JPH06145648A - 非石綿成形磨擦材用組成物及び非石綿成形磨擦材の製造方法 - Google Patents

非石綿成形磨擦材用組成物及び非石綿成形磨擦材の製造方法

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JPH06145648A
JPH06145648A JP4280298A JP28029892A JPH06145648A JP H06145648 A JPH06145648 A JP H06145648A JP 4280298 A JP4280298 A JP 4280298A JP 28029892 A JP28029892 A JP 28029892A JP H06145648 A JPH06145648 A JP H06145648A
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D69/02Composition of linings ; Methods of manufacturing
    • F16D69/025Compositions based on an organic binder
    • F16D69/026Compositions based on an organic binder containing fibres

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ブレーキ用部材に好適で、酸化・腐食されて制
動能力に支障を与える虞れがなく、湿度条件に係わらず
適当な潤滑性を有し、円滑で柔軟な制動をすることがで
き、石綿粉塵が生じない非石綿成形磨擦材用組成物と非
石綿成形磨擦材の製造方法を提供する。 【構成】本発明の組成物は繊維状金属と、所定の結晶格
子定数を有する炭素粉末と、樹脂成分の硬化剤と、無機
成分の耐熱材と、安定化用充填剤とを含む。本発明の非
石綿成形磨擦材の製造方法は繊維状金属製造工程と炭素
粉末製造工程とを含み、上記各工程で得られた繊維状金
属と炭素粉末とに、樹脂成分の硬化剤と、酸化アルミニ
ウム耐熱材と、硫酸バリウム安定化用充填剤とを添加し
て上記組成物を得る。上記組成物を加圧成形する加圧成
形工程と、上記加圧成形工程で得られた成形物を硬化さ
せる硬化工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用の非石綿成形
磨擦材に関するもので、特に温度の影響を受けずに、乾
燥雰囲気か高湿雰囲気かを問わず適当な潤滑性を有し、
磨耗、騒音等の発生が極めて少ない非石綿ブレーキ用ラ
イニング及びブレーキパッドを形成する成形磨擦材用組
成物及び非石綿成形磨擦材の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車、鉄道車両、航空機等のいずれも
輸送機関においては、運転の安定性は速度制御におい
て、ブレーキの作用に係わるところが極めて大である。
【0003】特に高速運転、高密度運転される車両の場
合には最も重要で、如何なる条件の下でも確実に減速停
止できることが必須である。
【0004】磨擦材が付いているブレーキはいずれも車
両の運動エネルギーを熱に変換して消費する装置である
から、磨擦材の選択は極めて重要である。
【0005】例えば、自動車のブレーキ能力はタイヤと
路面間との磨擦力に強く限定され、ブレーキの磨擦力が
優れればタイヤは完全にロックされ、路面をタイヤが滑
るからタイヤが磨耗される。
【0006】これと反対に、ブレーキの力が小さければ
自動車が停止する距離が長くなるからブレーキの本来の
目的を達成することができない。
【0007】よって、ブレーキ用磨擦材の必須の要件は
適当な磨擦係数(0.28以上)を有すると共に磨耗が
