JPH1147269A - 医療用熱交換器 - Google Patents

医療用熱交換器

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JPH1147269A
JPH1147269A JP9227283A JP22728397A JPH1147269A JP H1147269 A JPH1147269 A JP H1147269A JP 9227283 A JP9227283 A JP 9227283A JP 22728397 A JP22728397 A JP 22728397A JP H1147269 A JPH1147269 A JP H1147269A
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liquid
circulation liquid
biological
biological circulation
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    • A61M1/00Suction or pumping devices for medical purposes; Devices for carrying-off, for treatment of, or for carrying-over, body-liquids; Drainage systems
    • A61M1/14Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis
    • A61M1/16Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis with membranes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換器の生体循環用液体室内でのエアーの
貯留が極めて少なく、エアーブロックを起こすことがな
く、生体循環用液体中の気泡を確実に除去できる医療用
熱交換器を提供する。 【解決手段】 医療用熱交換器1は、熱媒体流入口2
4、流出口25、生体循環用液体流入口26、生体循環
用液体流出口27を備えるハウジング2と、多数の熱交
換用細管からなる熱交換体3と、熱交換体3の両端部を
ハウジング2に固定し、ハウジング2内を熱媒体室11
と生体循環用液体室12とに区分する隔壁4,5とを有
し、一方の隔壁5は、他方の隔壁4より上方に位置して
いる。熱交換器1は、上方の隔壁5の外面の上方に位置
し、生体循環用液体室より流出する生体循環用液体が流
入する生体循環用液体流通室13と、この流通室13の
側面を形成する気泡捕捉用フィルター部材16と、この
フィルター部材16を通過した生体循環用液体が流入す
る生体循環用液体導出部14とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用熱交換器に
関するものである。さらに詳しくは、心筋保護液、血液
などの生体循環用液体の温度を一定温度に保持あるいは
冷却または復温するための熱交換器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】心臓手術を行う場合に、心臓および肺の
機能を一時的に代替するために人工肺、熱交換器、送血
用ポンプなどを組み込んだ血液体外循環回路である人工
心肺回路が使用される。そして、最近では、この人工心
肺回路に心臓に心筋保護液を循環させる心筋保護液循環
回路を備えるものが使用されるようになってきた。この
心筋保護液循環回路中には、心筋保護液[例えば、晶質
液(例えば、グルコースとインシュリンおよびカリウム
の組み合わせからなるもの)と血液の混合液]が流れ、
必要な温度に保護液を調整した後、患者の冠動脈あるい
は冠静脈に供給される。この温度調整に熱交換器が使用
される。
【0003】心筋保護液循環回路用の熱交換器として
は、例えば、特開平9−75451号公報のものがあ
る。この熱交換器は、ハウジング内に収納された熱交換
用直管束と、この熱交換用直管をハウジングに固定する
シール材(隔壁)を備え、熱交換用直管束の外側とハウ
ジングの内面間を心筋保護液が流れ、熱交換用直管内に
熱交換媒体が流れる形式のものである。そして、この熱
交換器では上端部側のシール材の熱交換流体(心筋保護
液)との接触面が水平面に対して、熱交換流体流出口側
が高くなるように傾斜している。これにより、ハウジン
グ内に形成されている熱交換流体室に気泡が貯留するこ
とを防止ししている。
【0004】また、心筋保護液循環回路用の熱交換器と
しては、例えば、特開平9−66101号公報のものが
ある。この熱交換器も、ハウジング内に収納された熱交
換用直管束と、この熱交換用直管(細管)をハウジング
に固定するシール材(隔壁)を備え、熱交換用直管束の
外側とハウジングの内面間を熱交換用流体(心筋保護
液)が流れ、熱交換用直管内に熱交換媒体が流れる形式
のものである。この熱交換器は、熱交換部と濾過部を備
え、熱交換された心筋保護液は、上方のシール材の若干
下方に形成された連通口より、濾過部に流入する。そし
て、濾過部内には、気泡除去用ならびに異物除去用のフ
ィルターが垂直に設けられており、濾過部に流入した熱
交換用流体(心筋保護液)は、このフィルターを通過し
た後、熱交換器より流出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−75451
号公報の熱交換器では、熱交換器内に気泡が貯留するこ
とがなく、いわゆるエアーブロックを生じることがない
が、逆に、熱交換用流体(心筋保護液)が含有していた
気泡、さらには、熱交換されることにより発生した気泡
