JP3742711B2 - 医療用熱交換器 - Google Patents

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    • A61M1/00Suction or pumping devices for medical purposes; Devices for carrying-off, for treatment of, or for carrying-over, body-liquids; Drainage systems
    • A61M1/14Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis
    • A61M1/16Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis with membranes
    • A61M1/1698Blood oxygenators with or without heat-exchangers

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用熱交換器に関するものである。さらに詳しくは、心筋保護液、血液などの生体循環用液体の温度を一定温度に保持あるいは冷却または復温するための熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
心臓手術を行う場合に、心臓および肺の機能を一時的に代替するために人工肺、熱交換器、送血用ポンプなどを組み込んだ血液体外循環回路である人工心肺回路が使用される。そして、最近では、この人工心肺回路に心臓に心筋保護液を循環させる心筋保護液循環回路を備えるものが使用されるようになってきた。
この心筋保護液循環回路中には、心筋保護液[例えば、晶質液(例えば、グルコースとインシュリンおよびカリウムの組み合わせからなるもの)と血液の混合液]が流れ、必要な温度に保護液を調整した後、患者の冠動脈あるいは冠静脈に供給される。この温度調整に熱交換器が使用される。
【0003】
心筋保護液循環回路用の熱交換器としては、例えば、特開平9−75451号公報のものがある。この熱交換器は、ハウジング内に収納された熱交換用直管束と、この熱交換用直管をハウジングに固定するシール材(隔壁)を備え、熱交換用直管束の外側とハウジングの内面間を心筋保護液が流れ、熱交換用直管内に熱交換媒体が流れる形式のものである。そして、この熱交換器では上端部側のシール材の熱交換流体(心筋保護液)との接触面が水平面に対して、熱交換流体流出口側が高くなるように傾斜している。これにより、ハウジング内に形成されている熱交換流体室に気泡が貯留することを防止ししている。
【0004】
また、心筋保護液循環回路用の熱交換器としては、例えば、特開平9−66101号公報のものがある。この熱交換器も、ハウジング内に収納された熱交換用直管束と、この熱交換用直管(細管)をハウジングに固定するシール材(隔壁)を備え、熱交換用直管束の外側とハウジングの内面間を熱交換用流体(心筋保護液)が流れ、熱交換用直管内に熱交換媒体が流れる形式のものである。この熱交換器は、熱交換部と濾過部を備え、熱交換された心筋保護液は、上方のシール材の若干下方に形成された連通口より、濾過部に流入する。そして、濾過部内には、気泡除去用ならびに異物除去用のフィルターが垂直に設けられており、濾過部に流入した熱交換用流体(心筋保護液)は、このフィルターを通過した後、熱交換器より流出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平9−75451号公報の熱交換器では、熱交換器内に気泡が貯留することがなく、いわゆるエアーブロックを生じることがないが、逆に、熱交換用流体(心筋保護液)が含有していた気泡、さらには、熱交換されることにより発生した気泡は、すべて下流側に流れ、そのままでは、心臓に送られることになる。
これに対し、特開平9−66101号公報の熱交換器では、熱交換用流体(心筋保護液)が含有していた気泡、さらには、熱交換されることにより発生した気泡の大部分を除去することができる。しかし、この熱交換器では、特開平9−75451号公報の熱交換器のように上方のシール材の下面が傾斜していないため、シール材の下面に気泡が貯留するエアーブロックを生じ、熱交換性能が低下することがある。さらに、熱交換用流体が流入する連通口とフィルターとが向かい合っているため、熱交換用流体流は、フィルターに当接する。このため熱交換用流体の気泡が液体流に押されてフィルターを通過する危険性がある。また、脱気口とフィルター間が離れているため、両者間にエアーが貯留するという問題もある。