JPS6317853B2 - - Google Patents

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JPS6317853B2
JPS6317853B2 JP26080784A JP26080784A JPS6317853B2 JP S6317853 B2 JPS6317853 B2 JP S6317853B2 JP 26080784 A JP26080784 A JP 26080784A JP 26080784 A JP26080784 A JP 26080784A JP S6317853 B2 JPS6317853 B2 JP S6317853B2
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JP
Japan
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polyglycidyl ether
parts
resin
fibers
dihydroxynaphthalene
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JP26080784A
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JPS61138622A (ja
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Takanori Urasaki
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Priority to JP26080784A priority Critical patent/JPS61138622A/ja
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Publication of JPS6317853B2 publication Critical patent/JPS6317853B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の技術分野〕 本発明は、繊維状強化材と新規なポリグリシジ
ルエーテルとからなる繊維強化複合材料に関する
ものである。 さらに詳細には、長繊維または/および短繊維
からなる繊維状強化材と本質的に新規なポリグリ
シジルエーテルからなるエポキシ系マトリツクス
樹脂とから構成される繊維強化複合材料に関する
ものである。本発明の繊維強化複合材料から得ら
れる成形物は以下詳細に述べるように耐熱性がき
わめて高く、しかも吸水性が低いため、とくに耐
環境性のすぐれた構造材料あるいは電気・電子材
料として有用な素材となる。 〔従来技術〕 ビスフエノールA−ビスグリシジルエーテル型
で代表されるエポキシ樹脂は、繊維状強化材との
接着性が良く、さらに力学特性や電気特性などの
特性においてもバランスのとれたマトリツクス樹
脂としてよく知られている。 さらに、耐熱性エポキシ樹脂としては、たとえ
ば、(1)テトラグリシジルメチレンジアニリンと、
ジアミノジフエニルスルホンとを用いる方法、(2)
フエノールノボラツク系ポリグリシジルエーテル
とジアミノジフエニルスルフオンを用いる方法な
どにより得られるものが良く知られている。こと
に後者については、フエノールノボラツクの分子
量を制御することによつて、硬化前の樹脂の溶融
粘度または溶液粘度を変化させることも可能であ
る。 しかしながら、これらの耐熱性エポキシ樹脂を
用いて得られる複合材料の硬化成形物は、耐熱性
が未だ不充分であり、かつ吸水性が大きいなどの
欠点をもつている。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、耐熱性にすぐれ、吸水率が低
い新規なエポキシ樹脂をマトリツクスとする高強
力、高耐熱且つ低吸水性の複合材料を提供するこ
とにある。 さらには、これら複合材料を好適な条件下で硬
化成形させることによつて、構造材料、電気・電
子材料等の分野できわめて有用な硬化成形物を提
供することが大きな目的のひとつである。 〔発明の構成〕 本発明は、ジオキシナフタレンを主たる成分と
するノボラツク型樹脂のポリグリシジルエーテル
類とエポキシ樹脂硬化剤とから本質的になるマト
リツクス樹脂(A)と繊維強化材(B)とから構成される
繊維強化複合材料である。本発明にかかわる繊維
