自在に連結されている。

該ピン１９と上記ブラケツト相互の枢軸１６と
の間には伸縮垂管２０が架け渡してある。

この伸縮垂管２０には、垂設スプリング３４が
内蔵されており、その上端がブラケツトの枢軸１
６位置に連結され、下端が伸縮垂管２０の外管の
下方に連結されて上下に伸縮自在な構成となつて
いる。

また、天板支持フレーム１２，１３には、それ
らの総体的両側位置にて脚柱２１，２２の上端部
がピン２３，２４で回動自在に連結され、且つそ
れぞれの脚柱２１，２２は下端部にキヤスタ２
５，２６を有している。

尚、２５ａ，２６ａは高さ調節ネジを有するス
タンド部材、２５ｂ，２６ｂはキヤスタである。

そして、脚柱２１，２２のそれぞれと上記伸縮
垂管２０の外管との間には、天板展開姿勢時に該
伸縮垂管２０側が漸次緩やかに下降傾斜する連桿
２７，２８が架設してある。

これらの連桿２７，２８は、それぞれの両端部
の連結ピン２９，３０と３０，３１を関節点とし
て天板及び天板支持フレームの折畳乃至展開動作
に追従して作動するようになつている。

この連結片および折畳手段は天板長手方向の一
側方だけでも或いは両側方に一対設けてもよい。

以上の如く構成された折畳式ステージ１におい
て、天板１０，１１相互間にこれら天板相互の対
向端を跨いでコイル状のスプリング３２が張架し
てある。

即ち、該スプリング３２はその一端３２ａを一
方の天板１０側に枢着している。

この連結は本実施例の場合、第５図乃至第６図
に明瞭な如く、天板支持フレーム１２の中途部対
向端寄りで天板短手方向に横設された横桟補助フ
レーム１２A′を設け、該横桟補助フレーム１２
A′に先端がング状の掛止部４０を対向端側に突
出するようにネジ止めすると共にこの掛止部４０
のング４１にスプリング３２の一方の端部３２ａ
を回動自在に掛止めることにより行われている。

また、前記スプリング３２の他方の端部３２ｂ
は他方の天板１１側に両方の天板相互の対向端を
跨ぎスプリングを拡張した状態で連結されてい
る。

そして、このスプリング３２の端部３２ｂの天
板に対する連結位置は折畳式構造体展開姿勢にお
ける前記ブラケツト１４，１５の枢軸１６位置よ
り離間し且つ略同一高さ（略水平離間位置）に設
定している。

図示例の場合、天板支持フレーム１３の対向端
側の横桟フレーム１３Ａに下方へ延出する突片４
５を設け、該突片４５にスプリング３２の一方の
端部３２ｂを枢着している。

この突片４５は断面下向チヤンネル状からなつ
て、先端開放側に係止軸４６を備えてなり、この
係止軸４６にスプリング３２の端部３２ｂが回動
自在に掛止められる。

尚、第７図示の如く、天板部相互間に張設する
スプリングを前記実施例におけるスプリング３２
と更に別のスプリング３３をその連結構成が左右
対称となるように配設すればスプリングの作用力
は２倍となり天板の重量が重い場合に好適であ
る。

この場合は、前記実施例に加えて、天板支持フ
レーム１３の中途部対向端寄りに天板短手方向に
横設された横桟補助フレーム１３A′を設け、該
横桟補助フレーム１３A′に先端がリング状の掛
止部４０を対向端側に突出するようにネジ止めす
ると共にこの掛止部４０のリング４１にスプリン
グ３３の一方の端部３３ａを回動自在に掛止める
ことにより行われている。

また、前記スプリング３３の他方の端部３３ｂ
は他方の天板１２側に両方の天板相互の対向端を
跨ぎスプリングを拡張した状態で連結されてい
る。

そして、このスプリング３３の端部３３ｂの天
板に対する連結位置は折畳式構造体展開姿勢にお
ける前記ブラケツト１４，１５の枢軸１６位置よ
り離間し且つ略同一高さで、折畳式構造体折畳姿
勢における前記ブラケツト１４，１５の枢軸１６
位置より垂下方向に離間し前記垂設スプリング３
４の中心線上にくる位置に設定している。

図示例の場合、天板支持フレーム１２の対向端
側の横桟フレーム１２Ａに下方へ延出する突片４
５を設け、該突片４５にスプリング３３の一方の
端部３３ｂを連結している。

次ぎに上記実施例の作用を説明する。

第１図のステージ展開状態において、スプリン
グ３２（第７図においては３２および３３、以下
同じ）の一方の端部３２ｂ，３３ｂの連結部は、
ブラケツト１４，１５からなる連結片の枢軸１６
と展開時水平離間位置に設けられているのでスプ
リング３２の付勢力は働かない。また、折畳屈曲
点となる枢軸１６は被折畳部となる脚柱上端のピ
ン２３，２４より下方に配設され、また上記折畳
屈曲点の下方で同様に折畳屈曲点となるピン３０
は脚柱中途部のピン２９，３１より下方に配設さ
れているので、前記ピン２３，２４及び２９，３
１がそれぞれ枢軸１６又はピン３０を超えるまで
は折畳力に抗する力が働いている。

