JPS6318643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は芯ズレ金具を用いて例えば２階梁を形
成するラチス梁に、正規の取付位置とは異なる芯
ズレした片持梁を、容易かつ強固に取付けうるよ
うにした片持梁取付構造に関する。

ラチス梁を用いる例えばプレハブ工法の建築物
において、バルコニー、ベランダ等を形成する片
持梁を前記ラチス梁に取付ける場合、ラチス梁に
予設される側プレートとは芯ズレした位置に片持
梁を取付けることが必要となる場合が多い。

本考案はラチス梁の両側面に対置、架設される
側プレートに、室外側の側プレートの横方向にの
びる張出し部を具える芯ズレ金具を取付けること
により、側プレートとは芯ズレした位置に片持梁
が容易にかつ強固に取付けられ、前記要請に適合
しうる片持梁取付構造（以下構造という）の提供
を目的とし、以下その一実施例を図面に基づき説
明する。

図において本考案の構造は、側プレート２，３
を架設したラチス梁４に芯ズレ金具５を用いて、
側プレート３から芯ズレした位置に、片持梁６を
取付けるものであつて、ラチス梁４は上弦材９、
下弦材１０との間をラチス１１によつて接続する
とともに、上弦材９、下弦材１０間には、ラチス
梁４の両側面で同巾の前記側プレート２，３を向
かい合わせて架設している。該側プレート２，３
は、その上端で、上弦材９、下弦材１０の内面に
当接、溶着され、かつ中央部は上弦材９、下弦材
１０の外面ａと面一な外面ｂを形成するよう外方
に向つて、上弦材９下弦材１０の上下端部の折曲
げ部ｃで屈曲し、又側プレート２，３はその中央
部を結ぶ連結片１２により連結される。又側プレ
ート２，３には、該連結片１２の両側で対称に上
下に各３つの透孔１３を設ける。

芯ズレ金具５は、前片１５と、後片１６とを、
継ぎ片１７により連結しかつ前片１５に張出し部
１９と、下弦材１０上面にのびる脚片２０とを突
設したものであつて、本実施例では、溝型材を用
いたコ字枠２１の一方のフランジが前記後片１６
を、ウエブが継ぎ片１７を夫々形成し、又他方の
フランジと該フランジに溶着される当て板２２と
が協働して前片１５を形成する。又当て板２２に
は継ぎ片１７をこえて横方向に延設され前記張出
し部１９を形成するとともに、前記コ字枠２１の
前片１５側のフランジは下方にのびかつ下端で内
方にかつ水平に折曲がる前記脚片２０を構成す
る。なおコ字枠２１および当て板２２の高さは、
前記側プレート２，３の折曲げ部ｃ，ｃ間の長さ
と等しく設定され、かつ後片１６および前片１５
は側プレート２，３の半分長さに形成する。

又前記張出し部１９は、外方に折曲がり前片１
５が、側プレート３の内面に当接した際、張出し
部１９の外面ｄは、側プレート３の外面ｂと面一
となる。なお前片１５、後片１６には前記透孔１
３と位置合わせ可能な透孔２３が透設されかつ張
出し部１９にも等しいピツチで透孔２５が穿設さ
れ、かつその背部には予じめナツト２６を溶着し
ている。

なお図中２９は梁材であつて側プレート２の折
曲げ部ｃ，ｃ間での形状とほぼ等しい寸度の端部
板３０を溶着し、又片持梁６の端面にも側プレー
ト３と同形状の端部板３１が溶着され、又台端部
板３０，３１には、透孔１３と位置合わせしうる
透孔３３を穿設する。

然して本考案の構造において、側プレート２を
室内側に、側プレート３を室外側にして横架され
た前記ラチス梁４に、前記芯ズレ金具５を、その
後片１６を側プレート２の内面に、前片１５を側
プレート３の内面に夫々当接させ挿入することに
より張出し部１９は、側プレート３に隣り合いか
つその外面ｄは、側プレート３の外面ｂと面一と
なる。又脚片２０は下弦材１０の上面に載置さ
れ、かつ前記梁材２９は側プレート２の外面にそ
の端部板３０をボルトを用いてラチス梁４に直交
させ螺結される。又片持梁６は、張出し部１９と
該張出し部１９と側プレート３とにその端部板３
１を当接、跨がらせてボルト止め、固定すること
によつて、第２図に示すごとく、梁材２９が側プ
レート２と正しく位置合わせされ又片持梁６は側
プレート３の半分長さ分芯ズレし固定できる。

又芯ズレ金具５は、前片１５と後片１６とが、
前片１５と張出し部１９との間を通る継ぎ片１７
を介し連結されているため、片持梁６に作用する
荷重は継ぎ片１７を介して室内側の側プレート２
に伝達でき、側プレート３およびラチス梁４に過
大な集中荷重が作用するのを防ぐ。さらに前記実
施例のごとく脚片２０は下弦材１０の上面に当接
するため、下弦材１０によつても荷重を効率よく
分担させうる。

叙上のごとく本考案の構造は、ラチス梁に芯ズ
レ金具を取付けることにより、片持梁を、予設さ
れた側プレートに芯ズレして取付ける際にも、荷
重を継ぎ片を介し他方の側プレートに伝達でき、
従つて該片持梁の取付強度を増大しかつ安定化し
うるとともに、芯ズレ金具は側プレートの内面に
夫々当接させ、取付けできその取付作業も容易と
なり、施工能率を向上しうるなど、優れた効果を
奏しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図はその組立てを示す断面図である。 ２，３……側プレート、４……ラチス梁、５…
…芯ズレ金具、６……片持梁、９……上弦材、１
０……下弦材、１５……前片、１６……後片、１
７……継ぎ片、１９……張出し部、２０……脚
片、２９……梁材、３１……端部板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラチス梁の上、下弦材間にその両側面で側プレ
   ートを対置、架設し、かつ室内側の側プレートに
   前記ラチス梁に直交する梁材を固定する一方、室
   外側、室内側の側プレートの内面に当接、結合さ
   れる前片、後片間を継ぎ片により連結しかつ室外
   側の側プレートの横方向にのびる張出し部が前片
   から突設されるとともに該前片に下弦材上面にの
   びる脚片を設けた芯ズレ金具を、前記前片、後片
   を室外側、室内側の側プレートの内面に当接、固
   定することにより取付け、かつ芯ズレ金具の張出
   し部と室外側の側プレートとに片持梁の端部材を
   跨がらせて固定することを特徴とする片持梁取付
   構造。