JPS6320315B2 - - Google Patents
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- JPS6320315B2 JPS6320315B2 JP5667881A JP5667881A JPS6320315B2 JP S6320315 B2 JPS6320315 B2 JP S6320315B2 JP 5667881 A JP5667881 A JP 5667881A JP 5667881 A JP5667881 A JP 5667881A JP S6320315 B2 JPS6320315 B2 JP S6320315B2
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Landscapes
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
本発明は鋼板の両面または片面にNi加熱拡散
層およびZn―Niめつき合金層を形成した耐食性、
塗装性および溶接性の優れた表面処理鋼板に関す
るものである。 省資源、省エネルギーの観点から耐久化傾向が
強まり、耐食性の優れた表面処理鋼板が要求さ
れ、しかも、苛酷な条件下で使用される場合が増
加している。特に自動車車体の腐食環境がますま
す苛酷になり、車体腐食が大きな問題になつてい
る。最近、自動車の防食に関して法令による規制
が行われ、例えば、カナダでは1981年車に対して
表面の錆なし1年半、孔あき腐食なし5年の保証
が義務付けられている。 従つて、車体内面からの腐食以外に車体外面か
らの腐食が重大な問題となる。この外面における
腐食は走行時に凍結防止剤を散布した路面からは
ね上げられた小石、砂、岩塩などで塗膜が打た
れ、素地に至る損傷(チツピング)を受けること
によるものである。その損傷部へ寒冷地域の冬の
高湿度(水分)および凍結防止剤(塩分)が作用
して著しく腐食が進行する。 このような車体の外面からの腐食対策として、
例えば、両面亜鉛めつき鋼板が考えられる。しか
し、亜鉛めつき上の塗膜の密着性は必ずしも良好
ではなく、前述の石はねによる塗膜剥離および腐
食による塗膜ふくれ(ブリスタター)が生じ易
く、また両面に亜鉛被覆されているため溶接性が
劣るという欠点がある。 本発明者等は上述したような自動車用外装鋼板
における諸問題を解決することを目的として鋭意
研究を重ねた結果、鋼板の少なくとも片面にNi
被覆層を形成し、非酸化性雰囲気中で加熱して鋼
中にNiの拡散層を形成した後、この上にZn―Ni
合金めつき層を施すことにより所期の目的に有利
に適合することを見い出した。 自動車車体の内面腐食に対しては、Ni含有量
が10〜20wt%のZn―Ni合金めつきが亜鉛めつき
より優れた耐食性を示すが、上述のような苛酷な
条件では必ずしも満足できない。本発明は、この
耐食性を改良しようとするものであり、鋼板の少
なくとも片面にNi被覆層を形成し、非酸化性雰
囲気中で加熱して鋼中にNiの拡散層を形成した
後、その鋼板の少なくとも片面にZn―Ni合金め
つき層を形成して得られる表面処理鋼板であり、
第1図および第2図に示すような態様のものが得
られる。すなわち、第1図に示すものは素地鋼1
の両面にNi拡散層2およびZn―Ni合金めつき層
3を形成したものであり、第2図に示すものは素
地鋼1の両面にNi拡散層2を形成し、その片面
にZn―Ni合金めつき層3を形成したものである。
また、素地鋼1の片面にNi拡散層2を形成し、
この上にZn―Ni合金めつき層3を形成したもの
もある(図示せず)。 本発明においては上述したように、、純粋なNi
下地層の代りにNi拡散層を下地として形成する
のであるが、このようにNi拡散層を形成する目
的は以下の通りである。 (1) Ni被覆層(Ni15g/m2以下、好ましくは1〜
7g/m2)を鋼中に浸透拡散させて新たな鋼板
表面状態を作り上げることによつて鋼板表面と
Zn―Ni合金めつき層との電気的接触により生
ずる腐食電流を小さくする。 (2) Ni被覆層はZn―Ni合金めつきおよび鋼板よ
り著しく貴な電位にあり、Zn―Ni合金めつき
層のピンホールあるいは欠陥部から下地のNi
被覆層が露出すると腐食電流が大きくなり、逆
に耐食性が抵下し好ましくない。 (3) Ni拡散層を形成することによつて安定した
鋼板表面状態を作に、無塗装および塗装後の耐
