JPH029816Y2 - - Google Patents

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JPH029816Y2
JPH029816Y2 JP1986007205U JP720586U JPH029816Y2 JP H029816 Y2 JPH029816 Y2 JP H029816Y2 JP 1986007205 U JP1986007205 U JP 1986007205U JP 720586 U JP720586 U JP 720586U JP H029816 Y2 JPH029816 Y2 JP H029816Y2
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gas exchange
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membrane
exchange capacity
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Description

【考案の詳細な説明】 考案の背景 (技術分野) 本考案は、中空糸膜型人工肺に関するものであ
る。詳しく述べると本考案は、オーバーオキシジ
エネーシヨン(Over Oxygenation)の起こりに
くい中空糸膜型人工肺に関するものである。 (先行技術) 従来、開心術の補助手段等として、良好なガス
透過性を有するガス交換膜を介して、血液と酸素
含有ガスとを接触させて、ガス交換を行なう膜型
人工肺が用いられている。この膜型人工肺におい
て用いられるガス交換膜としては、シリコーンな
どの均質膜と、ポリエチレン、ポリピロピレン、
ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポ
リアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアミド
などの多孔質膜との2つのタイプが知られている
が、均質膜の場合、ガス透過性に限界があり、ま
た所望のガス交換能を達しようとすると装置が大
型化しプライミング量の増大をきたし、さらにコ
スト的にも高いものであることから、現在は主と
して多孔質膜、特に透過性能、機械的強度および
生体適合性が比較的良好なポリプロピレン系の多
孔質膜が用いられている。また膜型人工肺は、積
層式のもの、1枚の膜をコイル状に巻いたもの、
ジグザグ状に折込んだもの等の平膜型のものと、
中空繊維状のガス交換膜を束ねた中空糸膜型のも
のとが開発されているが、有効膜面積を広くかつ
人工肺をコンパクトに設計できるなどの面から中
空糸膜型のものが主流となつている。 以上からも明らかなように多孔質中空糸膜型人
工肺においては、ガス交換能が高く、血液の酸素
加能はもちろん炭酸ガス除去能にも優れたものを
プライミング量も少なく提供することが可能とな
る。しかしながら、このような膜型人工肺は、そ
の酸素加能条件範囲がいまだ十分広いものとはい
えず、該膜型人工肺を酸素加能以下の条件(例え
ば、血液流量が低い、患者の酸素消費量が低いな
ど)において使用されると、血液中の酸素分圧が
必要以上に高くなつてしまう(例えば300mmHg以
上となる)オーバーオキシジエネーシヨン
(Over Oxygenation)となりやすくなる。この
ために、現在、酸素−空気ブレンダーをガス側回
路に設けて血液中の酸素分圧を所定範囲に保つこ
とがなされている。 このようなオーバーオキシジエネーシヨンを酸
素−空気ブレンダー等によるガス側の調節を行な
うことなく防止しようとすると、まず考えられる
のは、中空糸膜型人工肺の中空繊維の本数を少な
くするあるいは中空繊維の有効長を短かくして人
工肺の有効膜面積を小さくすることである。しか
しながら、単に有効膜面積を小さくすると、人工
肺のガス交換能を低下させることになるので、人
工肺の導入初期のような、逆に高い酸素加能を必
要とされる時期に、対応できないものとなつてし
まう。さらに中空繊維の本数を少なくすれば、そ
れだけ血液流量に対する圧力損失が大きくなるた
め血液流量を高く設定することができなくなり、
また中空繊維の有効長を短くすると血液流量に対
する血液の酸素分圧の変化がさらに急なものとな
つてしまう。このように、使用上での性能を劣化
させることなくオーバーオキシジエネーシヨンの
起こりにくい膜型人工肺を得ることは困難なもの
