JPH0548135B2 - - Google Patents

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JPH0548135B2
JPH0548135B2 JP20179085A JP20179085A JPH0548135B2 JP H0548135 B2 JPH0548135 B2 JP H0548135B2 JP 20179085 A JP20179085 A JP 20179085A JP 20179085 A JP20179085 A JP 20179085A JP H0548135 B2 JPH0548135 B2 JP H0548135B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 (技術分野) 本発明は、膜型人工肺に関するものである。詳
しく述べると本発明は、体外血液循環において、
血液中の炭酸ガスを除去し、かつ血液中に酸素を
添加する人工肺において、生体適合性が高く血小
板損失が少なく、かつガス交換能の優れた膜型人
工肺に関するものである。 (先行技術) 従来、開心術の補助手段等として、良好なガス
透過性を有するガス交換膜を介して、血液と酸素
含有ガスとを接触させてガス交換を行なう膜型人
工肺が用いられている。またこのような膜型人工
肺に用いられるガス交換膜としては、均質膜と多
孔質膜の2種類があり、均質膜としては、主にシ
リコーン膜が用いられており、一方、多孔質膜と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリアク
リロニトリル、ポリウレタン、ポリアミド等の
種々の材質のものが知られている。このようなガ
ス交換膜には、O2やCO2に対する透過係数が大き
いこと、長期間血液を循環させても血漿の漏洩が
起こらないこと、さらに、血液に触れても血液に
対する損傷、すなわち血液凝固、微小血栓生成、
血小板損失、血漿タンパクの変性、溶血などを起
こさないこと等の性能が要求される。しかしなが
ら未だにこれらすべての要望を満たすガス交換膜
は開発されておらず、特に血液に対する損傷の
面、すなわち生体適合性の面は、最も優れている
といわれているシリコーン膜においても不充分で
ある。このため、人工肺等の体外循環において
は、通常、薬物による抗血栓療法が併用され、血
液中にヘパリン等を添加していた。しかしながら
ヘパリンは抗凝固性作用は期待できるものの、血
小板の粘着、凝集に対してはほとんど影響を与え
ないものであつた。 発明の目的 従つて本発明は、新規な膜型人工肺を提供する
ことを目的とする。本発明はまた、体外血液循環
において血液中の炭酸ガスを除去し、かつ血液中
に酸素を添加する人工肺において、生体適合性が
高く血小板損失が少なく、かつガス交換能の優れ
た膜型人工肺を提供することを目的とする。 これらの諸目的は、膜型人工肺において、ガス
交換膜の少なくとも血液接触面に、パーフルオロ
アルキル側鎖を有するビニルモノマーを1成分と
するビニル系共重合体をコーテイングしたことを
特徴とする膜型人工肺により達成される。 本発明は、前記ビニル系共重合体がパーフルオ
ロアルキル側鎖を有する(メタ)アクリレートモ
ノマーを1成分とする(メタ)アクリレート系共
重合体である膜型人工肺を示すものである。本発
明はまた、前記ビニル系共重合体がブロツク共重
合体である膜型人工肺を示すものである。本発明
はさらに、ブロツク共重合体におけるパーフルオ
ロアルキル側鎖を有するビニルモノマーよりなる
ポリマー分と共重合体を構成する他のモノマーよ
りなるポリマー分との重量比が0.25〜1.5である
膜型人工肺を示すものである。本発明はさらにパ
ーフルオロアルキル側鎖が−CH2CH2(CF27CF3
である膜型人工肺を示すものである。本発明はま
たガス交換膜が、多孔質膜である膜型人工肺を示
すものである。本発明はさらに多孔質膜が、オレ
フイン系樹脂製のものである膜型人工肺を示すも
