JPS6319880B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はメロデイを発生する電子発音装置に関
し、その目的は音楽的効果の高い音を発生させる
ことにある。

記憶回路に記憶した音階、音の長さのデータで
プログラマブルカウンタを制御し、クロツク発生
回路からのクロツクパルスを分周し所定の音階を
得ることによりメロデイを発生させる電子発音装
置の基本構成は第１図に示すように音階、音の長
さを記憶する記憶回路１０１の内容をアドレスカ
ウンタ１０２で指示された番地に従い順次読みだ
し、このデータに基き所定の音階を発生させるた
め、クロツク発生回路１０３から得られるクロツ
クパルスをプログラマブルカウンタ１０４で分周
比を変化させながら分周し、前記カウンタから得
られる電気信号波形を波形処理回路１０５で任意
の波形に変換したり適当なエンベロープを付加し
た後、増幅回路１０６で増幅しスピーカーなどの
電気音響変換器１０７で音として再現する。また
各音の長さは記憶回路１０１から前述した音階の
データと同時に音の長さのデータを読みだしプロ
グラマブルカウンタ１０８の分周比を変える。プ
ログラマブルカウンタ１０８は音符の長さの最も
短かい時間幅のパルスを発生するクロツク発生回
路１０９からのクロツクパルスを分周して所定の
音の長さを決め各音階を読みだすタイミングを制
御する。クロツク発生回路１０９から得られるク
ロツクはクロツク発生回路１０３からのクロツク
パルスを分周して得ても良い。本構成において１
１０は音階発生回路部である。かかる電子発音装
置から得られる音はかなり単調であり、例えばオ
ルゴールなどと比較し音楽効果の点で劣る。

しかるに本発明においては音楽的、音響効果的
に充分実用に供し得る電子発音装置の提供を可能
にするものである。

本発明に係る電子発音装置の構成は第２図に示
したように少なくとも第１図１１０に示した音階
発生回路部を２組設け各々の旋律発生部２０１，
２０２からの電気信号波形を混合増幅回路２０３
で増幅し電気音響変換器２０４から音として出力
する。各旋律発生部には以下の通り音階を発生さ
せる。まず第３図の楽譜に示すようなメロデイを
発生させる場合第１の音階発生系に楽譜に相当す
る音階を発生させ、第２の音階発生系には楽譜に
相当する音階を任意の一定時間遅延させて発生さ
せる。遅延時間Δtは本実施例においては旋律中
の最短音符の1/2程度の時間にしている。各発生
音階にエンベロープを付加した状態で各音階発生
系からの音階発生の様子を第４図に示した。Ａは
前記第１の音階発生系、Ｂは前記第２の音階発生
系からの出力波形を示す。第４図においては音階
発生のアタツクタイミングをエンベロープ波形だ
け示してあるが、実際には第５図に示すように所
定の音階に相当する周波数の波形になつている。
尚、この場合基本波形は矩形波で示してあるが正
弦波、三角波等の場合にも同様である。前記正弦
波、三角波等は波形処理回路において音階発生用
プログラマブルカウンタからの矩形波を波形整形
して得られる。さらに波形処理回路部におけるエ
ンベロープの付加例を第６図に示す。抵抗６０１
とコンデンサ６０２はスイツチとして動作するＮ
チヤンネルMOSトランジスタ６０３に接続され
その他端は正の電源端子６０４に接続されてい
る。

またＮチヤンネルMOSトランジスタ６０３の
一端は負の電源端子６０５に接続されている。

ＮチヤンネルMOSトランジスタ６０３のゲー
トに接続された入力端子６０６には第７図Ａのよ
うにアタツクのための信号波形を入力する。

ゲート電位が高いときにはＮチヤンネルMOS
トランジスタ６０３のON抵抗により第６図Ｂに
示すように端子６０７の電位が変化するまたゲー
ト電位が低くなるとこのＮチヤンネルMOSトラ
ンジスタ６０３はOFFし、コンデンサ６０２に
充電された電荷は抵抗６０１を通して放電する。
入力端子６０８にはエンベロープを付加しようと
する音階発生のための原波形（第７図Ｃ）が入力
される。トランスミツシヨンゲート６０９，６１
０はそれぞれのゲートに与えられる電位により交
互にON、OFFする。６１２はインバータであ
る。その結果、出力端子６１１には第７図Ｄに示
すようなエンベロープの付加された波形が得られ
る。尚、エンベロープの極性を変えるには本実施
例において電源端子を逆にすればよい。