は、すべて下流側に流れ、そのままでは、心臓に送られ
ることになる。これに対し、特開平9−66101号公
報の熱交換器では、熱交換用流体(心筋保護液)が含有
していた気泡、さらには、熱交換されることにより発生
した気泡の大部分を除去することができる。しかし、こ
の熱交換器では、特開平9−75451号公報の熱交換
器のように上方のシール材の下面が傾斜していないた
め、シール材の下面に気泡が貯留するエアーブロックを
生じ、熱交換性能が低下することがある。さらに、熱交
換用流体が流入する連通口とフィルターとが向かい合っ
ているため、熱交換用流体流は、フィルターに当接す
る。このため熱交換用流体の気泡が液体流に押されてフ
ィルターを通過する危険性がある。また、脱気口とフィ
ルター間が離れているため、両者間にエアーが貯留する
という問題もある。
【0006】本発明の目的は、上述した従来技術の問題
点を解消した医療用熱交換器を提供するものであり、特
に、熱交換器の熱交換用流体室すなわち生体循環用液体
室内でのエアーの貯留が極めて少なく、エアーブロック
を起こすことがなく、さらに、生体循環用液体中の気泡
を確実に除去でき、かつ、下流側に気泡を押し出すこと
が極めて少ない医療用熱交換器を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、熱媒体流入口、熱媒体流出口、生体循環用液体流入
口および該生体循環用液体流入口より上方に設けられた
生体循環用液体流出口とを備えるハウジングと、該ハウ
ジング内に収納された多数の熱交換用細管からなる熱交
換体と、該熱交換体の両端部を前記ハウジングに液密に
固定し、該ハウジング内を前記熱媒体流入口および前記
熱媒体流出口と連通する熱媒体室と、前記熱交換用細管
内に形成され、かつ前記生体循環用液体流入口と連通す
る生体循環用液体室とに区分する2つの隔壁とを有し、
一方の隔壁は、他方の隔壁より上方に位置しており、か
つ、前記生体循環用液体が下方の隔壁の外面より、前記
熱交換用細管内に形成された前記生体循環用液体室内に
流入し、該生体循環用液体室内を上方に向かって流れた
後、上方の隔壁の外面より流出するように形成された医
療用熱交換器であり、該医療用熱交換器は、前記上方の
隔壁の外面の上方に位置し、前記生体循環用液体室より
流出する生体循環用液体が流入する生体循環用液体流通
室と、該生体循環用液体流通室の側面もしくは側面の一
部を形成する生体循環用液体流通性を有する気泡捕捉用
フィルター部材と、前記生体循環用液体流出口と連通
し、かつ、該気泡捕捉用フィルター部材を通過した生体
循環用液体が流入する生体循環用液体導出部とを有する
医療用熱交換器である。
【0008】そして、前記医療用熱交換器は、筒状もし
くは上方に向かって拡がる変形筒状の液体流通室形成部
を有し、前記気泡捕捉用フィルター部材は、該生体循環
用液体流通室形成部の側面のほぼ全体もしくは一部を形
成しており、さらに、前記生体循環用液体流通室は、前
記上方の隔壁の外面と前記ハウジングの内面と該液体流
通室形成部の内面により形成されており、さらに、前記
生体循環用液体導出部は、前記ハウジング内面と前記生
体循環用液体流通室形成部間により形成された環状空間
であることが好ましい。また、前記液体流通室形成部
は、前記上方の隔壁の外面に形成される生体循環用液体
流出面の面積より大きな断面積を有しており、前記液体
流通室形成部は、前記生体循環用液体流出面より流出す
る生体循環用液体流全体を環状に取り囲むように上方に
延びるものであることが好ましい。さらに、前記液体流
通室形成部は、上方の隔壁の外面より流出する生体循環
用液体流が直接前記気泡捕捉用フィルター部材に当接し
ないように形成されていることが好ましい。
【0009】そして、前記医療用熱交換器は、前記生体
循環用液体流通室の上端と連通する気泡除去口と、該気
泡除去口側と前記生体循環用液体流入室側とを区分する
生体循環用液体非通過性かつ通気性を有する膜部材を備
えていることが好ましい。さらに、前記医療用熱交換器
は、前記生体循環用液体流入室内の圧力が所定圧以上と
なったときに開放するリリーフ弁を備えることが好まし
い。
【0010】そして、前記生体循環用液体流入室形成部
は、例えば、筒状もしくは上方に向かって拡がる変形筒
状に形成された気泡捕捉用フィルター部材と、該気泡捕
捉用フィルター部材を支持する生体循環用液体流入室形
成部材からなるものである。また、前記気泡捕捉用フィ
ルター部材は、プリーツ状に折り曲げられているもので
あってもよい。そして、前記熱交換器は、下方の隔壁の
外面と前記ハウジングの内面との間に形成された生体循
環用液体導入部を有し、前記生体循環用液体流入口は、
該生体循環用液体導入部の中心より周縁部側となる位置
にて該生体循環用液体導入部と連通していることが好ま
しい。そして、前記生体循環用液体導入部は、断面形状
がほぼ円形もしくはほぼ楕円形となっており、かつ、前
記生体循環用液体流入口は、該生体循環用液体導入部の
ほぼ接線方向に延びるものであることが好ましい。さら
に、前記医療用熱交換器は、例えば、心筋保護液回路用
熱交換器である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の医療用熱交換器を、図面
に示した実施例を用いて説明する。図1は、本発明の医
療用熱交換器の正面図である。図2は、図1に示した医
療用熱交換器の右側面図である。図3は、図1に示した
医療用熱交換器の平面図である。図4は、図1のA−A
線断面図である。図5は、図1のB−B線断面図であ
る。図6は、図1に示した医療用熱交換器の上部の拡大
断面図である。
【0012】医療用熱交換器1は、熱媒体流入口24、
