JP3537037B2 - 折り畳み式キャノピー構造体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する分野】この発明は、テント、日よけ等の
骨組を構成する折り畳み自在なキャノピー構造体に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、二本のバーを連結部で回動自在に
Ｘ字状に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在とした
シザー組立体を用いて、テント、日除け等の骨組となる
折り畳み自在なキャノピー構造体を構成することは公知
であり、例えば特許第２６２５２５５号公報等に開示さ
れている。かかる折り畳み自在なキャノピー構造体は、
展開したとき充分に大きな面積を被覆することが出来、
また折り畳んだときは充分に小さな寸法と形状となり、
所望のバッグに収納して携行することが可能となるた
め、広く実用化されている。支柱とシザー組立体及びル
ーフ支持部材は、相対的な回動を許容する骨組連結ブラ
ケットで相互に連結されており、ブラケットの一つは支
柱の上端に固定され、他の一つは支柱に沿ってスライド
し得る構造を有し、固定されたブラケットとスライドす
るブラケットとの間にシザー組立体を連結して、シザー
組立体の屈伸が達成されるようになっている。そして、
ルーフ支持部材は、一端を支柱に連結し、他端をルーフ
の中央においてルーフ中央支持柱に回動自在に連結され
る構造である。

【０００３】しかしながら、かかるキャノピー構造体
は、シザー組立体を介して支柱を側方に移動展開すると
き、ルーフ支持部材がルーフシートを展開させつつ上方
に移動するため、屋根部分の荷重とルーフ支持部材の荷
重が付加され大きなモーメントがスライドブラケットに
かかるため、キャノピー構造体の展開操作を重くしてい
る。又、ルーフ支持部材の端部をテントや日除けである
キャノピーの中央部に集中して、ルーフ中央支持柱に回
動自在に連結するキャノピー構造体は、ルーフ中央支持
柱が垂直に立ち上がった柱であるのに対し、ルーフ支持
部材は該ルーフ中央支持柱とほぼ直交する水平方向から
連結されるため、連結部における回動に不具合が生じ易
く、ルーフの折り畳みが出来なくなるおそれがあった。
また、垂直に立設する支持柱でシート状のルーフ体を支
持しているため、ルーフ体が支持柱で突き破られる危険
性もあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、ルーフ支
持部材の中央側端部をルーフの中央部に集中させること
なく、途中で終端させてフリーな状態として、従来のキ
ャノピー構造体にみられた問題点を解決せんとするもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明が採った手段は、二本のバーをＸ字状に回動
自在に連結してパンタグラフ状に折り畳み自在としたシ
ザー組立体と、ルーフ支持部材及び支柱からなり、支柱
の上部に固定される固定ブラケットと支柱の途中にスラ
イド自在に挿着されるスライドブラケットで支柱、シザ
ー組立体及びルーフ支持部材を相互に連結して折り畳み
自在としたキャノピー構造体において、前記ルーフ支持
部材を支柱の上端からそれぞれルーフの中央部に集中す
るように延び出させ、且、途中で終端させてフリーな状
態としたことを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】この発明の好ましい実施の形態
を、以下に詳細に説明する。図面を参照して、(１)はこ
の発明にかかるキャノピー構造体を示し、垂直に立設す
る複数の支柱(２)と、該支柱(２)を折り畳み自在に連結
する複数のシザー組立体(３)並びにルーフ支持部材(４)
とからなり、組み立てられたキャノピー構造体の上面に
耐候性、防水性を有するルーフシートが張設され、該ル
ーフシートはキャノピー構造体の折り畳みに対応して折
り畳み自在とされる。図示の実施態様において、キャノ
ピー構造体(１)は、四隅に支柱(２)を有する略方形の形
態に形成され、各支柱の上端にそれぞれルーフ支持部材
(４)が連結された構造をなっているが、図２に示すよう
にルーフ支持部材(４)は対向する二本の支柱上端にのみ
連結される構造としてもよいことは勿論である。シザー
組立体(３)は、二本のバーを中央部でＸ字状に回動自在
に連結してパンタグラフ状に屈伸自在としたものであ
り、各バーの自由端の一方は支柱(２)の上端に位置を固
定して連結され、他の一方は支柱に沿って上下方向にス
ライド自在に連結される。又、ルーフ支持部材(４)もシ
ザー組立体(３)の屈伸に対応してルーフ支持位置から非
支持位置を移行するように支柱に連結されている。そし
て、シザー組立体(３)が伸張されるとき、伸張に応じて
支柱(２)が折り畳んだ位置から互いに離れるように側方
に移動し、ルーフ支持部材(４)がルーフ支持位置に移行
して、キャノピー構造体(１)が展開状態となり、同時に
ルーフシートがキャノピー構造体(１)の上面を被覆する
ように展開する。