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解消した医療用熱交換器を提供するものであり、特に、熱交換器の熱交換用流体室すなわち生体循環用液体室内でのエアーの貯留が極めて少なく、エアーブロックを起こすことがなく、さらに、生体循環用液体中の気泡を確実に除去でき、かつ、下流側に気泡を押し出すことが極めて少ない医療用熱交換器を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、熱媒体流入口、熱媒体流出口、生体循環用液体流入口および該生体循環用液体流入口より上方に設けられた生体循環用液体流出口とを備えるハウジングと、該ハウジング内に収納された多数の熱交換用細管からなる熱交換体と、該熱交換体の両端部を前記ハウジングに液密に固定し、該ハウジング内を前記熱媒体流入口および前記熱媒体流出口と連通する熱媒体室と、前記熱交換用細管内に形成され、かつ前記生体循環用液体流入口と連通する生体循環用液体室とに区分する2つの隔壁とを有し、一方の隔壁は、他方の隔壁より上方に位置しており、かつ、前記生体循環用液体が下方の隔壁の外面より、前記熱交換用細管内に形成された前記生体循環用液体室内に流入し、該生体循環用液体室内を上方に向かって流れた後、上方の隔壁の外面より流出するように形成された医療用熱交換器であり、該医療用熱交換器は、前記上方の隔壁の外面の上方に位置し、前記生体循環用液体室より流出する生体循環用液体が流入する生体循環用液体流通室と、該生体循環用液体流通室の側面もしくは側面の一部を形成する生体循環用液体流通性を有する気泡捕捉用フィルター部材と、前記生体循環用液体流出口と連通し、かつ、該気泡捕捉用フィルター部材を通過した生体循環用液体が流入する生体循環用液体導出部と、前記生体循環用液体流通室を形成するための液体流通室形成部とを備え、さらに、該液体流通室形成部は、筒状もしくは上方に向かって拡がる変形筒状に形成された気泡捕捉用フィルター部材と、該気泡捕捉用フィルター部材を支持する生体循環用液体流通室形成部材を備えるものである医療用熱交換器である。
【0008】
そして、前記医療用熱交換器は、筒状もしくは上方に向かって拡がる変形筒状の液体流通室形成部を有し、前記気泡捕捉用フィルター部材は、該生体循環用液体流通室形成部の側面のほぼ全体もしくは一部を形成しており、さらに、前記生体循環用液体流通室は、前記上方の隔壁の外面と前記ハウジングの内面と該液体流通室形成部の内面により形成されており、さらに、前記生体循環用液体導出部は、前記ハウジング内面と前記生体循環用液体流通室形成部間により形成された環状空間であることが好ましい。また、前記液体流通室形成部は、前記上方の隔壁の外面に形成される生体循環用液体流出面の面積より大きな断面積を有しており、前記液体流通室形成部は、前記生体循環用液体流出面より流出する生体循環用液体流全体を環状に取り囲むように上方に延びるものであることが好ましい。さらに、前記液体流通室形成部は、上方の隔壁の外面より流出する生体循環用液体流が直接前記気泡捕捉用フィルター部材に当接しないように形成されていることが好ましい。
【0009】
そして、前記医療用熱交換器は、前記生体循環用液体流通室の上端と連通する気泡除去口と、該気泡除去口側と前記生体循環用液体流通室側とを区分する生体循環用液体非通過性かつ通気性を有する膜部材を備えていることが好ましい。さらに、前記医療用熱交換器は、前記生体循環用液体流通室内の圧力が所定圧以上となったときに開放するリリーフ弁を備えることが好ましい。
【0010】
また、前記気泡捕捉用フィルター部材は、プリーツ状に折り曲げられているものであってもよい。そして、前記熱交換器は、下方の隔壁の外面と前記ハウジングの内面との間に形成された生体循環用液体導入部を有し、前記生体循環用液体流入口は、該生体循環用液体導入部の中心より周縁部側となる位置にて該生体循環用液体導入部と連通していることが好ましい。そして、前記生体循環用液体導入部は、断面形状がほぼ円形もしくはほぼ楕円形となっており、かつ、前記生体循環用液体流入口は、該生体循環用液体導入部のほぼ接線方向に延びるものであることが好ましい。さらに、前記医療用熱交換器は、例えば、心筋保護液回路用熱交換器である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の医療用熱交換器を、図面に示した実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の医療用熱交換器の正面図である。図2は、図1に示した医療用熱交換器の右側面図である。図3は、図1に示した医療用熱交換器の平面図である。図4は、図1のA−A線断面図である。図5は、図1のB−B線断面図である。図6は、図1に示した医療用熱交換器の上部の拡大断面図である。
【0012】
医療用熱交換器1は、熱媒体流入口24、熱媒体流出口25、生体循環用液体流入口26および生体循環用液体流入口26より上方に設けられた生体循環用液体流出口27とを備えるハウジング2と、ハウジング2内に収納された多数の熱交換用細管からなる熱交換体3と、熱交換体3の両端部をハウジング2に液密に固定し、ハウジング2内を熱媒体流入口24および熱媒体流出口25と連通する熱媒体室11と生体循環用液体流入口26と連通する生体循環用液体室12とに区分する2つの隔壁4,5とを有し、一方の隔壁5は、他方の隔壁4より上方に位置しており、生体循環用液体が下方の隔壁4の外面より、熱交換用細管内に形成された生体循環用液体室12内に流入し、生体循環用液体室12内を上方に向かって流れた後、上方の隔壁5の外面より流出するように形成されている。
【0013】
