JPH0676650B2 - シャドウマスク用Ｆｅ―Ｎｉ合金 - Google Patents
シャドウマスク用Ｆｅ―Ｎｉ合金Info
- Publication number
- JPH0676650B2 JPH0676650B2 JP2170487A JP2170487A JPH0676650B2 JP H0676650 B2 JPH0676650 B2 JP H0676650B2 JP 2170487 A JP2170487 A JP 2170487A JP 2170487 A JP2170487 A JP 2170487A JP H0676650 B2 JPH0676650 B2 JP H0676650B2
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- Japan
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- film
- adhesion
- blackness
- blackening
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- Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は黒化処理性に優れたシヤドウマスク用Fe−Ni合
金に関する。
金に関する。
近年、カラーテレビの高品位化に伴い、色ずれの問題に
対応できる低熱膨張のシヤドウマスク材料としてFe−Ni
系のインバー合金が注目されている。
対応できる低熱膨張のシヤドウマスク材料としてFe−Ni
系のインバー合金が注目されている。
しかし、この合金は従来の低炭素鋼のシヤドウマスク材
に較べプレス成形性及び黒処理性に劣るという２つの大
きな問題を有している。
に較べプレス成形性及び黒処理性に劣るという２つの大
きな問題を有している。
これらのうち黒化処理性の問題は、特に黒化処理時に形
成される酸化膜（以下、黒化膜と称す）の均一性、黒色
度及び密着性が良くないことを意味するが、これらは、
酸化しにくいNiを多く含むこと、またFe-Ni合金で黒化
膜の均一な形成に不純物元素の影響が大きく現われるこ
とに起因している。このような黒化処理性の問題に対
し、特開昭60-194059号において、Fe-Ni系インバー合金
に充分な黒色度を有し且つ緻密で密着性の良い黒化膜を
形成させるようにした熱処理方法が提案されている。こ
の方法は、水蒸気を適正量に制御し、且つ前段は酸化力
の弱い雰囲気中で、また後段は酸化力の強い雰囲気中で
それぞれ処理するというものである。
成される酸化膜（以下、黒化膜と称す）の均一性、黒色
度及び密着性が良くないことを意味するが、これらは、
酸化しにくいNiを多く含むこと、またFe-Ni合金で黒化
膜の均一な形成に不純物元素の影響が大きく現われるこ
とに起因している。このような黒化処理性の問題に対
し、特開昭60-194059号において、Fe-Ni系インバー合金
に充分な黒色度を有し且つ緻密で密着性の良い黒化膜を
形成させるようにした熱処理方法が提案されている。こ
の方法は、水蒸気を適正量に制御し、且つ前段は酸化力
の弱い雰囲気中で、また後段は酸化力の強い雰囲気中で
それぞれ処理するというものである。
一方、プレス成形性の問題はFe-Ni合金の強度が本質的
に高いことに起因したものであるが、近年プレス成形性
をCu添加により向上させた所謂低降伏強度インバー合金
が開発された。しかし、このCr添加の低降伏強度インバ
ー合金は、プレス前に施される真空または低露点のH2雰
囲気での高温焼鈍時にCrの表面濃化が生じ、通常のイン
バー合金に比べさらに黒化処理性が劣るという致命的な
問題を有している。
に高いことに起因したものであるが、近年プレス成形性
をCu添加により向上させた所謂低降伏強度インバー合金
が開発された。しかし、このCr添加の低降伏強度インバ
ー合金は、プレス前に施される真空または低露点のH2雰
囲気での高温焼鈍時にCrの表面濃化が生じ、通常のイン
バー合金に比べさらに黒化処理性が劣るという致命的な
問題を有している。
このような問題、特に低降伏強度インバー合金の黒化膜
密着性の改善を目的として、特開昭61-201757号のシヤ
ドウマスク材及び特開昭61-201764号の製造方法が提案
されている。このうち前者はAlを0.3〜1.0wt％添加した
