JPH11319080A - 中空糸型血液透析器 - Google Patents

中空糸型血液透析器

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JPH11319080A
JPH11319080A JP10129315A JP12931598A JPH11319080A JP H11319080 A JPH11319080 A JP H11319080A JP 10129315 A JP10129315 A JP 10129315A JP 12931598 A JP12931598 A JP 12931598A JP H11319080 A JPH11319080 A JP H11319080A
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JP
Japan
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hollow fiber
bag
dialysate
flow path
pressure
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JP10129315A
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English (en)
Inventor
Sumio Ohara
澄夫 大原
Hironobu Sugiyama
博信 杉山
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Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外部操作によって透析液側流路の流路抵抗を調
整することができて、患者の状況に応じた人工透析を行
い得る中空糸型血液透析器を提供する。 【解決手段】筒状ケーシング内に多数本の中空糸膜から
なる中空糸束を装填することによって、各中空糸膜の内
胞で形成される血液側流路と、中空糸束の外周面と筒状
ケーシングの内面間及び隣設する各中空糸膜間で形成さ
れる透析液側流路とを有する中空糸型血液透析器におい
て、筒状ケーシング内に伸縮可能な袋状部材を装填し、
該袋状部材を筒状ケーシングの外部から供給される圧力
で膨満させることによって、透析液側流路の断面積を可
変させることを特徴とする。袋状部材は、例えば円筒形
状に形成されたり、複数連設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工透析時に使用
される中空糸型血液透析器に係わり、特に使用時の透析
液の流路抵抗を調整し得る中空型血液透析器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、中空糸型血液透析器(以下、
血液透析器という)においては、図10のように圧力分
布しているため、血液入口側(=透析液出口側)では血
液側の圧力が透析液側の圧力より高く、血液側から透析
液側に液の移動が起こる。つまり、血液から除水(この
時、尿毒症物質も一緒に除去)される。一方、血液透析
器の血液出口側(=透析液入口側)では、透析液側の圧
力が血液側の圧力より高くなり、透析液側から血液側に
液の移動が起こる。つまり、透析液が補液される。
【0003】ところで、近年血液透析において、慢性血
液療法で発生する長期合併症を防止するために、血液の
大量除水・大量補液が行われるようになってきたが、こ
の一例として、逆濾過促進法と呼ばれる大量置換法が採
用されている。従来、この大量置換法が簡単に行える透
析濾過器(血液透析器)としては、例えば特開平9−8
4873号公報に開示されている。
【0004】この透析濾過器51は、図11に示すよう
に、血液が流れる第1の流路52と透析液が流れる第2
の流路53が、中空糸膜54を隔てて形成されており、
透析液が流れる第2の流路53において、中空糸膜54
の束55と筒状本体56内面との間及び隣接する中空糸
膜54同士の間隙に、透析液膨潤性の介挿体57が設け