そして、医療用熱交換器1は、上方の隔壁5の外面の上方に位置し、生体循環用液体室12より流出する生体循環用液体が流入する生体循環用液体流通室13と、生体循環用液体流通室13の側面もしくは側面の一部を形成する生体循環用液体流通性を有する気泡捕捉用フィルター部材16と、生体循環用液体流出口27と連通し、かつ、気泡捕捉用フィルター部材16を通過した生体循環用液体が流入する生体循環用液体導出部14とを有する。
なお、生体循環用液体とは、心筋保護液および血液を含む概念であり、心筋保護液としては、晶質液(例えば、グルコースとインシュリンおよびカリウムの組み合わせからなるもの)もしくは血液と晶質液の混合物がある。
【0014】
そこで、本発明の医療用熱交換器1を心筋保護回路用熱交換器に応用した実施例を用いて説明する。
医療用熱交換器1は、ハウジング2と、熱交換体3、この熱交換体3をハウジング2に固定する2つの隔壁4,5と、上方の隔壁5の上部に載置された生体循環用液体流通室形成部15とを有している。
ハウジング2は、筒状ハウジング本体21、筒状ハウジング本体21の上端に固定された上部側ヘッダー22、筒状ハウジング本体21の下端に固定された下部側ヘッダー23とからなる。筒状ハウジング本体21は、側面に上方より、生体循環用液体流出口27、熱媒体流入口24、熱媒体流出口25を順に備えている。そして、下部側ヘッダー23は、生体循環用液体流入口26を備えている。このため、生体循環用液体流出口27は、生体循環用液体流入口26より、上方に位置している。
【0015】
ハウジング本体21内には、多数の熱交換用細管31を外周(断面形状)がほぼ円状となるように束ねた熱交換用細管束が収納されており、熱交換用細管束が熱交換体3を構成している。なお、細管束の形状は、外周(断面形状)がほぼ円状のものに限られず、楕円状、多角形状(例えば、四角形、六角形、八角形など)のものであってよい。そして、この熱交換体3、言い変えれば、熱交換用細管束は、隔壁4,5により、上端部および下端部がハウジング本体21内面に液密に固定されている。これにより、ハウジング本体21内は、熱交換用細管31の外面とハウジング本体21の内面と隔壁4,5間により形成された熱媒体室11と、熱交換用細管31内により形成された生体循環用液体室12とに区分されている。熱交換用細管31は、隔壁4の下端面もしくは下端面より若干下方において一端が開口しており、隔壁5の上端面もしくは上端面より若干上方において他端が開口している。このため、生体循環用液体が下方の隔壁4の外面より、熱交換用細管31内により形成された体循環用液体室内に流入し、生体循環用液体室12内を上方に向かって流れた後、上方の隔壁5の外面より生体循環用液体室12から流出する。
【0016】
熱交換用細管31としては、熱伝導率の高い金属管(例えば、ステンレス管、アルミニウム管、銅管)が使用され、内径0.4〜8mm、特に0.5〜3mmのものが好ましい。そして、このような熱交換用細管31を約10本〜2000本、好ましくは、約50本〜1000本を、有効長(熱交換に寄与する部分の長さ)が、50〜150mm、好ましくは、70〜120mmとなるようにハウジング2内に収納されている。そして、医療用熱交換器1としては、0.03〜0.2m2程度の熱交換面積を有することが好ましい。
【0017】
ハウジング本体21の形成に用いられる材料としては、ポリカーボネート、アクリル・スチレン共重合体、アクリル・ブチレン・スチレン共重合体など種々のものが使用できる。
ハウジング本体21の下端に固定された下部側ヘッダー23は、図3および図4に示すように、内部に円盤状の空間を有する部材であり、生体循環用液体流入口26を備えている。下部側ヘッダー23の内面と隔壁4の外面間により、断面形状がほぼ円形の生体循環用液体導入部29が形成されている。なお、ヘッダー22,23およびハウジング本体21は、このような断面が円形のものに限定されるものではなく、部分的に直線部分を有する変形円形状、楕円形状、さらには、部分的に直線部分を有する変形楕円形状などであってもよい。
【0018】
そして、生体循環用液体流入口26は、生体循環用液体導入部29の中心より周縁部側となる位置にて生体循環用液体導入部29と連通している。特に、この実施例の熱交換器1では、生体循環用液体流入口26は生体循環用液体導入部29のほぼ接線方向に延びるものとなっている。このため、生体循環用液体流入口26より流入した生体循環用液体は、生体循環用液体導入部29内にて旋回流となり、生体循環用液体中の気泡は生体循環用液体導入部29の中央部に集まりやすくなるため、後述する生体循環用液体流通室13における気泡除去が容易となっている。
ハウジング本体21への上部側ヘッダー22および下部側ヘッダー23の固定は、超音波、高周波などを用いて融着または接着剤を用いた接着あるいは機械的嵌合により行われる。また、隔壁4,5は、高分子ポッティング剤(例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム)などにより形成される。
【0019】