のである。本発明はさらに、多孔質膜が、ポリプ
ロピレン製のものである膜型人工肺を示すもので
ある。本発明はさらにガス交換膜が均質膜である
膜型人工肺を示すものである。本発明はまた、均
質膜が、シリコーンゴム製のものである膜型人工
肺を示すものである。本発明はまた、ガス交換膜
が中空糸状である膜型人工肺を示すものである。
本発明はさらにパーフルオロアルキル側鎖を有す
るビニルモノマーを1成分とするビニル系共重合
体は、0.001〜10μmの膜厚にコーテイングされて
いるものである膜型人工肺を示すものである。 発明の具体的構成 以下、本発明を図面に基づきより詳細に説明す
る。 第1図および第2図はそれぞれ本発明の膜型人
工肺の一実施態様における細部構造を示す拡大断
面図である。 本発明の膜型人工肺1のガス交換膜2は、第1
図に示すように多孔質膜である、または第2図に
示すように均質膜である。ガス交換膜2が多孔質
膜である場合、その材質としてポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リスルホン、ポリアクリロニトリル、セルロース
アセテート等の疏水性高分子が用いられ得るが、
好ましくはオレフイン系樹脂であり、特に好まし
くはポリプロピレンであり、延伸法または固液層
分離法により微細孔を形成されポリプロピレンが
望ましい。また、この多孔質膜は、例えばその肉
厚は5〜80μm、好ましくは10〜60μm、空孔率
20〜80%、好ましくは30〜60%、また細孔3の径
は0.01〜5.0μm、好ましくは0.01〜1.0μm程度の
ものである。なお本実施態様においては、ガス交
換膜2は内径100〜1000μm、好ましくは100〜
300μmの中空糸状のものとされている。一方、
ガス交換膜が均質膜である場合、その材質として
シリコーンゴム、好ましくはシリカを含有しない
シリコーンゴムが用いられる。この均質膜は、例
えばその肉厚は50〜300μm、好ましく80〜150μ
mのものである。なお本実施態様においては、ガ
ス交換膜2は内径100〜1000μm、好ましくは100
〜300μmの中空糸状のものとされている。 しかして、該ガス交換膜2の少なくとも血液接
触面には、パーフルオロアルキル側鎖を有するビ
ニルモノマーを1成分とするビニル系共重合体の
被膜が形成されている。 パーフルオロアルキル側鎖を有するビニルモノ
マーを1成分とするビニル系ブロツク共重合体と
は、任意のビニル系モノマーとパーフルオロアル
キル側鎖を有するビニルモノマーよりなる共重合
体であり、好ましくは任意のビニル系ポリマー
(すなわちホモポリマー、ブロツクコポリマー、
ランダムコポリマー等のいずれであつてもよい。)
よりなる母体ブロツクに、パーフルオロアルキル
側鎖を有するビニルモノマーのホモポリマーより
なるブロツクが結合したいわゆるA−B型ブロツ
ク共重合体である。パーフルオロアルキル側鎖を
有するビニルモノマーとしては、−CH2(CF22H、
−CH2(CF24H、−CH2CF3−CH2CH2(CF27CF3
等のパーフルオロアルキル基、好ましくは−
CH2CH2(CF27CF3を側鎖として有するパーフル
オロアクリレート、パーフルオロメタクリレート
等がある。一方、母体ブロツクを構成するビニル
モノマーとしては、例えばメチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアル
キルメタクリレート、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキ
ルアクリレートなどがある。また、パーフルオロ
アルキル側鎖を有するビニルモノマーを1成分と
するビニル系ブロツク共重合体において、パーフ
ルオロアルキル側鎖を有するビニルモノマーより
なるポリマー分と共重合体を構成するその他のビ
ニルモノマーよりなるポリマー分との重量比は、
0.25〜1.5、好ましくは0.25〜1.2とされる。すな
