JPS63190146A - シヤドウマスク用Ｆｅ−Ｎｉ合金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は黒化処理性に優れたシャドウマスク用Ｆｅ−Ｎ
１合金に関する。

〔従来の技術〕

近年、カラーテレビの高品位化に伴い。

色ずれの問題に対応できる低熱膨張のシャドウマスク材
料としてＦａ−Ｎｉ系のインバー合金が注目されている
。

しかし、この合金は従来の低炭素鋼のシャドウマスク材
に較ベプレス成形性及び黒化処理性に劣るという２つの
大きな問題を有している。

これらのうち黒化処理性の問題は、特に悪化処理時に形
成される酸化膜（以下、悪化膜と称す）の均一性、黒色
度及び密着性が良くないことを意味するが、これらは、
酸化しにくいＮ１を多く含むこと、またＦｅ−Ｎｉ合金
での黒化膜の均一な形成に不純物元素の影響が大きく現
われることに起因している。このような黒化処理性の問
題に対し、＠開昭６０−１９４０５９号にセいて５Ｆｅ
−Ｎｉ系インバー合金に充分な黒色度を有し且つ緻密で
密着性の曳い黒化膜を形成させるようにした熱処理方法
が提案されている。この方法は、水蒸気を適正量に制御
し、且つ前段は酸化力の弱い雰囲気中で、また後段は酸
化力の強い雰囲気中でそれぞれ処理するというものであ
る。

一方、プレス成形性の問題はＦｅ　−Ｎｉ合金の強度が
本質的に高いことに起因したものであるが、近年プレス
成形性をＣｒ添加により向上させた所謂低降伏強度イン
バー合金が開発された。しかし、このＣｒ添加の低降伏
強度インバー合金は、プレス前に施される真空または低
露点の山雰囲気での高温焼鈍時にＣｒｙ）７１面濃化が
生じ１通常のインバー合金に比べさらに悪化処理性が劣
るという致命的な問題を有している。

このような問題、特に低降伏強度インバー合金の黒化膜
密着性の改善を目的として、特開昭６１−２０１７１＄
７号のシャドウマスク材及び特開昭６１−２０１７６４
号の製造方法が提案されている。このうち前者は紅を０
．３〜１．０　ｗｔチ添加したものであり、後者は黒化
処理を０３を体積率１−以上含む雰囲気中で行なうとい
うものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、以上のような従来の方法のうち。

黒化処理方法に関する特開昭６０−１９４０５９号およ
び特開昭６１−２０１７６４号では、黒化処理を特定雰
囲気で行うため、従来用いられ−でいる黒化処理炉が使
用できず、工業上の実用性１こ乏しい。

一方、成分面の制御により悪化膜の密着性向上を図る特
開昭６１−２０１７５７号は１Ａｔを高めるものである
ためアルミナ系介在物が多くなり、このため、■エツチ
ング性が悪くなる。■プレス前の軟質化焼鈍時の粒成長
が抑制され、プレス前の軟質化が達成されず、プレス成
形性に問題を生じる等、シャドウマスクの基本性能の点
から必ずしも有利とは言い難い。

このように低降伏強度型インバー合金はプレス成形性に
優れ、有望なシャドウマスク材料であるにもかかわらず
、在来の黒化処理炉を用いて密着性の優れた悪化膜を形
成することは困離であった。また、この種のＣｒ添加低
強度インバー合金の黒化膜の黒色度を向上する技術も未
だ提案された例はない。

本発明はこのような従来の問題に鑑み黒化処理性、とり
わけ黒化膜密着性が優れ、十分な黒色度か得られるシャ
ドウマスク用低降伏強度型インバー合金を提供せんとす
るものである。