られると共に、第2の流路53の中央部に透析液膨潤性
材料により狭窄部58が設けられている。そして、第2
の流路53の抵抗を大きくすることによって、血液入口
59付近で一般的な血液透析器(図10)より、より多
く除水し、血液出口60付近で一般的な血液透析器よ
り、より多く補液するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この透
析濾過器51にあっては、介挿体57や狭窄部58が中
空糸膜54の束55の外周面と筒状本体56の内面間や
束55の隣接する中空糸膜54間に単に配置されている
のみであるため、透析液側流路としての第2流路53の
圧力損失及び圧力勾配が固定化される。
【0006】そのため、除水量と補液量の差し引き量
(除水量−補液量)は、一般的な透析装置に組み込まれ
ている除水量制御装置によって管理できるものの、上記
血液濾過器51において筒状本体56の血液入口59部
分で行われる除水量や血液出口60部分で行われる補液
量の調整を行うことは不可能である。その結果、患者に
よっては最低限必要な物資まで限度以上に除去される虞
があって、薬等を摂取する必要が生じる等、患者の状況
に応じた人工透析を行うことが難しいという問題点があ
った。
【0007】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、請求項1記載の発明の目的は、外部操作により
透析液側流路の流路抵抗を調整することができて、患者
の状況に応じた人工透析を行い得る中空糸型血液透析器
を提供することにある。また、請求項2記載の発明の目
的は、外部操作により透析液側流路の流路抵抗を調整す
ることができて、患者の状況に応じた人工透析を行い得
ると共に、透析液側流路の流路抵抗を安定維持し得る中
空糸型血液透析器を提供することにある。
【0008】また、請求項3記載の発明の目的は、請求
項1または2記載の発明の目的に加え、中空糸束の外周
面全域を均一に押圧して透析液側流路の流路抵抗を安定
かつ容易に調整し得る中空糸型血液透析器を提供するこ
とにあり、また請求項4記載の発明の目的は、請求項1
または2記載の発明の目的に加え、袋状部材の形状を簡
略化させ得る中空糸型血液透析器を提供することにあ
る。また、請求項5記載の発明の目的は、請求項1ない
し4記載の発明の目的に加え、隣接する中空糸膜間の各
透析液側流路の断面積をより均一に可変し得る中空糸型
血液透析器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明のうち請求項1記載の発明は、筒状ケーシン
グ内に多数本の中空糸膜からなる中空糸束を装填するこ
とによって、各中空糸膜の内胞で形成される血液側流路
と、中空糸束の外周面と筒状ケーシングの内面間及び隣
接する各中空糸膜間で形成される透析液側流路とを有す
る中空糸型血液透析器において、筒状ケーシング内に伸
縮可能な袋状部材を装填し、該袋状部材を筒状ケーシン
グの外部から供給される圧力で膨満させることによっ
て、透析液側流路の断面積を可変させることを特徴とす
る。
【0010】このように構成することにより、筒状ケー
シング内に装填されている伸縮可能な袋状部材は、筒状
ケーシングの外部から、例えば生理食塩水を供給するこ
とにより膨満し、この袋状部材の膨満によって、各中空
糸膜の断面積は変化させずに、中空糸束の隣接する各中
空糸膜間の透析液側流路が狭まってその断面積が小さく
なる。透析液側流路の断面積が小さくなると、透析液側
流路の透析液の流路抵抗が大きくなり、除水量と補液量
がそれぞれ大きくなる。また、反対に袋状部材の膨満量
を小さくして透析液側流路の断面積を大きくすると、透
析液側流路の透析液の流路抵抗が小さくなって、除水量
と補液量が小さくなる。すなわち、袋状部材内に供給さ
れる圧力の量(袋状部材の膨満量)によって透析液側流
路の透析液の流路抵抗を外部から調整でき、除水量と補
液量が所定値に設定され、患者の状況に応じた人工透析
が可能になる。
【0011】また、請求項2記載の発明は、筒状ケーシ
ング内に多数本の中空糸膜からなる中空糸束を装填する
