JPS631860B2 - - Google Patents

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JPS631860B2
JPS631860B2 JP57151690A JP15169082A JPS631860B2 JP S631860 B2 JPS631860 B2 JP S631860B2 JP 57151690 A JP57151690 A JP 57151690A JP 15169082 A JP15169082 A JP 15169082A JP S631860 B2 JPS631860 B2 JP S631860B2
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blood
fiber membrane
gas
fluid
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JP57151690A
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Michio Sugano
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Terumo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、体外血液循環において、血液中の二
酸化炭素を除去し、血液中に酸素を添加する中空
糸型人工肺に関する。 先行技術 従来、開心術の補助手段等として、内壁から外
壁にかけて連通する多数の細孔を有するガス交換
用の疎水性の中空糸膜を介して、血液とガスとを
接触させてガス交換する中空糸型人工肺が用いら
れている。 上記中空糸型人工肺においては、中空糸膜が疎
水性であることから、血液が細孔を通過すること
なく、したがつて、中空糸膜の血液流路側から他
方への血液洩れを生ずることなく、ガス中の酸素
を血液中に添加し、血液中の二酸化炭素をガス中
へ除去することを可能としている。 しかしながら、上記中空糸型人工肺を長時間に
わたつて使用した場合、中空糸膜の製造ロツトに
よつて大きく異なるある発生率で、中空糸膜の血
液流路側から他方への血液洩れを生ずることがあ
る。この現象は人工肺の製造段階において水漏れ
試験を行ない、異常のないことを確認したものに
ついても認められるものであり、使用時に生じる
現象である。 上記血液洩れは、人工肺というきわめて高い信
頼性を要求される人工臓器においては、特に許容
しがたい欠陥である。中空糸型人工肺は他の気泡
型人工肺等に比してより長時間の血液循環に使用
することができるという長所を有し、特に高齢者
等で心臓の機能が低下しており手術後に使用する
場合また肺外傷等で一時的に肺機能が低下してい
るときに使用する場合には数週間に亙り使用され
ることがある。このような長期に亙る使用に際
し、上記血液洩れの発生は出血多量を防止する為
に輸血を必要とする等の不都合を生ぜしめること
がある。 発明の目的 本発明は、長時間にわたつて使用される場合に
も、中空糸膜における血液洩れの発生を安全かつ
完全に防止できる中空糸型人工肺を提供すること
を目的とする。 発明の構成 上記目的を達成するために、本発明は、内壁か
ら外壁にかけて連通する多数の細孔を有するガス
交換用の疎水性の中空糸膜を介して、第1の流体
としての血液またはガスと、第2の流体としての
ガスまたは血液とを接触させてガス交換する中空
糸型人工肺において、ハウジングと、該ハウジン
グ内に収納される該中空糸膜の集合体と、該中空
糸膜の両端部を上記ハウジングに液密に保持する
隔壁と、該隔壁の外側にそれぞれ設けられ、上記
中空糸膜の内部空間に連通する第1の流体流入室
と第1の流体流入口と、第1の流体流出室と第1
の流体流出口と、上記隔壁と上記ハウジング内壁
と上記中空糸膜外壁とで構成される第2の流体室
と、該第2の流体室に連通する第2の流体流入口
および第2の流体流出口とを有し、上記疎水性の
中空糸膜が少なくともガス流入口付近のガスに接
触する面に、疎水性の皮膜形成剤からなる被覆を
有するようにしたものである。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の中空糸膜が、ポリオレフインからなるよう