そこで、伸縮垂管２０の外管を、該外管に連設
された摘み等を介して垂設スプリング３４の付勢
力を用いて人為的に上昇させると天板１０，１１
及び天板支持フレーム１２，１３の対向端がそれ
ら相互の枢軸１６を関節点として開く。それに追
従作動する連桿２７，２８と伸縮垂管２０との連
結ピン３０が前記連桿２７，２８の水平位置を上
側に超えると、スプリング３２のバネ力が天板乃
至天板支持フレーム１０，１１相互の対向端を上
昇させる方向、即ち該天板を折畳む方向に作用す
る。

従つて、上記展開状態の折畳式ステージは、天
板部１０，１１相互の対向端付近を僅かに持ち上
げるだけで該天板部乃至天板支持フレームの折畳
操作を軽便に遂行しうる。

また、上記天板部１０，１１及び天板支持フレ
ーム１２，１３の折畳動作に関連して連桿２７，
２８が伸縮垂管２０との連結ピン３０により二つ
折りされることから、各脚柱２１，２２相互も接
近方向に関連移動して第４図の如き起立平行状に
折畳まれる。

この状態において、スプリング３２、脚柱２
１，２２と連桿２７，２８及びリンク部材１７，
１８と伸縮垂管２０のそれぞれが、折畳まれた天
板部１０，１１の相互の間隙内に収められるた
め、折畳式ステージ自体はコンパクトな状態で折
畳まれる。

またスプリング３２の一端の枢軸４６は垂設ス
プリング３４の中心線上にあり、他端は脚柱２１
の真上位置に設定される。これにより拡張されて
付勢された垂設スプリング３４の付勢力を減殺せ
ずにスプリング３２が配設される。

従つて、その折畳状態の折畳式ステージを展開
するには、脚柱２１，２２相互を開けばよく、こ
れによつて天板部１０，１１は第１図に示す水平
状態まで展開される。

この考案は上記構成からなつているので、天板
折畳時には拡張されたスプリングの付勢力によつ
て軽い力で折畳操作が遂行でき、天板展開時は天
板折畳時に付勢された垂設スプリングの付勢力を
減殺することなく除々にスプリングを拡張して付
勢することができ、スプリングの作用と垂設スプ
リングの作用とが相まつてスムーズに且つ効率よ
く折畳乃至展開動作を行うことができる。更にこ
のスプリングは天板支持フレームまたはこれに取
付けられたブラケツトに枢着するのでスプリング
の位置決めが極めて容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を折畳式ステージに適用した
場合の展開姿勢の正面図、第２図は第１図の−
線断面図、第３図は同側面図、第４図は同折畳
姿勢の正面図、第５図は同展開姿勢の要部を示す
図、第６図は同折畳姿勢の要部を示す図、第７図
はスプリングを左右対称に配設した異なる実施例
を示す図である。 １０，１１……天板、１２，１３……天板支持
フレーム、２１，２２……脚柱、３２，３３……
スプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 二分割状の一対の天板部と、各天板部の裏面に
   固着された枠状の天板支持フレームと、それぞれ
   の天板支持フレームの対向端側に設けられて枢軸
   を介して前記天板部を回動可能に連結する連結片
   と、天板支持フレームに上端が枢着された脚柱
   と、前記連結片の枢軸に内管が取り付けられて垂
   下し外管を上下摺動自在に外嵌する二重管構造の
   伸縮垂管と、前記連結片の枢軸を挟む両側端位置
   で上端が枢着され下端が上記伸縮垂管の外管下方
   に枢着された左右一対のステーと、前記伸縮垂管
   に内臓されて上端が連結片の枢着位置に連結され
   下端が伸縮垂管の外管の下端に連結された垂設ス
   プリングと、脚柱と前記伸縮垂管の外管下方とに
   両端が枢着された左右一対の連桿と、一方の天板
   部側に一方端を連結し他方端をスプリングを拡張
   した状態で他方の天板部側に連結してなるスプリ
   ングとを備えた折畳式構造体において、 スプリングと天板部側との一方の枢着位置が一
   方の天板支持フレームの内端側から垂下するブラ
   ケツトにスプリングの先端が枢着して設定され
   て、折畳構造体展開姿勢における前記連結片の枢
   軸位置と略同一高さ位置で且つ、折畳式構造体折
   畳姿勢における前記連結片の枢軸位置より略垂直
   に下方に離間する位置となるように設定され、 スプリングと天板部側との他方の枢着位置が他
   方の天板支持フレームの中途部に設けられた横桟
   にスプリングの基端が枢着して設定されて、該枢
   着位置が脚柱と天板支持フレームとの枢着位置と
   折畳式構造体展開姿勢における略同一高さ位置に
   設定されていることを特徴とする折畳式構造体。