ことによって、各中空糸膜の内胞で形成される血液側流
路と、中空糸束の外周面と筒状ケーシングの内面間及び
隣接する各中空糸膜間で形成される透析液側流路とを有
する中空糸型血液透析器において、筒状ケーシング内に
装填された伸縮可能な袋状部材と、該袋状部材内に筒状
ケーシングの外部の圧力源から圧力を供給して袋状部材
を膨満させる圧力供給口と、該圧力供給口内に設けられ
袋状部材内に供給された圧力の逆流を阻止する逆止弁
と、を具備することを特徴とする。
【0012】このように構成することにより、筒状ケー
シング内に装填されている伸縮可能な袋状部材は、筒状
ケーシングの外部から圧力供給口を介して例えば生理食
塩水が供給されることによって膨満する。この時、袋状
部材内の圧力は、圧力供給口に設けた逆止弁によって逆
流が阻止され、袋状部材が所定の圧力に維持される。こ
の袋状部材の膨満によって、請求項1記載の発明と同様
に、透析液側流路の断面積が可変され、透析液側流路の
透析液の流路抵抗が調整されて、除水量と補液量が所定
値に設定される。
【0013】また、請求項3記載の発明は、袋状部材が
中空糸束の外周面を包むように略円筒形状に形成されて
いることを特徴とする。このように構成することによ
り、浮袋のような略円筒形状の袋状部材で中空糸束の外
周面を包むことができるため、この袋状部材の内側方向
への膨満によって、中空糸束の長手方向所定部位の外周
面全域を均一に押圧して、透析液側流路の断面積が外部
操作によって安定かつ容易に可変される。
【0014】また、請求項4記載の発明は、袋状部材が
中空糸束の内部に配設されていることを特徴とする。こ
のように構成することにより、袋状部材に圧力が供給さ
れて膨満すると、袋状部材で中空糸束が内部から外側方
向に向けて押圧されて、透析液側流路の断面積が可変さ
れると共に、袋状部材は中空糸束の内部に配置するだけ
で良く、その構成が簡略化される。
【0015】また、請求項5記載の発明は、袋状部材が
複数の袋状部材で形成されていることを特徴とする。こ
のように構成することにより、膨満した複数の各袋状部
材で、例えば各袋状部材に対応して設けられた中空糸束
の、隣接する中空糸膜間の各透析液側流路の断面積がそ
れぞれ可変されるため、中空糸束全体における各透析液
側流路の断面積が略均一に可変される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図5は、本発
明に係わる中空糸型血液透析器の第1実施例を示し、図
1がその一部破断した断面図、図2がその要部斜視図、
図3が動作説明図、図4及び図5が血液と透析液の圧力
分布を示すグラフである。
【0017】図1〜図3において、中空糸型血液透析器
1(以下、血液透析器1という)は、両端部が開口した
筒状ケーシング2を有し、この筒状ケーシング2内には
多数本(数百〜数万本)の中空糸膜4で形成された中空
糸束3が装填されている。筒状ケーシング2の両端部2
a、2b側には、筒状ケーシング2の軸と直交する方向
に透析液流出口6と透析液流入口5が形成され、一方の
端部2aの開口部には血液流入口8を有する蓋体7が液
密に装着され、他方の端部2bの開口部には血液流出口
10を有する蓋体9が液密に装着されている。この透析
液流入口5及び透析液流出口6にはキャップ11がそれ
ぞれ装着され、血液流入口8及び血液流出口10には、
キャップ12がそれぞれ装着される。
【0018】また、筒状ケーシング2内に装填される中
空糸束3は、封止剤で固着された両端部の封止部13に
よって一体化されると共に、Oリング14によってシー
ル(液密)されている。さらに、筒状ケーシング2内の
長手方向の略中央部分には、所定長さLの袋状部材15
が装填されている。この袋状部材15は、例えばシリコ
ン、PVC、ポリエチレン、ポリプロピレン等の伸縮可
能な薄い軟質材料によって、周壁内部に内胞部15aを
有するように円筒形状(浮袋形状)に形成され、その中
心部分に設けた孔15b内に中空糸束3が貫通した状
態、すなわち袋状部材15によって中空糸束3の外周面
3aが包まれた状態で装填されている。
【0019】この中空糸束3によって、筒状ケーシング