ものであり、後者はO2を体積率１％以上含む雰囲気中で
黒化処理を行なうというものである。
密着性の改善を目的として、特開昭61-201757号のシヤ
ドウマスク材及び特開昭61-201764号の製造方法が提案
されている。このうち前者はAlを0.3〜1.0wt％添加した
ものであり、後者はO2を体積率１％以上含む雰囲気中で
黒化処理を行なうというものである。
しかし、以上のような従来の方法のうち、黒化処理方法
に関する特開昭60-194059号および特開昭61-201764号で
は、黒化処理を特定雰囲気で行うため、従来用いられて
いる黒化処理炉が使用できず、工業上の実用性に乏し
い。
に関する特開昭60-194059号および特開昭61-201764号で
は、黒化処理を特定雰囲気で行うため、従来用いられて
いる黒化処理炉が使用できず、工業上の実用性に乏し
い。
一方、成分面の制御により黒化膜の密着性向上を図る特
開昭61-201757号は、Alを高めるものであるためアルミ
ナ系介在物が多くなり、このため、エツチング性が悪
くなる、プレス前に軟質化焼鈍時の粒成長が抑制さ
れ、プレス前の軟質化が達成されず、プレス成形性に問
題を生じる等、シヤドウマスクの基本性能の点から必ず
しも有利とは言え難い。
開昭61-201757号は、Alを高めるものであるためアルミ
ナ系介在物が多くなり、このため、エツチング性が悪
くなる、プレス前に軟質化焼鈍時の粒成長が抑制さ
れ、プレス前の軟質化が達成されず、プレス成形性に問
題を生じる等、シヤドウマスクの基本性能の点から必ず
しも有利とは言え難い。
このように低降伏強度型インバー合金はプレス成形性に
優れ、有望なシヤドウマスク材料であるにもかかわら
ず、在来の黒化処理炉を用いて密着性の優れた黒化膜を
形成することは困難であった。また、この種のCr添加低
強度インバー合金の黒化膜の黒色度を向上する技術も未
だ提案された例はない。
優れ、有望なシヤドウマスク材料であるにもかかわら
ず、在来の黒化処理炉を用いて密着性の優れた黒化膜を
形成することは困難であった。また、この種のCr添加低
強度インバー合金の黒化膜の黒色度を向上する技術も未
だ提案された例はない。
本発明はこのような従来の問題に鑑み、黒化処理性、と
りわけ黒化膜均一性及び密着性が優れ、十分な黒色度が
得られるシヤドウマスク用低降伏強度型インバー合金を
提供せんとするものである。
りわけ黒化膜均一性及び密着性が優れ、十分な黒色度が
得られるシヤドウマスク用低降伏強度型インバー合金を
提供せんとするものである。
このため本発明は、Ni:34〜38wt％、Cr:1〜3wt％、Al:
0.003〜0.02wt％、B:0.0010〜0.0040wt％、Si:0.3wt％
以下、Mn:0.4wt％以下で且つしSi＋Mn≦0.5wt％の成分
を有し、残部Fe及び不可避不純物からなることを基本的
特徴とする。
0.003〜0.02wt％、B:0.0010〜0.0040wt％、Si:0.3wt％
以下、Mn:0.4wt％以下で且つしSi＋Mn≦0.5wt％の成分
を有し、残部Fe及び不可避不純物からなることを基本的
特徴とする。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明は低熱膨張係数を有する低降伏強度のインバー合
金をその対象としているが、本発明者等は実用上問題の
ない熱膨張特性として、平均熱膨張係数（30〜100℃）
の上限を3.0×10-6／℃と定めた。熱膨張特性はNi量に
依存し、上記の平均熱膨張係数の条件を満す成分範囲
は、Ni量が34〜38wt％の場合である。このため本発明合
金のNi量は34〜38wt％とする。なお、Ni量は必要とされ
る熱膨張係数に応じ上記範囲内で選択される。
金をその対象としているが、本発明者等は実用上問題の
ない熱膨張特性として、平均熱膨張係数（30〜100℃）
の上限を3.0×10-6／℃と定めた。熱膨張特性はNi量に
依存し、上記の平均熱膨張係数の条件を満す成分範囲
は、Ni量が34〜38wt％の場合である。このため本発明合
金のNi量は34〜38wt％とする。なお、Ni量は必要とされ
る熱膨張係数に応じ上記範囲内で選択される。
本発明の対象とする低降伏強度のインバー合金は、Cr添
加が基本となるが、Cr量が1wt％未満では十分な軟質化
が図れず、一方、3wt％を超えると逆に固溶強化によつ