本実施例で述べたエンベロープ波形はアタツク
とリリースから成るものであるが、さらに回路を
複雑にしてアタツク、デイケイ、サステーン、リ
リースの４部分から成る波形にしても良い。エン
ベロープ付加の時定数は各音階発生系からの音が
重なるようにするのが好ましい。以上述べた如く
得られた２系統の音階発生系からの信号波形は加
算、増幅回路に入力され電気音響変換器で音とな
る。

上述の如く、本発明は、旋律発生手段を少くと
も２組設け、一の旋律発生手段は、主旋律を銭構
成する音階を発生し、他の旋律発生手段は、前記
主旋律を構成する音階を一定時間遅延して音階を
発生し、これら２組の旋律発生手段からの出力信
号を混合増幅し、かつ電気音響変換してメロデイ
を発生するようにしたから、１つの音階がわずか
に遅れたタイミングで２度アタツクされる為、エ
コーがかかつた感じが出て、従来の単調な旋律演
奏に比較し、音階性が向上し、聞く者にとり快適
なメロデイが得られる効果を有する。さらに、旋
律発生手段中の波形処理回路には、エンベロープ
付加機能を有しているから、前記エコーがさらに
向上し、音響効果、音楽的効果の大きい広がりの
あるすぐれた電子音を発生する効果を有する。特
に第２図に示したように回路部分は電気音響変換
器と少数の抵抗、コンデンサを除きすべてＣ−
MOS回路などにより集積回路として構成できる
ので民生機器から工業用機器まで巾広く応用でき
る。特に時計機能をもつ回路と同一チツプ内に本
発明に係る回路を作りこめば製造上の工程数をほ
とんど増すことがなく電子音発生機能付の時計が
実現できる。

本発明の実施例を説明するにあたり２系統の音
階発生系を持つ例で説明したがさらに系統をふや
してもかまわないし、遅延時間Δtも曲に合わせ
て変えたり、エンベロープ付加も各系列毎に時定
数を曲に合わせて変えればさらに音楽的効果の増
大が期待できる。尚、本発明に係る実施例を演奏
しようとするメロデイの任意の小節だけに適用し
ても本発明の主旨を逸脱するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は音階発生系列が１つの電子発音装置の
構成を示すブロツク図である。第２図は本発明に
係る電子発音装置の構成を示すブロツク図であ
る。第３図はメロデイ発生例の楽譜である。第４
図は各音階発生系の出力波形（エンベロープ波
形）を示す図である。第５図は実際の出力波形を
示す図である。第６図はエンベロープ付加の実施
例を示す図である。第７図はエンベロープ付加回
路の動作を示す図である。 １０１……記憶回路、１０２……アドレスカウ
ンタ、１０３……クロツク発生回路、１０４……
プログラマブルカウンタ、１０５……波形処理回
路、１０６……増幅回路、１０７……電気音響変
換器、１０８……プログラマブルカウンタ、１０
９……クロツク発生回路、１１０……旋律発生
部、２０１，２０２……旋律発生部、２０３……
混合、増幅回路、２０４……電気音響変換器、６
０１……抵抗、６０２……コンデンサ、６０３…
…MOSトランジスタ、６０４……＋電源端子、
６０５……−電源端子、６０６，６０８……入力
端子、６０７……端子、６０９，６１０……トラ
ンスミツシヨンゲート、６１１……出力端子、６
１２……インバータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ クロツク発生回路と、音階、音の長さを記憶
   する記憶回路と、該クロツク発生回路からのクロ
   ツクパルスを分周して所定の音の長さを決め各音
   階を読みだすタイミングを制御する第１のプログ
   ラマフルカウンタと、該記憶回路のデータに基づ
   き音の長さが規定された音階を発生するための該
   クロツク発生回路からのクロツクパルスを分周す
   る第２のプログラムカウンタと、該第２のプログ
   ラムカウンタの出力信号に対応した波形を形成す
   る波形処理回路とからなる旋律発生手段を有する
   電子発音装置において、該旋律発生手段は少なく
   とも２組で構成され、一の旋律発生手段は主旋律
   を構成する音階を発生し、他の旋律発生手段は、
   該主旋律を構成する音階を一定時間遅延して音階
   を発生し、該２組の旋律発生手段からの出力信号
   を混合増幅して後電気音響変換することによりメ
   ロデイを発生させ、かつ該波形処理回路にエンベ
   ロープ付加機能を有することを特徴とする電子発
   音装置。