にしたものである。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の中空糸膜が、延伸法により細孔を形成され
たポリプロピレン中空糸であるようにしたもので
ある。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の被覆が、浸漬コーテイング法によつて形成
されているようにしたものである。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の被覆が、スプレーコーテイング法によつて
形成されているようにしたものである。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の被覆が、水に対する臨界表面張力が
28dyn/cm以下である材質からなるようにしたも
のである。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の被覆が、シリコーンであるようにしたもの
である。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記シ
リコーンが、シリコーンオイルからなるようにし
たものである。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記シ
リコーンが、シリコーンゴムからなるようにした
ものである。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記シ
リコーンが、部分架橋型のシリコーンであるよう
にしたものである。 発明の具体的説明 本発明者の知見によれば、前記のような血液洩
れは常に吹送ガスによつて乾燥される付近の中空
糸膜に生じ、その中空糸膜を電子顕微鏡によつて
観察すると、血液洩れの発生部位には割れ目の存
在が認められる。この割れ目は、始めからあつた
ものか、血液成分と乾燥の相互作用によつて発生
したものか明らかではない。少なくとも製造時に
おける水漏れ試験では異常が発見されなかつたも
のである。いずれにしても、中空糸膜の疎水性を
更に強化すべく、中空糸膜を疎水性の皮膜形成剤
で被覆したところ、以下に具体的実施例を挙げて
説明するように、長時間にわたつて使用される場
合にも、中空糸膜に血液洩れを全く生ずることの
ない中空糸型人工肺を得ることが可能となつた。
なお上記被覆は中空糸膜の細孔を閉塞させるもの
ではなく、ガス交換性能の実用上の低下は認めら
れなかつた。 第1図は本発明が適用される中空糸型人工肺の
一実施例を示す断面図であり、第2図は本発明が
適用される中空糸型人工肺の中空糸膜への被覆形
成方法の第1例を示す略断面図である。 人工肺10を構成する筒状ハウジング11の内
部空間には、中空糸膜12の集合体13が収納さ
れている。中空糸膜12の両端部は、隔壁14,
15を介してハウジング11に液密に保持されて
いる。ハウジング11の両端部には、ヘツダー1
6,17が、ハウジング11に螺合される締結体
18によつて接続されている。ヘツダー16の内
面と隔壁14とは、中空糸膜12の内部空間に連
通する第1の流体流入室としての血液流入室19
を画成し、ヘツダー16には、第1の流体流入口
としての血液流入口20が形成されている。ヘツ
ダー17の内面と隔離15とは、中空糸膜12の
内部空間に連通する第1の流体流出室としての血
液流出室21を画成し、ヘツダー17には、第1
の流体流出口としての血液流出口22が形成され
ている。また、隔壁14,15、ハウジング11
の内壁および中空糸膜12の外壁とは、第2の流
体室としてのガス室23を画成し、ハウジング1
1の両端側には、それぞれガス室23に連通す
る、第2の流体流入口としてのガス流入口24、
および第2の流体流出口としてのガス流出口25
が形成されている。なお、ハウジング11の内壁
中央部には、集合体13の外径を縮径する絞り2
6が設けられ、ガス流のガス室23内における流
れの均一化、流速の向上を図り、人工肺10のガ
ス交換効率を良好化している。 ここで、中空糸膜12は、ポリオレフインとし
てのポリプロピレンからなり、軸方向に延伸され
る延伸法により、その内壁から外壁にかけて連通
する多数の細孔を形成されている。上記延伸法に
よる場合には、溶融法で形成された場合の様な細
孔形成用不溶性物質の血液中への混入等の可能性
が全くなく、安全かつ容易に細孔を形成すること