て強度が高くなり、このためCrの含有量は１〜3wt％と
した。
加が基本となるが、Cr量が1wt％未満では十分な軟質化
が図れず、一方、3wt％を超えると逆に固溶強化によつ
て強度が高くなり、このためCrの含有量は１〜3wt％と
した。
本発明が目標とする黒化処理性向上とは、均一性及び密
着性に優れ、十分な黒色度を有する黒化膜を形成させる
ことを意味するが、この目標は特にAl,Si,Mn及びＢ量の
規定より達成される。具体的には、黒化膜の均一性は主
にAl、黒色度は主にＢ、密着性は主にSi、Mn及びＢにそ
れぞれ支配される。
着性に優れ、十分な黒色度を有する黒化膜を形成させる
ことを意味するが、この目標は特にAl,Si,Mn及びＢ量の
規定より達成される。具体的には、黒化膜の均一性は主
にAl、黒色度は主にＢ、密着性は主にSi、Mn及びＢにそ
れぞれ支配される。
Alは脱酸のために必要な元素であると共に、本合金にあ
っては黒化膜の均一性向上に寄与する成分である。その
含有量が0.003wt％未満では脱酸が不十分であり、結果
的に酸化物系介在物が多くなって、シャドウマスクのエ
ッチング性が劣化する。一方黒化膜密着性の向上させる
ために必要な成分であるが、0.02wt％を超えると黒化処
理時に形成される酸化膜が不均一になり、黒色度にムラ
が生じるため好ましくなく、このため0.02wt％を上限と
して含有せしめられる。
っては黒化膜の均一性向上に寄与する成分である。その
含有量が0.003wt％未満では脱酸が不十分であり、結果
的に酸化物系介在物が多くなって、シャドウマスクのエ
ッチング性が劣化する。一方黒化膜密着性の向上させる
ために必要な成分であるが、0.02wt％を超えると黒化処
理時に形成される酸化膜が不均一になり、黒色度にムラ
が生じるため好ましくなく、このため0.02wt％を上限と
して含有せしめられる。
本発明者等は、Si、Mn量の異なる低強度インバー合金の
冷延板（板厚0.25mm）を脱脂した後、75％H2−25％N2、
融点−40℃の雰囲気で1000℃×20分の焼鈍をし、次いで
水蒸気中で760℃×20分の黒化処理を行い、その後、黒
化膜の密着性を90°曲げテスト後接着テープに張り付け
る剥離試験により調べた。その結果を第１表に示す。こ
の供試材はＢ量が0.0010〜0.0040wt％の範囲（本発明範
囲）のものであるが、この条件下では、Siが0.3wt％以
下、Mnが0.4wt％以下で且つSiとMnの和が0.5wt％以下の
時に黒化膜の密着性が優れていることが判つた。このよ
うなSi、Mnによる黒化膜密着性の劣化、プレス前の軟質
化焼鈍時にSi、Mnの酸化物が不均一に形成されることに
基づくものと考えられる。このため本発明では、Si:0.3
wt％以下、Mn:0.4wt％以下、Si＋Mn0.5wt％とする。
冷延板（板厚0.25mm）を脱脂した後、75％H2−25％N2、
融点−40℃の雰囲気で1000℃×20分の焼鈍をし、次いで
水蒸気中で760℃×20分の黒化処理を行い、その後、黒
化膜の密着性を90°曲げテスト後接着テープに張り付け
る剥離試験により調べた。その結果を第１表に示す。こ
の供試材はＢ量が0.0010〜0.0040wt％の範囲（本発明範
囲）のものであるが、この条件下では、Siが0.3wt％以
下、Mnが0.4wt％以下で且つSiとMnの和が0.5wt％以下の
時に黒化膜の密着性が優れていることが判つた。このよ
うなSi、Mnによる黒化膜密着性の劣化、プレス前の軟質
化焼鈍時にSi、Mnの酸化物が不均一に形成されることに
基づくものと考えられる。このため本発明では、Si:0.3
wt％以下、Mn:0.4wt％以下、Si＋Mn0.5wt％とする。
また本発明者等は、低降伏強度インバー合金の黒化膜の
黒色度を向上させるべく、成分の影響、製造条件の検討
を行い、この結果、微量Ｂ添加により黒色度が向上する
ことを見い出した。
黒色度を向上させるべく、成分の影響、製造条件の検討
を行い、この結果、微量Ｂ添加により黒色度が向上する
ことを見い出した。
すなわち、本発明者等はまず黒化膜そのものと黒色度と
の関係について検討を加え、黒化膜の黒色度が黒化膜の
厚さにより変化し、黒化膜の厚さが約１μｍ以上でない
と十分な黒色度が得られないことを突止めた。そこで、
黒化膜の厚さを黒色度の指標とし、Al、Si及びMnを上記
範囲とした低降伏強度インバー合金の冷延板を75％H2−
