JPS6319239Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車両のスライドドアの上部に配置
する天井内張り材の取付部構造に関するものであ
る。

従来、第１図に示す如きバン型車においては、
スライドドア１の上方に、第２図に示す如く、ア
ウタパネル部材２とインナパネル部材３とで閉断
面に形成したルーフレール４を、その外側面をル
ーフパネル５にレインレール６を介して固着して
設置し、該ルーフレール４の下側部に天井内張り
材７の端部をクリツプ８とシーリング材９で挾持
して取り付けている。

上記した従来の天井内張り材の取付部構造によ
れば、第３図に示す如くアウタパネル部材２の下
端部とインナパネル部材３の下端部との接合部に
天井内張り材７の下端部が沿わされ、アウタパネ
ル部材２の外側面と天井内張り材７の内側面とに
密着するように長手方向に間隔をあけてクリツプ
８を取り付け、かつ、該クリツプ８を外嵌すると
共にクリツプ取付部以外ではアウタパネル部材外
面と天井内張り材内面に密着するようにウエザー
ストリツプからなるシーリング材９を取り付けて
いる。そのため、シーリング材９はクリツプ８の
取付部位でふくらんだ状態となり、クリツプ８の
長手方向両端部とシーリング材９との間に隙間１
０が生じることとなる。該隙間１０はクリツプ８
の両端部に沿つて、アウタパネル部材外面より部
材接合部下面、天井内張り材内面に連続して生じ
る。そのため、スライドドア１とルーフレール４
の間から吹き込まれる雨水が、上記隙間１０に沿
つて矢印に示す如く浸入し、天井内張り材７の内
面より車室内に水が入り、天井内張り材７にシミ
が生じる等の不具合がある。

この考案は上記した不具合を解消せんとするも
のであり、車体側方のスライドドア上部に位置す
るルーフレールは、アウタパネル部材とインナパ
ネル部材の上下両側の接合フランジが接続されて
前後方向に延びる閉断面状に形成され、該ルーフ
レールの下側接続部には、インナパネル部材の接
合フランジとアウタパネル部材の接合フランジの
接合部よりも下方において両フランジの間に下方
に開放する隙間が形成されており、上記インナパ
ネル部材の車室内面を覆う天井内張り材の側方端
部は、上記隙間で上記アウタパネル部材の下側接
合フランジ外面よりも内方側に位置するクリツプ
部材により保持されると共に、天井内張り材とア
ウタパネル部材の下側接合フランジは、車体とス
ライドドアとの間をシールするシール部と、Ｕ字
状の挟持部が形成された基部とからなるシーリン
グ材の該挟持部により、該挟持部の外側部がアウ
タパネル部材の下側接合フランジの外面側に密着
する状態で挟持されているようにし、よつて、シ
ーリング材を長手方向の全長にわたつてアウタパ
ネル部材の外面に密着させ隙間の発生を防ぐこと
により車室内への浸水を防止するようにしたこと
を特徴とする車両用天井内張り材の取付部構造を
提供するものである。

以下、この考案を図面に示す実施例により詳細
に説明する。尚、上記従来例と同一部材は同一符
号を付す。

第４図及び第５図は第１実施例を示し、スライ
ドドア１の上部に位置するルーフレール１１を、
アウタパネル部材１２とインナパネル部材１３の
上下両側の接合フランジ１２ａと１３ａ、１２ｂ
と１３ｂを接続し、前後方向に延びる閉断面状に
形成している。上記ルーフレール１１の下側接続
部ではアウタパネル部材１２の接合フランジ１２
ｂとインナパネル部材１３の接合フランジ１３ｂ
とを夫々の先端部より所定長さあけた部位を接合
し、スポツト溶接で接続すると共に、該接合部よ
り下方における先端側のインナパネル部材１３を
室内方向に折り曲げて屈折部１３ｃを形成し、該
屈折部１３ｃとアウタパネル部材１２の先端部１
２ｃとの間に下方開口の隙間１４を形成してい
る。

上記ルーフレール１１は、従来と同様に、ルー
フパネル５にレインレール６を介してアウタパネ
ル部材１２を固着して取り付けている。該ルーフ
レール１１のインナパネル部材１３の車室内面を
覆う天井内張り材１５はその側方端部をインナパ
ネル部材１３の屈折部１３ｃの外面に沿わせ、略
面Ｕ字状のクリツプ１６を下方より嵌合し、イン
ナパネル部材１３と天井内張り材１５とをクリツ
プ１６で保持している。該クリツプ１６は外側部
１６ａが隙間１４に位置し、アウタパネル部材１
２の下側接合フランジ１２ｂの外面より内側に位
置すると共に、インナパネル部材１３の外面に密
着する一方、内側部１６ｂが車室内側に位置し天
井内張り材１５の内面に密着している。