が可能である。各中空糸膜12は、内径200μ、
肉厚25μとされ、20000本の中空糸膜12によつ
て集合体13を形成し、有効長13cm、膜面積1.6
m2の人工肺10を形成している。なお、中空糸膜
12は、ポリオレフインとしてのポリエチレンに
よつて形成されるものであつてもよい。すなわ
ち、上記人工肺10にあつては、中空糸膜12内
に血液を流すとともに、ガス室23内に酸素、空
気等のガスを流し、血液中に酸素を吸収させると
同時に、前記ガス中へ血液中の二酸化炭素を移行
させることを可能としている。 しかして、上記人工肺10にあつては、長時間
にわたる使用状態下で、中空糸膜12の血液洩れ
発生を完全に防止すべく、中空糸膜12の外面、
すなわちガスに接する面に、疎水性の皮膜形成剤
としての、特に生体に対する安全性の高いシリコ
ーンの一種で、コーテイング作業性およびコーテ
イング安全性の高い部分架橋型のシリコーン、す
なわちアミノアルキルシロキサン−ジメチルシロ
キサン共重合体が、第2図に示す浸漬コーテイン
グ法によつて被覆されている。すなわち、この浸
漬コーテイング法においては、例えば、50重量%
の上記シリコーン原液を有機溶剤としてのフレオ
ンに溶かした5容積%溶液または10容積%溶液
を、供給管31から充填管32に充満するまで供
給し、ガス室23内を上記シリコーン溶液によつ
て2分程度満した後に排出し、中空糸膜12の内
外を通気乾燥し、中空糸膜12内に細孔を介して
シリコーンの侵入があつた場合にも、該シリコー
ンを外部に排出し、中空糸膜12の外面すなわち
ガスに接触する面の全面に均一なシリコーン被覆
を形成可能としている。 上記実施例に係る人工肺10の血液洩れ試験結
果を示せば以下の通りである。 まず、サンプルとして未処理品、前記5%溶液
コーテイング品、前記10%溶液コーテイング品を
それぞれ5個使用し、下記(1)〜(5)からなる血液洩
れ評価方法に基づく血液洩れ試験を行なつた。こ
の評価方法は通常の使用条件よりも血液洩れが生
じ易い条件下において評価することを可能とす
る。すなわち、(1)試験に使用する牛血は、ヘマト
クリツト35%に調整し、温度は37℃とし、採血当
日または翌日使用する。抗凝固剤は、原血液1
に対し、ヘパリン3000単位、ACD50mlを使用す
る。(2)人工肺に牛血液を導入し、通常使用の最大
血流量にて循環する。ガス吹送流量は血流量と等
しくする。この際、人工肺の血液出口近傍を狭窄
し、血液流路内圧を400mmHgとなるように調整す
る。(3)前記条件にて4時間循環後血流を停止す
る。ガス吹送は連続して行なう。(4)15分後に、ガ
ス流を停止し、血液流量を再開し、特にガス吹送
口近傍を観察する。(5)1時間観察し、中空糸膜表
面に血液洩れが認められなければ良しとする。こ
の血液洩れの試験の結果、未処理品の3個に流れ
る洩れが生じ、未処理品の2個に小さな点状の洩
れが生じたのに対し、5%溶液コーテイング品お
よび10%溶液コーテイング品にはそれぞれ全く洩
れの発生が見られなかつた。 次に、サンプルとして未処理品2個、5%溶液
コーテイング品5個を使用し、犬を用いた長時間
循環によつて血液洩れが発生するか否かを実験し
た。実験動物は雑犬とし、硫酸ケタミン静注麻酔
下に、頚動静脈バイパスにより、部分体外循環を
行なつた。循環血流量は1/minを目標とした
が、動物の循環動態に応じて調整した。循環時間
は24時間を目標としたが、23時間で終了した場合
もあつた。ガス−血液流量比は1とし、人工肺出
口側を狭窄し、回路内圧を400mmHgとした。この
結果、未処理品2個は9時間目と12時間目に血液
洩れを発生したが、5%溶液コーテイング品は全
く血液洩れを発生しなかつた。 上記実施結果によれば、本発明の実施により、
人工肺10が長時間にわたつて使用される場合に
も、中空糸膜12における血液洩れの発生が完全
に防止可能となることが認められる。すなわち、
中空糸膜12を形成しているポリプロピレンの臨
界表面張力が29dyn/cmであるのに対し、その中
空糸膜12の外面に被覆されたアミノアルキルシ
ロキサン−ジメチルシロキサン共重合体の臨界表
面張力は20dyn/cm程度に小であり、水に対する
接触角が95度以上であることから、中空糸膜12
の疎水性が著しく強化され、血液洩れの完全な防
止が図られるものと考えられる。 なお、本発明者によれば、中空糸膜12の内面