強化複合材料のマトリツクス樹脂として使用する
ポリグリシジル化合物はジオキシナフタレンを主
たるフエノール成分として下記式 R−CHO () 〔ただし式中Rは水素原子、低級アルキル基、フ
エニル基、ヒドロキシフエニル基、ハロゲン置換
フエニル基である。〕 をアルデヒド成分とするノボラツク型樹脂を骨格
とする新規ポリグリシジルエーテルを含むもので
ある。本発明においてジヒドロキシナフタレンは
従来公知の1,5−ジヒドロキシナフタレンは、
1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒ
ドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフ
タレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,
4−ジヒドロキシナフタレン、1,2−ジヒドロ
キシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,3−ジヒドロキシナフタレンなどが用い
られるが、1,6−ジヒドロキシナフタレン、
2,7−ジヒドロキシナフタレンが好ましく、特
に1,6−ジヒドロキシナフタレンが好ましい。
1,6−ジヒドロキシナフタレンからは目的のノ
ボラツク型樹脂が容易に得られるほか、このノボ
ラツク型樹脂より得られる新規ポリグリシジルエ
ーテルは融点が低く、且つポリグリシジルエーテ
ルを硬化して得られる硬化物の耐熱性が良好であ
る。 本発明においてこれらジヒドロキシナフタレン
に対して小割合例えば全フエノール成分に対して
30モル%以下、好ましくは20モル%以下のフエノ
ール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、
α−ナフトール、β−ナフトールなど従来公知の
ノボラツク型樹脂に用いられるフエノール類を共
重合成分として用いることができる。 本発明においてアルデヒド成分は前記式()
で表わされる。 具体的にはホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベ
ンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、クロルベンズアルデヒド、ブロムベンズアル
デヒドなどであり、このうちホルムアルデヒド、
p−ヒドロキシベンズアルデヒドが好ましい。 本発明において新規なポリグリシジルエーテル
はノボラツク型樹脂の分子中にナフタレン核を平
均して1.5個以上、好ましくは2個以上4個以下、
更に好ましくは2.2〜3個含むものを骨格とする
ものである。 分子中に含まれるナフタレン核の数が少ないと
得られるエポキシ樹脂の耐熱性は不充分であり、
またナフタレン核の数が多くなるとポリグリシジ
ルエーテルの溶融時の粘度が大きくなるはか、融
点と同時に高くなりエポキシ樹脂の成形性が悪く
なり好ましくない。 本発明の新規なポリグリシジルエーテルは従来
公知のフエノールノボラツクの製法と同様な方法
により得ることができる。ここで、ジオキシナフ
タレンとアルデヒドの仕込み割合は目的とするノ
ボラツク型樹脂の重合度によつて調節されるがジ
オキシナフタレン1モルに対して1/2〜1モルの
範囲が用いられる。 また酸性触媒としては具体的には硝酸、硫酸、
塩酸、リン酸、メタンスルホン酸、トルエンスル
ホン酸などのプロトン酸、三弗化ホウ素、三弗化
ホウ素エーテル錯体、塩化アルミニウム、塩化ス
ズ、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化チタンなどのルイス
酸、シユウ酸などを用いることができる。 これらのうちでもプロトン酸、シユウ酸を用い
ることが好ましい。 これら触媒の使用量は原料ジヒドロキシナフタ
レンに対して0.001〜0.05モル倍の間で選定され
る。 本発明においてフエノール成分としてのジヒド
ロキシナフタレンとアルデヒド成分としての上記
アルデヒドの酸性触媒存在下における反応は通常
50〜250℃の間で行なわれる。 またこの反応温度は初期段階は50〜150℃の間
で行なわれ、必要に応じて反応温度を更に上昇さ
せる。また反応時間は、1時間〜10時間の範囲で
選定できる。 本発明の上記反応を触媒なしで行う場合には重
合度の上昇にともなつてノボラツク型樹脂の融点
が上昇してくるので昇温することが望ましい。 また上記反応はトルエン、クロルベンゼン、ジ
クロルベンゼン、ニトロベンゼン、ジフエニルエ