であつた。 考案の目的 従つて、本考案は、改良された中空糸膜型人工
肺を提供することを目的とする。本考案はまた、
オーバーオキシジエネーシヨンの起こりにくい中
空糸膜型人工肺を提供することを目的とする。本
考案はさらに、人工肺の酸素加能等の諸性能を劣
化させることなく、オーバーオキシジエネーシヨ
ンの起こりにくい構成とした中空糸膜型人工肺を
提供することを目的とする。 上記諸目的は、中空糸膜型人工肺において、ガ
ス交換部を構成する中空繊維束が、該中空繊維束
の総断面積の0.01〜15%に相当する断面積を占め
る本数の、全長を通じてほぼ均一な膜構造を有し
かつ単位面積当りの相対ガス交換能が約0%の中
空繊維と、該中空繊維束の総断面積の残部に相当
する断面積を占める本数の、全長を通じてほぼ均
一な膜構造を有しかつ単位面積当りの相対ガス交
換能が約100%の中空繊維とを、並列的に混在さ
せることにより形成されたことを特徴とする中空
糸膜型人工肺により達成される。 本考案はまた、ガス交換部を構成する中空繊維
束が、該中空繊維束の総断面積の0.1〜10%に相
当する断面積を占める本数の、全長を通じてほぼ
均一な膜構造を有しかつ単位面積当りの相対ガス
交換能が約0%の中空繊維と、該中空繊維束の総
断面積の残部に相当する断面積を占める本数の、
全長を通じてほぼ均一な膜構造を有しかつ単位面
積当りの相対ガス交換能が約100%の中空繊維と
を、並列的に混在させることにより形成されたこ
とを特徴とする中空糸膜型人工肺を示すものであ
る。 考案の具体的説明 驚くべきことに、中空糸膜型人工肺において、
そのガス交換部を構成する中空繊維束が、該中空
繊維束の総断面積の0.01〜15%に相当する断面積
を占める本数の、全長を通じてほぼ均一な膜構造
を有しかつ単位面積当りの相対ガス交換能が約0
%の中空繊維を、全長を通じてほぼ均一な膜構造
を有しかつ単位面積当りの相対ガス交換能が約
100%の中空繊維に並例的に混在させることによ
り形成されていると、得られる中空糸膜型人工肺
は、実質的にガス透過能、特に酸素加能を低下さ
せることなく、該人工肺に送られる血液の流量お
よび血液の酸素飽和度などの変化に対するガス交
換後の血液中の酸素分圧の変化をきわめてゆるや
かなものとし、しかもその血液中の酸素分圧を所
望の域(例えば100〜300mmHg)に保持し得るこ
とが明らかとなつた。より具体的に述べると、ガ
ス交換部である中空繊維束を構成する一般的なガ
ス交換膜である高いガス交換能(単位面積当りの
相対ガス交換能が100%)を有する所定本数の中
空繊維の一部、すなわち総断面積の0.01〜15%、
より好ましくは0.1〜10%に相当する部分を、ガ
ス交換能の低いかあるいは全くない(単位面積当
りの相対ガス交換能が約0%)中空繊維による血
液流路と置換する、あるいは一般的なガス交換膜
である高いガス交換能(単位面積当りの相対ガス
交換能が100%)を有する所定本数の中空繊維に、
ガス交換能の低いかあるいは全くない(単位面積
当りの相対ガス交換能が約0%)中空繊維の血液
流路をさらに加えてガス交換能の低いかあるいは
全くない部分を中空繊維束の総断面積の0.01〜15
%、より好ましくは0.1〜10%となるように配す
ると、一般的なガス交換膜である高いガス交換能
を有する所定本数の中空繊維のみにより構成され
る元の人工肺と比較して、ガス交換能の低いかあ
るいは全くない中空繊維の血液流路を中空繊維束
の一部に有する本考案の人工肺である後者の二つ
の人工肺は、例えば元の人工肺においてはオーバ
ーオキシジエネーシヨンを起こしてしまう酸素加
能条件範囲外である低い血液流量で操作されたと
してもガス交換後の血液中の酸素分圧を必要以上
に上昇させることなく所望の分圧を与え、また一
方、元の人工肺における最大血液流量で操作され
たときには、元の人工肺を用いた場合とほぼ同等
の血液酸素分圧を与える(第2図および第3図参
照)。このように、本考案の中空糸膜型人工肺は、
比較となる従来の中空糸膜型人工肺の酸素加能条
件範囲を実質的に拡張することとなり、オーバー
オキシジエネーシヨンを好適に防止するものとな
る。 なお、本明細書中で用いられる「単位面積当り
の相対ガス交換能」は、中空繊維束の大部分を占
める一般的なガス交換膜である高いガス交換能を
有する中空繊維のみを用いた一定膜面積のモジユ
ールにおけるガス交換量、および中空繊維束の一
部に混入されるガス交換能の低いあるいは全くな
い中空繊維のみを用いた一定膜面積のモジユール