2内に血液側流路16と透析液側流路17とが形成され
ている。すなわち、血液側流路16は、中空糸束3の両
端部の封止部13の開口が血液流入口8及び血液流出口
10にそれぞれ連通する多数本の中空糸膜4の内胞4a
(図3参照)によって形成され、蓋体7の血液流入口8
から流入した血液が中空糸膜4の内胞4aを介して、蓋
体9の血液入出口10に流出する。また、透析液側流路
17は、透析液流入口5及び透析液流出口6に連通し、
中空糸束3の外周面3aと筒状ケーシング2の内面間及
び隣接する各中空糸膜4間に形成される多数の流路17
a(図3参照)によって形成され、透析液流入口5から
流入した透析液が流路17aを介して透析液流出口6に
流出する。
【0020】そして、図示しない透析装置によって、透
析液流入口5(血液流出口10)側において、透析液側
流路17の圧力が血液側流路16の圧力より高くなるよ
うに設定され、かつ透析液流出口6(血液流入口8)側
において、透析液側流路17の圧力が血液側流路16の
圧力より低くなるように設定されており、これにより、
透析側流入口5側で補液を行い、透析側流出口6側にお
いて除水される。
【0021】なお、袋状部材15には内胞部15aに連
通するチューブ状の圧力供給口18が設けられ、この圧
力供給口18は、筒状ケーシング2の孔19(図3参
照)に液密に固着されてその先端部が筒状ケーシング2
の外部に所定寸法突出している。また、圧力供給口18
の内部には、後述する如く袋状部材15内に供給される
圧力の逆流を阻止する逆止弁20が設けられ、この圧力
供給口18には、図1に示すように、外部に設けられた
圧力源21が接続される。
【0022】この圧力源21としては、例えば空気や窒
素ガス等の気体、水や生理食塩水等の液体が使用される
が、袋状部材15の破損を考慮した場合、生理食塩水の
使用が最も好ましい。また、袋状部材15の長さLは、
後述する如く、透析液側流路17の断面積を少なくとも
長手方向において部分的に可変し得る寸法であれば良
く、例えば筒状ケーシング2の長手方向の略全域に沿っ
た長さに設定することもできるが、圧力の供給量との関
係から図示する程度の寸法が好ましい。
【0023】次に、上記血液透析器1の動作について説
明する。先ず、血液透析器1の袋状部材15は、血液透
析器1の製造段階において、内胞部15aが膨らんでい
ない(内胞部15aの圧力を排出した)状態で、その孔
15bに中空糸束3を貫通させ、筒状ケーシング2内に
装填される。したがって、初期段階においては、袋状部
材15の内胞部15aの容積は極少量に設定され、この
状態において、図3に示すように透析液側流路17の各
流路17aの幅w1(断面積)は所定の幅を有してい
る。
【0024】そして、この血液透析器1を使用する場合
は、圧力供給口18に圧力源21を接続し、患者の状況
に合わせて、袋状部材15の内胞部15aに圧力を供給
し、袋状部材15を膨満させる。袋状部材15が膨満す
ると、この袋状部材15の外周面のうち孔15b側が内
側に膨満し、中空糸束3の外周面3aを図3の矢印イ方
向に押圧する。この袋状部材15の押圧によって、中空
糸束3の透析液側流路17を形成する隣接する各中空糸
膜4間の流路17aの幅がw2に狭まり(w2<w
1)、これにより、透析液側流路17全体の断面積が小
さくなってその流路抵抗が大きくなり、この時、各中空
糸膜4の断面積(内包4aの内径)は変化することがな
く、血液側流路16の流路抵抗は変化しない。
【0025】すなわち、袋状部材15の内胞部15aに
供給される圧力の量(袋状部材15の膨満量)によっ
て、透析液側流路17内を流れる透析液の流路抵抗を可
変することができ、この流路抵抗に応じて除水量と補液
量が設定されることになる。なお、袋状部材15に供給
された圧力は、圧力供給口18に設けた逆止弁20によ
って外部への逆流が阻止され、袋状部材15の膨満量は
供給された圧力の量に応じた所定量に安定維持される。
【0026】そして、除水量と補液量の値を小さく設定
したい場合には、袋状部材15の膨満量を小さくして透
析液の流路抵抗を小さくする。この流路抵抗によって、