少ないことが要求される。
【0008】安定性の面からみたとき磨擦材料としては
磨擦係数が大きい程良いが、あまり大きければ磨擦材の
磨耗が多くなり振動を誘発させて騒音が発生する。
【0009】磨擦材の磨耗が多ければ使用の期間が短く
なり交換の頻度が増えて経済性が失われ、振動、騒音の
発生は運転者に不快感を与える。
【0010】これは最近の自動車が殆どエンジン音又は
タイヤが路面と接するとき発生する走行音等が大いに改
善されて運転中の騒音発生が抑えられているために、若
干の雑音、即ちブレーキ音が発生するだけでも不快感の
原因となるためである。
【0011】この様な状態を無くす為に磨耗調整材(潤
滑剤)を添加する等の方策を取っている。
【0012】現在使用されている潤滑剤としては、例え
ば、炭素(黒鉛)、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム
等を挙げることができるが、広く使用されているのは炭
素である。
【0013】現在の成形磨擦材はセミメタリック系と石
綿系とがあるが、この分野の主なものは石綿系の磨擦材
である。
【0014】上記石綿系の磨擦材は5〜6級の石綿粉末
20乃至60重量部、無機質充填剤35乃至65重量
部、フェノール樹脂、補助レジン及び可塑剤を合計量で
30乃至40重量部の比率範囲よりなる成形磨擦材と、
その成形磨擦材の製造時に添加される無機質充填剤35
乃至65重量部の一部乃至全部を65乃至80%の炭素
と20乃至35%の鉄系列のサーメット粉末で置換して
製造される成形磨擦材が通常的である。
【0015】上記の成形磨擦剤の無機質充填剤とは、公
知の粉末状炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、
硫酸カルシウム、タルク、カオリン、ムライト、珪酸カ
ルシウム又は粉末状のシリケート類、微細粉末状のシリ
カ、粉末状の金属(例えば銅、鉄、真鍮、アルミニウ
ム、亜鉛等)及びその他酸化金属類等の公知の無機質粉
末充填剤を意味する。
【0016】上記の従来の成形磨擦材は無機質充填剤の
主成分としてサーメット粉末に鉄成分を約25乃至35
%含有するときに大気中に長らく露出された場合、サー
メット粉末が空気により容易に酸化されて腐食され、こ
れにより磨擦作用が急激に減少される欠点があり、吸湿
により強度と耐磨耗性が急激に減少される欠点がある。
また、成形磨擦材は副次的磨擦の特性が大きいので磨擦
による制動力は優れているが、過度の磨擦制動により熱
が多く発生して酸化が促進されることは勿論、高温で磨
擦の安定性が失われて円滑で柔軟な制動がされず、しか
も磨擦騒音さえ発生させる欠点があった。
【0017】また、成形磨擦材はその組成物の中に石綿
を含んでいるから磨擦材の製造工程と製造後使用する時
に人体に有害な石綿粉塵の発生でタイヤの周囲を汚すこ
とは勿論、これを粉塵状態で吸収することにより種々の
疾病、特にガンの如き難治病を招く等各環境の破壊の原
因になる問題があるので石綿を含むものを使用すること
は避けることが好ましい。
【0018】特に上記従来の成形磨擦材は、添加される
無機質充填剤の主成分として65乃至80%の炭素を含
んでいて、乾燥する冬には磨耗が増大されると共に騒音
が発生しやすい不便があり、湿度が高い夏には制動にお
いて滑り現象が現れる。
【0019】黒鉛よりなる潤滑剤が湿度の影響を受け易
い理由は、空気中の水分を吸着して黒鉛の結晶中または
結晶間に吸着されることに因る黒鉛と水分との相互作用
によるものであった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解消するものあって、その目的は大気中に長らく露
出されても酸化や腐食のおそれが無く、制動能力に支障
を与えず、しかも磨擦制動が円滑で吸湿による強度と耐