隔壁5の中央部の上端面もしくは若干上端面より上方において、上述したように、多数の熱交換用細管31が開口しており、この多数の熱交換用細管31の開口部が、生体循環用液体流出面5aを形成している。そして、隔壁5の周縁部には、熱交換用細管31が存在しない環状部51が形成されており、さらに、隔壁5のこの環状部の周縁部には、中央部より低く形成された段差部52が形成されている。
医療用熱交換器1は、上方の隔壁5の外面の上方に位置し、生体循環用液体室12より流出する生体循環用液体が流入する生体循環用液体流通室13を有する。この実施例の医療用熱交換器1では、生体循環用液体流通室13は、隔壁5の外面と生体循環用液体流通室形成部15の内面および上部側ヘッダー22の内面により形成されている。
【0020】
液体流通室形成部15は、液体流通室形成部材17とこれに保持された生体循環用液体流通性を有する気泡捕捉用フィルター部材16からなる。液体流通室形成部材17は、上方に向かって延びる筒状体の側面部を備えており、この側面部の下部に下部固定用環状平板部15aが、側面部の上部には上部固定用環状平板部15bが形成されている。そして、上述した隔壁5の環状段差部51とハウジング2内面間に下部固定用環状平板部15aが収納されており、これにより流通室形成部の下部を保持している。流通室形成部と隔壁5は、液密状態であることが好ましいが、若干液体が流通するものであってもよい。
【0021】
そして、液体流通室形成部15の側面には、側面のほぼ全体を構成するように設けられた生体循環用液体流通性を有する気泡捕捉用フィルター部材16を有している。具体的には、気泡捕捉用フィルター部材16は、液体流通室形成部材17の側面部のほぼ全体を被包するように設けられている。液体流通室形成部材17は、気泡捕捉用フィルター部材16の表面および裏面を保持する粗い格子状のフレーム部を備えており、このフレーム部により、気泡捕捉用フィルター部材16は、挟まれた状態となっている。このような液体流通室形成部15は、例えば、気泡捕捉用フィルター部材16を形成し、これを金型内に入れ、液体流通室形成部材形成樹脂を射出するいわゆるインサート成形により形成することができる。なお、このような方法に限定されるものではなく、気泡捕捉用フィルター部材を液体流通室形成部材17に熱融着、接着剤などを用いて固着してもよい。また、この実施例の熱交換器1のように、液体流通室形成部15の側面部のほぼ全体を被包するように気泡捕捉用フィルター部材16を設けることが好ましいが、側面部の一部を気泡捕捉用フィルター部材が被包するものであってよい。例えば、液体流通室形成部材17の中央部付近より上方部分の側面部を気泡捕捉用フィルター部材が被包するもの(液体流通室形成部材17の下部は、生体循環用液体が通過できないようにしたもの)、また、帯状に上方に延びるように複数の気泡捕捉用フィルター部材を有し、帯状気泡捕捉用フィルター部材間は生体循環用液体が通過できないようにしたものなどであってもよい。
【0022】
そして、この熱交換器1では、液体流通室形成部15は、上方の隔壁5の外面(生体循環用液体流出側隔壁外面)に形成される生体循環用液体流出面5aの面積より大きな断面積を有し、さらに、上方の隔壁5の外面(言い換えれば、生体循環用液体流出面)より流出する生体循環用液体流全体を環状に取り囲むようにハウジング2内にてその軸方向上方に延びている。このように形成されているため、液体流通室形成部15は、上方の隔壁5の外面(生体循環用液体流出面)より流出する生体循環用液体流が直接気泡捕捉用フィルター部材16に当接しない。このため、熱交換用流体の気泡が液体流に押されてフィルター部材を通過することが極めて少ない。
【0023】
また、気泡捕捉用フィルター部材76は、図7に示すように、プリーツ状に折り曲がったものを用いてもよい。この場合に、生体循環用液体流通室形成部の全体の形状も図7に示すように側面がプリーツ状に折り曲げられ軸方向に平行に延びる凹凸を有する筒状体となっている。よって、液体流通室形成部材77もこれに対応する形状となっている。このようなプリーツ状のフィルター部材を用いることにより、フィルター部材に広い膜面積を持たせることができる。
【0024】
気泡捕捉用フィルター部材16としては、十分な生体循環液の透過性を有する多孔質シートが好適である。多孔質シートとしては、メッシュ状のもの、ネット状のもの、織布、不織布、網布、延伸法もしくは固液相分離法などにより形成された多孔質膜等が挙げられ、これらを単独または任意に組み合わせて(例えば、積層して)用いることができる。
【0025】
フィルター部材16の開口の大きさとしては、15〜300μm程度、特に20〜200μmが好適である。より、好適には、80〜150μmである。このように開口が大きいフィルター部材16を用いても、この実施例の熱交換器1では、隔壁5より流出する生体循環液流が直接フィルター部材16に当接しないので気泡の通過が少ない。
【0026】
フィルター部材形成材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデンなどの疎水性の高分子材料、また、酢酸セルロース、銅アンモニアセルロースなどの再生セルロース、セルロース誘導体、エチレン−ビニルアルコール共重体、アクリルニトリル共重合体、ポリサルホンなどの親水性材料が用いられる。
【0027】
