JPS6319573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高い遮音性が得られると共に、外装部
品の取り付けが容易で、かつ軽量化を促進したエ
ンジンシリンダブロツクに関する。

エンジンシリンダブロツク特にクランクケース
部の外側壁から発散される振動騒音の防止対策と
して比較的振動の小さいシリンダブロツクアデツ
キに遮音板を固定することが有効な手段として考
えられる。

しかし、かかる構造とした場合、前記遮音板が
障害となつてエンジンマウンテイング，補機類等
エンジン外装部品をシリンダブロツク外側壁に振
動遮断状態に取り付けることが難しくなる。

そこで、本考案は少なくとも一部のシリンダブ
ロツク側壁を、ブロツク本体に振動遮断状態に固
定された遮音カバー壁で構成すると共に、該カバ
ーを介して外装部品のエンジンへの取り付けも振
動遮断機能を有して容易に行なえる構造としたエ
ンジンシリンダブロツクを提供するものである。

以下に本考案を図示した実施例に基づいて詳細
に説明する。

第１図に示すエンジン１において、シリンダブ
ロツク本体１１のクランクケース部１２両側壁部
分は、クランク軸軸受部から側方に突出するエン
ジン外装部品取付用のボス１３、これらボス１３
相互間を連結するリブ１４及び後述する遮音カバ
ーを取り付けるための環状のフランジ部１５を残
し、他部分を陥没した骨組構造に鋳造成形する。
即ち、従来構造におけるスカート部側壁を省いて
形成し、かつ前記ボス１３及びフランジ部１５の
端面は同一平面上に形成する。

かかる構造のクランクケース部１２両側壁を覆
つて下記する構造の遮音カバー１６を取り付け
る。

即ち、カバー１６は前記フランジ部１５にボル
ト締めされる環状の取付用枠板部材１７と、該枠
板部材１７の内周面に薄肉の環状防振部材１８を
介して嵌合接着される遮音板本体１９と、該遮音
板本体１９の部品取付用ボス１３に面する部分周
辺を局部的にくり抜いた開口部の内周面に前記同
様薄肉の環状防振部材２０を介して嵌合接着した
部品取付用板部材２１と、で構成され、これら部
材の外表面を同一面上に連結した一枚板に形成し
てある。

取付用枠板部材１７及び部品取付用板部材２１
には、夫々前記フランジ部１５及びボス１３に形
成されたねじ孔に重合するボルト貫通孔１７ａ，
２１ａが形成される。

かかる遮音カバー１６を枠板部材１７をフラン
ジ部１５に重合しボルト締めして固定した後、エ
ンジン外装部品例えばエンジンマウンテイングブ
ラケツト２２を、該ブラケツト２２に形成したボ
ルト貫通孔及び部品取付用板部材２１のボルト貫
通孔２１ａを通したボルト２３をボス１３のねじ
孔にねじ込んで固定する。

かかる構成とすれば、遮音カバー１６において
遮音板本体１９は防振部材１８，２０によつて、
クランクケース部１２に直結された枠板部材１７
及び部品取付用板部材２１との共振を抑制され
る。そして、かかる遮音板本体１９でクランクケ
ース部両側壁部の部品取付部を除く略全面を覆う
ことができ、かつ遮音カバー１６とクランクケー
ス部１２外壁との隙間が密閉された構造により、
該クランクケース部１２外壁から放射される振動
騒音を遮音カバー１６によつて極めて効果的に遮
音することができ遮音機能を著しく向上させるこ
とができるのである。

又、従来シリンダブロツクで一体成形されてい
たクランクケース部の側壁を遮音カバー１６で代
用できるため機関重量を大幅に軽量化できる。

更に、シリンダブロツクへの部品の取付は遮音
カバー１６の部品取付用板部材２１を介して容易
かつ確実に行なえ、遮音カバー１６全体が平坦な
一枚板で形成されるため美観に優れる。

また、第２図は部品取付用板部材２１を介して
エンジンシリンダブロツク内に形成されたオイル
ギヤラリ２９に連通するオイルパイプ３０を接続
する構成に適用したものを示す。

この場合、オイルギヤラリ２９に連通するオイ
ル通路２４を部品取付用ボス１３に形成し、該オ
イル通路２４の先端部に形成したねじ孔２４ａ
に、部品取付用板部材２１の孔２１ａを貫通させ
たコネクタ２５を螺じ込んで固定し、該コネクタ
２５とオイルパイプ２３とをナツト２６で固定し
て接続すればよい。そして、第２図の場合にはコ
ネクタ２５のフランジ部と部品取付用板部材２１
外表面との間に環状のガスケツト２７を介装し部
品取付用板部材２１の内表面に接触する取付用ボ
ス１３端面にＯリング２８を介装してシール機能
を持たせているが、第３図に示すように部品取付
用板部材２１の内外表面に予めラバー等のシール
材１ｂをコーテイングしておけば部品組立はより
容易になる。

以上説明したように本考案によれば、シリンダ
ブロツク本体側壁を別体の遮音カバーで構成し、
かつ該遮音カバーの一部をカバー本体と防振部材
を介して接着したカバー部材で形成し、該カバー
部材を介してエンジン外装部品をシリンダブロツ
クに固定する構成としたから、シリンダブロツク
からの振動騒音を良好に絶縁あるいは遮音できる
と共に、外装部品の取り付けも絶縁あるいは遮音
性に影響を与えることなく容易に行なえ、かつシ
リンダブロツクを大幅に軽量化できる等種々の利
点を備えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案の一実施例を示すエンジンの
側面図、同図Ｂは同図ＡのＡ−Ａ断面図、同図Ｃ
は同図Ｂの要部拡大図、同図Ｄは同図Ａの要部拡
大図、第２図及び第３図は本考案の第２及び第３
の実施例を示す要部断面図である。 １……エンジン、１１……シリンダブロツク本
体、１２……クランクケース部、１３……部品取
付用ボス、１４……リブ、１５……フランジ部、
１６……遮音カバー、１７……取付用枠板部材、
１８，２０……防振部材、１９……遮音板本体、
２１……部品取付用板部材、２２……エンジンマ
ウンテイングブラケツト、２３……ボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シリンダブロツク本体の少なくとも一部側壁
   をカバー取付用フランジ部と部品取付用ボス及
   び該ボス間を連結する補強リブを残し他部分を
   陥没した構造に形成する一方、該シリンダブロ
   ツク本体側壁を覆う遮音カバーを前記カバー取
   付用フランジ部に振動遮断状態に固定してな
   り、かつ前記遮音カバーは部品取付用ボスに面
   した部分を開口し、該開口部の端面に開口部よ
   り小外形寸法を有したカバー部材の端面をつき
   合わせ防振部材を介して重合接着した平板構造
   を有し、該カバー部材を挾んでエンジン外装部
   品を取付用ボスに締結する構成としたことを特
   徴とするエンジンシリンダブロツク。 (2) 遮音カバーが取り付けられるシリンダブロツ
   ク本体側壁はクランクケース部である実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のエンジンシリンダ
   ブロツク。