JPS6319850Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ウオームとホイールとを使用した
手動操作装置に関し、操作ハンドルの円筒部とウ
オームの軸との完全な結合状態でのみハンドル操
作を可能にし、ウオームの前方のシヤツターの変
形等を防止することを目的とする。

一般に、開閉器等の手動操作装置においては、
ウオームに嵌合された操作ハンドルの円筒部を、
所定の位置、たとえば断路器の投入位置および断
路位置でのみ取り外し可能にする鎖錠機構を備え
たものがある。

すなわち、この種従来の手動操作装置は、第１
図および第２図に示すように構成され、回転自在
に支持された前後方向のウオーム１の上方に左右
方向の操作軸２が設けられ、該操作軸２にウオー
ム１に噛合したホイール３が軸着されるととも
に、ホイール３に連結パイプ４が連結され、ウオ
ーム１の回転によりホイール３を回動し、連結パ
イプ４を介して開閉器等に操作力を伝達するよう
になつている。また、手動操作用の操作ハンドル
５には、ハンドル軸５ａの先端に該ハンドル軸５
ａより大径の円筒部５ｂが一体に形成されるとと
もに、円筒部５ｂの先端開口部周縁の対向する位
置に２個の係合孔５ｃが切り欠いて形成されてお
り、円筒部５ｂをウオーム１の軸部１ａの前端部
に嵌合するとともに、円筒部５ｂの両係合孔５ｃ
をそれぞれ軸部１ａのロールピン６の両端部に係
合することにより、操作ハンドル５とウオーム１
とが機械的に結合され、操作ハンドル５によるウ
オーム１の回転が可能になつている。

さらに、ウオーム１の前方には上下方向に長い
シヤツター７が上下動自在に設けられ、前記操作
軸２に軸着されたレバー８の先端のピン９がシヤ
ツター７に一体の連結金具１０の長孔１１に遊挿
され、ウオーム１の回転に伴なうホイール３の回
動とともにシヤツター７が上下動される。そし
て、当該シヤツター７には、操作ハンドル５のハ
ンドル軸５ａのみが挿通する上下方向の摺動孔８
ａと該摺動孔８ａの上下両端に連通し円筒部５ｂ
が挿通される挿通孔８ｂ，８ｃとからなる鎖錠孔
８が形成されており、ウオーム１の回転によるホ
イール３の所定の回動位置、たとえば開閉器の投
入位置および断路位置において、ウオーム１の前
方に鎖錠孔８の挿通孔８ｂおよび８ｃが位置し、
円筒部５ｂの軸部１ａに対する着脱が可能になつ
ており、不完全な開閉位置では操作ハンドル５の
円筒部５ｂの抜けを阻止し、これにより確実な位
置まで操作を行なうようになつている。

しかし、前記従来の手動操作装置によると、通
常、操作ハンドル５はその形状がクランク形であ
るため、第３図に示すように、負荷回転力が小さ
いときに、円筒部５ｂの不完全挿入状態で操作ハ
ンドル５の把手部に力を加えこれを回転すると、
円筒部５ｂの内周面と軸部１ａとの接触部に摩擦
力が発生し、当該の摩擦トルクで回転力がウオー
ム１に伝達されることになる。したがつて、ウオ
ーム１の回転によるホイール３の回動によりシヤ
ツター７が下動し、このとき、円筒部５ｂがシヤ
ツター８の挿通孔８ｃに挿通した状態にあるた
め、シヤツター７の下動により挿通孔８ｃの上側
縁が円筒部５ｂに当り、その後のシヤツター７の
下動により該シヤツター７に変形を生じる結果と
なる。ここで、シヤツター７にはウオーム１とホ
イール３とで倍力された力が作用するため、シヤ
ツター７に該シヤツター７を変形する程の力が加
わつたとしても、操作ハンドル５の把手部におい
てはこれを感知することが困難である。

したがつて、シヤツター７が容易に変形するた
め、開閉器等の確実な操作が行なえず、故障の原
因となり、また、シヤツター７の変形を防止する
ために、該シヤツター７の厚みを増して強度を向
上すると、シヤツター７が大形化し高価になる欠
点がある。さらに、ウオーム１とホイール３との
倍力比を低下してシヤツター７の変形を感知する
ことにより防止するようにすると、当該操作装置
の操作力に不足を生じ、不都合である。