そして、疎水性材料を用いてフィルター部材16を形成した場合には、表面、特に、生体循環液接触面を親水化処理することが好ましい。なお、親水化処理とは、完全な親水性とするものに限られるものではなく、フィルター部材16の生体循環液接触面の濡れ性を向上させ、言い換えれば、プライミング液に対する接触角を低下させ、プライミング液の通過を容易にすることを意味するものである。なお、このような、親水化処理を行わなくても、熱交換器1の使用前に、アルコール(好ましくは、エチルアルコール)もしくはアルコール含有液体をフィルター部材16に接触させて親水化した後に使用するものとしてもよい。
【0028】
親水化処理としては、プラズマ処理、コロナ処理などの物理的表面改質、親水性高分子材料のコーティング(固定を含む)により行うことができる。親水性高分子材料としては、抗血栓性を備えるものがより好ましい。このような親水性高分子材料としては、ヘパリン、ポリアルキルスルホン、エチルセルロース、アクリル酸エステル系重合体、メタアクリル酸エステル系重合体[例えば、ポリHEMA(ポリヒドロキシエチルメタクリレート)、PMEA(ポリメチルエチルアクリレート)]、疎水性セグメントと親水性セグメントの両者を有するブロックまたはグラフト共重合体もしくはランダム共重合体(例えば、HEMA−スチレン−HEMAのブロック共重合体、HEMA−MMA[メチルメタアクリレート]のブロック共重合体、2−HEMA−MMAのブロック共重合体、2−HEMA−ランダム共重合体、HEMA−LMA[ラウリルメタアクリレート]のブロック共重合体、PVP[ポリビニルピロリドン]−MMAのブロック共重合体、HEMA−MMA/AA[アクリル酸]のブロック共重合体、さらにこのブロック共重合体にアミノ基を有するポリマーを混合したブレンドポリマー、および含フッ素樹脂などが使用できる。好ましくは、HEMA−スチレン−HEMAのブロック共重合体、HEMA−MMA[メチルメタアクリレート]のブロック共重合体、HEMA−MMA/AA[アクリル酸]のブロック共重合体などが使用できる。
【0029】
上部側ヘッダー22は、円筒状に所定長さ延びるハウジング本体21への固着部と、中央に形成され、生体循環用液体流通室13の上端と連通する気泡除去口41と、圧力モニタリングポート44と、温度モニタリングポート45と、圧力リリーフ弁58を収納したポート57を有している。また、上部側ヘッダー22は、内面の周縁部より若干中央よりの位置に形成された環状リブ46を備えている。この環状リブとハウジング内面間に、液体流通室形成部材17の上部固定用環状平板部15bが収納されており、これにより流通室形成部材17の上部を保持している。流通室形成部15とヘッダー22は、液密状態であることが好ましい。
【0030】
上部側ヘッダー22は、図4に示すように、ヘッダー22の中央開口部に装着された気泡除去部形成部材40を備えている。気泡除去部形成部材40の中央部には、その内部空間の上端と連通するように形成された気泡除去口41が設けられている。さらに、気泡除去部形成部材40は、気泡除去口41側と生体循環用液体流通室13側とを区分するように設けられた生体循環用液体非通過性かつ通気性を有する膜部材42を有しており、この膜部材42は、この上面と接触する支持体47により保持されている。具体的には、膜部材42と支持体47は、上部側ヘッダー22と気泡除去部形成部材40により挟持され、固定されている。
【0031】
生体循環用液体非通過性かつ通気性を有する膜部材42としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリアミド等の疎水性高分子材料の多孔質膜、織布、不織布、または、セルロースなどの親水性多孔質膜を疎水性処理したものが使用できる。
【0032】
さらに、気泡除去部形成部材40には、通常は閉塞し、気泡除去部形成部材40内の圧力が大気圧より若干高くなったときに、自動的に開口し、気泡除去部形成部材内の圧力が大気圧以下となったときに、自動的に閉塞するエアー抜き弁43が設けられている。具体的には、図5および図6に示すように、気泡除去口41は、多数の細口により形成されており、この細口を被包し、閉塞するようにアンブレラ弁48が取り付けられている。なお、アンブレラ弁48は、中央より下方に延びる膨出部48aが気泡除去部形成部材40の中央に固定されている。このアンブレラ弁がエアー抜き弁を構成している。アンブレラ弁48の内面は、気泡除去部形成部材内の圧力を受け、この圧力が、大気圧より若干高くなると、アンブレラ弁の外周部が変形し、気泡除去部形成部材内と外部とを気泡除去口を介して連通させ、気泡(空気)の排除を行う。そして、圧力が大気圧以下となるとアンブレラ弁48は、閉塞する。
【0033】
エアー抜き弁(アンブレラ弁)48を形成する弾性材料としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴム、オレフィン系エラストマー、アミド系エラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー)などのエラストマー、ポリウレタンなどが使用される。