すなわち血液と接触する前に被覆を形成する場合
にも、血液洩れの防止が可能であることが認めら
れた。しかしながら、中空糸膜の血液流路側壁面
に被覆を形成する場合には、疎水性皮膜形成剤が
血液に接触し、皮膜形成剤の生体に対する悪影
響、血液損傷の発生の可能性があることから、本
発明にあつては、中空糸膜のガスに接触する壁面
側にのみ被覆を形成することとする。 また、上記実施例は、シリコーンの溶剤として
フレオンを用いる場合について説明したが、ヘキ
サンとイソプロピルアルコールの1対5〜1対1
の混合溶媒を上記溶剤として用いても良い。すな
わち、中空糸膜を形成するポリオレフイン、例え
ばポリプロピレンおよびポリエチレンの各臨界表
面張力はそれぞれ29dyn/cm、31dyn/cmである
ことから、シリコーンの有機溶剤としては、シリ
コーンが溶け、かつ表面張力が中空糸膜素材の表
面張力より小さい液体であれば使用可能となる。
因に、フレオンの表面張力は19dyn/cm、ヘキサ
ンは18.4dyn/cm、イソプロピルアルコールは
21.4dyn/cmである。 また、上記実施例は、中空糸膜12の全面に被
覆を形成する場合について説明した。ところで前
述のように、本発明者の知見によれば、血液洩れ
は常に吹送ガスによつて乾燥される付近の中空糸
膜に生じていることから、被覆形成部位は、中空
糸膜の少なくともガス流入口付近に限定可能であ
ることが考えられる。そこで、第3図に示す第2
例におけるように、ガス吹送口としてのガス流入
口24を鉛直下方に配置し、ガス流入口24に接
続した供給管41から上記実施例におけると同一
の5%溶液コーテイング液もしくは10%溶液コー
テイング液を流入させ、中空糸膜12の全長の1/
4〜1/3程度をコーテイング液で浸漬した後、コー
テイング液を排出することにより、ガス流入口付
近の中空糸膜のみに被覆を形成した。このように
して作製した4個の人工肺に対し、上記実施例に
おけると同様な血液洩れ試験を行なつたところ、
血液洩れの発生は全く認められなかつた。 また、前記実施例は浸漬コーテイング法によつ
て中空糸膜12に被覆を形成する場合について説
明したが、スプレーコーテイング法によつて被覆
することにより、コーテイング後の乾燥工程を不
要もしくは少時間とすることが可能となる。すな
わち、第4図に示す第3例におけるように、ヘキ
サンとイソプロピルアルコールの混合溶媒を用い
た5%コーテイング液を、空気流入管51を備え
るネブライザー52によつて微粒子とし、供給管
53を介してガス流入口24からガス室23に送
気し、ガス流出口25から排気した。コーテイン
グ液が20ml減少した時点で、上記コーテイング作
用を停止し、引き続き40℃で温風乾燥を行ない、
4個の人工肺を作製し、血液洩れ試験を行なつた
ところ、全く血液洩れの発生が認められなかつ
た。 また、前記実施例は、疎水性の皮膜形成剤とし
て部分架橋型のシリコーンを用いる場合について
説明したが、シリコーンオイルとしてのジメチル
ポリシロキサン(粘度1000cs〜10000cs)を用い、
スプレーコーテイング法によつて被覆を形成した
3個の人工肺、および浸漬コーテイング法によつ
て被覆を形成した3個の人工肺、ならびに未処理
の人工肺3個を作製し、それぞれ血液洩れ試験を
行なつたところ、未処理品の2個に流れる洩れが
発生し、未処理品の1個に小さな血液塊が中空糸
膜表面に認められた。これに対し、上記被覆を施
した人工肺6個には全く血液洩れの発生が認めら
れなかつた。なお、シリコーンとしてシリコーン
オイルを用いる場合には、コーテイング作業性が
良好となる。また、シリコーンとしてシリコーン
ゴムを用いても良く、シリコーンゴムによる場合
には安定したコーテイング状態を長期的に確保す
ることが可能となる。 なお、本発明に係る疎水性皮膜形成剤として
は、シリコーン以外に、脂肪酸塩(ステアリン酸
金属塩、オレイン酸金属塩)、ステアロアミド、
パラフインワツクス、カルナウバワツクス、ステ
アリルアミン、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リテトラフルオロプロピレン、ポリヘキサフルオ
ロプロピレン、ポリフツ化ビニル、金属石けん、
脂肪酸エステル等を使用することが可能である。
ここで、被覆が形成されないポリプロピレンの中
空糸膜P1、被覆が形成されたポリプロピレンの
中空糸膜P2およびP3のそれぞれからなる人工
