JPS6318283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、乗用車、トラツク、バス等のフロン
トバンパー、リヤバンパー、コーナーバンパー、
バンパープロテクター等として使用される自動車
用バンパーに関するものである。

従来の技術 従来、自動車用バンパーとして、プラスチツク
をブロー成形してなる中空部を有する中空２重壁
構造のものは、実開昭57−5343号公報に記載され
ているように、既に知られている。

考案が解決しようとする問題点 上記公報に記載されているような従来の自動車
用バンパーにあつては、外壁の各面が平面状をな
していて、しかも外壁と内壁との間が中空部であ
るところから、外壁に衝撃が加わつた際に、外壁
が局部的に凹状に変形して、その変形部分が内壁
と圧接する状態となり、低衝撃であつても外壁と
内壁が共に変形してしまい、衝撃吸収性に劣るも
のであつた。

このため、従来のものにおいても、内壁にリブ
を形成して、その剛性を高くする手段が施されて
いるが、これによつて内壁の強度はある程度向上
しても、外壁の耐衝撃性を何ら高くすることには
ならないので、バンパー自体の衝撃吸収性を向上
させることは、ほとんど期待できないのが実状で
ある。

本考案は、かかる従来の欠点を解消するもので
あつて、衝撃吸収性に優れたプラスチツクをブロ
ー成形してなる中空部を有する構造の自動車用バ
ンパーを提供するものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、その目的を達成するための技術的手
段として次のように構成した。

すなわち、その構成は、断面が略コ字形に構成
され、内部に中空部を有して内壁及び外壁からな
る中空２重壁構造に構成し、かつ外壁にはその長
手方向にリブを形成すると共に、内壁には外壁の
リブと交差する方向に複数のリブを形成したこと
を特徴とする自動車用バンパーとしたものであ
る。

作 用 本考案に係る自動車用バンパーは、前記のよう
に、その外壁にはその長手方向にリブが形成され
ているので、外壁自体の衝撃に対する強度が向上
して、衝撃を受けても局部的に変形を生ずること
がなく、万一外壁が大きく変形することがあつて
も、内壁には外壁のリブと交差する方向に複数の
リブが形成されているので、その変形部分が内壁
に形成されている複数のリブに支承される。しか
も、内壁の複数のリブは外壁のリブと交差する方
向となつているので、外壁がどの方向に変形して
も、その変形部分が確実に内壁のリブに支承さ
れ、十分な衝撃吸収性が得られる。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

１は自動車用バンパーであり、このバンパー１
は縦断面において略コ字形に構成され、内部に中
級部２を有して内壁３及び外壁４からなる中空２
重壁構造に構成し、かつ外壁４にはその長手方向
に補強のためのリブ１０が形成されており、内壁
３には外壁４のリブ１０と直交する方向に複数の
補強のためのリブ５が形成されている。すなわ
ち、このリブ５は、内壁３の上部から下部にかけ
て内壁３より外方に突出するように形成されてい
る。

バンパー１の内壁３及び外壁４は熱可塑性プラ
スチツクをブロー成形することにより一体に構成
される。なお、バンパー１を構成する熱可塑性プ
ラスチツクとは、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカボネート、ポリオレフイン系エラスト
マー等ブロー成形可能なプラスチツクである。６
はブロー成形時に内壁３と外壁４とを部分的に一
体に溶着してなるウエルド部であり、７はブロー
成形時に内壁３と外壁４とを圧縮して一体に溶着
し、単壁状態に構成したフランジ部であり、８は
バンパー１を車体に取付けるための取付孔であ
る。また、９はブロー成形時にインサート物とし
て金型内に設置してブロー成形時の熱により一体
に溶着した金属取付部材である。

なお、前記内壁３のリブ５は、第４図に示すよ
うに、内壁３の上面及び下面にそれぞれ外壁４の
リブ１０と交差する方向に複数のリブ５ａ，５ｂ
を形成したものとしてもよく、内壁３の前面には
複数のリブ５ｃが形成されている。また、内壁３
と外壁４の間の中空部２内には、ポリウレタン、
ポリエチレン、ポリスチレン等の発泡プラスチツ
クを充填することもできる。

以上のように構成された自動車用バンパー１に
おいては、その外壁４にその長手方向にリブ１０
が形成されているので、外壁４自体の衝撃に対す
る強度が向上して、衝撃を受けても局部的に変形
を生ずることがなく、万一外壁４が大きく変形す
ることがあつても、内壁３には外壁４のリブ１０
と交差する方向に複数のリブ５が形成されている
ので、その変形部分が内壁３の複数のリブ５に支
承される。そのうえ、内壁３の複数のリブ５は外
壁４のリブ１０と交差する方向となつているの
で、外壁４がどの方向に変形しても、その変形部
分が確実に内壁３のリブ５に支承され、十分な衝
撃吸収性が得られる。

考案の効果 本考案に係る自動車用バンパーは、断面が略コ
字形に構成され、内部に中空部を有して内壁及び
外壁からなる中空２重壁構造に構成し、かつ外壁
にはその長手方向にリブを形成すると共に、内壁
には外壁のリブと交差する方向に複数のリブを形
成してなるものであるから、外壁自体の衝撃に対
する強度が向上して、衝撃を受けても局部的に変
形を生ずることがなく、万一外壁が大きく変形す
ることがあつても、その変形部分が内壁に形成さ
れている複数のリブに支承され、しかも外壁がど
の方向に変形しても、その変形部分が確実に内壁
のリブに支承されて、十分な衝撃吸収性が得られ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用バンパーの取付
状態を示す斜視図、第２図は自動車用バンパーの
一部切欠斜視図、第３図は同上端面図、第４図は
他例の自動車用バンパーの端面図である。 １……自動車用バンパー、２……中空部、３…
…内壁、４……外壁、５……内壁の複数のリブ、
１０……外壁のリブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面が略コ字形に構成され、内部に中空部を有
   して内壁及び外壁からなる中空２重壁構造に構成
   し、かつ外壁にはその長手方向にリブを形成する
   と共に、内壁には外壁のリブと交差する方向に複
   数のリブを形成したことを特徴とする自動車用バ
   ンパー。