食性を改良し、また塗料の密着性を良好にす
る。自動車車体の外面(外板)では一般的に、
電着塗装、中塗り、上塗りなどの塗装が施さ
れ、上述の苛酷な腐食環境での耐食性が要求さ
れる。これに対して、例えば亜鉛系めつきの使
用が考えられるが、塗装した亜鉛系めつき鋼板
では、チツピングを受けた部分で糸状さびを生
じ、ついには赤錆発生に至る。更には亜鉛系め
つき鋼板では塗装後の色調変化(色むら)が多
くなり、このためその使用が困難であり、一般
的には冷延鋼板または片面の表面処理鋼板が用
いられている。本発明では上述のようにこのよ
うな自動車車体の外板の塗装性、塗装後の耐食
性を著しく改良することができる。 本発明は上述の如く鋼板の表裏で異つた環境で
使用する場合、その使用環境に適合した性能を賦
与することを特長とし、本発明において形成する
Ni拡散層の耐食性向上効果によりZn―Ni合金め
つき層の削減ができ、省エネルギー、省資源をは
じめ、溶接性が改良される有利性がある。 本発明において用いる鋼板の種類、寸法には特
に限定されないが、鋼中に拡散層を形成するNi
の付着量は15g/m2以下が望ましく、好ましくは
1〜7g/cm2が良い。Ni付着量が0.5g/m2以下で
はNi拡散層による耐食性の向上はなく、20g/m2
以上では製造コストのアツプのため経済的でなく
なる。Niの被覆法は電気めつき、化学めつき、
蒸着等の任意の方法で良いが、Ni被覆法として
Ni塩化物を塗布してNi拡散を行う場合の加熱雰
囲気は還元性にする必要がある。Niの鋼中への
拡散層の形成のための加熱は、非酸化性雰囲気中
で450〜950℃で、好ましくは600〜850℃の温度で
行うのが良い。450℃以下の温度では鋼中へのNi
拡散が十分進行せず、850℃以上では鋼板が軟化
し、材質、形状等に悪影響を及ぼすからである。
加熱時間はNiを拡散させるに必要な時間として
5秒以上であれば良く、5秒以下ではNiの十分
な拡散が行われない。 次に、Ni拡散層の上に行うZn―Ni合金めつき
は特に限定されないが、本発明者等の研究による
とNi含有量10〜20wt%が犠牲防食効果があり、
かつ耐食性の優れている範囲である。本発明に用
いられるめつき浴は高電流密度が得られ、めつき
浴の電気伝導度がよいことが望ましく、この観点
から硫酸浴、塩化浴またはこれらの混合浴が用い
られ、電流密度10A/dm2以上、液流速10m/mm
以上での電解が実用的に望ましい。以下、本発明
を実施例につき説明する。 〔実施例 1〕 素材SPCC、板厚0.7mm、幅100mm、長さ200mmの
冷延鋼板を電解脱脂、酸洗を行つた後、ワツト浴
を用いて5A/dm2の電流密度、浴温50℃で両面
にそれぞれNi3g/m2の付着量となるように電気
めつきした。その後、H210%、N290%の還元雰
囲気中で板温700℃で30秒加熱し、Ni拡散を行つ
た。この試料にさらに硫酸浴を用いて30A/d
m2、浴温50℃で、表面には20g/m2、裏面には
7g/m2の付着量となるように表裏差厚のZn―Ni
合金めつきを行つた。 このようにして得られた本発明の表面処理鋼
板、従来のZn―Ni合金めつき鋼板および冷延鋼
板について以下に記すような種々の試験を行つ
た。その結果を表1に示す。 (1) 無塗装での耐食性 塩水噴霧試験(JIG Z―2371)による赤錆
発生までの日数 (2) 電着塗装後の耐食性 塩水噴霧試験30日後におけるカチオン型電着
塗装(10μm)クロスカツト部からの塗膜ふく
れ幅(mm) (3) 3コート塗装後の耐食性 塩水噴霧試験90日後における3コート塗装
(電着+中塗り+上塗り)クロスカツト部から
の塗膜ふくれ幅(mm) (4) 3コート塗装後の密着性 塩水噴霧試験90日後における3コート塗装ク
ロスカツト部のセロテープ剥離法による塗膜の
剥離量 下表1の諸試験結果から、本発明による表面処
理鋼板は従来のものに比して、無塗装での耐食
性、塗装後の耐食性および塗膜密着性が著しく改
良されていることがが明らかである。
層およびZn―Niめつき合金層を形成した耐食性、
塗装性および溶接性の優れた表面処理鋼板に関す
るものである。 省資源、省エネルギーの観点から耐久化傾向が
強まり、耐食性の優れた表面処理鋼板が要求さ
れ、しかも、苛酷な条件下で使用される場合が増
加している。特に自動車車体の腐食環境がますま
す苛酷になり、車体腐食が大きな問題になつてい