図4に示すように、透析液の圧力がその略中央部分にお
いて、勾配が図10に示す圧力に比較してやや急勾配と
なり、血液流出口10側における透析液側の圧力が血液
側の圧力に対して高くなる。なお、この除水量と補液量
の値を小さく設定する場合で、袋状部材15を膨満させ
る必要がない場合には、袋状部材15に圧力を供給する
ことなく、そのまま使用できることはいうまでもない。
【0027】また一方、除水量と補液量を大きくしたい
場合は、袋状部材15に圧力を多く供給してその膨満量
を大きくし、透析液側流路17の断面積をより小さし
て、透析液の流路抵抗を大きくする。この流路抵抗が大
きくなることにより、図5に示すように、透析液の圧力
がその中央部分においてより急勾配となって、血液流出
口10側における透析液側の圧力が血液側の圧力に対し
て大幅に高くなって、除水量及び補液量がより大きい値
に設定されることになる。
【0028】したがって、透析液側流路17の流路抵抗
を調整することにより、透析液の圧力勾配が可変され、
透析液側流路17の上流側と下流側の圧力差が所定値に
設定される。そして、この圧力差に応じて、血液側流路
16内を流れる血液は、先ず透析液流出口6(血液流入
口8)側において、各中空糸膜4を介して除水され、次
いで透析液流入口5(血液流出口10)側において、各
中空糸膜4を介して補液が行われることになる。
【0029】このように、上記実施例の血液透析器1に
よれば、筒状ケーシング2内に装填される中空糸束3の
外周面3aを袋状部材15で包み、この袋状部材15の
内胞部15aに圧力を供給することによって袋状部材1
5を膨満させ、中空糸束3の透析液側流路17の断面積
を可変して透析液の流路抵抗を調整することができるた
め、患者の状況に応じて、除水量と補液量を最適値に設
定して人工透析を行うことが可能になる。その結果、人
工透析時に、患者にとって最低限必要な物質まで限度以
上に除去してしまうことがなくなり、薬等を摂取させる
必要もなくなる。
【0030】また、袋状部材15が筒状ケーシング2の
直内面側に装填されると共に、この袋状部材15に設け
た圧力供給口18を筒状ケーシング2から突出させてい
るため、圧力供給口18に圧力源21を接続するだけで
袋状部材15への圧力供給を行うことができると共に、
袋状部材15が浮袋形状に形成されているため、中空糸
束3の外周面全域を均一に押圧することができ、外部操
作で袋状部材15を介して透析液側流路17の流路抵抗
を安定かつ容易に調整することができる等、操作性に優
れた血液透析器1を得ることができる。さらに、圧力供
給口18内に逆止弁20が配置されているため、袋状部
材15内の圧力の外部への逆流が阻止され、袋状部材1
5内の圧力、すなわち透析液側流路17の流路抵抗を一
定に維持することができて、例えば安定した人工透析が
可能になる。
【0031】また、圧力源21として空気や窒素ガス等
の気体あるいは水や生理食塩水等の液体を使用すること
ができるため、その取扱性を向上させることができると
共に、特に生理食塩水を使用すれば、袋状部材15が仮
に破損した場合であっても、透析療法への悪影響を確実
に防止することができる。またさらに、袋状部材15を
伸縮可能な軟質材料で形成することができるため、例え
ば図11に示す介挿体57等のような膨潤性を持つ材料
に比較して安価な材料を使用することができて、安価で
大量の除水と補液が行える血液透析器1を得ることが可
能になる。
【0032】図6〜図9は、本発明に係わる血液透析器
の第2実施例〜5実施例を示し、以下、上記第1実施例
と同一部位には同一符号を付して説明する。先ず、図6
に示す第2実施例の血液透析器は、袋状部材23を中空
糸束3の外周面3a側に配置するのではなく、中空糸束
3の内部に配置するようにしたものである。この実施例
においては、袋状部材23の内胞部23aに圧力が供給
されることにより、袋状部材23が二点鎖線で示すよう
に外側方向に膨満し、中空糸束3を筒状ケーシング2の
内面に押圧させる。
【0033】この袋状部材23の膨満によって透析液側
流路17の断面積が小さくなって、透析液側流路17の
流路抵抗が調整されることになり、上記第1実施例と同