におけるガス交換量を測定し、それぞれのガス交
換量を単位面積当りの数値に換算し、高いガス交
換能を有する中空繊維に関する値を100%として
算出された相対値である。なお、この相対ガス交
換能の値は、各個の態様内における高いガス交換
能を有する中空繊維とガス交換能の低いあるいは
全くない中空繊維とのガス交換能の関係を示すも
のであるので、基準となる高いガス交換能を有す
る中空繊維として別種のものを用いた態様相互間
においては、ガス交換能の低いあるいは全くない
中空繊維として同一のものを用いても、該ガス交
換能の低いあるいは全くない中空繊維の相対ガス
交換能の値は当然異なるものとなる。 以下、本考案を実施態様に基づき具体的に説明
する。 第1図は、本考案の中空糸膜型人工肺の一実施
態様の組立状態を示すものである。すなわち、該
中空糸膜型人工肺1は、ハウジング3を具備して
なり、このハウジング3内には、全体に広がつて
多数の、例えば10000〜60000本の中空繊維2がハ
ウジング3の長手方向に沿つて並列的に相互に離
間配置されて構成される中空繊維束4が存在す
る。しかして、該中空繊維束4には、全長を通じ
てほぼ均一な膜構造を有しかつ単位面積当りの相
対ガス交換能が約100%の中空繊維に混ざつて、
全長を通じてほぼ均一な膜構造を有しかつ単位面
積当りの相対ガス交換能が約0%の中空繊維が、
該中空繊維束の総断面積の0.01〜15%、好ましく
は0.1〜10%に相当する断面積を占める本数にお
いて存在するものである。 中空繊維束4の大部分をしめる全長を通じてほ
ぼ均一な膜構造を有しかつ単位面積当りの相対ガ
ス交換能が約100%の中空繊維としては、肉厚5
〜80μm、好ましくは10〜60μm、空孔率20〜80
%、好ましくは30〜60%、また細孔径0.01〜5μ
m、好ましくは0.01〜1μm、内径100〜1000μm、
好ましくは100〜300μm程度のものであつて、そ
の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホ
ン、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテー
ト等の疎水性高分子が用いられるが好ましくはオ
レフイン系樹脂であり、特に好ましくはポリプロ
ピレンであり、延伸法または固液層分離法により
微細孔を形成されたポリプロピレン多孔質中空繊
維が望ましい。 一方、中空繊維束4の一部として混在される全
長を通じてほぼ均一な膜構造を有しかつ単位面積
当りの相対ガス交換能が約0%の中空繊維ガス交
換能の低いかあるいは全くない中空繊維として
は、例えば、ガス交換能が上記の所望の範囲に存
在するように空孔率が低減されている以外は、上
記のごとき高いガス交換能を有する中空繊維と同
様の性状を有するものなどが含まれ得る。 ハウジング3は、筒状本体5の両端部にそれぞ
れ環状の雄ネジ付取付カバー6,7が設けられた
形態を有し、そして中空繊維2の両端部は、取付
カバー6,7内においてそれぞれの端部開口が閉
塞されていない状態で、隔壁8,9により液密に
支持されている。 また、上記各隔壁8,9は、ガス交換膜2外周
面と上記ハウジング3の内面とともに第1の物質
移動室である酸素室10を構成し、これを閉塞
し、かつ上記ガス交換膜2の内部に形成される第
2の物質移動流体用空間である血液流通用空間
(図示しない)と酸素室10を隔離するものであ
る。 一方の取付カバー6には、第1の物質移動流体
である酸素を供給する導入口11が設けられてい
る。他方の取付カバー7には酸素を排出する導出
口12が設けられている。 上記ハウジング3の筒状本体5の内面には、軸
方向の中央に位置して突出する絞り用拘束部13
を設けることが好ましい。すなわち、拘束部13
は上記筒状本体5の内面に筒状本体と一体に形成
されていて、筒状本体5内に挿通される多数のガ
ス交換膜2からなる中空繊維束4の外周を締め付
けるようになつている。こうして、上記中空繊維
束4は、第1図で示すように軸方向の中央におい
て絞り込まれ、絞り部14を形成している。した
がつて、ガス交換膜2の充填率は、軸方向に沿う
各部において異なり、中央部分において最も高く
なつている。なお、望ましい各部の充填率は次の
通りである。まず、中央の絞り部14における充
填率は、約60〜80%、その他筒状本体5内では約
30〜60%であり、中空繊維束4の両端、つまり隔
壁8,9の外面における充填率では、約20〜40%