る。最近、自動車の防食に関して法令による規制
が行われ、例えば、カナダでは1981年車に対して
表面の錆なし1年半、孔あき腐食なし5年の保証
が義務付けられている。 従つて、車体内面からの腐食以外に車体外面か
らの腐食が重大な問題となる。この外面における
腐食は走行時に凍結防止剤を散布した路面からは
ね上げられた小石、砂、岩塩などで塗膜が打た
れ、素地に至る損傷(チツピング)を受けること
によるものである。その損傷部へ寒冷地域の冬の
高湿度(水分)および凍結防止剤(塩分)が作用
して著しく腐食が進行する。 このような車体の外面からの腐食対策として、
例えば、両面亜鉛めつき鋼板が考えられる。しか
し、亜鉛めつき上の塗膜の密着性は必ずしも良好
ではなく、前述の石はねによる塗膜剥離および腐
食による塗膜ふくれ(ブリスタター)が生じ易
く、また両面に亜鉛被覆されているため溶接性が
劣るという欠点がある。 本発明者等は上述したような自動車用外装鋼板
における諸問題を解決することを目的として鋭意
研究を重ねた結果、鋼板の少なくとも片面にNi
被覆層を形成し、非酸化性雰囲気中で加熱して鋼
中にNiの拡散層を形成した後、この上にZn―Ni
合金めつき層を施すことにより所期の目的に有利
に適合することを見い出した。 自動車車体の内面腐食に対しては、Ni含有量
が10〜20wt%のZn―Ni合金めつきが亜鉛めつき
より優れた耐食性を示すが、上述のような苛酷な
条件では必ずしも満足できない。本発明は、この
耐食性を改良しようとするものであり、鋼板の少
なくとも片面にNi被覆層を形成し、非酸化性雰
囲気中で加熱して鋼中にNiの拡散層を形成した
後、その鋼板の少なくとも片面にZn―Ni合金め
つき層を形成して得られる表面処理鋼板であり、
第1図および第2図に示すような態様のものが得
られる。すなわち、第1図に示すものは素地鋼1
の両面にNi拡散層2およびZn―Ni合金めつき層
3を形成したものであり、第2図に示すものは素
地鋼1の両面にNi拡散層2を形成し、その片面
にZn―Ni合金めつき層3を形成したものである。
また、素地鋼1の片面にNi拡散層2を形成し、
この上にZn―Ni合金めつき層3を形成したもの
もある(図示せず)。 本発明においては上述したように、、純粋なNi
下地層の代りにNi拡散層を下地として形成する
のであるが、このようにNi拡散層を形成する目
的は以下の通りである。 (1) Ni被覆層(Ni15g/m2以下、好ましくは1〜
7g/m2)を鋼中に浸透拡散させて新たな鋼板
表面状態を作り上げることによつて鋼板表面と
Zn―Ni合金めつき層との電気的接触により生
ずる腐食電流を小さくする。 (2) Ni被覆層はZn―Ni合金めつきおよび鋼板よ
り著しく貴な電位にあり、Zn―Ni合金めつき
層のピンホールあるいは欠陥部から下地のNi
被覆層が露出すると腐食電流が大きくなり、逆
に耐食性が抵下し好ましくない。 (3) Ni拡散層を形成することによつて安定した
鋼板表面状態を作に、無塗装および塗装後の耐
食性を改良し、また塗料の密着性を良好にす
る。自動車車体の外面(外板)では一般的に、
電着塗装、中塗り、上塗りなどの塗装が施さ
れ、上述の苛酷な腐食環境での耐食性が要求さ
れる。これに対して、例えば亜鉛系めつきの使
用が考えられるが、塗装した亜鉛系めつき鋼板
では、チツピングを受けた部分で糸状さびを生
じ、ついには赤錆発生に至る。更には亜鉛系め
つき鋼板では塗装後の色調変化(色むら)が多
くなり、このためその使用が困難であり、一般
的には冷延鋼板または片面の表面処理鋼板が用
いられている。本発明では上述のようにこのよ
うな自動車車体の外板の塗装性、塗装後の耐食
性を著しく改良することができる。 本発明は上述の如く鋼板の表裏で異つた環境で
使用する場合、その使用環境に適合した性能を賦
与することを特長とし、本発明において形成する
Ni拡散層の耐食性向上効果によりZn―Ni合金め
つき層の削減ができ、省エネルギー、省資源をは
じめ、溶接性が改良される有利性がある。 本発明において用いる鋼板の種類、寸法には特
に限定されないが、鋼中に拡散層を形成するNi
の付着量は15g/m2以下が望ましく、好ましくは
1〜7g/cm2が良い。Ni付着量が0.5g/m2以下で
はNi拡散層による耐食性の向上はなく、20g/m2
以上では製造コストのアツプのため経済的でなく
なる。Niの被覆法は電気めつき、化学めつき、
蒸着等の任意の方法で良いが、Ni被覆法として