肺について、それらの臨界表面張力と、前記血液
洩れ評価方法に基づく試験結果を示せば、表1の
とおりである。すなわち、この表1によれば、上
記疎水性の被覆形成材料は、水に対する臨界表面
張力が28dyn/cm以下であることが必要となる。
【表】 また前述のように被覆形成を、中空糸をハウジ
ング内に固定した後に行なうことにより、予め被
覆を形成してからハウジング内に中空糸を固定す
る場合に比し被覆の剥離等を防止することができ
る。 なお、前記実施例における人工肺10において
は、中空糸膜12の内部を流れる第1の流体を血
液とし、中空糸膜12の外部を流れる第2の流体
をガスとする場合について説明したが、本発明に
係る中空糸型人工肺にあつては、中空糸膜内を流
れる第1の流体をガスとし、中空糸膜外を流れる
第2の流体を血液として用いるものであつても良
い。 発明の具体的作用効果 以上のように、本発明は、内壁から外壁にかけ
て連通する多数の細孔を有するガス交換用の疎水
性の中空糸膜を介して、第1の流体としての血液
またはガスと、第2の流体としてのガスまたは血
液とを接触させてガス交換する中空糸型人工肺に
おいて、ハウジングと、該ハウジング内に収納さ
れる該中空糸膜の集合体と、該中空糸膜の両端部
を上記ハウジングに液密に保持する隔壁と、該隔
壁の外側にそれぞれ設けられ、上記中空糸膜の内
部空間に連通する第1の流体流入室と第1の流体
流入口と、第1の流体流出室と第1の流体流出口
と、上記隔壁と上記ハウジング内壁と上記中空糸
膜外壁とで構成される第2の流体室と、該第2の
流体室に連通する第2の流体流入口および第2の
流体流出口とを有し、上記疎水性の中空糸膜が、
少なくともガス流入口付近のガスに接触する面
に、疎水性の皮膜形成剤からなる被覆を有するよ
うにしたので、生体に対する悪影響、血液損傷の
発生を招くことなく中空糸膜の疎水性が強化さ
れ、長時間にわたつて使用される場合にも、中空
糸膜における血液洩れの発生を安全かつ完全に防
止することが可能となる。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の中空糸膜が、ポリオレフインからなるよう
にすることにより、化学的に安定で、不純物を含
まず比較的廉価であると共に強度的にも他の補強
手段を用いることなく実用可能となる。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の中空糸膜が延伸法により細孔を形成された
ポリプロピレン中空糸であるようにすることによ
り、溶融法で形成された膜を用いた場合の様な、
細孔形成用不溶性物質の血液中への混入等の可能
性が全くなく、使用上の安全性を確保することが
可能となる。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の被覆が、浸漬コーテイング法によつて形成
されているようにすることにより、均一な被覆を
形成することが可能となる。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の被覆が、スプレーコーテイング法によつて
形成されているようにすることにより、コーテイ
ング後の乾燥時間を減縮ないしは不要とし、製作
能率を向上することが可能となる。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の被覆が、水に対する臨界表面張力が
28dyn/cm以下である材質からなるようにするこ
とにより、より確実に血液洩れの発生を防止する
ことが可能となる。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記疎
水性の被覆が、シリコーンであるようにすること
により、生体に対する安全性を損うことがない。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記シ
リコーンがシリコーンオイルからなるようにする
ことにより、コーテイング作業性を良好とするこ
とが可能となる。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記シ
リコーンがシリコーンゴムからなるようにするこ
とにより、コーテイング安定性を確保することが
可能となる。 また、本発明に係る中空糸型人工肺は、前記シ
リコーンが部分架橋型シリコーンであるようにす