熱媒体流出口25、生体循環用液体流入口26および生
体循環用液体流入口26より上方に設けられた生体循環
用液体流出口27とを備えるハウジング2と、ハウジン
グ2内に収納された多数の熱交換用細管からなる熱交換
体3と、熱交換体3の両端部をハウジング2に液密に固
定し、ハウジング2内を熱媒体流入口24および熱媒体
流出口25と連通する熱媒体室11と生体循環用液体流
入口26と連通する生体循環用液体室12とに区分する
2つの隔壁4,5とを有し、一方の隔壁5は、他方の隔
壁4より上方に位置しており、生体循環用液体が下方の
隔壁4の外面より、熱交換用細管内に形成された生体循
環用液体室12内に流入し、生体循環用液体室12内を
上方に向かって流れた後、上方の隔壁5の外面より流出
するように形成されている。
【0013】そして、医療用熱交換器1は、上方の隔壁
5の外面の上方に位置し、生体循環用液体室12より流
出する生体循環用液体が流入する生体循環用液体流通室
13と、生体循環用液体流通室13の側面もしくは側面
の一部を形成する生体循環用液体流通性を有する気泡捕
捉用フィルター部材16と、生体循環用液体流出口27
と連通し、かつ、気泡捕捉用フィルター部材16を通過
した生体循環用液体が流入する生体循環用液体導出部1
4とを有する。なお、生体循環用液体とは、心筋保護液
および血液を含む概念であり、心筋保護液としては、晶
質液(例えば、グルコースとインシュリンおよびカリウ
ムの組み合わせからなるもの)もしくは血液と晶質液の
混合物がある。
【0014】そこで、本発明の医療用熱交換器1を心筋
保護回路用熱交換器に応用した実施例を用いて説明す
る。医療用熱交換器1は、ハウジング2と、熱交換体
3、この熱交換体3をハウジング2に固定する2つの隔
壁4,5と、上方の隔壁5の上部に載置された生体循環
用液体流通室形成部15とを有している。ハウジング2
は、筒状ハウジング本体21、筒状ハウジング本体21
の上端に固定された上部側ヘッダー22、筒状ハウジン
グ本体21の下端に固定された下部側ヘッダー23とか
らなる。筒状ハウジング本体21は、側面に上方より、
生体循環用液体流出口27、熱媒体流入口24、熱媒体
流出口25を順に備えている。そして、下部側ヘッダー
23は、生体循環用液体流入口26を備えている。この
ため、生体循環用液体流出口27は、生体循環用液体流
入口26より、上方に位置している。
【0015】ハウジング本体21内には、多数の熱交換
用細管31を外周(断面形状)がほぼ円状となるように
束ねた熱交換用細管束が収納されており、熱交換用細管
束が熱交換体3を構成している。なお、細管束の形状
は、外周(断面形状)がほぼ円状のものに限られず、楕
円状、多角形状(例えば、四角形、六角形、八角形な
ど)のものであってよい。そして、この熱交換体3、言
い変えれば、熱交換用細管束は、隔壁4,5により、上
端部および下端部がハウジング本体21内面に液密に固
定されている。これにより、ハウジング本体21内は、
熱交換用細管31の外面とハウジング本体21の内面と
隔壁4,5間により形成された熱媒体室11と、熱交換
用細管31内により形成された生体循環用液体室12と
に区分されている。熱交換用細管31は、隔壁4の下端
面もしくは下端面より若干下方において一端が開口して
おり、隔壁5の上端面もしくは上端面より若干上方にお
いて他端が開口している。このため、生体循環用液体が
下方の隔壁4の外面より、熱交換用細管31内により形
成された体循環用液体室内に流入し、生体循環用液体室
12内を上方に向かって流れた後、上方の隔壁5の外面
より生体循環用液体室12から流出する。
【0016】熱交換用細管31としては、熱伝導率の高
い金属管(例えば、ステンレス管、アルミニウム管、銅
管)が使用され、内径0.4〜8mm、特に0.5〜3
mmのものが好ましい。そして、このような熱交換用細
管31を約10本〜2000本、好ましくは、約50本
〜1000本を、有効長(熱交換に寄与する部分の長
さ)が、50〜150mm、好ましくは、70〜120
mmとなるようにハウジング2内に収納されている。そ
して、医療用熱交換器1としては、0.03〜0.2m
2程度の熱交換面積を有することが好ましい。
【0017】ハウジング本体21の形成に用いられる材
料としては、ポリカーボネート、アクリル・スチレン共
重合体、アクリル・ブチレン・スチレン共重合体など種
々のものが使用できる。ハウジング本体21の下端に固
定された下部側ヘッダー23は、図3および図4に示す
ように、内部に円盤状の空間を有する部材であり、生体
循環用液体流入口26を備えている。下部側ヘッダー2
3の内面と隔壁4の外面間により、断面形状がほぼ円形
の生体循環用液体導入部29が形成されている。なお、
ヘッダー22,23およびハウジング本体21は、この
ような断面が円形のものに限定されるものではなく、部
分的に直線部分を有する変形円形状、楕円形状、さらに
は、部分的に直線部分を有する変形楕円形状などであっ
てもよい。
【0018】そして、生体循環用液体流入口26は、生
体循環用液体導入部29の中心より周縁部側となる位置
にて生体循環用液体導入部29と連通している。特に、
この実施例の熱交換器1では、生体循環用液体流入口2
6は生体循環用液体導入部29のほぼ接線方向に延びる
ものとなっている。このため、生体循環用液体流入口2
6より流入した生体循環用液体は、生体循環用液体導入
部29内にて旋回流となり、生体循環用液体中の気泡は
生体循環用液体導入部29の中央部に集まりやすくなる
ため、後述する生体循環用液体流通室13における気泡
除去が容易となっている。ハウジング本体21への上部
側ヘッダー22および下部側ヘッダー23の固定は、超
音波、高周波などを用いて融着または接着剤を用いた接