なお、エアー抜き弁43としては、このようなアンブレラ弁に限らず、ダックビル弁、平板弁でもよい。また、このようなエアー抜き弁を設けることが好ましいが、気泡除去口は、開放可能なキャップを取り付けたポート、例えば、図4に示した温度モニタリングポートのようなものでもよい。
【0034】
上部側ヘッダー22のポート57内に圧力リリーフ弁43が収納されている。圧力リリーフ弁43は、通常は閉塞し、生体循環用液体流通室13内の圧力が所定圧以上となったときに、自動的に開口し、生体循環用液体流通室内の圧力が所定圧以下となったときに、自動的に閉塞する。具体的には、図6に示すように、リリーフ弁43は、本体部70と弁体71とからなり、本体部70は、側面を形成する筒状部65と、筒状部の上部に形成され周縁部に多数の貫通口66を備える円盤状部と、この円盤状部の中央部より下方に伸びる円錐状の突起68と、筒状部の下部に形成され、弁体71を保持するための環状リブ69を有する。そして、環状リブ69の上面と突起68間に弁体(平板弁)71が収納されている。弁体71は、変形可能な弾性材料、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴム、オレフィン系エラストマー、アミド系エラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマー)などのエラストマー、ポリウレタンなどにより円盤状に形成されている。
【0035】
弁体71の底面は、生体循環用液体流通室内の圧力を受け、この圧力が、所定値、例えば、150〜800mmHg以上、好ましくは、200〜500mmHg以上となると、弁体の外周部が変形し、生体循環用液体流通室内と弁体の外側空間とを連通させ圧力を逃がすとともに、若干の生体循環用液体を流通させる。そして、通常瞬時に圧力が低下するため、リリーフ弁も、瞬時に閉塞する。使用時には、ポート57に被嵌されているキャップは取り外され、ポート57は、熱交換器より下流側、特に、ポンプより下流側に位置する部位、例えば、心筋保護液容器もしくは循環回路に設けられたコネクター(図示せず)に接続される。このため、リリーフ弁57を通過した生体循環用液体は、循環回路の下流側に戻されることになる。
ハウジング2、具体的には、ハウジング本体21、ヘッダー22,23、気泡除去口形成部材の形成材料としては、ポリカーボネート、アクリル・スチレン共重合体、アクリル・ブチレン・スチレン共重合体などが使用できる。
【0036】
また、液体流通室形成部材17の形成材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル・スチレン共重合体、アクリル・ブチレン・スチレン共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニルなどの疎水性の高分子材料が用いられる。そして、上述したように液体流通室形成部15をインサート成形により作成する場合には、液体流通室形成部材17の形成材料として、気泡捕捉用フィルター部材形成材料と相溶性もしくは融着性のあるものを用いることが好ましい。
【0037】
なお、ハウジング本体21の形状は、図示した円筒状のものに限定されるものではなく、断面が楕円状のもの、さらには、多角筒状などのものでもよい。また、熱交換体3としては、多数の細管31を用いたものに限定されるものではなく、例えば、金属板をプリーツ状に折り曲げたものであってもよい。このような金属板の折り曲げたものを用いる場合には、生体循環液体流入口は、上述したような熱交換器と同様に、下方の隔壁4のさらに下方に形成してもよいが、ハウジング2内に形成される生体循環液体室の下部と連通するようにハウジング2の側面に設けてもよい。
【0038】
この実施例の医療用熱交換器1は、心筋保護回路中に組み込まれて使用される。 心臓手術用の体外循環回路の一例を図8に示す。
この心臓手術用の体外循環回路50は、人工心肺回路部51と心筋保護回路部61とを備えている。人工心肺回路部には、上流側より、患者60より脱血した血液を一時的に貯留するするための貯血槽53、貯血槽内の血液を熱交換器付人工肺54に送るための血液ポンプ55、血液ポンプより送られてきた血液の温度調整ならびに血液中の二酸化炭素の除去および酸素付加を行う熱交換器付人工肺54を備えており、人工肺より流出した血液は患者に変換される。また、心筋保護液容器63より供給される心筋保護液と人工肺より流出した血液の一部は、心筋保護回路側の血液ポンプ62により、混合され生体循環用液体の状態となって、心筋保護回路用熱交換器1に送られる。そして、生体循環用液体は、心筋保護回路用熱交換器1において必要な温度調整および気泡除去が行われた後、患者の冠動脈もしくは冠静脈に行われる。なお、心筋保護液の送液は、常時行われている訳ではなく、必要なときのみ送液される。具体的には、20〜30分間隔に5分程度送液が行われる。心筋保護回路は、心臓を停止させ手術を行いやすくし、その間心臓を保護するために、冠動脈または冠静脈に心筋保護液を注入するためのものであり、熱交換器1において、心筋保護液を冷却して注入する。また。手術終了時には、生体温度に加温した心筋保護液を注入し心臓の代謝機能を正常な状態に戻すためのものである。心筋保護液としては、血液:晶質液の比率を必要により変更する。具体的には、血液:晶質液は、1:1から9:1の間で変化させる。