ーテルなどの芳香族炭化水素、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールなどのジメチルエーテ
ルの如きエーテルなどを溶媒として用いることも
できる。 つぎに本発明のポリグリシジルエーテルは上記
の方法で合成されるノボラツク型ナフトール樹脂
にエピロクロルヒドリンを反応させることによつ
て得られる。この反応は従来公知のノボラツク型
フエノール樹脂とエピクロルヒドリンからポリグ
リシジルエーテルを得る方法に準じて行うことが
できる。この反応は、 (1) ノボラツク型樹脂と過剰のエピクロルヒドリ
ンの混合物に苛性ソーダ、苛性カリなどのアル
カリ金属水酸化物の固体または濃厚水溶液を加
えて50〜120℃の間の温度で反応させる、 (2) ノボラツク型樹脂と過剰のエピクロルヒドリ
ンにテトラメチルアンモニウムクロライド、テ
トラエチルアンモニウムブロマイド、トリメチ
ルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4
級アンモニウム塩を触媒量加えて70〜150℃で
反応させて得られるポリハロヒドリンエーテル
に、苛性ソーダ、苛性カリなどのアルカリ金属
水酸化物の固体または濃厚水溶液を加えて再び
20〜100℃の間の温度で反応さてポリハロヒド
リンエーテルを閉環させて目的のポリグリシジ
ルエーテルを得る方法 である。 このうち(2)の方法で行う方がポリグリシジルエ
ーテル合成中にゲルの生成が少ない上、得られる
硬化物の耐熱性がすぐれており好ましい。 上記の方法においてエピクロルヒドリンの使用
量はノボラツク型樹脂中のナフタレン成分に対し
て (1)の方法によるときは5〜100倍モル、好まし
くは20〜50倍モル (2)の方法によるときは5〜50倍モル、好ましく
は10〜40倍モル の範囲であり、また苛性ソーダ、苛性カリなどの
アルカリ金属水酸化物の使用量は(1)、(2)の方法と
ともにノボラツク型樹脂中の水酸基に対して0.3
〜1.2倍モルの範囲であり、更に(2)の方法による
ときはノボラツク型樹脂中の水酸基に対して第4
級アンモニウム塩を0.001〜0.02モル倍の範囲で
用いる。 また、この反応は1時間〜10時間の範囲で行な
われる。 本発明の反応で得られるポリグリシジルエーテ
ルは前記の如く未反応のエピクロルヒドリンのほ
かにアルカリ金属のハロゲン化物等の水溶性無機
物を含むので、通常反応混合物より未反応のエピ
クロルヒドリンを蒸留除去したのち、水溶性無機
物は水による抽出、濾別などの方法で除去し、エ
ポキシ樹脂を製造するのに適したポリグリシジル
エーテルを得る。 このようにして得られるポリブリシジルエーテ
ルは、分子量が好ましくは500〜1200のものが用
いられ、エポキシ当量が240(g/当量)以下、好
ましくは200(g/当量)以下、特に好ましくは
180(g/当量)以下、更に好ましくは175(g/当
量)以下であり、このようなポリグリシジルエー
テルより得られるエポキシ樹脂は耐熱性がすぐれ
ている。 本発明において前記ポリグリシジルエーテル
は、従来公知のエポキシ化合物たとえば、フエノ
ールノボラツクのポリグリシジルエーテル、クレ
ゾールノボラツクのポリグリシジルエーテル、レ
ゾルシンノボラツクのポリグリシジルエーテルな
どのフエノール類のノボラツク型樹脂のポリグリ
シジルエーテル、N,N,N′,N′−テトラグリ
シジルメチレンジアニリン、トリグリシジルp−
アミノフエノール、トリグリシジル−m−アミノ
フエノールなどのN−グリシジルアミンなどと併
用することができるが、更に好適にはα−ナフト
ールを主たるフエノール成分とするノボラツク型
樹脂のポリグリシジルエーテルと併用することに
よつて耐熱性と共に耐水性の良好(吸水率が小さ
い)エポキシ樹脂を与える。 ここでα−ナフトールを主たるフエノール成分
とするノボラツク樹脂とはα−ナフトールを主た
るフエノール成分とし、前記式()で表わされ
るアルデヒドを主たるアルデヒド成分とするノボ
ラツク型樹脂である。 またこのノボラツク型樹脂は前記ジヒドロキシ
ナフタレンを主成分とするノボラツク型樹脂と同
様にして製造でき、またこのポリグリシジルエー
テルも前記(1)、(2)の方法によつて合成できる。 本発明においてα−ナフトールを主たるフエノ
ール成分とするノボラツク型樹脂は小割合例えば
全フエノール成分に対し30モル%以下、好ましく
は20モル%以下のフエノール、クレゾール、キシ
レノール、レゾルシン、β−ナフトール、ビスフ