25％N2、融点−40℃の雰囲気にて1050℃×10分焼鈍した
供試材を用い、これを700〜800℃の温度範囲で水蒸気雰
囲気にて黒化処理し、形成された黒化膜厚さを測定し
た。しかし、膜厚１μｍ以上を得る条件はいずれの黒化
処理温度でも、焼鈍時間が２時間を超える長時間側にあ
り、経済的に黒色度の十分な黒化膜を形成するという観
点からは不十分なものであつた。
の関係について検討を加え、黒化膜の黒色度が黒化膜の
厚さにより変化し、黒化膜の厚さが約１μｍ以上でない
と十分な黒色度が得られないことを突止めた。そこで、
黒化膜の厚さを黒色度の指標とし、Al、Si及びMnを上記
範囲とした低降伏強度インバー合金の冷延板を75％H2−
25％N2、融点−40℃の雰囲気にて1050℃×10分焼鈍した
供試材を用い、これを700〜800℃の温度範囲で水蒸気雰
囲気にて黒化処理し、形成された黒化膜厚さを測定し
た。しかし、膜厚１μｍ以上を得る条件はいずれの黒化
処理温度でも、焼鈍時間が２時間を超える長時間側にあ
り、経済的に黒色度の十分な黒化膜を形成するという観
点からは不十分なものであつた。
そこで本発明者等は、表面偏析傾向の強いＢに着目し、
Al、Si及びMnは上記範囲でＢ量を変化させたインバー合
金の冷延板を、75％H2−25％N2、露点−40℃にて1000℃
×15分焼鈍した後、750℃×30分、水蒸気中にて黒化処
理を行ない、黒化膜の膜厚を測定した。第２図に、この
時の黒化膜の黒色度及び密着性に及ぼすＢ量の影響を示
す。これによれば黒化膜の厚さはＢ量が0.0010wt％以上
で約１μｍ以上であり、黒色度は十分である。一方、密
着性はＢ量が0.0010wt％未満及び0.0040wt％超において
劣化し、特に0.0040wt％超で著しく劣化した。以上の点
から、黒色度が十分で且つ密着性が劣化しないＢ量とし
て0.0010〜0.0040wt％を規定する。
Al、Si及びMnは上記範囲でＢ量を変化させたインバー合
金の冷延板を、75％H2−25％N2、露点−40℃にて1000℃
×15分焼鈍した後、750℃×30分、水蒸気中にて黒化処
理を行ない、黒化膜の膜厚を測定した。第２図に、この
時の黒化膜の黒色度及び密着性に及ぼすＢ量の影響を示
す。これによれば黒化膜の厚さはＢ量が0.0010wt％以上
で約１μｍ以上であり、黒色度は十分である。一方、密
着性はＢ量が0.0010wt％未満及び0.0040wt％超において
劣化し、特に0.0040wt％超で著しく劣化した。以上の点
から、黒色度が十分で且つ密着性が劣化しないＢ量とし
て0.0010〜0.0040wt％を規定する。
このようにＢ添加により、黒色度が向上するのは、プレ
ス前の軟質化焼鈍時でのCrの表面濃化がＢの表面偏析に
より抑制されることを通じ、必要厚さの酸化膜が均一に
生成されることに基づくものと考えられる。また、Ｂ量
が0.0040wt％を超えて密着性が劣化するのは、Ｂによる
コンタミネーシヨンによるものであり、またＢ量が0.00
10wt％未満で劣化するのは、Ｂによる密着性向上効果が
十分でないことによるものであると考えられる。
ス前の軟質化焼鈍時でのCrの表面濃化がＢの表面偏析に
より抑制されることを通じ、必要厚さの酸化膜が均一に
生成されることに基づくものと考えられる。また、Ｂ量
が0.0040wt％を超えて密着性が劣化するのは、Ｂによる
コンタミネーシヨンによるものであり、またＢ量が0.00
10wt％未満で劣化するのは、Ｂによる密着性向上効果が
十分でないことによるものであると考えられる。
第１表に示すような本発明例（ａ〜ｄ）及び比較例（ｅ
〜ｆ）の合金を真空溶解炉にて溶製し、分塊−熱延−冷
延を経て最終板厚0.2mmの供試材とした。これを第２表
に示すプレス前の軟質化焼鈍の条件で焼鈍した後、黒化
処理を行ない、黒化膜の均一性、密着性及び膜厚を調べ
た。なお、均一性の評価は黒色度のムラを目視観察する
ことにより行なつた。密着性は、供試材を90°曲げテス
ト後接着テープに張りつける剥離テストにより行なつ
た。その結果を第２表に示す。これによれば、本発明例
NO.1〜NO.4は、プレス前の軟質化焼鈍の雰囲気がH2＋N2
混合ガス、真空雰囲気のいずれの場合でも、黒化膜の均
一性は良好で、密着性も良く、また膜厚も１μｍを超
え、十分な黒色度を有している。
〜ｆ）の合金を真空溶解炉にて溶製し、分塊−熱延−冷
延を経て最終板厚0.2mmの供試材とした。これを第２表
