JPS63176834A - セミメタリツクブレ−キパツド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、セミメタリックブレーキパッドに関する。

〈従来の技術〉 スチールウール等を骨材とするセミメタリックブレーキ
パッドは、耐摩耗性、熱安定性及び耐フェード性等に優
れており、近年自動車用ディスクブレーキ要素としてよ
く利用されている（新編自動車工学便覧第１２編第１章
１−６４頁参照）。また、このセミメタリックブレーキ
パッドを一層改良すべく様々な研究や提案がなされてい
る（特開昭５６−１６１４８７号公報、特開昭５９−１
６６７３５号公報等参照）。

〈発明がＷ＊決しようとする問題点〉 しかしながら、従来のセミメタリックブレーキパッドは
、耐摩耗性等が良好な反面、新品の使用の際いわゆる当
たりが付きに〈＜、初期の効き（摩擦係数）が低いとい
う問題を有していた。

本発明の目的はかかる欠点の無いセミメタリックブレー
キパッドを提供することにある。

く問題点を解決するための手段〉 本発明のセミメタリックブレーキパッドは、セミメタリ
ンク摩擦材の摩擦面を酸性溶液と接触させて同表面に鉄
化合物層を形成し、その後加熱により該鉄化合物を酸化
鉄に変えて、硬質の酸化鉄被膜を摩擦面に形成してなる
ことを特徴とするものである。

本発明における酸化鉄被膜は、より具体的には次に述べ
るプロセスにより形成する。

■　セミメタリック摩耗材の摩擦面を塗布等によシ酸性
溶液と接触させて、その表面のスチール繊維（または鉄
粉）を溶解させ、乾燥後鉄化合物層を摩擦面に形成する
。酸性溶液のペースとなる酸は、塩酸、硫酸のような無
機酸でもよいが、無機酸では塩素イオンや硫酸イオン等
の残留によりセミメタリック摩擦材の内部に腐食が生じ
、そして相手材のディスクロータの錆び発生ひいては該
ロータとブレーキパッドの固着に到る虞れがあるので、
下記の後工程及び摩擦熱で分解消失する有機酸、例えば
蟻酸、酢酸、シェラ酸、クエン酸が好ましい。

■　上記プロセス■の後、セミメタリックブレーキパッ
ドを炉内で加熱して、空気酸化させ、セミメタリック摩
擦材の摩擦面上の鉄化合物を結合水の分解と共に酸化鉄
に変化させ、硬質の酸化鉄板膜を摩擦面に形成する。炉
の温度が高いほどより硬質の酸化鉄被膜が形成されるの
で、炉温は一般に高いほうが良い。しかし、炉温か高過
ぎると、摩擦材中のバインダー（多くはフェノール樹脂
）の分解が生じるため、炉温は２７０℃以下にすること
が望ましい。

■　または上記プロセス■の後、可燃性ガスの炎をセミ
メタリック摩擦材の摩擦面に当てその表面を急速加熱し
、摩擦面の鉄化合物を酸化鉄に変え、硬質の酸化鉄被膜
を摩擦面に形成する。この場合、摩擦材内部まで加熱す
るとバインダー樹脂が分解するため、炎を当てる時間は
３０秒以下とすることが望ましい。

この加熱プロセスは、摩擦材中のＭ機酸鉄化合物が効果
的に分解するので好ましい。

■　あるいは上記プロセス■の後、セミメタリック摩擦
材の摩擦面に赤外線レーザー光線を照射し、その表面の
みを急速加熱し、摩擦面上の鉄化合物を酸化鉄に変え、
硬質の酸化鉄被膜を形成する。この加熱プロセスは、上
記プロセス■と同等以上の酸化効果があり、優れている
。