わち、重量比が0.25以下であると、血小板の粘着
抑制に必要なミクロ相分離構造があらわれない虞
れがあり、一方、重量比が1.5を超えると、溶媒
での溶解が困難となり加工性が低下する虞れがあ
るためである。該ブロツク共重合体は、主鎖内に
ペルオキシ結合を有する母体ブロツクとなるビニ
ル系ポリマーを得、次いでこのポリマーを重合開
始剤として、分散重合によりパーフルオロアクリ
レートを重合させることによつて得られ得る。 このパーフルオロアルキル側鎖を有するビニル
モノマーを1成分とするビニル系ブロツク共重合
体は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、メタノール、エタノール、n−ブタノール、
sec−ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メ
チルセルソルブ、エチルセルソルブ等のエーテル
類、クロロホルムなどの有機溶媒に可溶である。 上記ガス交換膜2の少なくとも血液接触面に、
パーフルオロアルキル側鎖を有するビニルモノマ
ーを1成分とするビニル系共重合体の被膜4を形
成するには、例えば以下のようにして簡単に行な
うことができる。すなわち、ガス交換膜2の少な
くとも血液接触面を該ビニル系共重合体の例えば
1〜10重量%、好ましくは3〜5重量%の溶解溶
液に浸漬等により接触させた後、溶媒を蒸発させ
ることにより形成される。用いられる溶媒として
は、上記溶媒のいずれを使用することも可能であ
るが、好ましくは、ケトン類の単独あるいは混合
溶媒、およびこれらのケトン類とアルコール類と
の混合溶媒である。しかしながら、製膜上の溶媒
の蒸発のコントロールは必要であり、例えば4/
6(容量比)のメチルエチルケトン/メチルイソ
ブチルケトン、(4/6)/10(容量比)の(メチ
ルエチルケトン/メチルイソブチルケトン)/エ
タノール等の混合溶媒が適当である。なおこのよ
うなガス交換膜2の該ビニル系共重合体によるコ
ーテイングは、膜型人工肺1の組立前にも実施可
能であるが、モジユール組立後に行なうことが、
膜型人工肺1のガス交換膜以外の血液接触面を同
時にコーテイングできるためにより好ましい。ま
た、該ビニル系共重合体の被膜4の厚さは、0.01
〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmである。すな
わち5μmを超えると、ガス交換膜のガス交換能
を低下させるおそれおよびガス交換膜が中空糸状
である場合には、中空糸内に血液を通した場合、
血液流路が縮小されてしまう虞れがあるためであ
る。 このようにガス交換膜にパーフルオロアルキル
側鎖を有するビニルモノマーを1成分とするビニ
ル系共重合体をコーテイングすることによつて接
触する血液の血小板成分等の損傷は極めて低くお
さえられる一方、該ビニル系共重合体は、非常に
良好なガス透過性を有しているため、膜型人工肺
のO2添加能およびCO2除去能を実質的に低下させ
ることはない。 第3図は、本発明の膜型人工肺の一実施態様で
ある中空糸膜型人工肺の組立状態を示すものであ
る。すなわち、該中空糸膜型人工肺1は、ハウジ
ング5を具備してなり、このハウジング5は筒状
本体6の両端部にそれぞれ環状の雄ネジ付き取付
カバー7,8が設けられ、ハウジング5内には、
全体が広がつて多数の、例えば10000〜60000本の
上記したように少なくとも血液接触面がパーフル
オロアルキル側鎖を有するビニルモノマーを1成
分とするビニル系共重合体によりコーテイングさ
れた多孔質または均質の中空糸状のガス交換膜2
がハウジング5の長手方向に沿つて並列的に相互
に離間配置されている。そして、このガス交換膜
2の両端部は、取付カバー7,8内においてそれ
ぞれの開口が閉塞されない状態で隔壁9,10に
より液密に支持されている。また、上記各隔室
9,10は、ガス交換膜2外周面と上記ハウジン
グ5の内面とともに第1の物質移動室である酸素
室11を構成し、これを閉塞し、かつ上記ガス交