エノールAなど従来公知のノボラツク型樹脂に用
いられるフエノール類を共重合成分として用いる
ことができる。 上記α−ナフトールを主たるフエノール成分と
するノボラツク型樹脂は分子中にナフタレン核を
2個以上有するものであり、更に好ましくは前記
式()のRが水酸基を含まない場合は3〜6
個、Rが水酸基を含む場合は2〜4個含むもので
ある。 また本発明に用いうるα−ナフトールを主たる
フエノール成分とするノボラツク型樹脂のポリグ
リシジルエーテルは分子量が好ましくは600〜
1500のものが用いられ、エポキシ当量が好ましく
は300(g/当量)以下、更に好ましくは260(g/
当量)以下である。 本発明においてα−ナフトールを主たるフエノ
ール成分とするノボラツク型樹脂のポリグリシジ
ルエーテルの使用割合は、たとえばジヒドロキシ
ナフタレンを主たるフエノール成分とするノボラ
ツク型樹脂のポリグリシジルエーテルに対して1/
10〜10倍量、好ましくは3/7〜7/3倍量の範囲で、
特に好ましくは4/6〜6/4倍量の範囲で用いること
ができる。 本発明においてジヒドロキシナフタレンを主た
るフエノール成分とするノボラツク型樹脂のポリ
グリシジルエーテルはそれ自体単独でも従来公知
のエポキシ系樹脂用硬化剤によつて効果するとす
ぐれた性能の樹脂を与えるが、α−ナフトールを
主たるフエノール成分とするノボラツク型樹脂の
ポリグリシジルエーテルと併用することにより、
より耐水性のあるマトリツクス樹脂を与える。 これらの硬化剤としては、脂肪族、芳香族又は
脂環族のアミン類、酸無水物、ポリアミド樹脂、
ポリスルフイド樹脂、三フツ化ホウ素アミンコン
プレツクス、ノボラツク樹脂、ジシアンジアミド
などをあげることができる。 さらに具体的には、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、メタキシリレンジアミン
のような脂肪族アミン類、メタフエニレレンジア
ミン、4,4′−ジアミノジフエニルメタン、4,
4′−ジアミノジフエニルスルホン、4,4′−ジア
ミノジフエニルエーテル、2,4−トルイレンジ
アミンなどの芳香族アミン類、無水フタル酸、無
水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタ
ル酸、無水ナジツク酸、無水メチルナジツク酸、
ベンゾフエノンテトラカルボン酸無水物などの酸
無水物、アニリン、ベンジルアミン、エチルアミ
ンなどのアミンと三フツ化ホウ素とのコンプレツ
クス、フエノールノボラツク、クレゾールノボラ
ツク、レゾルシンノボラツク、ジシアンジアミド
などをあげることができる。 これらの硬化剤のうち、好ましくは、4,4′−
ジアミノジフエニルスルホン3,3′−ジアミノジ
フエニルスルホン、4,4′−ジアミノジフエニル
メタン、ジシアンジアミドなどが用いられる。 本発明における繊維強化材(B)としては、複合材
料用強化材として知られている無機系あるいは有
機系の繊維を用いることができる。かかる無機系
繊維の好ましい例としては、炭素繊維、ガラス繊
維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、アル
ミナ繊維、シリカアルミナ繊維を、また有機系繊
維としてはアラミド繊維、ポリエステル繊維など
をあげることができる。とくに好ましくは、炭素
繊維およびアラミド繊維のようないわゆるアドベ
ンストフアイバーが用いられる。また炭素繊維と
しては、ポリアクリロニトリル繊維を主たる出発
原料とするいわゆるPAN系炭素繊維や、石炭や
石油からのピツチを原料とするいわゆるピツチ系
炭素繊維が用いられる。かかる繊維の使用形態
は、長繊維でもよいし、短かくカツトされた短繊
維でもよい。また、繊維を一方向に配列して複合
材料を製造することが可能であるし、あらかじめ
織物のように賦形した状態で使用することもでき
る。 本発明にかかわる複合材料は、本質的に(A)マト
リツクス樹脂と(B)強化用繊維とからなるが、これ
らのほかに、充てん剤、顔料、硬化促進剤、安定
剤などを併用することが可能である。 ポリグリシジルエーテルとエポキシ樹脂硬化剤
から本質的になるマトリツクス樹脂(A)と繊維強化
材(B)との使用割合はその使用目的に応じて任意に
選ぶことができるが、通常(A):(B)=10:90〜80:
20(重量比)の比率で用いられる。好ましい割合
は(A):(B)=30:70〜70:30(重量比)の範囲であ
る。 本発明の繊維強化複合材料を形成するに際して