着あるいは機械的嵌合により行われる。また、隔壁4,
5は、高分子ポッティング剤(例えば、ポリウレタン、
シリコーンゴム)などにより形成される。
【0019】隔壁5の中央部の上端面もしくは若干上端
面より上方において、上述したように、多数の熱交換用
細管31が開口しており、この多数の熱交換用細管31
の開口部が、生体循環用液体流出面5aを形成してい
る。そして、隔壁5の周縁部には、熱交換用細管31が
存在しない環状部51が形成されており、さらに、隔壁
5のこの環状部の周縁部には、中央部より低く形成され
た段差部52が形成されている。医療用熱交換器1は、
上方の隔壁5の外面の上方に位置し、生体循環用液体室
12より流出する生体循環用液体が流入する生体循環用
液体流通室13を有する。この実施例の医療用熱交換器
1では、生体循環用液体流通室13は、隔壁5の外面と
生体循環用液体流通室形成部15の内面および上部側ヘ
ッダー22の内面により形成されている。
【0020】液体流通室形成部15は、液体流通室形成
部材17とこれに保持された生体循環用液体流通性を有
する気泡捕捉用フィルター部材16からなる。液体流通
室形成部材17は、上方に向かって延びる筒状体の側面
部を備えており、この側面部の下部に下部固定用環状平
板部15aが、側面部の上部には上部固定用環状平板部
15bが形成されている。そして、上述した隔壁5の環
状段差部51とハウジング2内面間に下部固定用環状平
板部15aが収納されており、これにより流通室形成部
の下部を保持している。流通室形成部と隔壁5は、液密
状態であることが好ましいが、若干液体が流通するもの
であってもよい。
【0021】そして、液体流通室形成部15の側面に
は、側面のほぼ全体を構成するように設けられた生体循
環用液体流通性を有する気泡捕捉用フィルター部材16
を有している。具体的には、気泡捕捉用フィルター部材
16は、液体流通室形成部材17の側面部のほぼ全体を
被包するように設けられている。液体流通室形成部材1
7は、気泡捕捉用フィルター部材16の表面および裏面
を保持する粗い格子状のフレーム部を備えており、この
フレーム部により、気泡捕捉用フィルター部材16は、
挟まれた状態となっている。このような液体流通室形成
部15は、例えば、気泡捕捉用フィルター部材16を形
成し、これを金型内に入れ、液体流通室形成部材形成樹
脂を射出するいわゆるインサート成形により形成するこ
とができる。なお、このような方法に限定されるもので
はなく、気泡捕捉用フィルター部材を液体流通室形成部
材17に熱融着、接着剤などを用いて固着してもよい。
また、この実施例の熱交換器1のように、液体流通室形
成部15の側面部のほぼ全体を被包するように気泡捕捉
用フィルター部材16を設けることが好ましいが、側面
部の一部を気泡捕捉用フィルター部材が被包するもので
あってよい。例えば、液体流通室形成部材17の中央部
付近より上方部分の側面部を気泡捕捉用フィルター部材
が被包するもの(液体流通室形成部材17の下部は、生
体循環用液体が通過できないようにしたもの)、また、
帯状に上方に延びるように複数の気泡捕捉用フィルター
部材を有し、帯状気泡捕捉用フィルター部材間は生体循
環用液体が通過できないようにしたものなどであっても
よい。
【0022】そして、この熱交換器1では、液体流通室
形成部15は、上方の隔壁5の外面(生体循環用液体流
出側隔壁外面)に形成される生体循環用液体流出面5a
の面積より大きな断面積を有し、さらに、上方の隔壁5
の外面(言い換えれば、生体循環用液体流出面)より流
出する生体循環用液体流全体を環状に取り囲むようにハ
ウジング2内にてその軸方向上方に延びている。このよ
うに形成されているため、液体流通室形成部15は、上
方の隔壁5の外面(生体循環用液体流出面)より流出す
る生体循環用液体流が直接気泡捕捉用フィルター部材1
6に当接しない。このため、熱交換用流体の気泡が液体
流に押されてフィルター部材を通過することが極めて少
ない。
【0023】また、気泡捕捉用フィルター部材76は、
図7に示すように、プリーツ状に折り曲がったものを用
いてもよい。この場合に、生体循環用液体流入室形成部
65の全体の形状も図7に示すように側面がプリーツ状
に折り曲げられ軸方向に平行に延びる凹凸を有する筒状
体となっている。よって、液体流通室形成部材77もこ
れに対応する形状となっている。このようなプリーツ状
のフィルター部材を用いることにより、フィルター部材
に広い膜面積を持たせることができる。
【0024】気泡捕捉用フィルター部材16としては、
十分な生体循環液の透過性を有する多孔質シートが好適
である。多孔質シートとしては、メッシュ状のもの、ネ
ット状のもの、織布、不織布、網布、延伸法もしくは固
液相分離法などにより形成された多孔質膜等が挙げら
れ、これらを単独または任意に組み合わせて(例えば、
積層して)用いることができる。
【0025】フィルター部材16の開口の大きさとして
は、15〜300μm程度、特に20〜200μmが好
適である。より、好適には、80〜150μmである。
このように開口が大きいフィルター部材16を用いて
も、この実施例の熱交換器1では、隔壁5より流出する
生体循環液流が直接フィルター部材16に当接しないの
で気泡の通過が少ない。
【0026】フィルター部材形成材料としては、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
などのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポ
リフッ化ビニリデンなどの疎水性の高分子材料、また、
酢酸セルロース、銅アンモニアセルロースなどの再生セ
ルロース、セルロース誘導体、エチレン−ビニルアルコ