また、上記アウタパネル部材１２の下側先端部
１２ｃと上記クリツプ１６の内側部１６ｂとを挾
むようにシーリング材（ウエザーストリツプ）１
７を取り付けている。該シーリング材１７は、外
側部１７ａ内側部１７ｂ、下側連結部１７ｃから
なる略Ｕ字状の挾持部１７ｄを形成した基部と、
外側部１７ａより外方へ突出した車体とスライド
ドアとをシールするドア側シール部１７ｅとより
なる。該シーリング材１７は挾持部１７ｄの外側
部１７ａをアウタパネル部材１２の先端部１２ｃ
外面の全長にわたつて間隙なく密着させ、かつ、
下側連結部１７ｃを間隙１４を閉鎖すると共にク
リツプ１６の下側面に密着させ、内側部１７ｂを
クリツプ１６の内側部１６ｂの内面に密着させた
状態で取り付けている。

このように、クリツプ１６で天井内張り材１５
をインナパネル部材１３に取り付けた後に、シー
リング材１７でクリツプ１６を介して天井内張り
材１５とアウタパネル部材１２とを挾持し、よつ
て、天井内張り材１５をアウタパネル部材１２と
インナパネル部材１３との両方に固着しているこ
とにより、天井内張り材１５はルーフレール１１
に確実に取り付けられる。

また、シーリング材１７がアウタパネル部材１
２の外面に対して、長さ方向の全長にわたつて密
着されているため、ルーフレール１１とスライド
ドア１の間より吹き込む雨水が車室内に浸入する
のが確実に防止できる。

この考案は上記実施例に限定されず、第６図及
び第７図に示す第２実施例の如く構成してもよ
い。即ち、天井内張り材１５′の取付側端部を上
方に折り曲げて屈折部１５′ａを形成し、該屈折
部１５′ａをアウタパネル部材１２とインナパネ
ル部材１３との間隙１４内に挿入し、インナパネ
ル部材１３の外面に沿わせる。また、上記間隙１
４内の屈折部１５ａの外面とアウタパネル部材１
２の内面との間隙１８に、長さ方向に所定間隔を
あけてスペーサー１９を介装している。該スペー
サー１９は屈折部１５′ａを押圧することにより、
インナパネル部材１３と天井内張り材１５′とを
強固に固定し、第１実施例のクリツプ１６と同じ
作用を行なうもので、クリツプ部材の一種であ
る。シーリング材１７′は外側部１７′ａをアウタ
パネル部材１２の外面に密着させると共に内側部
１７′ｂを天井内張り材１５′の内面に密着させて
両者を挾持している。

上記第２実施例においても、シーリング材１
７′をアウタパネル部材１２の外面に、全長にわ
たつて間隙なく密着させているため、車室内への
雨水の浸入が防止できる。

第８図はルーフレール１１のアウタパネル部材
の変形例を示すものであり、アウタパネル部材１
２′を上側部材１２′Ａと下側部材１２′Ｂとに分
けていいる。該アウタパネル部材１２′は、上側
部材１２′Ａの上端部をインナパネル部材１３の
上端部と接続すると共に、その下端水平部を、ル
ーフパネル５及び下側部材１２′Ｂの上端水平部
とに接合し、三者を一体として接続し、かつ、上
側部材１２′Ａの下端水平部を外方へ突出させる
ことによりレインレールを兼ねるようにしてい
る。アウタパネル部材１２′の下側部材１２′Ｂの
下端部とインナパネル部１３の下端部とは上記第
１実施例と同様に接続し、かつ、該ルーフレール
の下側接続部に天井内張り材１５を第１実施例と
同様にクリツプ１６、シーリング１７を介して取
り付けている。

以上の説明より明らかなように、この考案によ
れば、ルーフレールに天井内張り材を取り付ける
シーリング材を、ルーフレールのアウタパネル部
材の外面に対し、長さ方向の全長にわたつて、間
隙なしに密着させているため、天井内張り材の取
付部位からの車室内への雨水等の浸入が確実に防
止できる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両の側面図、第２図は従来の取付構
造を示すもので第１図の−線断面図、第３図
は第２図の−線断面図、第４図はこの考案の
第１実施例を示す断面図、第５図は第４図の−
線断面図、第６図はこの考案の第２実施例を示
す断面図、第７図は第６図の−線断面図、第
８図はアウタパネル部材の変形例を示す断面図で
ある。 １……スライドドア、５……ルーフパネル、１
１……ルーフレール、１２……アウタパネル部
材、１３……インナパネル部材、１４……間隙、
１５……天井内張り材、１６……クリツプ、１７
……シーリング材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体側方のスライドドア上部に位置するルーフ
   レールは、アウタパネル部材とインナパネル部材
   の上下両側の接合フランジが接続されて前後方向
   に延びる閉断面状に形成され、該ルーフレールの
   下側接続部にはインナパネル部材の接合フランジ
   とアウタパネル部材の接合フランジの接合部より
   も下方において両フランジの間に下方に開放する
   隙間が形成されており、上記インナパネル部材の
   車室内面を覆う天井内張り材の側方端部は、上記
   隙間で上記アウタパネル部材の下側接合フランジ
   外面よりも内方側に位置するクリツプ部材により
   保持されると共に、上記天井内張り材とアウタパ
   ネル部材の下側接合フランジは、車体とスライド
   ドアとの間をシールするシール部と、Ｕ字状の挟
   持部が形成された基部とから成るシーリング材の
   該挟持部により、該挾持部の外側部がアウタパネ
   ル部材の下側接合フランジの外面側に密着する状
   態で挟持されていることを特徴とする車両用天井
   内張り材の取付部構造。