換膜2の内部に形成される第2の物質移動流体用
空間である血液流通用空間(図示しない)と酸素
室11を隔離するものである。 一方の取付カバー7には、第1の物質移動流体
である酸素を供給する導入口12が設けられてい
る。他方の取付カバー8には酸素を排出する導出
口13が設けられている。 上記ハウジング5の筒状本体6の内面には、軸
方向の中央に位置して突出する絞り用拘束部14
を設けることが好ましい。すなわち、拘束部14
は上記筒状本体6の内面に筒状本体と一体に形成
されていて、筒状本体6内に挿通される多数のガ
ス交換膜2からなる中空糸束15の外周を締め付
けるようになつている。こうして、上記中空糸束
15は、第1図で示すように軸方向の中央におい
て絞り込まれ、絞り部16を形成している。した
がつて、ガス交換膜2充填率は、軸方向に沿う各
部において異なり、中央部分において最も高くな
つている。なお、後述する理由により望ましい各
部の充填率は次の通りである。まず、中央の絞り
部16における充填率は、約60〜80%、その他筒
状本体6内では約30〜60%であり、中空糸束15
の両端、つまり隔壁9,10の外面における充填
率では、約20〜40%である。 次に、上記隔壁9,10の形成について述べ
る。前述したように隔壁9,10は、ガス交換膜
2の内部と外部を隔離するという重要な機能を果
たすものである。通常、この隔離9,10は、極
性の高い高分子ポツテイング材、たとえばポリウ
レタン、シリコーン、エポキシ樹脂等をハウジン
グ5の両端内壁面に遠心注入法を利用して流し込
み、硬化させることにより作られる。さらに詳述
すれば、まず、ハウジング5の長さより長い多数
の中空糸膜2を用意し、この両開口端を粘度の高
い樹脂によつて目止めをした後、ハウジング5の
筒状本体6内に並べて位置せしめる。この後、取
付けカバー7,8の径以上の大きさの型カバー
で、ガス交換膜2の各両端を完全に覆つて、ハウ
ジング5の中心軸を中心にそのハウジング5を回
転させながら両端部側から高分子ポツテイング材
を流入する。流し終つて樹脂が硬化すれば、上記
型カバーを外して樹脂の外側面部を鋭利な刃物で
切断してガス交換膜2の両開口端を表面に露出さ
せる。かくして隔壁9,10は形成されることに
なる。 上記隔壁9,10の外面は、環状凸部を有する
流路形成部材17,18でそれぞれ覆われてい
る。この流路形成部材17,18はそれぞれ液分
配部材19,20およびネジリング21,22よ
りなり、この液分配部材19,20の周縁部付近
に設けられた環状凸部として突条23,24の端
面を前記隔壁9,10にそれぞれ当接させ、ネジ
リング21,22を取付けカバー7,8にそれぞ
れ螺合することにより固定することにより第2の
物質移動流体である血液の流入室25および流出
室26がそれぞれ形成されている。この流路形成
部材17,18にはそれぞれ第2の物質移動流体
である血液入口27および出口28が形成されて
いる。 この隔壁9,10と、流路形成部材17,18
とにより形成される隔壁9,10の周縁部の空隙
部には、該空隙部に連通する少なくとも2個の孔
31,32の一方より充填剤33,34を充填す
ることに前記隔壁9,10と接触するようにシー
ルされる。あるいはまた、Oリング(図示せず)
を介してシールされる。 なお、前記中空糸膜型人工肺において、第1の
物質移動流体としては空気等の酸素含有ガスまた
は血液であり、第2の物質移動流体としては血液
または酸素含有ガスである。したがつて、第1の
物質移動流体がガスの場合には第2の物質移動流
体は血液であり、一方、第1の物質移動流体が血
液の場合には第2の物質移動流体はガスである。 以上は、中空糸膜型人工肺の場合について説明
したが、積層式、1枚の膜をコイル状に巻いたも
の、ジクザグ状に折込んだもの等の平膜型人工肺
についても、用いられるガス交換膜の少なくとも
血液と接触する面にパーフルオロアルキル側鎖を
有するビニルモノマーを1成分とするビニル系共