磨耗性の変化が殆ど無く、非石綿ブレーキライニング及
びブレーキパッド等の成形磨擦材に好適な組成物と非石
綿成形磨擦材の製造方法を提供することにある。
【0021】本発明の他の目的は、乾燥雰囲気か高湿雰
囲気かを問わず適当な潤滑性を有し、円滑でしかも柔軟
な制動をすることができ、磨擦騒音の発生が少ない非石
綿ブレーキライニング及びブレーキパッド等の成形磨擦
材に好適な組成物と非石綿成形磨擦材の製造方法を提供
することにある。
【0022】又本発明の他の目的は、人体に有害な石綿
粉塵が生じず産業災害及び公害の要因がなく、また磨耗
が小であって寿命が延長される非石綿等の成形磨擦材に
好適な組成物と非石綿成形磨擦材の製造方法を提供する
ことにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為の
本発明の非石綿成形磨擦材用組成物は、亜鉛、マンガ
ン、炭素、クロム、ニッケル、銅、硫黄及びアルミニウ
ムを含む非鉄金属材の塊状体を短繊維状に切削加工して
なる繊維状金属と、コークスとピッチとからなる混合物
を低温で焼成したのち、さらに高温で焼成してなり、そ
の結晶格子定数が湿度の変化により影響を受けない値を
有する炭素粉末と、樹脂材料からなり熱により硬化され
たときにその結合力により各成分に耐水性を付与する樹
脂成分の硬化剤と、無機材料からなり水に殆ど溶解せ
ず、耐熱性、耐火性を有する硬度の大きな無機成分の耐
熱材と、空気並びに熱と接する時に各成分を安定化する
安定化用充填剤とを含むことを特徴とする。
【0024】上記組成物は、該組成物から非石綿成形磨
擦材が製造されたときに該磨擦材により強い密着力を付
与する為に銅粉末を含むことが好適である。
【0025】上記組成物は、上記繊維状金属を25〜4
0重量部、上記炭素粉末を15〜25重量部、上記樹脂
成分硬化剤を15〜25重量部、上記無機成分の耐熱材
を5〜10重量部、上記安定化用充填剤を5〜15重量
部の範囲内で含み、全体が100重量部になるように混
合されてなることを特徴とする。
【0026】上記炭素粉末はコークスとピッチとの各5
0重量部からなり、その結晶格子定数が6.75乃至
6.85に結晶化されている。また、上記樹脂成分の硬
化剤はフェノール樹脂を含む。
【0027】また、上記無機成分の耐熱材は酸化アルミ
ニウムからなる。さらに、上記安定化用充填剤は硫酸バ
リウムからなる。
【0028】上記組成物は、繊維径0.01〜0.05
mm、長さ2〜3mmの短繊維状の上記繊維状金属30
重量部、180メッシュ以下の上記炭素粉末20重量
部、フェノール樹脂20重量部、45メッシュの銅粉末
15重量部、硫酸バリウム10重量部、250メッシュ
以下の酸化アルミニウム粉末5重量部の比率で混合され
てなることが好ましい。
【0029】本発明の非石綿成形磨擦材の製造方法は、
亜鉛、マンガン、炭素、クロム、ニッケル、銅、硫黄及
びアルミニウムを含む非鉄金属材の塊状体を短繊維状に
切削加工して繊維状金属を用意する繊維状金属製造工程
と、コークスとピッチとからなる混合物を低温で焼成し
たのち、さらに高温で焼成して、その結晶格子定数が湿
度の変化により影響を受けない値を有する炭素粉末を用
意する炭素粉末製造工程と、上記繊維状金属製造工程で
得られた繊維状金属と、上記炭素粉末製造工程で得られ
た炭素粉末と、樹脂材料からなり熱により硬化されたと
きにその結合力により各成分に耐水性を付与する樹脂成
分の硬化剤と、無機材料からなり水に殆ど溶解せず、耐
熱性、耐火性を有する硬度の大きな無機成分の耐熱材
と、空気及び熱と接する時に各成分を安定化する安定化
用充填剤とを含む組成物を所定の金型の内部に投入し
て、その性質が変わらない範囲の温度、加熱時間及び圧
力にて加圧成形する加圧成形工程と、上記加圧成形工程
