JPS6318308Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ミツシヨンケースの横外側面側に、
クローラに対する車軸ケースと、その車軸ケース
に上方に位置する操向用操作部材を配置したクロ
ーラ式作業車に関する。

従来、上記クローラ式作業車において、クロー
ラにより跳ね上げられた泥土等が外側方やその外
側上方から勢いよく飛び込んで操向用操作部材に
付着すること等に起因して、操向操作が重くなつ
たり、操向における作動不良を起したりする等の
問題があつた。

本考案の目的は、上述実情に鑑みて、極めて合
理的、かつ、簡単な改良により、操向用操作部材
への泥土等の付着を効果的に防止する点にある。

本考案の特徴構成は、冒記クローラ式作業車に
おいて、前記操向用操作部材に対するカバーを、
このカバーの上端側で前記クローラよりも上方の
機体メインフレームに片持ち状に取付け、前記カ
バーの下端側を、下方ほど前記クローラに近付く
ように傾斜させ、かつ、下端を前記車軸ケースの
上面に当て付けて突張り状態に配設してある点に
あり、その作用・効果は次の通りである。

つまり、操向用操作部材に対するカバーを、こ
のカバーの上端側でのみメインフレームに取付け
るという極めて簡単なカバー取付構造を採用し、
かつ、カバーの下端側を下方ほどクローラに近付
くように傾斜配置すると共に、カバーの下端を車
軸ケースの上面に当て付けて突張り状態に配置す
るという極めて簡単なカバー構成にしながらも、
クローラから跳ね上げられた泥土のカバーへの押
圧力に対して、カバー下端と車軸ケース上面との
接当によるカバーの突張り作用で、カバーを十分
な強度で姿勢保持することができて、操向用操作
部材を確実に保護することができ、その結果、操
向操作系のトラブルが少なくて、しかも、製作面
及び経済面のいずれにも有利なクローラ式作業車
を提供しえるに至つた。

次に本考案の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図に示すように、左右一対のクローラ走行
装置１を備えた機体フレーム２の後端部に、搭乗
運転部３、及び、原動部４を左右に並べて設ける
と共に、機体フレーム２の前部に、その前端側横
向き軸芯Ｑ周りで油圧シリンダ５によりダンプ操
作自在な荷台６を取付け、もつて、不整地現場等
で用いる運搬車を構成してある。

前記クローラ走行装置１の駆動構造、並びに、
操向操作構造を構成するに、第２図及び第３図に
示すように、前記原動部４からの動力を、機体フ
レーム２後端部の左右中央下部に取付けた走行用
ミツシヨンケース７に、ベルト伝動機構８及び主
クラツチ９を介して伝達すると共に、ミツシヨン
ケース７において変速された動力を、ミツシヨン
ケース７の両横側にボルト連結した左右一対の車
軸ケース１０に内装の車軸１１を介して各クロー
ラ走行装置１の駆動スプロケツト１２に伝達する
ように構成してある。

前記ミツシヨンケース７内において、前記各車
軸１１の夫々に、操向用クラツチ１３及び操向用
ブレーキ１４を直列的に介装し、各操向用クラツ
チ１３に対する操作アーム１５をミツシヨンケー
ス７の後面に、かつ、各操向用ブレーキ１４に対
する操作アーム１６を車軸ケース１０の上方でミ
ツシヨンケース７の各横面に夫々突設すると共
に、運転座席３ａの前方に配設した左右一対の操
向操作レバー１７と、前記クラツチ操作アーム１
５、及びブレーキ操作アーム１６とを、押引きロ
ツド式連動機構１８を介して左右各別に連動連結
し、もつて、それらレバー１７の操作により、左
右一方のクローラ走行装置１の駆動を断続操作し
て機体操向を行なうように構成してある。

前記クローラ走行装置１により跳ね上げられた
泥土が前記操向ブレーキ１４用の操作アーム１６
部分に付着することを防止するために、側面視に
おいてブレーキ操作アーム１６を覆う屈曲板状カ
バー１９を、クローラ走行装置１とブレーキ操作
アーム１６との間に位置させた状態でカバー１９
の上端部をクローラ走行装置１よりも上方に位置
する機体フレーム２の外側端部にボルト連結して
片持支持状に取付けると共に、前後方向視におい
てカバー１９の屈曲部がその下方側ほどクローラ
走行装置１に近付く傾斜状となるように、かつ、
取付状態においてカバー１９の下端が車軸ケース
１０の上面に接当する状態となるようにカバー１
９を形成し、もつて、クローラ走行装置１から跳
れ上げられた泥土のカバー１９に対する押圧力に
対して、カバー１９下端と車軸ケース１０上面と
の接当によるカバー１９の突張り作用により、カ
バー１９を十分な強度で姿勢保持し、ブレーキ操
作アーム１６を確実に保護するように構成してあ
る。

尚、カバー１９の材質は、金属製やプラスチツ
ク製等各種の変更が可能であり、又、カバー１９
屈曲部の具体的傾斜角度も適宜変更が可能であ
る。

更に、操向用ブレーキ１４の操作アーム１６の
みをカバー１９により保護するに代えて、操向用
クラツチ１３の操作アーム１５をもミツシヨンケ
ース７の横側に配設し、両操作アーム１５，１６
をカバー１９により同時に保護するように構成す
る等、カバー１９による保護の対象となる操向操
作構造は各種の変更が可能であり、それら保護対
象となる部材を総称して操向用操作部材１６と称
する。

本考案は、建設用や農用等の各種クローラ式作
業車を対象とするものである。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るクローラ式作業車のカバー
取付構造の実施例を示し、第１図は一部切欠き全
体側面図、第２図は操向操作構造を示す拡大平面
図、第３図は同一部断面概略正面図である。 １……クローラ、２……機体メインフレーム、
７……ミツシヨンケース、１０……車軸ケース、
１６……操向用操作部材、１９……カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミツシヨンケース７の横外側面側に、クローラ
   １に対する車軸ケース１０と、その車軸ケース１
   ０に上方に位置する操向用操作部材１６を配設し
   たクローラ式作業車において、前記操向用操作部
   材１６に対するカバー１９を、このカバー１９の
   上端側で前記クローラ１よりも上方の機体メイン
   フレーム２に片持ち状に取付け、前記カバー１９
   の下端側を、下方ほど前記クローラ１に近付くよ
   うに傾斜させ、かつ、下端を前記車軸ケース１０
   の上面に当て付けて突張り状態に配設してあるク
   ローラ式作業車のカバー取付構造。