重合体をコーテイングしたものであれば、生体適
合性が高く接触する血液の血小板等の損傷が極め
て小さく、かつガス交換能の優れた膜型人工肺が
得られる。 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1および比較例1 内径200μm、肉厚100μmのシリコーンゴム製
中空糸膜を用いて、膜面積1.6m2の第3図に示す
ような中空糸膜型人工肺を作成した。 一方(メチルメタクリレート/ブチルメタクリ
レート)−パーフルオロプロピルアクリレートブ
ロツク共重合体(分子量比(25:25):50)をメ
チルエチルケトン/メチルイソブチルケトンの
4/6混合溶媒に溶解して3重量%溶液とした。
この(メチルメタクリレート/ブチルメタクリレ
ート)−パーフルオロプロピルアクリレート共重
合体溶液を上記中空糸膜型人工肺の血液流通面に
1分間充填した後、液を排出しエアーを吹通し
て、溶媒を除去し、被膜を形成した。被膜を形成
した膜型人工肺(実施例1およびコーテイング処
理を行なわなかつた膜型人工肺(比較例1)につ
いてガス交換能を評価するために、新鮮ヘパリン
加牛血を用い、酸素ガス分圧35mmHg、炭酸ガス
分圧45mmHgとなる静脈血を作製し、これを人工
肺の血液流路に流通させて性能評価を行なつた。
なお用いられた牛血のヘモグロビン含量は12g/
dlで、温度は37℃であつた。 酸素流量と血液流量の比が1のときの血液流量
と酸素ガス添加能および炭酸ガス除去能との関係
は、第1表に示すとおりである。第1表から明ら
かなように実施例1の膜型人工肺と比較例1の膜
型人工肺において、ガス交換能の実質的相違は認
められなかつた。 さらに、これらの膜型人工肺を、犬を用いて6
時間の静脈−動脈部分体外循環にかけたところ、
実施例1の膜型人工肺においては、血小板の減少
が5%であるのに対し比較例1の膜型人工肺にお
いては15%であつた。 実施例2および比較例2 内径200μm、肉厚25μm、空孔率45%、平均孔
系700Åの多孔性ポリプロピレン性中空糸膜を用
いて膜面積1.6m2の第3図に示すような中空糸膜
型人工肺を作成した。 一方(メチルメタクリレート/ブチルメタクリ
レート)−パーフルオロプロピルアクリレート共
重合体(分子量比(25:25):50)をメチルエチ
ルケトン/メチルイソブチルケトンの4/6混合
溶媒に溶解して30重量%溶液を調製した後、エタ
ノールで3重量%にまで希釈した。この希釈溶液
を用いて実施例1と同様にして中空糸膜型人工肺
の血液流通面に被膜を形成した。被膜を形成膜型
人工肺(実施例2)およびコーテイング処理を行
なわなかつた膜型人工肺(比較例2)について、
実施例1および比較例1と同様にしてガス交換能
を評価した。結果を第1表に示す。第1表から明
らかなように実施例2の膜型人工肺と比較例2の
膜型人工肺において、ガス交換能の実質的相違は
認められなかつた。 さらに、これらの膜型人工肺を、雑犬を用いた
30時間の静脈−動脈部分体外循環にかけたとこ
ろ、実施例2の膜型人工肺においては、血小板減
少が10%であるのに対し比較例2の膜型人工肺に
おいては25%であつた。
【表】 発明の具体的効果 以上述べたように、本発明は、膜型人工肺にお
いて、ガス交換膜の少なくとも血液接触面に、パ
ーフルオロアルキル側鎖を有するビニルモノマー
を1成分とするビニル系共重合体をコーテイング
したことを特徴とする膜型人工肺であるから、該
膜型人工肺に血液を循環させても、該膜型人工肺
との接触による血液凝固、微小血栓の生成、血小
板損失、血漿タンパクの変性、溶血等の血液成分
の損傷が極めて少なく、いわゆる生体適合性の高
いものであり、またそのガス交換能も、パーフル
オロアルキル側鎖を有するビニルモノマーを1成
分とするビニル系共重合体の被膜は極めてガス透
過性が高く、ガス交換膜の本来有するガス交換能
を何ら阻害するものではないために十分なもので
あり、極めて優れた膜型人工肺である。 本発明の膜型人工肺は、さらに前記ビニル系共