である。 次に、上記隔壁8,9の形成について述べる。
前述したように隔壁8,9は、ガス交換膜2の内
部と外部を隔離するという重要な機能を果たすも
のである。通常、この隔壁8,9は、極性の高い
高分子ポツテイング材、たとえばポリウレタン、
シリコーン、エポキシ樹脂等をハウジング3の両
端内壁面に遠心注入法を利用して流し込み、硬化
させることにより作られる。さらに詳述すれば、
まず、ハウジング3の長さより長い多数の中空糸
膜2を用意し、この両開口端を粘度の高い樹脂に
よつて目止めをした後、ハウジング3の筒状本体
5内に並べて位置せしめる。この後、取付けカバ
ー6,7の径以上の大きさの型カバー27,28
で、ガス交換膜2の各両端を完全に覆つて、ハウ
ジング3の中心軸を中心にそのハウジング3を回
転させながら両端部側から高分子ポツテイング材
を流入する。流し終つて樹脂が硬化すれば、上記
型カバーを外して樹脂の外側面部を鋭利な刃物で
切断してガス交換膜2の両開口端を表面に露出さ
せる。かくして隔壁8,9は形成されることにな
る。 上記隔壁8,9の外面は、環状凸部を有する流
路形成部材15,16でそれぞれ覆われている。
この流路形成部材15,16はそれぞれ液分配部
材17,18およびネジリング19,20よりな
り、この液分配部材17,18の周縁部付近に設
けられた環状凸部として突条21,22の端面を
前記隔壁8,9にそれぞれ当接させ、ネジリング
19,20を取付付カバー6,7にそれぞれ螺合
することにより固定することにより第2の物質移
動流体である血液の流入室23および流出室24
がそれぞれ形成されている。この流路形成部材1
5,16にはそれぞれ第2の物質移動流体である
血液入口25および出口26が形成されている。 この隔壁8,9と、流路形成部材15,16と
により形成される隔壁8,9の周縁部の空隙部に
は、該空隙部に連通する少なくとも2個の孔2
9,30の一方より充填剤31,32を充填する
ことにより前記隔壁8,9と接触するようにシー
ルされる。あるいはまた、Oリング(図示せず)
を介してシールされる。 以下本考案を実施例に基づきより具体的に説明
する。 実施例1および比較例1 内径200μm、肉厚25μm、空孔率50%、平均細
孔径700Åのポリプロピレン製多孔質中空繊維を
55800本および内径200μm、肉厚25μm、空孔率
0%のポリプロピレン製不透過性中空繊維を6200
本用いて有効長140mm、有効膜面積5.4m2の第1図
に示すような構造を有する中空糸膜型人工肺を作
製した(実施例1)。一方比較のために内径200μ
m、肉厚25μm、空孔率50%、平均細孔率700Å
のポリプロピレン製多孔質中空繊維62000本のみ
を用いて有効長140mm、有効膜面積5.4m2の第1図
に示すような構造を有する中空糸膜型人工肺を作
製した(比較例1)。 得られた2つの中空糸膜型人工肺に対して、以
下の条件下で血液流量(QB)(/min)に対す
る酸素ガス移動量(Tr−O2)(ml/min)および
ガス交換後の血液中の酸素ガス分圧(PAO2)を
測定した。 測定条件 血液:ウシ血液 酸素吹送量/血液流量=1 PH:7.4 酸素飽和度(SvO2):75% ガス交換前の血液中 炭酸ガス分圧(PvCO2):40mmHg ガス交換前の血液中 酸素ガス分圧(PvO2):40mmHg 血液中のヘモグロビン濃度(Hb):12g/dl 得られた結果を第1表、第2表および第2図、
第3図に示す。 第1表および第2図に示すように、実施例1の
中空糸膜型人工肺は、比較例1の中空糸膜型人工
肺よりもわずかに10%低いTr−O2を示すにすぎ
なかつた。この10%の差は実用上それほど問題に
ならないものであつた。 また次に、第2表および第3図より明らかなよ
うに、比較例1のものに比較して実施例1の人工
肺においては、正常酸素ガス分圧PAO2(100〜300
mmHg)となる範囲が広がつていることがわかる。
すなわち、比較例1において100mmHgのPAO2
なるQBにおいては、実施例1のものにおいても
94mmHgのPAO2が得られるが、比較例1のものに
おいてオーバーオキシジエネーシヨンの
480mmHgのPAO2となるQBにおいても、実施例
1のものにおいては、300mmHgのPAO2と正常PA
O2の範囲内にある。 実施例2および比較例2 実施例1で用いたものと同様のポリプロピレン
製多孔質中空繊維を62000本および実施例1で用
いたものと同様のポリプロピレン製不透過性中空