様の作用効果が得られる他に、袋状部材15を風船形状
に形成できるため、上記袋状部材15のように浮袋形状
に形成する必要がなくなって、その構成が簡略化される
という作用効果が得られる。
【0034】また、図7に示す第3実施例の血液透析器
は、袋状部材15を複数(図では4個)の袋状部材15
Aで形成し、各袋状部材15Aを圧力連通部24を介し
て連通・連結させ、この連結した袋状部材15A内に中
空糸束3をそれぞれ嵌挿させるようしたものである。こ
の実施例においても、圧力供給口18から圧力連通部2
4を介して各袋状部材15A内に圧力が供給されること
により、全体として略浮袋形状に配置された各袋状部材
15Aで、中空糸束3の外周面3aを内側方向に押圧す
ることができて、上記第1実施例と同様の作用効果が得
られる。
【0035】また、図8に示す第4実施例の血液透析器
は、数百から数千本の中空糸膜4で形成された中空糸束
3Aを浮袋形状の袋状部材15Aでそれぞれ包み、この
各袋状部材15Aを圧力連通部24で連通・連結させ
て、筒状ケーシング2内に装填するようにしたものであ
る。この実施例においても、圧力供給口18及び圧力連
通部24から各袋状部材15Aに圧力が供給されること
により、各袋状部材15Aに嵌挿されている各中空糸束
3Aの透析液側流路17の断面積が調整され、上記第1
実施例と同様の作用効果が得られる。
【0036】また、この実施例においては、血液透析器
の中空糸束3が複数の中空糸束3Aに分割され、各中空
糸束3Aに対応して設けられた各袋状部材15Aの膨満
によって、各中空糸束3Aの透析液側流路17の断面積
がそれぞれ可変される。そのため、一つの袋状部材15
で一つの中空糸束3を一括して押圧する場合に比較し
て、各中空糸束3Aの隣接する中空糸膜4間の各透析液
側流路17の幅(断面積)を均一に可変することがで
き、結果として透析液側流路17全体の断面積の可変範
囲を拡げることができるという作用効果が得られる。
【0037】また、図9に示す第5実施例の血液透析器
は、複数(図では3個)の浮袋形状の袋状部材15A
に、一端が圧力供給板25に接続された圧力供給口18
Aをそれぞれ設け、各袋状部材15Aに圧力をそれぞれ
直接供給するようにしたものである。この実施例におい
ても、上記第1実施例と同様の作用効果が得られる他
に、各袋状部材15Aへの圧力供給がより確実となり、
各中空糸束3A(図9では図示せず)の隣接する中空糸
膜4間の透析液側流路17をより均一に可変することが
できるという作用効果が得られる。
【0038】なお、本発明は、上記各実施例のそれぞれ
に限定されるものでもなく、各実施例を適宜に組み合わ
せることもできるし、袋状部材の個数、大きさ及び形
状、圧力供給口の位置や個数等も一例であって、本発明
の要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能である
ことはいうまでもない。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明によれば、外部から袋状部材に供給される圧力に応じ
て、透析液側流路の断面積を可変して透析液の流路抵抗
を調整することができるため、除水量と補液量を外部操
作によって所定値に設定でき、患者の状況に応じた人工
透析を行うことが可能になる。
【0040】また、請求項2記載の発明によれば、袋状
部材に供給される圧力に応じて、透析液側流路の透析液
の流路抵抗を調整することができるため、除水量と補液
量を外部操作によって所定値に設定でき、患者の状況に
応じた人工透析を行うことが可能になると共に、逆止弁
によって袋状部材内の圧力の逆流が阻止されるため、透
析液側流路の流路抵抗を安定維持することができる。
【0041】また、請求項3記載の発明によれば、請求
項1または2記載の発明の効果に加え、略円筒形状の袋
状部材で中空糸束の外周面を包むことができるため、こ
の袋状部材の内側方向への膨満によって、中空糸束の外
周面全域を均一に押圧して透析液側流路の断面積を可変
でき、流路抵抗の外部操作が安定かつ容易に行える等、