に示すプレス前の軟質化焼鈍の条件で焼鈍した後、黒化
処理を行ない、黒化膜の均一性、密着性及び膜厚を調べ
た。なお、均一性の評価は黒色度のムラを目視観察する
ことにより行なつた。密着性は、供試材を90°曲げテス
ト後接着テープに張りつける剥離テストにより行なつ
た。その結果を第２表に示す。これによれば、本発明例
NO.1〜NO.4は、プレス前の軟質化焼鈍の雰囲気がH2＋N2
混合ガス、真空雰囲気のいずれの場合でも、黒化膜の均
一性は良好で、密着性も良く、また膜厚も１μｍを超
え、十分な黒色度を有している。
これに対し、Si,Mn,B及びSi＋Mnが本発明範囲にあり、A
lが本発明範囲外にある比較例NO.5、NO.9は、プレス前
焼鈍をH2＋N2混合ガス、真空中のいずれで行なつても、
黒化膜の密着性は良好で且つ膜厚は１μｍ以上である
が、黒色度にムラがあり、均一性に劣つている。このよ
うに、Alが本発明範囲を超える場合、形成される酸化膜
の性状は著しく劣化した。
lが本発明範囲外にある比較例NO.5、NO.9は、プレス前
焼鈍をH2＋N2混合ガス、真空中のいずれで行なつても、
黒化膜の密着性は良好で且つ膜厚は１μｍ以上である
が、黒色度にムラがあり、均一性に劣つている。このよ
うに、Alが本発明範囲を超える場合、形成される酸化膜
の性状は著しく劣化した。
また、NO.6とNO.12、No.7とNO.13及びNO.8とNO.14の各
比較例はそれぞれSi、Mn及びSi＋Mnが本発明成分範囲外
にあり、その他の成分は本発明範囲内の比較例である
が、これらはプレス前焼鈍がいずれの雰囲気でも黒化膜
の均一性は良好で膜厚も１μｍを超え、黒色度は十分で
あるが、密着性は劣つている。
比較例はそれぞれSi、Mn及びSi＋Mnが本発明成分範囲外
にあり、その他の成分は本発明範囲内の比較例である
が、これらはプレス前焼鈍がいずれの雰囲気でも黒化膜
の均一性は良好で膜厚も１μｍを超え、黒色度は十分で
あるが、密着性は劣つている。
さらに、比較例NO.9及びNO.15はＢ量が本発明の規定量
未満で、その他の成分は本発明の範囲内のものであり、
これらはプレス前焼鈍の雰囲気がいずれの場合でも黒色
度の均一性は良好であるが、膜厚は１μｍ未満で黒色度
は十分でなく、また密着性も劣つている。
未満で、その他の成分は本発明の範囲内のものであり、
これらはプレス前焼鈍の雰囲気がいずれの場合でも黒色
度の均一性は良好であるが、膜厚は１μｍ未満で黒色度
は十分でなく、また密着性も劣つている。
比較例NO.10及びNO.16はＢ量が本発明の規定量を超える
もので、その他の成分は本発明範囲内のものであり、こ
れらはプレス前の焼鈍の雰囲気がいずれの条件でも、黒
化膜の均一性は良好で膜厚も１μｍ以上と十分な黒色度
を有しているが、密着性は劣つている。このようにSi、
Mn及びSi＋Mnが本発明範囲でも、Ｂが本発明の規定量を
超えると密着性が劣化し、Ｂ量の上限も重要な要素であ
ることが判る。
もので、その他の成分は本発明範囲内のものであり、こ
れらはプレス前の焼鈍の雰囲気がいずれの条件でも、黒
化膜の均一性は良好で膜厚も１μｍ以上と十分な黒色度
を有しているが、密着性は劣つている。このようにSi、
Mn及びSi＋Mnが本発明範囲でも、Ｂが本発明の規定量を
超えると密着性が劣化し、Ｂ量の上限も重要な要素であ
ることが判る。
〔発明の効果〕 以上述べたように本発明によれば、プレス成形性に優れ
た低降伏強度型インバー合金であつて、黒化処理性、と
りわけ黒化膜の均一性及び密着性に優れしかも十分な黒
色度を有するシヤドウマスク用Fe−Ni合金を提供するこ
とができる。
た低降伏強度型インバー合金であつて、黒化処理性、と
りわけ黒化膜の均一性及び密着性に優れしかも十分な黒
色度を有するシヤドウマスク用Fe−Ni合金を提供するこ
とができる。
なお、本発明合金を用いてシヤドウマスクを製造する場
合、プレス前の軟質化焼鈍の雰囲気は、実施例で示すよ
うに低露点のH2−N2雰囲気、または高真空中であればよ
く、このような通常の焼鈍条件により本発明の効果は十
分に発揮される。また、黒化処理条件も通常の水蒸気雰
囲気でよいため在来の設備で容易に製造することができ
る。
合、プレス前の軟質化焼鈍の雰囲気は、実施例で示すよ
うに低露点のH2−N2雰囲気、または高真空中であればよ
く、このような通常の焼鈍条件により本発明の効果は十