ール共重体、アクリルニトリル共重合体、ポリサルホン
などの親水性材料が用いられる。
【0027】そして、疎水性材料を用いてフィルター部
材16を形成した場合には、表面、特に、生体循環液接
触面を親水化処理することが好ましい。なお、親水化処
理とは、完全な親水性とするものに限られるものではな
く、フィルター部材16の生体循環液接触面の濡れ性を
向上させ、言い換えれば、プライミング液に対する接触
角を低下させ、プライミング液の通過を容易にすること
を意味するものである。なお、このような、親水化処理
を行わなくても、熱交換器1の使用前に、アルコール
(好ましくは、エチルアルコール)もしくはアルコール
含有液体をフィルター部材16に接触させて親水化した
後に使用するものとしてもよい。
【0028】親水化処理としては、プラズマ処理、コロ
ナ処理などの物理的表面改質、親水性高分子材料のコー
ティング(固定を含む)により行うことができる。親水
性高分子材料としては、抗血栓性を備えるものがより好
ましい。このような親水性高分子材料としては、ヘパリ
ン、ポリアルキルスルホン、エチルセルロース、アクリ
ル酸エステル系重合体、メタアクリル酸エステル系重合
体[例えば、ポリHEMA(ポリヒドロキシエチルメタ
クリレート)、PMEA(ポリメチルエチルアクリレー
ト)]、疎水性セグメントと親水性セグメントの両者を
有するブロックまたはグラフト共重合体もしくはランダ
ム共重合体(例えば、HEMA−スチレン−HEMAの
ブロック共重合体、HEMA−MMA[メチルメタアク
リレート]のブロック共重合体、2−HEMA−MMA
のブロック共重合体、2−HEMA−ランダム共重合
体、HEMA−LMA[ラウリルメタアクリレート]の
ブロック共重合体、PVP[ポリビニルピロリドン]−
MMAのブロック共重合体、HEMA−MMA/AA
[アクリル酸]のブロック共重合体、さらにこのブロッ
ク共重合体にアミノ基を有するポリマーを混合したブレ
ンドポリマー、および含フッ素樹脂などが使用できる。
好ましくは、HEMA−スチレン−HEMAのブロック
共重合体、HEMA−MMA[メチルメタアクリレー
ト]のブロック共重合体、HEMA−MMA/AA[ア
クリル酸]のブロック共重合体などが使用できる。
【0029】上部側ヘッダー22は、円筒状に所定長さ
延びるハウジング本体21への固着部と、中央に形成さ
れ、生体循環用液体流通室13の上端と連通する気泡除
去口41と、圧力モニタリングポート44と、温度モニ
タリングポート45と、圧力リリーフ弁58を収納した
ポート57を有している。また、上部側ヘッダー22
は、内面の周縁部より若干中央よりの位置に形成された
環状リブ46を備えている。この環状リブとハウジング
内面間に、液体流通室形成部材17の上部固定用環状平
板部15bが収納されており、これにより流通室形成部
材17の上部を保持している。流通室形成部15とヘッ
ダー22は、液密状態であることが好ましい。
【0030】上部側ヘッダー22は、図4に示すよう
に、ヘッダー22の中央開口部に装着された気泡除去部
形成部材40を備えている。気泡除去部形成部材40の
中央部には、その内部空間の上端と連通するように形成
された気泡除去口41が設けられている。さらに、気泡
除去部形成部材40は、気泡除去口41側と生体循環用
液体流入室13側とを区分するように設けられた生体循
環用液体非通過性かつ通気性を有する膜部材42を有し
ており、この膜部材42は、この上面と接触する支持体
47により保持されている。具体的には、膜部材42と
支持体47は、上部側ヘッダー22と気泡除去部形成部
材40により挟持され、固定されている。
【0031】生体循環用液体非通過性かつ通気性を有す
る膜部材42としては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリエステル、ポリアミド等の疎水
性高分子材料の多孔質膜、織布、不織布、または、セル
ロースなどの親水性多孔質膜を疎水性処理したものが使
用できる。
【0032】さらに、気泡除去部形成部材40には、通
常は閉塞し、気泡除去部形成部材40内の圧力が大気圧
より若干高くなったときに、自動的に開口し、気泡除去
部形成部材内の圧力が大気圧以下となったときに、自動
的に閉塞するエアー抜き弁43が設けられている。具体
的には、図5および図6に示すように、気泡除去口41
は、多数の細口により形成されており、この細口を被包
し、閉塞するようにアンブレラ弁48が取り付けられて
いる。なお、アンブレラ弁48は、中央より下方に延び
る膨出部48aが気泡除去部形成部材40の中央に固定
されている。このアンブレラ弁がエアー抜き弁を構成し
ている。アンブレラ弁48の内面は、気泡除去部形成部
材内の圧力を受け、この圧力が、大気圧より若干高くな
ると、アンブレラ弁の外周部が変形し、気泡除去部形成
部材内と外部とを気泡除去口を介して連通させ、気泡
(空気)の排除を行う。そして、圧力が大気圧以下とな
るとアンブレラ弁48は、閉塞する。
【0033】エアー抜き弁(アンブレラ弁)48を形成
する弾性材料としては、ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ラテックスゴムな
どの天然ゴム、オレフィン系エラストマー、アミド系エ
ラストマー、スチレン系エラストマー(例えば、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソ
プレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチ
レン−スチレンコポリマー)などのエラストマー、ポリ
ウレタンなどが使用される。なお、エアー抜き弁43と
しては、このようなアンブレラ弁に限らず、ダックビル