【０００７】この発明は、かかるキャノピー構造体にお
いてルーフ支持部材(４)をルーフの中央に集中して相互
に連結することなく、途中で終端させてフリーな状態に
したことを特徴とする。図３，４を参照して、ルーフ支
持部材(４)は一本の棒材からなり、一端は支柱(２)の上
部に固定された固定ブラケット(５)に回動自在に連結さ
れ、他端はルーフの長さよりも短い長さに形成され、ル
ーフの途中で終端しフリーな状態となっている。ルーフ
支持部材(４)の途中には方杖部材(６)の一端が回動自在
に枢着され、方杖部材(６)の他端はシザー組立体(３)を
支柱(２)にスライド自在に連結するスライドブラケット
(７)に枢着されており、キャノピー構造体(１)が前記し
たように折り畳み状態から展開されるとき、ルーフ支持
部材(４)をルーフ支持位置に移行させる。ルーフ支持部
材(４)をルーフの中央部に集中させることなく途中で終
端させることにより、ルーフ支持部材(４)を中央で連結
する構造が不要となりキャノピー構造体の構成が簡略化
され、安価に提供することが可能となると共に、ルーフ
シートの中央をルーフ支持部材で突き破る心配がなくな
る。

【０００８】

【発明の効果】この発明によれば、ルーフ支持部材をル
ーフの中央部に集中して連結することなく、途中で終端
させてフリーな状態としてあるので、ルーフ支持部材の
重量が軽減されスライドブラケットに付加されるモーメ
ントが小さくなり、キャノピー構造体の立ち上げが容易
になると共に、キャノピー構造体の構成が簡略化され安
価に提供することができると共に、ルーフ支持部材を中
央部に集中して連結した場合のようにルーフシートを連
結部で突き破るようなおそれもなくなる。又、ルーフ支
持フレームがそれぞれ独立した構成となっているため、
フレームの長さ、高さ或は本数などの設定が自由とな
り、屋根形状のデザインの自由度が大きくなる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかるキャノピー構造体の概略説明
図

【図２】他の実施形態にかかる図１と同様の図

【図３】ルーフ支持部材を展開した状態の側面図

【図４】同折り畳んだ状態の側面図

【符号の説明】

(１)キャノピー構造体 (２)支柱 (３)シザー構造体 (４)ルーフ支持部材 (５)固定ブラケット (６)方杖部材 (７)スライドブラケット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実公 平６−25566（ＪＰ，Ｙ２) 登録実用新案3042113（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E04H 15/00 - 15/64

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 二本のバーをＸ字状に回動自在に連結し
   てパンタグラフ状に折り畳み自在としたシザー組立体
   と、ルーフ支持部材及び支柱からなり、支柱の上部に固
   定される固定ブラケットと支柱の途中にスライド自在に
   挿着されるスライドブラケットで支柱、シザー組立体及
   びルーフ支持部材を相互に連結して折り畳み自在とした
   キャノピー構造体において、前記ルーフ支持部材を支柱
   の上端からそれぞれルーフの中央部に集中するように延
   び出させ、且、途中で終端させてフリーな状態としたこ
   とを特徴とする折り畳み自在なキャノピー構造体。