で得られた成形物の硬化を維持し、上記組成物、特に樹
脂成分の硬化剤の性質が変わらない範囲内の温度及び加
熱時間にて硬化させる硬化工程とからなることを特徴と
する。
【0030】上記繊維状金属製造工程では、上記繊維状
金属は上記塊状体を噛み工具が備えられたモータで高速
に回転させながら、切削用バイトにより繊維径0.01
〜0.05mmの繊維状金属とし、さらに2〜3mmの
長さに切断される。
【0031】上記炭素粉末製造工程では、上記炭素粉末
はコークスとピッチとの各50重量部からなる混合物を
約500〜600℃の範囲の一次焼成温度で10乃至2
0分間加熱して低温焼成したのち、約2000〜250
0℃の範囲の二次焼成温度で10乃至20分間加熱して
高温焼成し、その結晶格子定数が6.75乃至6.85
になるように結晶化される。
【0032】また、上記無機成分の耐熱材は酸化アルミ
ニウムからなることが好ましく、上記安定化用充填剤は
硫酸バリウムからなることが好ましい。
【0033】上記加圧成形工程は、30〜50kg/c
2 の範囲の圧力で加圧した状態で、160〜185℃
の範囲の温度で加熱して行う。
【0034】上記硬化工程は、160〜185℃の範囲
の温度で7〜9時間加熱することによりアフターキュア
により硬化が行われるようにする。
【0035】本発明の製造方法では、上記組成物を上記
加圧成形工程に供する直前に、上記組成物に含まれてい
る水分を脱水するために約100℃内外の水分が蒸発さ
れる範囲の温度で1〜3時間加熱することが好ましい。
【0036】
【作用】本発明の組成物によれば、上記樹脂成分の硬化
剤、無機成分の耐熱材及び安定化用充填剤を含むので、
成形磨擦材とされたときに大気中に長らく露出されてい
ても該成形磨擦材が酸化されず、腐食される虞れがな
い。
【0037】また、本発明の組成物によれば、潤滑剤と
して上記結晶格子定数を有する炭素粉末を含むので、成
形磨擦材とされたときに該成形磨擦材は如何なる湿度条
件下においても適当な潤滑性を有する。
【0038】さらに、本発明の組成物によれば、磨擦材
として上記繊維状金属を使用し、石綿を使用することが
ないので、成形磨擦材とされたときに人体に有害な石綿
粉塵が生じず、産業災害及び公害の要因となることが避
けられる。
【0039】本発明の製造方法によれば、上記組成物を
上記加圧成形工程で加圧成形したのち、上記硬化工程で
硬化させることにより、優れた強度を有する成形磨擦材
が得られる。
【0040】また、本発明の製造方法によれば、上記塊
状体を噛み工具が備えられたモータで高速に回転させな
がら、切削用バイトを当てることにより、繊維径0.0
1〜0.05mmの繊維状金属が得られ、該繊維状金属
をさらに2〜3mmの長さに切断することにより上記短
繊維状金属が得られる。
【0041】また、本発明の製造方法によれば、コーク
スとピッチとの各50重量部からなる混合物を約500
〜600℃の範囲の一次焼成温度で10乃至20分間加
熱して低温焼成したのち、約2000〜2500℃の範
囲の二次焼成温度で10乃至20分間加熱して高温焼成
することにより、結晶格子定数が6.75乃至6.85
の結晶化された炭素粉末が得られる。
【0042】また、本発明の製造方法によれば、上記組
成物は30〜50kg/cm2 の範囲の圧力で加圧した
状態で、160〜185℃の範囲の温度で加熱すること
により成形物が得られる。上記成形物は、さらに160
〜185℃の範囲の温度で7〜9時間加熱することによ
りアフターキュアされ、硬度が増大する。
【0043】さらに、本発明の製造方法では、上記組成
物を上記加圧成形工程に供する直前に、約100℃内外
の水分が蒸発される範囲の温度で1〜3時間加熱するこ
とにより、上記組成物に含まれている水分が脱水され、
成形されやすくなる。
【0044】