弁、平板弁でもよい。また、このようなエアー抜き弁を
設けることが好ましいが、気泡除去口は、開放可能なキ
ャップを取り付けたポート、例えば、図4に示した温度
モニタリングポートのようなものでもよい。
【0034】上部側ヘッダー22のポート57内に圧力
リリーフ弁43が収納されている。圧力リリーフ弁43
は、通常は閉塞し、生体循環用液体流入室13内の圧力
が所定圧以上となったときに、自動的に開口し、生体循
環用液体流入室内の圧力が所定圧以下となったときに、
自動的に閉塞する。具体的には、図6に示すように、リ
リーフ弁43は、本体部70と弁体71とからなり、本
体部70は、側面を形成する筒状部65と、筒状部の上
部に形成され周縁部に多数の貫通口66を備える円盤状
部と、この円盤状部の中央部より下方に伸びる円錐状の
突起68と、筒状部の下部に形成され、弁体71を保持
するための環状リブ69を有する。そして、環状リブ6
9の上面と突起68間に弁体(平板弁)71が収納され
ている。弁体71は、変形可能な弾性材料、例えば、シ
リコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴムなどの合
成ゴム、ラテックスゴムなどの天然ゴム、オレフィン系
エラストマー、アミド系エラストマー、スチレン系エラ
ストマー(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコ
ポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマ
ー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマ
ー)などのエラストマー、ポリウレタンなどにより円盤
状に形成されている。
【0035】弁体71の底面は、生体循環用液体流入室
内の圧力を受け、この圧力が、所定値、例えば、150
〜800mmHg以上、好ましくは、200〜500m
mHg以上となると、弁体の外周部が変形し、生体循環
用液体流入室内と弁体の外側空間とを連通させ圧力を逃
がすとともに、若干の生体循環用液体を流通させる。そ
して、通常瞬時に圧力が低下するため、リリーフ弁も、
瞬時に閉塞する。使用時には、ポート57に被嵌されて
いるキャップは取り外され、ポート57は、熱交換器よ
り下流側、特に、ポンプより下流側に位置する部位、例
えば、心筋保護液容器もしくは循環回路に設けられたコ
ネクター(図示せず)に接続される。このため、リリー
フ弁57を通過した生体循環用液体は、循環回路の下流
側に戻されることになる。ハウジング2、具体的には、
ハウジング本体21、ヘッダー22,23、気泡除去口
形成部材の形成材料としては、ポリカーボネート、アク
リル・スチレン共重合体、アクリル・ブチレン・スチレ
ン共重合体などが使用できる。
【0036】また、液体流通室形成部材17の形成材料
としては、ポリプロピレン、ポリエチレンのようなポリ
オレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネー
ト、アクリル・スチレン共重合体、アクリル・ブチレン
・スチレン共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニルなど
の疎水性の高分子材料が用いられる。そして、上述した
ように液体流通室形成部15をインサート成形により作
成する場合には、液体流通室形成部材17の形成材料と
して、気泡捕捉用フィルター部材形成材料と相溶性もし
くは融着性のあるものを用いることが好ましい。
【0037】なお、ハウジング本体21の形状は、図示
した円筒状のものに限定されるものではなく、断面が楕
円状のもの、さらには、多角筒状などのものでもよい。
また、熱交換体3としては、多数の細管31を用いたも
のに限定されるものではなく、例えば、金属板をプリー
ツ状に折り曲げたものであってもよい。このような金属
板の折り曲げたものを用いる場合には、生体循環液体流
入口は、上述したような熱交換器と同様に、下方の隔壁
4のさらに下方に形成してもよいが、ハウジング2内に
形成される生体循環液体室の下部と連通するようにハウ
ジング2の側面に設けてもよい。
【0038】この実施例の医療用熱交換器1は、心筋保
護回路中に組み込まれて使用される。 心臓手術用の体
外循環回路の一例を図8に示す。この心臓手術用の体外
循環回路50は、人工心肺回路部51と心筋保護回路部
61とを備えている。人工心肺回路部には、上流側よ
り、患者60より脱血した血液を一時的に貯留するする
ための貯血槽53、貯血槽内の血液を熱交換器付人工肺
54に送るための血液ポンプ55、血液ポンプより送ら
れてきた血液の温度調整ならびに血液中の二酸化炭素の
除去および酸素付加を行う熱交換器付人工肺54を備え
ており、人工肺より流出した血液は患者に変換される。
また、心筋保護液容器63より供給される心筋保護液と
人工肺より流出した血液の一部は、心筋保護回路側の血
液ポンプ62により、混合され生体循環用液体の状態と
なって、心筋保護回路用熱交換器1に送られる。そし
て、生体循環用液体は、心筋保護回路用熱交換器1にお
いて必要な温度調整および気泡除去が行われた後、患者
の冠動脈もしくは冠静脈に行われる。なお、心筋保護液
の送液は、常時行われている訳ではなく、必要なときの
み送液される。具体的には、20〜30分間隔に5分程
度送液が行われる。心筋保護回路は、心臓を停止させ手
術を行いやすくし、その間心臓を保護するために、冠動
脈または冠静脈に心筋保護液を注入するためのものであ
り、熱交換器1において、心筋保護液を冷却して注入す
る。また。手術終了時には、生体温度に加温した心筋保
護液を注入し心臓の代謝機能を正常な状態に戻すための
