JPS6320220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はテレビジヨン受像機の輝度制限回路に係
るものである。

テレビジヨン受像機の陰極線管の電子ビームが
異常に増加することによつて輝度が高くなるが、
これに伴なつて陰極線管に高圧を供給している水
平偏向出力回路等に異常電流が流れ、回路素子の
破壊を引き起こすことがある。これを防止するた
めに輝度制限回路が用いられているが、回路によ
つては周囲温度に依存して輝度制限の条件が狂
い、その機能を十分に果すことができなくなる。

本案は、このような問題を解決するために提案
されたもので、輝度制限用の制御信号が温度に依
存しない回路配置を提供するものである。本案を
実施例について以下図面に従つて説明する。

第１図は本案の実施例に係る輝度制限回路の回
路図である。１は映像信号の入力端子で、入力さ
れた映像信号は映像増幅器２を経て陰極線管３に
与えられる。４は、水平偏向回路の出力側にある
フライバツクトランス４１から得られる昇圧パル
スを整流器４２を介して取出し、この整流高圧を
陰極線管３のアノードに印加する高圧発生回路で
ある。トランス４１の２次巻線の下端とアース間
には高抵抗が接続され、またこの抵抗に並列に水
平周波数成分を通過させるためのコンデンサ４４
が接続される。５および６はダイオードで、その
アノード間には可変抵抗器１０両端が接続されて
いる。ダイオード６のアノードには電圧源＋B₂
が端子９より抵抗７を介して接続されると共に、
フライバツクトランス４１の２次巻線の下端が接
続されている。８はダイオード５および６をバイ
アスさせるためのトランジスタでエミツタホロワ
接続となつており、そのエミツタ抵抗は１１およ
び１２の直列抵抗で構成されている。トランジス
タ８のエミツタにはダイオード６のカソードが接
続され、抵抗１１および１２の接続点にダイオー
ド５のカソードが接続されている。トランジスタ
８のコレクタは端子１３より電圧源＋B₁に接続
されている。電圧源＋B₁は＋B₂よりも低い電圧
源である。またトランジスタ８のベースバイアス
はバイアス設定回路１４から与えられ、可変抵抗
器１５により調整されている。可変抵抗器１０の
摺動子から輝度制限用の制御信号が取出され、増
幅器１６を経て映像増幅器２に与えられるように
なつている。ここで、抵抗４３は抵抗１０，１
１，１２のいずれよりも高い値を持たせてあるも
のとする。

次に回路動作について説明する。先ず第１図の
回路において、陰極線管３のカソード電圧はトラ
ンジスタ８のエミツタ電圧に相当し、ダイオード
６のアノード端子電圧は通常、このトランジスタ
８のエミツタ電位よりも高くなるよう、端子９
（＋B₂）に印加された電圧を抵抗７で分圧して与
えられている。したがつて、ダイオード６は通
常、導通状態にある。次に、陰極線管３に流れる
ビーム電流が増大してその帰還路を流れるビーム
電流成分が端子９、抵抗７、ダイオード６を流れ
る電流より大きくなると、ダイオード６は遮断状
態になり、以後はビーム電流の増加と共に増幅器
１６への入力電圧すなわち可変抵抗器１０の摺動
子の電位は急激に降下する。この降下する電圧変
化は増幅器１６で増幅されて映像増幅器２に与え
られ、陰極線管３に供給されてビーム電流を制限
する。トランジスタ８はダイオード６およびダイ
オード５にバイアスを与える定電圧源として働
く。トランジスタ８によるダイオード６および５
へのバイアス電源は、トランジスタ８のベース・
エミツタ間のオフセツト電圧V_BEが温度の関数に
なつている為に温度により変化するが、ダイオー
ド６および５のオフセツト電圧V_BEが温度の関数
である為に可変抵抗器１０の両端の電圧は温度に
無関係に一定値に保たれる。

抵抗１１及び可変抵抗器１０の値を低抵抗値に
することにより増幅器１６の入力端子、即ち可変
抵抗器１０の摺動子から可変抵抗１０を見た回路
のインピーダンスを低くすることが可能になり、
増幅器１６への流入電流による影響を無視または
軽減することが出来る。輝度制限を開始する増幅
器１６への入力電圧はダイオード６に流れる電流
により定まるが、この電流は端子９の電圧とトラ
ンジスタ８のエミツタ電圧の差を抵抗７で割つた
値にほぼ等しい。したがつて端子９の電圧を一定
とすれば、トランジスタ８のエミツタ電圧の変化
により増幅器１６の入力電圧は自由に設定するこ
とが出来る。即ち可変抵抗器１５により自由に輝
度制限を開始するビーム電流値を設定することが
出来る。

またトランジスタ８が定電圧源である為にダイ
オード６のスイツチング動作は極めて鋭敏にな
り、急激に変化する輝度制限用の制御信号を得る
ことが可能になり、輝度変化の検出感度が高くな
る。可変抵抗器１０を輝度調節として使用する場
合には単に抵抗１１および１２の抵抗値の比を適
当に選択することにより、整流調節の範囲を変動
せしめ得る。但し、温度補償をよくする為に抵抗
１１は抵抗１２よりかなり低い値に保つておく必
要がある。

本案は以上のようにして輝度制限動作を行なう
ので、ダイオード５，６および抵抗等の簡単な配
置により温度変化に対処できるようにしたもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の実施例に係る輝度制限回路の回
路図である。 ８……トランジスタ、１１および１２……第１
および第２の抵抗、１４……バイアス回路、＋B₂
……定電圧源、７……第３の抵抗、５および６…
…第１および第２の抵抗、１０……可変抵抗器、
１６……制御電圧印加手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 第１および第２の抵抗の直列接続からなるエミ
   ツタ抵抗を持つエミツタホロワ接続のトランジス
   タと、 このトランジスタのエミツタ電位を所定の電位
   に設定するバイアス回路と、 前記トランジスタのエミツタ電位よりも高い電
   位を持つ定電圧源と、 この定電圧源から第３の抵抗を介して第１のダ
   イオードを通り、前記トランジスタのエミツタに
   至る経路に常時電流を流すべく、前記第３の抵抗
   値並びに前記定電圧源の電位を設定してなる第１
   の電流路と、 前記定電圧源から前記第３の抵抗を介して可変
   抵抗器を通り、さらに第２のダイオードを経て前
   記第１の抵抗と第２の抵抗の接続点に至る経路に
   電流を流すための第２の電流路とを設け、 前記トランジスタのエミツタ電位が陰極線管の
   カソード電圧を実質的に支配するように、前記第
   ３の抵抗と前記第１のダイオードとの接続点に、
   高圧発生回路を介して前記陰極線管のアノードを
   実質的に接続するとともに、前記可変抵抗器の摺
   動端子に映像信号増幅器を介して前記陰極線管の
   カソードを実質的に接続することによつて、前記
   陰極線管のビーム電流の帰還路を形成し、かつま
   た前記可変抵抗器の摺動子に現れる電圧変化を輝
   度制限用の制御信号として、前記映像信号増幅器
   に与える制御電圧印加手段を設けることによつ
   て、前記ビーム電流が所定値以上に大きくなると
   き、前記第１のダイオードの導通を遮断し、前記
   第２の電流路のみを活性化することを特徴とした
   輝度制限回路。