分に発揮される。また、黒化処理条件も通常の水蒸気雰
囲気でよいため在来の設備で容易に製造することができ
る。
第１図は黒化膜の密着性に及ぼすSi、Mn量の影響を示し
たものである。第２図は黒化膜の厚さ、密着性に及ぼす
Ｂ量の影響を示したものである。
たものである。第２図は黒化膜の厚さ、密着性に及ぼす
Ｂ量の影響を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 隆良 東京都千代田区丸の内１丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−174353（ＪＰ，Ａ)
Claims (1)
- 【請求項１】Ni:34〜38wt％、Cr:1〜3wt％、Al:0.003〜
0.02wt％、B:0.0010〜0.0040wt％、Si:0.3wt％以下、M
n:0.4wt％以下で且つしSi＋Mn≦0.5wt％の成分を有し、
残部Fe及び不可避不純物からなるシャドウマスク用Fe-N
i合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2170487A JPH0676650B2 (ja) | 1987-02-03 | 1987-02-03 | シャドウマスク用Ｆｅ―Ｎｉ合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2170487A JPH0676650B2 (ja) | 1987-02-03 | 1987-02-03 | シャドウマスク用Ｆｅ―Ｎｉ合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63190146A JPS63190146A (ja) | 1988-08-05 |
| JPH0676650B2 true JPH0676650B2 (ja) | 1994-09-28 |
Family
ID=12062443
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2170487A Expired - Fee Related JPH0676650B2 (ja) | 1987-02-03 | 1987-02-03 | シャドウマスク用Ｆｅ―Ｎｉ合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0676650B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0778271B2 (ja) * | 1988-08-19 | 1995-08-23 | 日本冶金工業株式会社 | エッチング時のスジむら抑制効果に優れるＦｅ−Ｎｉ系合金の製造方法 |
| CA1319589C (en) * | 1988-08-19 | 1993-06-29 | Masaomi Tsuda | Method of producing fe-ni series alloys having improved effect for restraining streaks during etching |
| FR2641796B1 (fr) * | 1988-08-19 | 1993-01-08 | Nippon Yakin Kogyo Co Ltd | Procede de production d'alliages de la serie fe-ni-b ayant un effet moderateur ameliore de la presence de trainees pendant la gravure |
| JP2567159B2 (ja) * | 1991-05-17 | 1996-12-25 | 日本冶金工業株式会社 | 黒化処理性に優れたＦｅ−Ｎｉ系シャドウマスク材 |
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1987
- 1987-02-03 JP JP2170487A patent/JPH0676650B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPS63190146A (ja) | 1988-08-05 |
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