は、マトリツクス樹脂(A)と強化用繊維(B)とをあら
ゆる方法、すなわち混合、混練、積層などの方法
により組合せることが可能である。たとえば、一
方向にひきそろえた強化用繊維にマトリツクス樹
脂またはその溶液を含浸させることができるし、
あらかじめ繊維を平織や朱子織などのような織物
の状態に賦形したのちに上記マトリツクス樹脂を
含浸させることもできる。 本発明にかかわる繊維強化複合材料は種々の成
形方法により有用な成形物を提供することができ
る。代表的な成形方法はコンブレツシヨン成形で
あり、所定の形状の金型を用いて機械的に圧縮あ
るいはオートクレーブ中で気体による圧力をかけ
るなどによつて成形することが可能である。その
他に通常用いられる成形方法たとえば積層法、ト
ランスフアー成形法など強化用繊維の形状などに
あわせて選択することができる。 〔作用効果〕 本発明の繊維強化複合材料は耐熱性とくに高温
時の力学特性ならびに耐水性が良好である。 すなわち、通常のエポキシ樹脂系複合材料では
到達が困難であつた200℃あるいはそれ以上の温
度下での力学特性が著しく改善され、さらに吸水
処理後の力学特性も良好である。 つぎに実施例をあげて本発明をさらに詳細に説
明する。 なお、実施例中、単に「部」とあるのは「重量
部」をあらわす。 参考例 1 α−ナフトール144部、クロルベンゼン144部、
10%シユウ酸水溶液16部を仕込み、80℃に加熱し
つつ35%ホルマリン60部を徐々に滴下、90〜110
℃に加熱して8時間反応後、減圧下で乾固してα
−ナフトールノボラツク(分子量540)を得た。
このノボラツク150部にエピクロルヒドリン1250
部とトリメチルベンジルアンモニウムクロライド
2部を加え、120で3時間付加反応させてから50
%苛性ソーダ水溶液を減圧下70〜65℃で3時間を
要して滴下し、滴下後同条件で2時間反応させ
た。この間エピクロルヒドリンは水と共沸させ、
留出してくる水は系外に除去した。 反応終了後不溶物を別し、エピクロルヒドリ
ンの一部を減圧下留出させてから水洗、リン酸水
溶液による洗浄ののち、水洗後が中性になるまで
水洗後減圧下でエピクロルヒドリンを留去し、目
的のポリグリシジルエーテル184部(エポキシ当
量230(g/当量)分子量850)を得た。 実施例 1 1,6−ジヒドロキシナフタレン160部、ホル
マリン(35%)57部、シユウ酸1.8部及び水18部
を100〜120℃に加熱して8時間反応させた。 つづいてこの反応物に水を加えて加熱し、デカ
ンテーシヨンで水を分離し、ついで生成物は80℃
減圧下で乾燥した。 得られたノボラツク型樹脂は168部であり、融
点は165℃、ジオキサンにとかし、凝固点降下法
により求めた分子量は400(分子中にナフタレン核
を2.4個含む)であつた。 ついでこのノボラツク型樹脂100部にエピクロ
ルヒドリン2000部とトリメチルベンジルアンモニ
ウムクロライド1部を加え、120℃で3時間加熱
したのち50%苛性ソーダ水溶液100部を60℃で減
圧下に2時間かけて加えた。この間水をエピクロ
ルヒドリンと共沸させて反応系外に除去した。苛
性ソーダ水溶液滴下後更に2時間同条件で反応さ
せたのち、過剰のエピクロルヒドリンを減圧下に
一部分留去し、得られるポリグリシジルエーテル
のエピクロルヒドリン溶液を水洗し、ついでリン
酸水溶液で洗浄後、中性になるまで水洗し、エピ
クロルヒドリンを減圧下で除去して目的とするポ
リグリシジルエーテル145部を得た。 ここで得られたポリグリシジルエーテルは融点
が65℃で、塩酸ジオキサン法で求めたエポキシ当
量は160(g/当量)であり、またジオキサンにと
かして凝固点降下法で求めた分子量は780であつ
た。 上記ポリグリシジルエーテル16部に4,4′−ジ
アミノジフエニルスルホン6部とアセトン20部を
加えて溶液とし、80℃でアセトンを蒸発させてか
らプレス成型機を用い常法によつて10Kg/cm2の加
圧下190℃で厚さ2mm、幅6mm、長さ120mmの成型
片を得た。この成型片を220℃、4時間キユアリ
ングし、100℃水中で10日間処理し、吸水率を求
めた結果、吸水率は4.4%であつた。 一方、上記ポリグリシジルエーテル80部に4,
4′−ジアミノジフエニルスルホン31部とアセトン
110部を加えた溶液に炭素繊維(東レ(株)製、
T400、3600デニール、6000フイラメント)をド
ラムワインデイング法により浸漬し、オーブン中
40〜80℃でアセトンを蒸発させてプリプレグを得