重合体がパーフルオロアルキル側鎖を有する(メ
タ)アクリレートモノマーを1成分とする(メ
タ)アクリレート系共重合体である場合、また前
記ビニル系共重合体がブロツク共重合体である場
合、さらに前記ブロツク共重合体におけるパーフ
ルオロアルキル側鎖を有するビニルモノマーより
なるポリマー分と共重合体を構成する他のモノマ
ーよりなるポリマー分との重量比が0.25〜1.5で
ある場合、さらにはパーフルオロアルキル側鎖が
−CH2CH2(CF27CF3である場合にはさらに生体
適合性の高いものとなり、またガス交換膜がオレ
フイン系樹脂、より好ましくはポリプロピレン製
の多孔質膜またはシリコーゴム製の均質である場
合には、そのガス交換能のより優れたものとな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明の膜型人工肺の
一実施態様におけるそれぞれのガス交換膜の拡大
断面図であり、また第3図は、本発明の膜型人工
肺の一実施態様である中空糸膜型人工肺の部分断
面図を示すものである。 1……膜型人工肺、2……ガス交換膜、3……
細孔、4……被膜、5……ハウジング、6……筒
状本体、9,10……隔壁、11……第1の物質
移動室、12,13……第1の物質移動流体導入
出口、15……中空糸束、27,28……第2の
物質移動流体導入出口。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 膜型人工肺において、ガス交換膜の少なくと
    も血液接触面に、パーフルオロアルキル側鎖を有
    するビニルモノマーを1成分とするビニル系共重
    合体をコーテイングしたことを特徴とする膜型人
    工肺。 2 前記ビニル系共重合体がパーフルオロアルキ
    ル側鎖を有する(メタ)アクリレートモノマーを
    1成分とする(メタ)アクリレート系共重合体で
    ある特許請求の範囲第1項に記載の膜型人工肺。 3 前記ビニル系共重合体がブロツク共重合体で
    ある特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
    膜型人工肺。 4 前記ブロツク共重合体におけるパーフルオロ
    アルキル側鎖を有するビニルモノマーよりなるポ
    リマー分と共重合体を構成する他のモノマーより
    なるポリマー分との重量比が0.25〜1.5である特
    許請求の範囲第3項に記載の膜型人工肺。 5 パーフルオロアルキル側鎖が−CH2CH2
    (CF27CF3である特許請求の範囲第1項〜第4項
    のいずれかに記載の膜型人工肺。 6 ガス交換膜が、多孔質膜である特許請求の範
    囲第1項〜第5項のいずれかに記載の膜型人工
    肺。 7 多孔質膜が、オレフイン系樹脂製のものであ
    る特許請求の範囲第6項に記載の膜型人工肺。 8 多孔質膜が、ポリプロピレン製のものである
    特許請求の範囲第7項に記載の膜型人工肺。 9 ガス交換膜が均質膜である特許請求の範囲第
    1項〜第5項のいずれかに記載の膜型人工肺。 10 均質膜が、シリコーンゴム製のものである
    特許請求の範囲第9項に記載の膜型人工肺。 11 ガス交換膜が中空糸状である特許請求の範
    囲第1項〜第10項のいずれかに記載の膜型人工
    肺。 12 パーフルオロアルキル側鎖を有するビニル
    モノマーを1成分とするビニル系共重合体は、
    0.001〜10μmの膜厚にコーテイングされているも
    のである特許請求の範囲第1項〜第11項のいず
    れかに記載の膜型人工肺。
JP20179085A 1985-09-13 1985-09-13 膜型人工肺 Granted JPS6264372A (ja)

Priority Applications (6)

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