【実施例】以下で本発明をより詳細に説明する。
【0045】図1は本発明の製造方法により得られる成
形磨擦材の老化サイクル試験におけるサイクルと強度と
の関係を示すグラフであり、図2は上記成形磨擦材の磨
擦抵抗比試験における炭素粉末の結晶格子定数と磨耗量
との関係を示すグラフである。
【0046】まず、亜鉛60乃至65重量部、マンガン
9乃至13重量部、炭素7乃至10重量部、クロム5乃
至8重量部、ニッケル3乃至6重量部、銅3乃至6重量
部、硫黄1乃至2重量部、アルミニウム0.5乃至2重
量部の範囲に混合して、公知の繊維状金属を製造する方
法にて、繊維径が0.01〜0.05mmの細い繊維を
製造し、これを短い長さ(2〜3mm)に切断して短繊
維状金属を用意する。
【0047】上記一般の繊維状金属を製造する方法は、
原料を一定範囲の比率にて混合して完全に溶解したの
ち、これを円筒形の塊状体として、噛み工具が備えられ
たモータで略4200〜4500RPMの高速に回転さ
せながら上記塊状体に切削用バイトを当てて所定の繊維
径と長さとを有する繊維状金属に連続的に切削加工する
ことを意味する。上記短繊維状金属は、ブレーキ用の部
材中の磨擦材として用いられる。
【0048】別途、潤滑剤に使用される黒鉛(炭素)の
為に、コークスとピッチとを混合し、低温の一次焼成温
度で焼成させる低温焼成工程を行う。
【0049】ここで低温焼成に適当な一次焼成温度は約
500〜600℃で、焼成時間は10乃至20分内外行
う。実験によれば、その焼成時間は15分内外が上記コ
ークスとチップとの混合状態で次の工程に必要な最も適
格な焼成状態を維持していることが分かった。
【0050】上記コークスは70〜80%の炭素と、灰
分10〜20%、そして揮発分等のその他の成分を有し
ている多孔質の固体であって大部分が炭素成分に構成さ
れている。また、上記ピッチは有機物質のタールを蒸留
して得られる油成分を保っている。上記コークスとピッ
チとを混合して上記温度で焼成することにより、炭素粉
末が粘結され、水分の浸透を妨げ腐食並びに腐敗を防ぐ
作用が得られる。
【0051】このコークスとピッチとは各40〜60重
量部内外に互いに混合して使用されるが、さらに他の成
分を含んでいてもよい。上記コークスとピッチとは各5
0重量部づつ混合して焼成することにより、粘結性が最
適の状態のものを得ることができる。
【0052】そして、上記低温焼成工程を終えた後、高
温の二次焼成温度で焼成することによりその格子定数を
変化させる高温焼成工程を行うことになる。
【0053】ここで、高温の二次焼成温度とは2000
〜2500℃の範囲内の温度であって、炭素が燃焼され
ない範囲内で結晶軸の軸角、軸比に影響を及ぼす結晶格
子定数を変更させる温度に加熱焼成することにより、物
質の性質に影響を与えるものである。
【0054】これは実験によれば低温焼成工程と同一の
焼成時間、即ち10乃至20分の時間で、焼成温度は2
300〜2500℃が最も望ましかった。
【0055】この時、上記結晶格子定数は粉末型炭素が
湿度に最も影響を受けない6.75〜6.85の数値を
持つことになるが、上記の2300〜2500℃の加熱
温度以上に加熱する場合にはこの結晶格子定数がより小
さくなる。従って、6.75〜6.85の結晶格子定数
を得る為には最大2500℃以下で加熱することが望ま
しい。
【0056】そして、この工程により用意された炭素粉
末は200メッシュ以下の比較的小さい粉末状のものだ
けを使用する。
【0057】この様な工程で上記の繊維状金属と、炭素
粉末とを具備した状態で、樹脂成分の硬化剤、無機成分
の耐熱材、そして安定の為の充填剤を添加して、これ等
を相互に混合して成形磨擦材用の組成物とした後、該組
成物を所望のブレーキ用ライニング又はパッド部材の形
態に成形する加圧成形工程と、この加圧成形工程を終え