【0039】
次に、医療用熱交換器1の作用について説明する。
この実施例の熱交換器1では、生体循環用液体流入口26より流入した生体循環用液体流は、生体循環用液体導入部29内にて旋回流となり、生体循環用液体中の気泡は生体循環用液体導入部29の中央部に集まりやすくなり、気泡を多く含む液体流は、隔壁4の中央部より細管31内に流入する。生体循環用液体導入部29内に流入した生体循環用液体は、細管31(生体循環用液体室12)内を上方に向かって流れた後、上方の隔壁5の外面より流出し、生体循環用液体流通室13に流入する。そして、生体循環用液体流通室13に流入した液体中の気泡の大部分は、具体的には、生体循環用液体導入部の中央部に集まり隔壁4の中央部より細管31内に流入した液体中の気泡は、気泡捕捉用フィルター部材16に接触することなく浮力により上昇する。また、気泡捕捉用フィルター部材16により通過を阻止された細かい気泡も浮力により上昇し、生体循環用液体非通過性かつ通気性を有する膜部材42を通過し、気泡除去部形成部材40内に移動する。また、この熱交換器1では、液体流通室形成部15は、上方の隔壁5の外面より流出する生体循環用液体流全体を環状に取り囲むようにハウジング2の軸方向上方に延びており、上方の隔壁5の外面より流出する生体循環用液体流が直接気泡捕捉用フィルター部材16に当接しない。このため、熱交換用液体中の気泡が気泡捕捉用フィルター部材16に接触するときには、その速度が十分遅くなっているため、熱交換用流体の気泡が液体流に押されて気泡捕捉用フィルター部材16を通過する危険性が少ない。
【0040】
このようにして、気泡捕捉用フィルター部材16を通過して気泡が除去された生体循環用液体は、生体循環用液体導出部14に流入した後、生体循環用液体流出口27より流出する。
なお、本発明の医療用熱交換器として、心筋保護回路用熱交換器を用いて説明したが、本発明の医療用熱交換器は、これに限られるものではなく、人工心肺回路用の熱交換器としても利用できる。
【0041】
次に、図9ないし図12に示す実施例の医療用熱交換器80について説明する。
基本構成は、図1ないし図6に示し、上述した医療用熱交換器1と同じであり、相違は、医療用熱交換器の外形、医療用熱交換器80が圧力リリーフ弁を備えない点、および液体流通室形成部の形状である。なお、同じ部分については、同じ符号を付してあり、上述したものと同じであるので、上述の記載を参照する。
【0042】
この医療用熱交換器80では、液体流通室形成部85は、図10に示すように、側面部が上方に向かって拡がる変形筒状、具体的には、円錐台状となっている。なお、円錐台状に限らず、多角錐台状であってもよい。このため、液体流通室形成部材87は、上方に向かって拡がる変形筒状の側面部を備えるものとなっており、この液体流通室形成部材87では、側面部の下端より側面部の上端の方が内径が大きいものとなっている。同様にフィルター部材86も下端より側面部の上端の方が内径が大きいものとなっている。
【0043】
また、この医療用熱交換器80では、熱交換用細管が存在する部分に近接し、かつ熱交換用細管が存在する部分を取り囲むように、シール部材であるOーリング88が設けられており、下方の隔壁84の周縁部である熱交換用細管が存在しない部分に生体循環用液体が流入しないように構成されている。なお、このような形態に限られるものではなく、熱交換用細管が存在する部分に近接しかつ熱交換用細管が存在する部分を取り囲むように、シール部材装着用の環状溝を設けたものとしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明の医療用熱交換器は、熱媒体流入口、熱媒体流出口、生体循環用液体流入口および該生体循環用液体流入口より上方に設けられた生体循環用液体流出口とを備えるハウジングと、該ハウジング内に収納された多数の熱交換用細管からなる熱交換体と、該熱交換体の両端部を前記ハウジングに液密に固定し、該ハウジング内を前記熱媒体流入口および前記熱媒体流出口と連通する熱媒体室と、前記熱交換用細管内に形成され、かつ前記生体循環用液体流入口と連通する生体循環用液体室とに区分する2つの隔壁とを有し、一方の隔壁は、他方の隔壁より上方に位置しており、かつ、前記生体循環用液体が下方の隔壁の外面より、前記熱交換用細管内に形成された前記生体循環用液体室内に流入し、該生体循環用液体室内を上方に向かって流れた後、上方の隔壁の外面より流出するように形成された医療用熱交換器であり、該医療用熱交換器は、前記上方の隔壁の外面の上方に位置し、前記生体循環用液体室より流出する生体循環用液体が流入する生体循環用液体流通室と、該生体循環用液体流通室の側面もしくは側面の一部を形成する生体循環用液体流通性を有する気泡捕捉用フィルター部材と、前記生体循環用液体流出口と連通し、かつ、該気泡捕捉用フィルター部材を通過した生体循環用液体が流入する生体循環用液体導出部とを有している。