ものである。心筋保護液としては、血液:晶質液の比率
を必要により変更する。具体的には、血液:晶質液は、
1:1から9:1の間で変化させる。
【0039】次に、医療用熱交換器1の作用について説
明する。この実施例の熱交換器1では、生体循環用液体
流入口26より流入した生体循環用液体流は、生体循環
用液体導入部29内にて旋回流となり、生体循環用液体
中の気泡は生体循環用液体導入部29の中央部に集まり
やすくなり、気泡を多く含む液体流は、隔壁4の中央部
より細管31内に流入する。生体循環用液体導入部29
内に流入した生体循環用液体は、細管31(生体循環用
液体室12)内を上方に向かって流れた後、上方の隔壁
5の外面より流出し、生体循環用液体流通室13に流入
する。そして、生体循環用液体流通室13に流入した液
体中の気泡の大部分は、具体的には、生体循環用液体導
入部の中央部に集まり隔壁4の中央部より細管31内に
流入した液体中の気泡は、気泡捕捉用フィルター部材1
6に接触することなく浮力により上昇する。また、気泡
捕捉用フィルター部材16により通過を阻止された細か
い気泡も浮力により上昇し、生体循環用液体非通過性か
つ通気性を有する膜部材42を通過し、気泡除去部形成
部材40内に移動する。また、この熱交換器1では、液
体流通室形成部15は、上方の隔壁5の外面より流出す
る生体循環用液体流全体を環状に取り囲むようにハウジ
ング2の軸方向上方に延びており、上方の隔壁5の外面
より流出する生体循環用液体流が直接気泡捕捉用フィル
ター部材16に当接しない。このため、熱交換用液体中
の気泡が気泡捕捉用フィルター部材16に接触するとき
には、その速度が十分遅くなっているため、熱交換用流
体の気泡が液体流に押されて気泡捕捉用フィルター部材
16を通過する危険性が少ない。
【0040】このようにして、気泡捕捉用フィルター部
材16を通過して気泡が除去された生体循環用液体は、
生体循環用液体導出部14に流入した後、生体循環用液
体流出口27より流出する。なお、本発明の医療用熱交
換器として、心筋保護回路用熱交換器を用いて説明した
が、本発明の医療用熱交換器は、これに限られるもので
はなく、人工心肺回路用の熱交換器としても利用でき
る。
【0041】次に、図9ないし図12に示す実施例の医
療用熱交換器80について説明する。基本構成は、図1
ないし図6に示し、上述した医療用熱交換器1と同じで
あり、相違は、医療用熱交換器の外形、医療用熱交換器
80が圧力リリーフ弁を備えない点、および液体流通室
形成部の形状である。なお、同じ部分については、同じ
符号を付してあり、上述したものと同じであるので、上
述の記載を参照する。
【0042】この医療用熱交換器80では、液体流通室
形成部85は、図10に示すように、側面部が上方に向
かって拡がる変形筒状、具体的には、円錐台状となって
いる。なお、円錐台状に限らず、多角錐台状であっても
よい。このため、液体流通室形成部材87は、上方に向
かって拡がる変形筒状の側面部を備えるものとなってお
り、この液体流通室形成部材87では、側面部の下端よ
り側面部の上端の方が内径が大きいものとなっている。
同様にフィルター部材86も下端より側面部の上端の方
が内径が大きいものとなっている。
【0043】また、この医療用熱交換器80では、熱交
換用細管が存在する部分に近接し、かつ熱交換用細管が
存在する部分を取り囲むように、シール部材であるOー
リング88が設けられており、下方の隔壁84の周縁部
である熱交換用細管が存在しない部分に生体循環用液体
が流入しないように構成されている。なお、このような
形態に限られるものではなく、熱交換用細管が存在する
部分に近接しかつ熱交換用細管が存在する部分を取り囲
むように、シール部材装着用の環状溝を設けたものとし
てもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明の医療用熱交換器は、熱媒体流入
口、熱媒体流出口、生体循環用液体流入口および該生体
循環用液体流入口より上方に設けられた生体循環用液体
流出口とを備えるハウジングと、該ハウジング内に収納
された多数の熱交換用細管からなる熱交換体と、該熱交
換体の両端部を前記ハウジングに液密に固定し、該ハウ
ジング内を前記熱媒体流入口および前記熱媒体流出口と
連通する熱媒体室と、前記熱交換用細管内に形成され、
かつ前記生体循環用液体流入口と連通する生体循環用液
体室とに区分する2つの隔壁とを有し、一方の隔壁は、
他方の隔壁より上方に位置しており、かつ、前記生体循
環用液体が下方の隔壁の外面より、前記熱交換用細管内
に形成された前記生体循環用液体室内に流入し、該生体
循環用液体室内を上方に向かって流れた後、上方の隔壁
の外面より流出するように形成された医療用熱交換器で
あり、該医療用熱交換器は、前記上方の隔壁の外面の上
方に位置し、前記生体循環用液体室より流出する生体循
環用液体が流入する生体循環用液体流通室と、該生体循
環用液体流通室の側面もしくは側面の一部を形成する生
体循環用液体流通性を有する気泡捕捉用フィルター部材
と、前記生体循環用液体流出口と連通し、かつ、該気泡
捕捉用フィルター部材を通過した生体循環用液体が流入
する生体循環用液体導出部とを有している。このため、
熱交換器の熱交換用流体室すなわち生体循環用液体室内
でのエアーの貯留が極めて少なく、エアーブロックを起
こすことがなく、さらに、生体循環用液体中の気泡を確
実に除去でき、かつ、下流側に気泡を押し出すことが極
めて少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の医療用熱交換器の正面図であ
る。
【図2】図2は、図1に示した医療用熱交換器の右側面
図である。