た後には成形された状態を強く維持するように硬化する
硬化工程とをそれぞれ経て、完成物を得ることになる。
【0058】上記樹脂成分の硬化剤はフェノール樹脂が
適当である。このフェノール樹脂はフェノール類とアル
デヒド類を縮合させて得られるもので、熱により段々に
硬化され、熱硬化性が極めて大きい。また、上記組成物
の他の成分を結着させる接着力も大きい。
【0059】上記無機成分の耐熱材は酸化アルミニウム
が適当である。
【0060】上記酸化アルミニウムは水に溶けず、加熱
された後には酸に溶けず、耐火性、耐熱性が大きい。ま
た、上記酸化アルミニウムは組成物の他の成分と混合さ
れた状態で硬化力即ち成形性が極めて大きく、脱水作用
を有するので加圧成形工程で得られる成形物が手早く脱
水される。
【0061】この酸化アルミニウムの粒子は約250メ
ッシュ以下の微細な粉末のものを選んで組成物等と混合
される。
【0062】上記充填剤は硫酸バリウムが主に使用され
る。
【0063】上記硫酸バリウムは空気と熱とに接すると
他の組成物と結合された状態を安定させ変色防止の効果
があるが、本発明では変色防止の効果よりは組成物の安
定化の為に使われる。
【0064】このような各成分を混合する重量比は、上
記繊維状金属を最も主成分として25〜40重量部、炭
素粉末は15〜25重量部、樹脂硬化剤であるフェノー
ル樹脂は15〜25重量部、充填剤である硫酸バリウム
は5〜15重量部、無機成分の耐熱材は5〜10重量部
である。これ等を相互に添加混合して成形磨擦材用組成
物が得られる。該成形磨擦材用組成物は混合された状態
で成形に必要な温度で加圧成形工程に投入される。
【0065】上記組成物は上記の如き比率の範囲内で全
体を100重量部にする如何なる組成比率でも耐熱性、
耐磨耗性にすぐれ、特に上記範囲の結晶格子定数を有す
る炭素粉末により湿度変化にも安定であり、そして上記
樹脂成分の硬化剤による腐食防止により寿命が長く、騒
音が無くされる。
【0066】又耐熱性及び耐火性が増大され、強い制動
力が加えられたときに早い停止がなされるようにするの
は勿論、この急制動が繰り返されてもブレーキのライニ
ング及びパッド部材自体の性質を安定に維持し、制動力
の低減を防ぐことになる。
【0067】この様な性質を持つ上記組成物を各車両及
び航空機等の制動用ライニングとパッドの形状に従って
予め製造された金型に投入した後、所定の温度で加熱し
加圧する加圧成形工程がなされる。
【0068】この加圧成形工程に必要な温度は上記組成
物、特に樹脂成分の硬化剤が高温に敏感に反応するの
で、この硬化剤が保有する性質が変化しない範囲の温度
並びに時間で加熱される。
【0069】即ち上記組成物を金型内に投入した後、適
正な力で圧力を加えるが、30〜50kg/cm2 の範
囲で特に35kg/cm2 内外の圧力で加圧した状態で
その加熱温度は200℃以内、160〜185℃の温度
が適当である。
【0070】又加熱時間は1時間以内で加圧成形が成さ
れる。そして、この様に成形された製品はより完全な硬
度維持並びに形態維持の為に硬化工程に投入されアフタ
ーキュアがなされる。
【0071】この硬化工程は上記で明らかな如く上記組
成物、特に樹脂成分の硬化剤が高温に敏感に反応するの
でこの硬化剤が有する性質が変化しない範囲の温度と時
間で加熱される。
【0072】即ち、温度は200℃以下、160〜18
5℃の範囲内の温度が望ましく、10時間を越さない範
囲で最小5時間以上の加熱により硬化されるが、7〜9
時間が好ましい。
【0073】この様な諸工程を経て所望の完成されたブ
レーキ用ライニング並びにパッドを得ることになる。
【0074】この時上記組成物の中にブレーキのドラム
乃至はディスクとライニング及びパッドが接するときに
より強い密着力を付与する為に銅粉末を含むことが好ま