繊維を6200本用いて有効長140mm、有効膜面積
5.94m2の第1図に示すような構造を有する中空糸
膜型人工肺を作製した(実施例2)。一方比較の
ために実施例1で用いたものと同様のポリプロピ
レン製多孔質中空繊維62000本のみを用いて有効
長140mm、有効膜面積5.4m2の第1図に示すような
構造を有する中空糸膜型人工肺を作製した(比較
例2)。 得られた2つの中空糸膜型人工肺に対して以下
の条件下で血液流量(QB)に対する酸素ガス移
動量(Tr−O2)(ml/min)およびガス交換後の
血液中の酸素ガス分圧(PAO2)を測定した。結
果を第3表、第4表および第4図、第5図に示
す。 この結果、第3表および第4図より明らかなよ
うに、比較例2のものに比較して実施例2の人工
肺の酸素移動量(Tr−O2)は殆んど低下を示さ
ず、また第4表および第5図より明らかなよう
に、比較例のものに比較して実施例2の人工肺に
おいては正常PAO2となるQBの範囲が広がつてい
た。
【表】
【表】
【表】
【表】 考案の具体的効果 以上述べたように本考案は、中空糸膜型人工肺
において、ガス交換部を構成する中空繊維束が、
該中空繊維束の総断面積の0.01〜15%に相当する
断面積を占める本数の、全長を通じてほぼ均一な
膜構造を有しかつ単位面積当りの相対ガス交換能
が約0%の中空繊維と、該中空繊維束の総断面積
の残部に相当する断面積を占める本数の、全長を
通じてほぼ均一な膜構造を有しかつ単位面積当り
の相対ガス交換能が約100%の中空繊維とを、並
列的に混在させることにより形成されたことを特
徴とする中空糸膜型人工肺であるから、酸素加能
条件範囲が拡張されており、従来の中空糸膜型人
工肺に比較してオーバーオキシジエネーシヨンが
起こりにくいものであり、ガス側回路に酸素−空
気ブレンダー等を設けて調節を行なわなくとも安
定なガス交換が可能となるものであり、また該中
空糸膜型人工肺は、中空繊維束の一部にガス交換
能の低いあるいは全くない中空繊維を混在させる
というわずかの工程の追加によつて得られるもの
であり、製造性および経済性においても優れたも
のである。 さらに本考案の中空糸膜型人工肺において、ガ
ス交換部を構成する中空繊維束が、該中空繊維束
の総断面積の0.1〜10%に相当する断面積を占め
る本数の、全長を通じてほぼ均一な膜構造を有し
かつ単位面積当りの相対ガス交換能が約0%の中
空繊維と、該中空繊維束の総断面積の残部に相当
する断面積を占める本数の、全長を通じてほぼ均
一な膜構造を有しかつ単位面積当りの相対ガス交
換能が約100%の中空繊維とを、並列的に混在さ
せることにより形成されたことを特徴とするもの
であるとより一層その性能の優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の中空糸膜型人工肺の一実施
態様の組立状態における半断面図、第2図は血液
流量と酸素ガス移動量との関係を示すグラフ、第
3図は、血液流量と血液中の酸素ガス分圧との関
係を示すグラフ、第4図は血液流量と酸素ガス移
動量を示すグラフであり、また第5図は、血液流
量と血液中の酸素ガス分圧との関係を示すグラフ
である。 1……中空糸膜型人工肺、2……中空繊維、3
……ハウジング、4……中空繊維束、8,9……
隔壁、11,12……酸素ガス導入出口、25,
26……血液入出口。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中空糸膜型人工肺において、ガス交換部を構
    成する中空繊維束が、該中空繊維束の総断面積
    の0.01〜15%に相当する断面積を占める本数
    の、全長を通じてほぼ均一な膜構造を有しかつ
    単位面積当りの相対ガス交換能が約0%の中空
    繊維と、該中空繊維束の総断面積の残部に相当
    する断面積を占める本数の、全長を通じてほぼ
    均一な膜構造を有しかつ単位面積当りの相対ガ
    ス交換能が約100%の中空繊維とを、並列的に
    混在させることにより形成されたことを特徴と
    する中空糸膜型人工肺。 (2) 単位面積当りの相対ガス交換能が約0%の中
    空繊維が、ガス交換部を構成する中空繊維束の
    総断面積の0.1〜10%に相当する断面積を占め
    る本数である実用新案登録請求の範囲第(1)項に
    記載の中空糸膜型人工肺。
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