JPS6320286Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取搬送部と、脱穀選別部と、穀粒
回収用の選別装置とを備え、かつ、前記脱穀選別
部に対する保守点検用の開口を左右の脱穀側板に
設けると共に、脱穀コンケーブを、板状部材と棒
状部材からなる格子状の麦用のものと、スパイク
ツースを備える格子状の稲用のものとに交換自在
に構成した普通型コンバインに関する。

上記コンバインにおいて、脱穀処理対象に応じ
て稲用あるいは麦用のものにコンケーブを交換す
るのに、従来は、フオークリフトやクレーンを用
いて刈取搬送部並びに扱胴伝動系を取外し、次に
扱胴軸を抜き取つてフオークリフトにより扱胴を
取出し、この状態でコンケーブを交換すると共
に、それの逆手順によつて扱胴、扱胴軸、扱胴伝
動系、刈取搬送部を装着しており、極めて大掛か
りで繁雑な、しかも多大の時間を要する作業とな
つていた。

本考案は、簡単な改造をもつて上記欠点を解消
することを目的としている。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

シリンダによつて横軸まわりで揺動自在な刈取
搬送部１を走行機体２の前部側に取付け、該刈取
搬送部１からの刈取茎稈の全量を導入して脱穀処
理しかつ脱穀後の排稈中から残留穀粒を分離させ
る脱穀選別部３と、この脱穀選別部３からの処理
物から穀粒を回収する選別装置４とを、前記走行
機体２に搭載し、更に、前記脱穀選別部３の上部
前方側に、操縦部５とグレンタンク６及びエンジ
ン７を配置して、植立茎稈を刈取つて脱穀処理す
ると共に、その処理物から穀粒を回収し、かつ、
排稈を機外放出する普通型のコンバインが構成さ
れている。

前記脱穀選別部３は、脱穀を主体にする第１扱
胴１１と、後脱穀並びに前選別の機能を有する第
２扱胴１２と、排稈中のササリ粒や未脱粒等の残
留穀粒を分離して前記選別装置４に漏下させる選
別回転体１３を、その順に機体後方に向けてかつ
互いに同方向に回転させる状態で左右の側板８に
架設すると共に、それら１１，１２，１３の下部
側にコンケーブ９…を配置し、更に、第１及び第
２扱胴１１，１２の間にビータ１０を設けて成
る。

第２図に示すように、前記第１及び第２扱胴１
１，１２は、駆動軸１４の両側に固着した左右の
側板１５，１５にわたつて、位相を異ならせてス
パイク歯１７とラスプ歯１８を取付けた部材１９
を、周方向に所定間隔おきに設けてなり、そして
前記取付部材１９…は、夫々、駆動軸１４と平行
な軸芯Ｑ周りで回動自在に取付けられ、そして、
その回動枢支部と偏位させて、長手方向両端夫々
にネジ孔２０が備えられ、他方、側板１５，１５
夫々の所定箇所に、回動枢支部を挟んで前記ネジ
孔２０に対応する２個のネジ挿通孔２１，２２が
形成されれおり、その１方のネジ挿通孔２１に前
記ネジ孔２０を連結することによつて、スパイク
歯１７…を径方向外方に突出位置させて稲を脱穀
する状態と、他方のネジ挿通孔２２にネジ孔２０
を連結することによつて、ラスプ歯１８…を径方
向外方に突出位置させて麦を脱穀する状態とに切
換えられるように構成されている。

前記第１及び第２扱胴１１，１２夫々の側板１
５…は、駆動軸１４の軸芯方向視において、周方
向に凹凸状に形成されており、その凸部１５ａに
取付部材１９を枢支連結し、その位相変更に伴つ
て隣り合う凹部１５ｂ，１５ｂにスパイク歯１７
あるいはラスプ歯１８が入り込み可能に構成され
ていて、側板１５，１５夫々より横外側方にもス
パイク歯１７及びラスプ歯１８が設けられてい
る。

前記第１及び第２扱胴１１，１２の下部に位置
するコンケーブ９，９は、周方向において複数個
に分割されかつ着脱自在にボルト連結されてお
り、脱穀選別部３の左右側板８に設けられたカバ
ー付きの保守点検用開口２３を通して、前記第１
及び第２扱胴１１，１２を稲用あるいは麦用に仕
様変更するときに、そのコンケーブ９，９も稲用
と麦用に仕様変更することが簡単に行なえるよう
にしてある。

前記選別回転体１３には、その周方向に間隔を
置いて拡散羽根２４…が設けられており、前記第
２扱胴１２からの処理物を拡散処理して、それに
混在している残留穀粒を前記選別装置４に漏下回
収させるように構成してある。

次に、麦用コンケーブ９の構造について説明す
ると、この麦用コンケーブ９は、第４図、第５
図、第７図に示すように、扱胴回転方向において
間隔をへだてる板状部材２５…と、扱胴軸芯方向
において間隔をへだてる棒状部材２６…とから成
る格子状のものであつて、扱胴軸芯方向において
複数個（図では３個）に分割され、かつ、第６図
に示すように、リンク機構２７によつて上下位置
変更並びに固定自在な枠体２８に対して分割コン
ケーブ９Ａ…の夫々が、前記保守点検用開口２３
を通して着脱自在にボルト連結されている。