Ni塩化物を塗布してNi拡散を行う場合の加熱雰
囲気は還元性にする必要がある。Niの鋼中への
拡散層の形成のための加熱は、非酸化性雰囲気中
で450〜950℃で、好ましくは600〜850℃の温度で
行うのが良い。450℃以下の温度では鋼中へのNi
拡散が十分進行せず、850℃以上では鋼板が軟化
し、材質、形状等に悪影響を及ぼすからである。
加熱時間はNiを拡散させるに必要な時間として
5秒以上であれば良く、5秒以下ではNiの十分
な拡散が行われない。 次に、Ni拡散層の上に行うZn―Ni合金めつき
は特に限定されないが、本発明者等の研究による
とNi含有量10〜20wt%が犠牲防食効果があり、
かつ耐食性の優れている範囲である。本発明に用
いられるめつき浴は高電流密度が得られ、めつき
浴の電気伝導度がよいことが望ましく、この観点
から硫酸浴、塩化浴またはこれらの混合浴が用い
られ、電流密度10A/dm2以上、液流速10m/mm
以上での電解が実用的に望ましい。以下、本発明
を実施例につき説明する。 〔実施例 1〕 素材SPCC、板厚0.7mm、幅100mm、長さ200mmの
冷延鋼板を電解脱脂、酸洗を行つた後、ワツト浴
を用いて5A/dm2の電流密度、浴温50℃で両面
にそれぞれNi3g/m2の付着量となるように電気
めつきした。その後、H210%、N290%の還元雰
囲気中で板温700℃で30秒加熱し、Ni拡散を行つ
た。この試料にさらに硫酸浴を用いて30A/d
m2、浴温50℃で、表面には20g/m2、裏面には
7g/m2の付着量となるように表裏差厚のZn―Ni
合金めつきを行つた。 このようにして得られた本発明の表面処理鋼
板、従来のZn―Ni合金めつき鋼板および冷延鋼
板について以下に記すような種々の試験を行つ
た。その結果を表1に示す。 (1) 無塗装での耐食性 塩水噴霧試験(JIG Z―2371)による赤錆
発生までの日数 (2) 電着塗装後の耐食性 塩水噴霧試験30日後におけるカチオン型電着
塗装(10μm)クロスカツト部からの塗膜ふく
れ幅(mm) (3) 3コート塗装後の耐食性 塩水噴霧試験90日後における3コート塗装
(電着+中塗り+上塗り)クロスカツト部から
の塗膜ふくれ幅(mm) (4) 3コート塗装後の密着性 塩水噴霧試験90日後における3コート塗装ク
ロスカツト部のセロテープ剥離法による塗膜の
剥離量 下表1の諸試験結果から、本発明による表面処
理鋼板は従来のものに比して、無塗装での耐食
性、塗装後の耐食性および塗膜密着性が著しく改
良されていることがが明らかである。
素材SPCC、板厚0.7mm、幅100mm、長さ200mmの
冷延鋼板を実施例1と同様にして電解脱脂、酸洗
を行つた後、ワツト浴を用いて10A/dm2、浴温
50℃で両面にそれぞれ4g/m2の付着量となるよ
うに電気めつきした。その後、H210%、N290%
の還元性雰囲気中で板温800℃で30秒加熱し、Ni
拡散を行つた。さらに、この試料の片面のみに塩
化物浴を用いて50A/dm2の電気量で、浴温60℃
で20g/m2の付着量となるようにZn―Ni合金めつ
きを行つた。 このようにして得られた本発明の表面処理鋼
板、従来のZn―Ni合金めつき鋼板、Niめつきと
Zn―Ni合金めつき積層めつき鋼板および冷延鋼
板について実施例1と同様の諸種の試験および溶
接性試験を行つた。その結果を表2に示す。な
お、溶接性試験は表2に示す表面処理鋼板の表面
をそれぞれスポツト溶接の電極側になるように重
ね合わせて、連続スポツト溶接を行い、その連続
打点数で評価した。なお、溶接電流は9000A、加
圧力220Kg、溶接時間12サイクルである。 下表2の諸試験結果から、Ni拡散層上にZn―
Ni合金めつき層を施した鋼板では実施例1と同
様に優れた耐食性を示し、特に3コート塗装後の
耐食性および塗料密着性は従来のZn―Ni合金め
つきおよび冷延鋼板に比べて著しく優れているこ
とがわかる。 また、本例における片面Zn―Ni合金めつき鋼
板は両面Zn―Ni合金めつき鋼板に比べて溶接性
の改良効果も大きい。
冷延鋼板を実施例1と同様にして電解脱脂、酸洗
を行つた後、ワツト浴を用いて10A/dm2、浴温
50℃で両面にそれぞれ4g/m2の付着量となるよ
うに電気めつきした。その後、H210%、N290%
の還元性雰囲気中で板温800℃で30秒加熱し、Ni
拡散を行つた。さらに、この試料の片面のみに塩