操作性を向上させることができる。
【0042】また、請求項4記載の発明によれば、請求
項1または2記載の発明の効果に加え、袋状部材を中空
糸束の内部に配置するだけで良いため、袋状部材の形状
を簡略化させることができる。
【0043】また、請求項5記載の発明によれば、請求
項1ないし4記載の発明の効果に加え、複数の袋状部材
がそれぞれ膨満することによって、例えば各袋状部材に
対応して設けられた中空糸束の隣接する各透析液側流路
の断面積をより均一に調整することができる等の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる中空糸型血液透析器の第1実施
例を示す一部破断した断面図
【図2】同その要部斜視図
【図3】同その動作説明図
【図4】同血液と透析液の圧力分布の一例を示すグラフ
【図5】同血液と透析液の圧力分布の他の例を示すグラ
【図6】本発明に係わる中空糸型血液透析器の第2実施
例を示す要部断面図
【図7】本発明に係わる中空糸型血液透析器の第3実施
例を示す要部斜視図
【図8】本発明に係わる中空糸型血液透析器の第4実施
例を示す要部斜視図
【図9】本発明に係わる中空糸型血液透析器の第5実施
例を示す要部斜視図
【図10】一般的な中空糸型血液透析器における血液と
透析液の圧力分布を示すグラフ
【図11】従来の中空糸型血液透析器を示す断面図
【符号の説明】
1 中空型血液透析器 2 筒状ケーシング 3、3A 中空糸束 3a 外周面 4 中空糸膜 4a 内胞 5 透析液流入口 6 透析液流出口 8 血液流入口 10 血液流出口 15、15A 袋状部材 15a 内胞部 15b 孔 16 血液側流路 17 透析液側流路 18、18A 圧力供給口 20 逆止弁 21 圧力源 23 袋状部材 23a 内胞部 24 圧力連通部 25 圧力供給板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状ケーシング内に多数本の中空糸膜から
    なる中空糸束を装填することによって、各中空糸膜の内
    胞で形成される血液側流路と、中空糸束の外周面と筒状
    ケーシングの内面間及び隣接する各中空糸膜間で形成さ
    れる透析液側流路とを有する中空糸型血液透析器におい
    て、前記筒状ケーシング内に伸縮可能な袋状部材を装填
    し、該袋状部材を筒状ケーシングの外部から供給される
    圧力で膨満させることによって、前記透析液側流路の断
    面積を可変させることを特徴とする中空糸型血液透析
    器。
  2. 【請求項2】筒状ケーシング内に多数本の中空糸膜から
    なる中空糸束を装填することによって、各中空糸膜の内
    胞で形成される血液側流路と、中空糸束の外周面と筒状
    ケーシングの内面間及び隣接する各中空糸膜間で形成さ
    れる透析液側流路とを有する中空糸型血液透析器におい
    て、前記筒状ケーシング内に装填された伸縮可能な袋状
    部材と、該袋状部材内に筒状ケーシングの外部の圧力源
    から圧力を供給して袋状部材を膨満させる圧力供給口
    と、該圧力供給口内に設けられ袋状部材内に供給された
    圧力の逆流を阻止する逆止弁と、を具備することを特徴
    とする中空糸型血液透析器。
  3. 【請求項3】前記袋状部材は、前記中空糸束の外周面を
    包むように略円筒形状に形成されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の中空糸型血液透析器。
  4. 【請求項4】前記袋状部材は、前記中空糸束の内部に配
    設されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    中空糸型血液透析器。
  5. 【請求項5】前記袋状部材が複数の袋状部材で形成され
    ていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
    記載の中空糸型血液透析器。
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