しい。
【0075】この場合、銅粉末の上記組成物の比率中に
含まれる割合は、10乃至20重量部の範囲で、望まし
くは15重量部内外である。
【0076】そして、組成物の中に含有される水分によ
り使用中或は流通中に自然に腐食されて制動能力が低下
することを防止するために、上記の如く組合わされる組
成物を加圧成形工程に投入する直前に乾燥工程に供する
ことが好ましい。
【0077】この乾燥工程は約100℃内外の水分が蒸
発される範囲の温度で行い、85℃から100℃の温度
が好ましい。
【0078】又、この加熱時間は最も低い溶融点を持つ
組成物自体の性質を変えないことを勘案して約1〜3時
間の範囲で行う。
【0079】次に、繊維状金属30重量部、180メッ
シュ以下の炭素粉末20重量部に、フェノール樹脂20
重量部、45メッシュ以下の銅粉末15重量部、硫酸バ
リウム10重量部、250メッシュ以下のアルミナ粉末
5重量部を混合して得られた組成物を85〜95℃で3
時間乾燥した後、この組成物を所定の形状及び模様に1
70℃で35kg/cm2 の圧力にて加圧成形し、18
0℃で8時間硬化させて完成品の成形磨擦材、即ちディ
スクブレーキライニング及びディスクブレーキパッドを
得た。これを用いて、以下の各実験を行った。実験の内
容及び結果は次の通りである。
【0080】まず上記で説明した如き磨擦材である繊維
状金属を構成する各成分の比率の製造可能な配合例を挙
げて説明すれば次の通りである。
【0081】
【表1】
【0082】上記表1の配合例の如き範囲の比率に混合
して完全に溶解させ、円筒形の塊状体を造った後、これ
をモータで4300RPM内外の高速で回転させなが
ら、該塊状体に切削用バイトを当てて繊維径0.3mm
の繊維状金属とし、これを2mmに切断して、短繊維状
金属を用意した。
【0083】次に、コークス50重量部とピッチ50重
量部との混合物を一次焼成温度に15分間維持する低温
焼成工程で焼成したのち、二次焼成温度に15分間維持
する高温焼成工程で焼成することにより、所定の結晶格
子定数を持つ炭素粉末を用意した。一次焼成温度及び二
次焼成温度と得られる炭素粉末の結晶格子定数の関係を
表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】次に、上記短繊維状金属30重量部、18
0メッシュの上記炭素粉末20重量部に、フェノール樹
脂20重量部、45メッシュの銅粉末15重量部、硫酸
バリウム12重量部、250メッシュのアルミナ粉末5
重量部を混合して所定の金型に投入し90℃で3時間乾
燥した後、この組成物をディスクブレーキライニング及
びディスクブレーキパッドの形状模様に170℃で3k
g/cm2 の圧力にて加圧成形し、180℃で8時間ア
フターキュアして硬化させ、完成品であるライニング及
びブレーキパッドを得た。
【0086】しかし、上記で短繊維状金属と硬化剤及び
充填剤等の組成比は絶対的なものではなく、次の如き実
験値を得る時に使用した状態の組成比の添加に対する例
示に過ぎない。
【0087】
【成形磨擦材の老化サイクル試験成績の例示】この試験
は本出願人が既に購入した試験機等により独自に案出し
た試験法であり、耐水性を有するものを得るために熱水
にライニング及びブレーキパッドを直接浸漬する方法に
よったものである。
【0088】即ち、この試験方法は、試料を100℃の
沸騰水中に3時間浸漬した後、80℃で5時間乾燥し、
さらに室内に10時間放置する操作を1サイクルとし
て、この操作を100サイクル実施し、20サイクル毎
に試料の強度と発錆の程度を観察するものである。試料
の強度の測定結果を図1に示す。
【0089】図1から明らかなように、従来の成形磨擦
材は当初の強度が40サイクルまで維持されるが、その