ることにより、コーテイング作業性を良好とし、
かつコーテイング安定性を確保することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用される中空糸型人工肺の
一実施例を示す断面図、第2図は本発明が適用さ
れる中空糸型人工肺の中空糸膜への被覆形成方法
の第1例を示す略断面図、第3図は同被覆形成方
法の第2例を示す略断面図、第4図は同被覆形成
方法の第3例を示す略断面図である。 10……人工肺、11……ハウジング、12…
…中空糸膜、13……集合体、14,15……隔
壁、19……血液流入室、20……血液流入口、
21……血液流出室、22……血液流出口、23
……ガス室、24……ガス流入口、25……ガス
流出口。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 内壁から外壁にかけて連通する多数の細孔を
    有するガス交換用の疎水性の中空糸膜を介して、
    第1の流体としての血液またはガスと、第2の流
    体としてのガスまたは血液とを接触させてガス交
    換する中空糸型人工肺において、ハウジングと、
    該ハウジング内に収納される該中空糸膜の集合体
    と、該中空糸膜の両端部を上記ハウジングに液密
    に保持する隔壁と、該隔壁の外側にそれぞれ設け
    られ、上記中空糸膜の内部空間に連通する第1の
    流体流入室と第1の流体流入口と、第1の流体流
    出室と第1の流体流出口と、上記隔壁と上記ハウ
    ジング内壁と上記中空糸膜外壁とで構成される第
    2の流体室と、該第2の流体室に連通する第2の
    流体流入口および第2の流体流出口とを有し、上
    記疎水性の中空糸膜が、少なくともガス流入口付
    近のガスに接触する面に、疎水性の皮膜形成剤か
    らなる被覆を有することを特徴とする中空糸型人
    工肺。 2 前記疎水性の中空糸膜が、ポリオレフインか
    らなる特許請求の範囲第1項に記載の中空糸型人
    工肺。 3 前記疎水性の中空糸膜が、延伸法により細孔
    を形成されたポリプロピレン中空糸である特許請
    求の範囲第2項に記載の中空糸型人工肺。 4 前記疎水性の被覆が、浸漬コーテイング法に
    よつて形成されている特許請求の範囲第1項ない
    し第3項のいずれかに記載の中空糸型人工肺。 5 前記疎水性の被覆が、スプレーコーテイング
    法によつて形成されている特許請求の範囲第1項
    ないし第3項のいずれかに記載の中空糸型人工
    肺。 6 前記疎水性の被覆が、水に対する臨界表面張
    力が28dyn/cm以下の材質からなる特許請求の範
    囲第1項ないし第5項のいずれかに記載の中空糸
    型人工肺。 7 前記疎水性の被覆が、シリコーンである特許
    請求の範囲第6項に記載の中空糸型人工肺。 8 前記シリコーンが、シリコーンオイルからな
    る特許請求の範囲第7項に記載の中空糸型人工
    肺。 9 前記シリコーンが、シリコーンゴムからなる
    特許請求の範囲第7項に記載の中空糸型人工肺。 10 前記シリコーンが、部分架橋型のシリコー
    ンである特許請求の範囲第7項に記載の中空糸型
    人工肺。
JP15169082A 1982-09-02 1982-09-02 中空糸型人工肺 Granted JPS5944267A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15169082A JPS5944267A (ja) 1982-09-02 1982-09-02 中空糸型人工肺

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15169082A JPS5944267A (ja) 1982-09-02 1982-09-02 中空糸型人工肺

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5944267A JPS5944267A (ja) 1984-03-12
JPS631860B2 true JPS631860B2 (ja) 1988-01-14

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