〔問題を解決するための手段〕

このため本発明は、Ｎｉ：３４〜３８Ｗｔｑｂ。

Ｃｒ　：　１〜３　ｗｔ％　、　Ａｔ：　０．０２ｖｔ
　ｆ６以下、Ｂ：０．００１０〜０１００４０Ｗｔｉ　
８１　：０．３ｗｔ＊以下。

Ｍｎ　：　０．４　ｗｔ　ｆｂ以下で且つ８１＋Ｍｎ≦
ｏ、５ｗｔ５鍬予の成分を有し、残部Ｆｅ及び不可避不
純物からなることをその基本的特徴とする。

以下１本発明の詳細な説明する。

本発明は低熱膨張係数を有する低降伏強度のインバー合
金をその対象としているが、本発明者等は実用上問題の
ない熱膨張特性として、平均熱膨張係数（３０〜Ｚｏｏ
℃）の上限を３．０Ｘ１０／’Ｃと定めた・熱膨張特性
はＮ１量に依存し、上記の平均熱膨張係数の条件を満す
成分範囲は、Ｎｌ量か３４〜３８ｗｔ％の場合である。

このため本発明合金のＮ１量は３４〜３８ｗｔチとする
。なお、Ｎｌ量は必要とされる熱膨張係数に応じ上記範
囲内で選択される。

本発明の対象とする低降伏強度のインバー合金は、Ｃｒ
添加が基本となるが、Ｃｒ量が１ｖｔチ未満では十分な
軟質化が図れず、一方、３ｗｔ　’１６を超えると逆に
固溶強化によって強度が高くなり、このためＣＦの含有
量は１〜３ｗｔ１とした。

本発明が目標とする黒化処理性向上とは。

均−性及び密着性に優れ、十分な縄色度を有する悪化膜
を形成させることを意味するが、この目標は特にＡｔ、
　８１　、　Ｍｎ及びＢ量の規定により達成される。具
体的には、黒化膜の均一性は主にＡｔ、黒色度は主にＢ
、密着性は主にＳｉ、Ｍｎ及びＢにそれぞれ支配される
。

Ａｔは０．０２ｗｔ％を超えると黒化処理時に形成され
る酸化膜か不均一になり、黒色度にムラが生じるため好
ましくなく、このため０．０２ｗｔ％を上限として含有
せしめられる。

本発明者等は−Ｓｉ　ｓ　Ｍｎ量の異なる低強度インバ
ー合金の冷延板（板厚０．２５１ｍ）を脱脂した後、７
５チＨ１−２５チＮ３．露点−４０℃　の雰囲気で１０
００℃×２０分の焼鈍をし１次いで水蒸気中で７６０℃
Ｘ２０分の黒化処理を行い、その後、悪化膜の密着性を
９０曲げテスト後接着テープに張り付ける剥離試験によ
り調べた。その結果を第１図に示す、この供試材はＢ量
ｆ）１０．００１０〜０．００４０ｗｔ　Ｔｏ　（７）
範囲（本発明範囲）のものであるが、この条件下では、
　ｓｉが０．３ｗｔ％以下ｓ　Ｍｎが０．４ｗｔ％以下
で且つＳｌとＭｎの和かｏ、　ｓ　ｗｔ　％以下の時に
悪化膜の密着性が優れていることが判った。このような
８１．Ｍｎによる黒化膜密着性の劣化は。

プレス前の軟質化焼鈍時にＳｉ、Ｍｎの散化物が不均一
に形成されることに基づくものと考えられる。このため
本発明では、　８１　：　０．３ｗｔチ以下ｓ　Ｍｎ　
：　０．４ｖｔｒｔ　１以下、　Ｓｉ＋Ｍｎ≦０．５ｗ
ｔチ→→とする。

また本発明者等は、低降伏強度インバー合金の悪化膜の
黒色度を向上させるべく、成分の影響、製造条件の検討
を行い、この結果、微量Ｂ添加により黒色度が向上する
ことを見い出した。