前記板状部材２５には、それの長手方向に間隔
を置いて多数の孔ａ…が穿設されており、この板
状部材２５…の複数個のものにおける孔ａ…に棒
状部材２６…が挿通され、かつ、棒状部材２６…
と板状部材２５…の適当箇所が溶接されて分割コ
ンケーブ９Ａ…が形成されているもので、分割コ
ンケーブ９Ａ…のうち枠体２８の一側に装着させ
るものにおいては、その両側に板状部材２５，２
５を位置させてあり、他の分割コンケーブ９Ａ，
９Ａにおいては、一端側に板状部材２５を位置さ
せると共に他端側には棒状部材２６…を突出させ
てあつて、分割コンケーブ９Ａ，９Ａの連結部に
おいて、前記他端側に突出させた棒状部材２６…
を隣接する他方の分割コンケーブ９Ａの板状部材
２５に形成した孔ａ…に挿通させるようにしてあ
る。

即ち、連結部において板状部材２５の数を増や
すことなく、従つてコンケーブ９を従来通りの構
成としながら、前記他端側に突出させた棒状部材
２６…の支持強度を高め、その棒状部材２６…の
剛性を大にして扱き負荷に耐えさせることができ
るようにしてある。尚、前記棒状部材２６…を支
持させる孔ａをバカ孔としてあるが、この孔ａを
先狭まりのテーパー孔とするも良い。

前記枠体２８は、扱胴両側に位置する湾曲部材
２９，２９と、その湾曲部材２９，２９の端部ど
うしを連結する連結部材３０，３０から成り、か
つ前記湾曲部材２９はその断面形状がＬ字状であ
つて、その横部材２９ａをコンケーブ取付部材と
して、それの長手方向に間隔を置いて連結用孔ｂ
…が形成されている。

一方、前記板状部材２５，２５の２個を一対と
して、それの端部どうしを板体３１で連結し、こ
の板体３１…に、前記連結用孔ｂ…と同芯状の孔
ｃ…を形成し、もつて、両孔ｂ，ｃにボルト３２
を挿通すると共にそれにナツト３３を螺合させる
ことにより、分割コンケーブ９Ａ…を着脱自在に
枠体２８に取付けられるようにしてあり、かつそ
の着脱操作を、既述したように保守点検用開口２
３を通して行なえることができるのである。

次に、稲用のコンケーブ９は、第８図及び第９
図に示すように、スパイクツース３４を取付ける
ための板体３５と該板体３５の複数個を部材３６
…で連結した複数個の分割コンケーブ９Ａ…から
成り、前記板体３５…の両端側には、前記枠体２
８の連結用孔ｂ…と同芯状の孔ｄ，ｄを形成して
あつて、前記麦用コンケーブ９の取外し状態にお
いて、前記ボルト３２とナツト３３とにより、稲
用のコンケーブ９を前記保守点検用開口２３を通
して前記枠体２８に着脱自在に取付けられるよう
にしてある。

尚、第１及び第２の扱胴１１，１２と選別回転
体１３とによつて脱穀選別部３を構成してある
が、１個の扱胴を駆動回転自在に左右側板８，８
に架設すると共に、その後部に選別用ストローウ
オーカを設けて脱穀選別部３を構成するなど変形
可能である。

以上説明したように本考案によれば、稲用及び
麦用のコンケーブを複数個に分割して、その分割
コンケーブを本来備える保守点検用開口を通して
着脱できるようにしたものであるから、コンケー
ブを稲用あるいは麦用のものに交換する作業を、
クレーンやフオークリフト等を用いることなく、
簡単容易かつ迅速に行なうことができるようにな
り、しかも、麦用の分割コンケーブの連結部にお
いては、その一方の分割コンケーブの棒状部材を
他方の分割コンケーブの板状部材に形成した孔に
挿通させるようにしたものであるから、麦用コン
ケーブとして、板状部材を増やすことなく従来通
りの構成としながら、その全体の剛性を高く維持
でき、換言すれば、剛性を損なうことなく、しか
も部品数を多くすることなく、分割構造のコンケ
ーブを扱き負荷に耐え得るものに構成できるよう
になつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は普通型
コンバインの全体縦断側面図、第２図は脱穀選別
部の側面図、第３図はラスプ歯の使用状態を示す
説明図、第４図は麦用コンケーブの縦断側面図、
第５図は第４図の−線断面図、第６図は枠体
の斜視図、第７図は麦用分割コンケーブの斜視
図、第８図は稲用分割コンケーブの斜視図、第９
図は同側面図である。 １……刈取搬送部、３……脱穀部、４……選別
装置、８……側板、９……コンケーブ、９Ａ……
分割コンケーブ、１１，１２……扱胴、２３……
保守点検用開口、２５……板状部材、２６……棒
状部材、３４……スパイクツース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取搬送部と、脱穀選別部と、穀粒回収用の選
   別装置とを備え、かつ、前記脱穀選別部に対する
   保守点検用の開口を左右の脱穀側板に設けると共
   に、脱穀コンケーブを、板状部材と棒状部材から
   なる格子状の麦用のものと、スパイクツースを備
   える格子状の稲用のものとに交換自在に構成した
   普通型コンバインであつて、前記麦用及び稲用の
   コンケーブを夫々複数個に分割すると共に、前記
   保守点検用開口を通して分割コンケーブを脱穀選
   別部の内部に着脱自在に取付けられるように構成
   し、かつ麦用の分割コンケーブの連結部におい
   て、一方の分割コンケーブの棒状部材を他方の分
   割コンケーブの板状部材に形成した孔に挿通させ
   てあることを特徴とする普通型コンバイン。