このため、熱交換器の熱交換用流体室すなわち生体循環用液体室内でのエアーの貯留が極めて少なく、エアーブロックを起こすことがなく、さらに、生体循環用液体中の気泡を確実に除去でき、かつ、下流側に気泡を押し出すことが極めて少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の医療用熱交換器の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した医療用熱交換器の右側面図である。
【図3】図3は、図1に示した医療用熱交換器の平面図である。
【図4】図4は、図1のA−A線断面図である。
【図5】図5は、図1のB−B線断面図である。
【図6】図6は、図1に示した医療用熱交換器の上部の拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の医療用熱交換器の他の実施例の断面図である。
【図8】図8は、心臓手術用の体外循環回路の一例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の医療用熱交換器の他の実施例の正面図である。
【図10】図10は、図9に示した医療用熱交換器の断面図である。
【図11】図11は、図9に示した医療用熱交換器の平面図である。
【図12】図12は、図9に示した医療用熱交換器の底面図である。
【符号の説明】
1 医療用熱交換器
2 ハウジング
24 熱媒体流入口
25 熱媒体流出口
26 生体循環用液体流入口
27 生体循環用液体流出口27
3 熱交換体
11 熱媒体室
12 生体循環用液体室
4,5 隔壁
13 生体循環用液体流通室
16 気泡捕捉用フィルター部材
14 生体循環用液体導出部
80 医療用熱交換器

Claims (8)

  1. 熱媒体流入口、熱媒体流出口、生体循環用液体流入口および該生体循環用液体流入口より上方に設けられた生体循環用液体流出口とを備えるハウジングと、該ハウジング内に収納された多数の熱交換用細管からなる熱交換体と、該熱交換体の両端部を前記ハウジングに液密に固定し、該ハウジング内を前記熱媒体流入口および前記熱媒体流出口と連通する熱媒体室と、前記熱交換用細管内に形成され、かつ前記生体循環用液体流入口と連通する生体循環用液体室とに区分する2つの隔壁とを有し、一方の隔壁は、他方の隔壁より上方に位置しており、かつ、前記生体循環用液体が下方の隔壁の外面より、前記熱交換用細管内に形成された前記生体循環用液体室内に流入し、該生体循環用液体室内を上方に向かって流れた後、上方の隔壁の外面より流出するように形成された医療用熱交換器であり、該医療用熱交換器は、前記上方の隔壁の外面の上方に位置し、前記生体循環用液体室より流出する生体循環用液体が流入する生体循環用液体流通室と、該生体循環用液体流通室の側面もしくは側面の一部を形成する生体循環用液体流通性を有する気泡捕捉用フィルター部材と、前記生体循環用液体流出口と連通し、かつ、該気泡捕捉用フィルター部材を通過した生体循環用液体が流入する生体循環用液体導出部と、前記生体循環用液体流通室を形成するための液体流通室形成部とを備え、さらに、該液体流通室形成部は、筒状もしくは上方に向かって拡がる変形筒状に形成された気泡捕捉用フィルター部材と、該気泡捕捉用フィルター部材を支持する生体循環用液体流通室形成部材を備えるものであることを特徴とする医療用熱交換器。
  2. 前記液体流通室形成部は、前記上方の隔壁の外面に形成される生体循環用液体流出面の面積より大きな断面積を有しており、前記液体流通室形成部は、前記生体循環用液体流出面より流出する生体循環用液体流全体を環状に取り囲むように上方に延びるものである請求項1に記載の医療用熱交換器。
  3. 前記液体流通室形成部は、上方の隔壁の外面より流出する生体循環用液体流が直接前記気泡捕捉用フィルター部材に当接しないように形成されているものである請求項1または2に記載の医療用熱交換器。
  4. 前記医療用熱交換器は、前記生体循環用液体流通室の上端と連通する気泡除去口と、該気泡除去口側と前記生体循環用液体流通室側とを区分する生体循環用液体非通過性かつ通気性を有する膜部材を備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用熱交換器。
  5. 前記医療用熱交換器は、前記生体循環用液体流通室内の圧力が所定圧以上となったときに開放するリリーフ弁を備えている請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用熱交換器。
  6. 前記熱交換器は、下方の隔壁の外面と前記ハウジングの内面との間に形成された生体循環用液体導入部を有し、前記生体循環用液体流入口は、該生体循環用液体導入部の中心より周縁部側となる位置にて該生体循環用液体導入部と連通している請求項1ないしのいずれかに記載の医療用熱交換器。
  7. 前記生体循環用液体導入部は、断面形状がほぼ円形もしくはほぼ楕円形となっており、かつ、前記生体循環用液体流入口は、該生体循環用液体導入部のほぼ接線方向に延びるものである請求項1ないしのいずれかに記載の医療用熱交換器。
  8. 前記医療用熱交換器は、心筋保護液回路用熱交換器である請求項1ないしのいずれかに記載の医療用熱交換器。
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