すなわち１本発明者等はまず黒化膜そのものと黒色度と
の関係について検討を加え、悪化膜の黒色度が黒化膜の
厚さにより変化し。

悪化膜の厚さが約１μｍ以上でないと十分な黒色度が得
られないことを突止めた。そこで、黒化膜の厚さを黒色
度の指標とし、　ＡＬ、Ｓｉ及びＭｎを上記範囲とした
低降伏強度インバー合金の冷延板を７５１Ｈ１−２５％
Ｎｇ　、露点−４０℃の雰囲気にて１０５０℃×１０分
焼鈍した供試材を用い、これを７００〜８００℃の温度
範囲で水蒸気雰囲気にて悪化処理し、形成された悪化膜
厚さを測定した。しかし、膜厚１　ｐｍ以上を得る条件
はいずれの黒化処理温度でも、焼鈍時間が２時間を超え
る長時間側にあり、経済的薔ζ黒色度の十分な悪化膜を
形成するという観点からは不十分なものであった。

そこで本発明者等は１表面偏析傾向の強いＢに着目し、
　ｋＬ、　ＳＬ及びＭｎは上記範囲でＢ量を変化させた
インバー合金の冷延板を、７５’４　Ｈｚ　−２５’Ｉ
ｋ　Ｎｓ、露点−４０℃にて１０００℃８１５分焼鈍し
た後、７５０℃×３０分、水蒸気中にて黒化処理を行な
い、悪化膜の膜厚を測定した。

第２図に、この時の悪化膜の黒色度及び密着性に及ぼす
Ｂ量の影響を示す。これによれば悪化膜の厚さはＢ量が
０．００１’Ｒ以上で約１μｍ以上であり、黒色度は十
分である。一方。

密着性ｌ−Ｉ　Ｂ量がＯ，０Ｏ１０Ｗｔｆｉ未満及ヒ０
．００４０ｖｔ’ｌｉ超において劣化し、特に０．００
４０ｗｔ％超で著しく劣化した１以上の点から、黒色度
が十分で且つ密着性が劣化しないＢ量として０．０Ｑ１
０〜０．００４０ｗｔチを規定する。

このようにＢ添加により、黒色度が向上するのは、プレ
ス前の軟質化焼鈍時でのＣｒの表面濃化がＢの表面偏析
により抑制されることを通じ、必要厚さの酸化層が均一
に生成されることに基づくものと考えられる。また、Ｂ
量が０．００４０ｗｔ嗟を超えて密着性が劣化するのは
、Ｂによるコンタミネーションによるものであり、また
Ｂ量がＱ、００１０ｗｔ％未清で劣化するのは、Ｂによ
る密着性向上効果が十分でないことによるものであると
考えられる。

〔実施例〕

第１表に示すような本発明例（ａｘｄ）及び比較例（ｅ
−ｊ）の合金を真空溶解炉にて溶製し、分塊−熱延−冷
延を経て最終板厚０．２■の供試材とした。これを第２
表に示すプレス前の軟質化焼鈍の条件で焼鈍した後、黒
化処理を行ない、黒化膜の均一性、密着性及び膜厚を調
べた。なお、均一性の評価は黒色度のムラを目視観察す
ることにより行なった。

密着性は、供試材を９０曲げテスト後接着テープに張り
つける剥離テストにより行なった。

その結果を第２表に示す、これによれば、本発明側部１
〜ｍ４は、プレス前の軟質化焼鈍の雰囲気かＨ，＋−混
合ガス、真空雰囲気のいずれの場合でも、黒化膜の均一
性は良好で、密着性も良く、また膜厚も１μｍを超え、
十分な黒色度を有している。

これに対し＊８ｉ、Ｍｎ、Ｂ及び８１＋Ｍｎが本発明範
囲にあり、Ａｔが本発明範囲外にある比較例ｍ　５　ｓ
　Ｍｌ　９は、プレス前焼鈍をＨ，＋Ｎ、混合ガス、−
１１１；空中のいずれで行なっても、黒化膜の密着性は
良好で且つ膜厚はｌｐｍ以上であるが、黒色度にムラが
あり、均一性に劣っているーこのように、　Ａｔが本発
明範囲を超える場合、形成される酸化膜の性状は著しく
劣化した。