また、本発明は、セミメタリック摩擦材の種類を特に限
定するものでなく、従来より使用されるいずれのセミメ
タリック摩擦材を上記の如く加工して本発明のセミメタ
リックブレーキパッドとしてよいｏｆだ、本発明は、ブ
レーキパッド自体の形状及び構造も限定するものでない
。本発明に使用されるセミメタリック４！擦材は、例え
ばスチール繊維または鉄粉を骨材とし、バインダーとし
てフェノール樹脂またはエポキシＯＩ！脂、摩耗調整添
加剤としてグラファイト、二硫化モリブデン、三硫化ア
ンチモン、タルクまたはマイカ、摩擦１４整添加剤とし
てカシェ−ダストまたはラバーダスト等を混合し硬化さ
せたものが使用される。

〈作　用〉 本発明では、セミメタリック摩擦材の摩擦面に酸化鉄被
膜を設けたことによシ、該摩擦材の摩擦係数、特に初期
使用時におけるそれが著しく向上する。

〈実施例〉 以下、本発明の詳細な説明する。

実施例１ 容ｔ−でスチールファイバー３０−、フェノールレジン
２０−、グラファイト２５％、：Ｉ’ムダスト５−１硫
酸バリウム１５％及び酸化マグネ７ウム５−の組成から
なり通常の方法に従って製造されたセミメタリックディ
スクブレーキパッドを、その摩擦面の研摩後、１０％酢
酸水溶液を含ませた脱脂綿上に摩擦面を下にして２分間
置き、次いで該ブレーキパッドを室内にて摩擦面を上に
して４時間放置し、乾燥させ、酢酸鉄を含む層を摩擦面
上に形成する。

その後、アセチレンガスバーナーの炎（酸化炎）を上記
ブレーキパッドの摩擦面に均一に２０秒間当て、表面の
鉄化合物を完全に酸化鉄に変え、硬質の酸化鉄被膜を摩
擦面に形成する。

実施例２ 実施例１で用いたセミメタリックディスクブレーキパッ
ドの摩擦面に、実施例１と同じ方法により酢酸鉄層を形
成し、その後膣プレーキノくラドを加熱炉に入れ、炉温
を２時間かけて２７０゛Ｃにまで上昇させ続いてそのま
ま１時間保持しその後冷却することにより、酸化鉄層を
表面に有するセミメタリックブレーキパッドを得る。

試験例 実施例１及び実施例２のセミメタリックディスクブレー
キパッド並びに比較例の未処理セミメタリックディスク
ブレーキパッド（実施例１のと同一の組成であるが酸化
鉄表面層が設けられていない。）について、吏用初期か
らの摩擦係数の変化ｔ−フルサイズダイナモメータで測
定した。

試験条件は、トヨタカローラのブレーキ要素（ＰＤ５１
型ディスクキャリパ−１１＆５ｎ厚さ、鋳鉄製ディスク
ロータ）を用い、回転イナー　’／　ヤｌ　５　ｒ４．
ｒｎ−ｓ２、速度５０　ｋｍ／ｈ　、制動減速度０．５
　Ｇ、制動前ロータ温度５０゛Ｃとし、５０回制動を行
なうこととした。

その結果を第１図に示す。図中、曲線Ａ１曲線Ｂ及び曲
線Ｃは、夫々実施例１、実施例２及び比較例のブレーキ
パッドの測定結果を示す。

この図より、各実施例のブレーキパッドは、比較例のそ
れに比して初期の効きが著しく向上していることがわか
る。

〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明のセミメタリックブレーキ
パッドは、摩擦面に硬質の酸化鉄被膜を設けたことによ
り、従来の良好な特性に加えて、制動性能、特に使用初
期の効きが格段に向上するという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例及び比較例のブレーキパッドについて制
動回数と摩擦係数の関係を示すグラフである。 特許出願人　　トヨタ自動車株式会社 ほか２名

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. セミメタリック摩擦材の摩擦面を酸性溶液と接触させて
   同表面に鉄化合物層を形成し、その後加熱により該鉄化
   合物を酸化鉄に変えて、硬質の酸化鉄被膜を摩擦面に形
   成してなることを特徴とするセミメタリックブレーキパ
   ッド。