化物浴を用いて50A/dm2の電気量で、浴温60℃
で20g/m2の付着量となるようにZn―Ni合金めつ
きを行つた。 このようにして得られた本発明の表面処理鋼
板、従来のZn―Ni合金めつき鋼板、Niめつきと
Zn―Ni合金めつき積層めつき鋼板および冷延鋼
板について実施例1と同様の諸種の試験および溶
接性試験を行つた。その結果を表2に示す。な
お、溶接性試験は表2に示す表面処理鋼板の表面
をそれぞれスポツト溶接の電極側になるように重
ね合わせて、連続スポツト溶接を行い、その連続
打点数で評価した。なお、溶接電流は9000A、加
圧力220Kg、溶接時間12サイクルである。 下表2の諸試験結果から、Ni拡散層上にZn―
Ni合金めつき層を施した鋼板では実施例1と同
様に優れた耐食性を示し、特に3コート塗装後の
耐食性および塗料密着性は従来のZn―Ni合金め
つきおよび冷延鋼板に比べて著しく優れているこ
とがわかる。 また、本例における片面Zn―Ni合金めつき鋼
板は両面Zn―Ni合金めつき鋼板に比べて溶接性
の改良効果も大きい。
【表】
第1図および第2図は本発明による表面処理鋼
板の態様を示す断面図である。 符号の説明、1……鋼板、2……Ni拡散層、
3……Zn―Ni合金めつき層。
板の態様を示す断面図である。 符号の説明、1……鋼板、2……Ni拡散層、
3……Zn―Ni合金めつき層。
Claims (1)
- 1 鋼板の少なくとも片面にNi被覆層を形成し、
非酸化性雰囲気中で加熱して鋼中にNiの拡散層
を形成した後、この上にZn―Ni合金めつきを施
してなることを特徴とする高耐食性表面処理鋼
板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5667881A JPS57171692A (en) | 1981-04-15 | 1981-04-15 | Surface treatment steel plate having high corrosion resistance |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5667881A JPS57171692A (en) | 1981-04-15 | 1981-04-15 | Surface treatment steel plate having high corrosion resistance |
Publications (2)
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JPS57171692A JPS57171692A (en) | 1982-10-22 |
JPS6320315B2 true JPS6320315B2 (ja) | 1988-04-27 |
Family
ID=13034077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5667881A Granted JPS57171692A (en) | 1981-04-15 | 1981-04-15 | Surface treatment steel plate having high corrosion resistance |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPS57171692A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Families Citing this family (7)
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-
1981
- 1981-04-15 JP JP5667881A patent/JPS57171692A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012001816A (ja) * | 2009-10-28 | 2012-01-05 | Jfe Steel Corp | 熱間プレス部材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS57171692A (en) | 1982-10-22 |
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