【図3】図3は、図1に示した医療用熱交換器の平面図
である。
【図4】図4は、図1のA−A線断面図である。
【図5】図5は、図1のB−B線断面図である。
【図6】図6は、図1に示した医療用熱交換器の上部の
拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の医療用熱交換器の他の実施例
の断面図である。
【図8】図8は、心臓手術用の体外循環回路の一例を示
す図である。
【図9】図9は、本発明の医療用熱交換器の他の実施例
の正面図である。
【図10】図10は、図9に示した医療用熱交換器の断
面図である。
【図11】図11は、図9に示した医療用熱交換器の平
面図である。
【図12】図12は、図9に示した医療用熱交換器の底
面図である。
【符号の説明】
1 医療用熱交換器 2 ハウジング 24 熱媒体流入口 25 熱媒体流出口 26 生体循環用液体流入口 27 生体循環用液体流出口27 3 熱交換体 11 熱媒体室 12 生体循環用液体室 4,5 隔壁 13 生体循環用液体流通室 16 気泡捕捉用フィルター部材 14 生体循環用液体導出部 80 医療用熱交換器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱媒体流入口、熱媒体流出口、生体循環
    用液体流入口および該生体循環用液体流入口より上方に
    設けられた生体循環用液体流出口とを備えるハウジング
    と、該ハウジング内に収納された多数の熱交換用細管か
    らなる熱交換体と、該熱交換体の両端部を前記ハウジン
    グに液密に固定し、該ハウジング内を前記熱媒体流入口
    および前記熱媒体流出口と連通する熱媒体室と、前記熱
    交換用細管内に形成され、かつ前記生体循環用液体流入
    口と連通する生体循環用液体室とに区分する2つの隔壁
    とを有し、一方の隔壁は、他方の隔壁より上方に位置し
    ており、かつ、前記生体循環用液体が下方の隔壁の外面
    より、前記熱交換用細管内に形成された前記生体循環用
    液体室内に流入し、該生体循環用液体室内を上方に向か
    って流れた後、上方の隔壁の外面より流出するように形
    成された医療用熱交換器であり、該医療用熱交換器は、
    前記上方の隔壁の外面の上方に位置し、前記生体循環用
    液体室より流出する生体循環用液体が流入する生体循環
    用液体流通室と、該生体循環用液体流通室の側面もしく
    は側面の一部を形成する生体循環用液体流通性を有する
    気泡捕捉用フィルター部材と、前記生体循環用液体流出
    口と連通し、かつ、該気泡捕捉用フィルター部材を通過
    した生体循環用液体が流入する生体循環用液体導出部と
    を有することを特徴とする医療用熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記液体流通室形成部は、前記上方の隔
    壁の外面に形成される生体循環用液体流出面の面積より
    大きな断面積を有しており、前記液体流通室形成部は、
    前記生体循環用液体流出面より流出する生体循環用液体
    流全体を環状に取り囲むように上方に延びるものである
    請求項1に記載の医療用熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記液体流通室形成部は、上方の隔壁の
    外面より流出する生体循環用液体流が直接前記気泡捕捉
    用フィルター部材に当接しないように形成されているも
    のである請求項1または2に記載の医療用熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記医療用熱交換器は、前記生体循環用
    液体流通室の上端と連通する気泡除去口と、該気泡除去
    口側と前記生体循環用液体流入室側とを区分する生体循
    環用液体非通過性かつ通気性を有する膜部材を備えてい
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用熱交換
    器。
  5. 【請求項5】 前記医療用熱交換器は、前記生体循環用
    液体流入室内の圧力が所定圧以上となったときに開放す
    るリリーフ弁を備えている請求項1ないし4のいずれか
    に記載の医療用熱交換器。
  6. 【請求項6】 前記生体循環用液体流入室形成部は、筒
    状もしくは上方に向かって拡がる変形筒状に形成された
    気泡捕捉用フィルター部材と、該気泡捕捉用フィルター
    部材を支持する生体循環用液体流入室形成部材とからな
    るものである請求項1ないし5のいずれかに記載の医療
    用熱交換器。
  7. 【請求項7】 前記熱交換器は、下方の隔壁の外面と前
    記ハウジングの内面との間に形成された生体循環用液体
    導入部を有し、前記生体循環用液体流入口は、該生体循
    環用液体導入部の中心より周縁部側となる位置にて該生
    体循環用液体導入部と連通している請求項1ないし6の
    いずれかに記載の医療用熱交換器。
  8. 【請求項8】 前記生体循環用液体導入部は、断面形状
    がほぼ円形もしくはほぼ楕円形となっており、かつ、前
    記生体循環用液体流入口は、該生体循環用液体導入部の
    ほぼ接線方向に延びるものである請求項1ないし7のい
    ずれかに記載の医療用熱交換器。
  9. 【請求項9】 前記医療用熱交換器は、心筋保護液回路
    用熱交換器である請求項1ないし8のいずれかに記載の
    医療用熱交換器。
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