この考案は、前記の点に留意してなされたもの
であり、回転自在に支持された前後方向のウオー
ムと、前記ウオームに噛合し該ウオームの回転に
より回動して操作力を与えるホイールと、ハンド
ル軸の先端に前記ウオームの軸に嵌合し前記ハン
ドル軸より大径の円筒部を有する操作ハンドル
と、前記ウオームの前方に該ウオームに直交する
方向に移動自在に設けられ前記ホイールの回動に
より移動されるシヤツターと、前記シヤツターに
形成され前記ハンドル軸のみが挿通する摺動孔お
よび該摺動孔の両端に連通し前記円筒部が挿通さ
れる挿通孔からなる鎖錠孔と、前記ウオームの前
部に形成され前記ウオームの軸より小径の小径部
と、前記円筒部内に形成され前記小径部が嵌合す
る嵌合穴とを備えた手動操作装置を提供するもの
である。

したがつて、この考案の手動操作装置による
と、操作ハンドルの円筒部をウオームの軸に嵌合
するとともに、円筒部の嵌合穴にウオームの小径
部を嵌合したときのみ、操作ハンドルがウオーム
に機械的に結合され、操作ハンドルによるウオー
ムの回転が可能になるものであり、円筒部の不完
全挿入状態では、小径部が嵌合孔に嵌合されず、
ハンドル操作時に操作ハンドルにがたつきが生じ
るため不完全挿入が判別でき、従来のようなシヤ
ツターの変形が防止でき、シヤツターの強度を特
に大きくする必要もない。

つぎにこの考案を、その１実施例を示した第４
図以下の図面とともに詳細に説明する。

これらの図面において、前記と同一記号は同一
もしくは対応するものを示し、１２はウオーム１
の前部に一体に形成され軸部１ａより小径の小径
部、１３は操作ハンドル５の円筒部５ｂ内に形成
され小径部１２が嵌合する嵌合穴であり、円筒部
５ｂの先端部が軸部１ａに嵌合して小径部１２が
嵌合穴１３に嵌合した時に、両係合孔５ｃがロー
ルピン６の両端部に係合する。

そして、第４図に示すように、操作ハンドル５
の円筒部５ｂをシヤツター７の挿通孔８ｃより挿
通し、円筒部５ｂ内に小径部１２を遊挿して軸部
１ａに嵌合するとともに、小径部１２を嵌合穴１
３に嵌合させると、ロールピン６が両係合孔５ｃ
に係合し、操作ハンドル５とウオーム１とが機械
的に確実に結合し、操作ハンドル５によりウオー
ム１が回転するとともに、ホイール３が回動し、
所定の操作力が得られる。

また、第６図に示すように、円筒部５ｂの不完
全挿入状態では、小径部１２が嵌合穴１３に嵌合
せず円筒部５ｂ内に遊挿されるため、操作ハンド
ル５を操作してもこの操作力がウオーム１に伝達
されることはなく、しかも、操作時に操作ハンド
ル５ｂに大きながたつきが生じ、不完全挿入状態
であることが容易に判別できる。

したがつて、前記実施例によると、操作ハンド
ル５の円筒部５ｂがウオーム１の軸部１ａに嵌合
し該円筒部５ｂが鎖錠孔８の挿通孔８ｂ，８ｃに
挿通しきつたときのみ、ウオーム１を回転して操
作力を得ることができ、円筒部５ｂの不完全挿入
状態での操作をなくすることができるものであ
り、従来のようなシヤツター７の変形が防止で
き、従来欠点を解消できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来の手動操作装置を示
し、第１図は切断側面図、第２図はシヤツターの
正面図、第３図は不完全挿入状態の一部の切断側
面図、第４図以下の図面はこの考案の手動操作装
置の１実施例を示し、第４図は切断側面図、第５
図ａは操作ハンドルの円筒部の切断側面図、同図
ｂはウオームの軸部の側面図、第６図は不完全挿
入状態の一部の切断側面図である。 １……ウオーム、１ａ……軸部、３……ホイー
ル、５……操作ハンドル、５ａ……ハンドル軸、
５ｂ……円筒部、７……シヤツター、８……鎖錠
孔、８ａ……摺動孔、８ｂ，８ｃ……挿通孔、１
２……小径部、１３……嵌合穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転自在に支持された前後方向のウオームと、
   前記ウオームに噛合し該ウオームの回転により回
   動して操作力を与えるホイールと、ハンドル軸の
   先端に前記ウオームの軸に嵌合し前記ハンドル軸
   より大径の円筒部を有する操作ハンドルと、前記
   ウオームの前方に該ウオームに直交する方向に移
   動自在に設けられ前記ホイールの回動により移動
   されるシヤツターと、前記シヤツターに形成され
   前記ハンドル軸のみが挿通する摺動孔および該摺
   動孔の両端に連通し前記円筒部が挿通される挿通
   孔からなる鎖錠孔と、前記ウオームの前部に形成
   され前記ウオームの軸より小径の小径部と、前記
   円筒部内に形成され前記小径部が嵌合する嵌合穴
   とを備えた手動操作装置。