た。 ここで得たプリプレグを一方向にならべ、金型
温度180℃にて1時間加圧成型し、厚さ2mm、幅
12mm、長さ120mm、繊維含量65体積%の一方向炭
素繊維強化樹脂成型片を得た。この成型片は220
℃で4時間キユアリングして25℃と200℃で0゜曲
げ強度を測定(スパン64mmで3点曲げ試験法)す
る一方、デユポン社DMA(モデル1090)によつ
てガラス転移温度をしらべ樹脂の耐熱性を評価し
た。結果は表1に示した。
【表】 実施例 2 1,6−ジヒドロキシナフタレン 160部、 p−ヒドロキシベンズアルデヒド 66部、 p−トルエンスルホン酸 0.5部 を150〜190℃で6時間窒素気流中で加熱反応させ
た。この間反応の結果生成してくる水は系外に除
去した。 ここで得られた生成物を粉砕後水洗し、90℃で
減圧下に乾燥した。 収量214部、融点170℃、ジオキサンにとかし、
凝固点降下法で求めた分子量は480(分子中にナフ
タレン核を2.2個含む)であつた。 ついでこのノボラツク型樹脂100部にエピクロ
ルヒドリン2000部とトリメチルベンジルアンモニ
ウムクロライド1.0部を加え120℃で3時間加熱し
たのち、50%苛性ソーダ水溶液104部を60℃減圧
下で3時間かけて加えた。この間、水をエピクロ
ルヒドリンと共沸させて反応系外に除去した。苛
性ソーダ滴下後更に同条件で反応させたのち、実
施例1と同様に処理して目的とするポリグリシジ
ルエーテル140部を得た。ここで得られたポリグ
リシジルエーテルは融点40℃、エポキシ当量165
(g/当量)、分子量730であつた。 上記ポリグリシジルエーテル16.5部に3,3′−
ジアミノジフエニルスルホン6部とアセトン20部
を加えて溶液とし、80℃でアセトンをとばし実施
例1と同様プレス成型し、キユアリングし100℃
水中10日間処理して吸水率を求めた。吸水率は
4.5%であつた。 一方、上記ポリグリシジルエーテル82部に3,
3′−ジアミノジフエニルスルホン31部とアセトン
110部を加えた溶液を用い、実施例1と同様炭素
繊維を強化材とする一方向炭素繊維強化樹脂成型
片をつくり、その耐熱性をしらべ、結果を表2に
示した。
【表】 実施例 3 ガラス長繊維(20000デニール、10000フイラメ
ント)を炭素繊維のかわりに用いた以外は実施例
1と同様にしてプリプレグをつくり成形して繊維
含量65体積%の一方向ガラス繊維強化樹脂成型片
を得た。この成型片は220℃で4時間キユアリン
グし、25℃と200℃で0゜曲げ強度をスパン64mmで
3点曲げ試験法により測定した。その結果を表3
に示した。
【表】 実施例 4〜6 実施例1で得たポリグリシジルエーテルと参考
例1で得たポリグリシジルエーテルを併用し、硬
化剤として4,4′−ジアミノジフエニルスルホン
を用い、実施例1と同様にしてこのメチルエチル
ケトン溶液からプリプレグをつくり、ここで得た
プリプレグは一方向にならべ金型温度180℃にて
1時間加圧成型し、厚み2mm、幅12mm、長さ120
mm、繊維含量65体積%の一方向炭素繊維強化樹脂
成型片を得た。この成型片は220℃で4時間ポス
トキユアを行つてから25℃と200℃で0゜曲げ強度
をスパン64mmで3点曲げ試験法により測定する一
方、デユポン社DMA(モデル1090)によつてガ
ラス転移温度(Tg)をしらべ樹脂の耐熱性を評
価した。結果は表4に示した。
【表】 一方、上記組成の樹脂溶液よりメチルエチルケ
トンを50℃減圧下で留去し、金型温度180℃にて
常法により1時間プレス成型し、厚み2mm、幅6
mm、長さ120mmの成型片を得た。この成型片は220
℃で4時間ポストキユアしてから100℃水中にし
10日間吸水させ、その重量増より樹脂の吸水率を
求めた。その結果、実施例4、5、6の樹脂の吸
水率はそれぞれ3.5%、3.9%、3.1%であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ジヒドロキシナフタレンを主たるフエノール
    成分とするノボラツク型樹脂のポリグリシジルエ
    ーテル類とエポキシ樹脂硬化剤とから本質的にな
    るマトリツクス樹脂(A)と繊維強化材(B)とから構成
    される繊維強化複合材料。
JP26080784A 1984-12-12 1984-12-12 繊維強化複合材料及びそれから得られる硬化成形物 Granted JPS61138622A (ja)

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