また、−６と醜１２．隠７とＮａ１３及び階８と１＠１
４の各比較例はそれぞれＳｉ、Ｍｎ及びＳｉ＋Ｍｎが本
発明成分範囲外にあり、その他の成分は本発明範囲内の
比較例であるが、これらはプレス前焼鈍がいずれの雰囲
気でも黒化膜の均一性は良好で膜厚もｌ　ｐｍを超え、
黒色度は十分であるか、密着性は劣っている。

さらに、比較例部９及びＮａ１５はＢ量が本発明の規定
量未満で、その他の成分は本発明範囲内のものであり、
これらはプレス前焼鈍の雰囲気がいずれの場合でも黒色
度の均一性は良好であるが、膜厚は１μｍ未満で黒色度
は十分でなく、また密着性も劣っている。

比較例ｍ　１０及びＮａ１６はＢ量か本発明の規定量を
超えるもので、その他の成分は本発明範囲内のものであ
り、これらはプレス前の焼鈍の雰囲気かいずれの条件で
も、黒化膜の均一性は良好で膜厚もｌ　ｐｎ＆以上と十
分な黒色度を有しているか、密着性は劣っている。この
ように８１　ｓ　Ｍｎ及び８ｉ＋Ｍｎが本発明範囲でも
、Ｂが本発明の規定量を超えると密着性が劣化し、Ｂ量
の上限も重要な要素であることか判る・ 〔発明の効果〕 以上述べたように本発明によれば、プレス成形性に優れ
た低降伏強度型インバー合金であって、黒化処理性、と
りわけ悪化膜の密着性に優れしかも十分な黒色度を有す
るシャドウマスク用Ｆｅ　−Ｎｉ合金を提供することが
できる。

なお１本発明合金を用いてシャドウマスクを製造する場
合、プレス前の軟質化焼鈍の雰囲気は、実施例で示すよ
うに低露点のＨ，−Ｎ、雰囲気、または高真空中であれ
ばよく、このような通常の焼鈍条件により本発明の効果
は十分に発揮される。また、黒化処理条件も通常の水蒸
気雰囲気でよいため在来の設備で容易に製造することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は黒化膜の密着性に及ぼすＳ　ｉ　ｍ　Ｍｎ量の
影響を示したものである。第２図は悪化膜の厚さ、密着
性に及ぼすＢ量の影響を示したものである。 ｔｓ　１　図 ０　　０．２　　０．４　　０．６　　０．８Ｍｒ量　
　ｔｗｔ知 第　　２　　図 Ｂ量　（ｗｔ勾 手続補正書印釦 昭和６２年　３１１１６０ 特、Ｉｉ庁ｌモ宜黒田明雄　　殿 （特許片寄６宜　　　　　　　　　　　　　　　殿）１
、事件の表示 昭和　６２年　　　特　　許　願第　２１７０４　　号
２、発明の名称 シャドウマスク用Ｆｅ−Ｎ１合金 （４１２）　８＊鋼管株式会社 、４゜代理人 ５、補正命令の日付　　昭和　　年　　月　　ロア、補
正の内容　　別紙のとおり 補　　正　　内　　容 を本願添附図面中「第１図」を別紙のように訂正する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. Ｎｉ：３４〜３８ｗｔ％、Ｃｒ：１〜３ｗｔ％、Ａｌ：
   ０．０２ｗｔ％以下、Ｂ：０．００１０〜０．００４０
   ｗｔ％、Ｓｉ：０．３ｗｔ％以下、Ｍｎ：０．４ｗｔ％
   以下で且つＳｉ＋Ｍｎ≦０．５ｗｔ％の成分を有し、残
   部Ｆｅ及び不可避不純物からなるシヤドウマスク用Ｆｅ
   −Ｎｉ合金。