後40サイクル以上、60、80、100サイクルと続
くうちに急激に老化が生じ、強度が低下する。また、従
来の成形磨擦材はサイクルを重ねるにつれて、前段面に
発錆が確認された。
【0090】一方、本発明の成形磨擦材は、100サイ
クルに至っても老化せずに当初の強度を維持しており、
内部にも発錆が発見されなかった。
【0091】これは主に樹脂成分の硬化剤が上記各比率
の組成物に混合された状態で水分を遮断する結果であ
り、加熱された水の中でも崩れないからであり、実際使
用中に水分がドラム及びブレーキディスクとライニング
との間に存しても制動力を低減させる要素となることを
防ぐことができる。
【0092】このように、図1に示した値を考察すれ
ば、本発明の成形磨擦材は熱並びに水分等による如何な
る雰囲気条件下においても錆が付かず、強度が低下しな
いので、老化サイクルが安定していることが明らかであ
る。
【0093】
【磨擦抵抗比試験成績の例示】この磨擦抵抗比の試験も
また、独自の試験機により行う試験方法である。
【0094】上記の如く製造されたライニング及びブレ
ーキ部材の成形磨擦材を慣性式磨擦機を使って測定速度
50km/h、ブレーキの磨擦面圧を10kg/cm2
にして1回の試験を1分にして、所定の湿度(18乃至
23%と55乃至65%)の雰囲気で炭素粉末の結晶格
子定数の相違による磨耗量を測定した。湿度18乃至2
3%における測定結果を図2(a)に、湿度55乃至6
5%における測定結果を図2(b)にそれぞれ示す。
【0095】図2に示す試験結果から、結晶格子定数が
6.75〜6.85の炭素粉末を添加した成形磨擦材の
磨耗量は湿度に係わらず極めて低いことが明らかであ
る。
【0096】これは、1年周期で変化する季節と如何な
る気候変化もブレーキ性能の変化に何らの影響が無く、
一定の制動力を発揮できることを示している。
【0097】
【発明の効果】以上の如く、本発明の成形磨擦材は含ま
れる炭素粉末の結晶格子定数を所定の範囲とし、同時に
樹脂成分の硬化剤で各成分をコーティングする結果、温
度の影響を受けず乾燥雰囲気と高湿雰囲気とを問わず、
適当な潤滑性及び磨擦係数を有するは勿論、磨擦制動が
円滑で酸化及び発熱による磨擦係数の変化が極めて少な
く、吸湿による強度及び耐磨耗性の変化が少ないので、
ディスクブレーキ用ライニング材及びブレーキパッドに
用いられたときに制動力に影響を及ぼさないようにして
極めて安全に且つ磨耗と騒音の発生が少なく使用者をし
て快適に運転を行わせることができる。
【0098】また、本発明の成形磨擦材はディスクブレ
ーキ用ライニング材及びブレーキパッドに使用したと
き、走行中の磨耗により発生される粉塵がタイヤの周囲
に排出される量が極めて低減され、車両の外観の美化に
も効果がある。
【0099】特に石綿が含まれていないので人体に致命
的な疾病を誘発する原因を防止し、公害防止にも有益で
ある。
【0100】そして、使用寿命が長く利用者にとっても
経済的利益を与えるのみならず車両は勿論航空機等制動
を要する如何なる輸送機関にても安全な有用な効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形磨擦材の老化サイクル試験におけるサイク
ルと強度との関係を示すグラフ。
【図2】磨擦抵抗比試験における炭素粉末の結晶格子定
数と磨耗量との関係を示すグラフ。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛、マンガン、炭素、クロム、ニッケ
    ル、銅、硫黄及びアルミニウムを含む非鉄金属材の塊状
    体を短繊維状に切削加工してなる繊維状金属と、 コークスとピッチとからなる混合物を低温で焼成したの
    ち、さらに高温で焼成してなり、その結晶格子定数が湿
    度の変化により影響を受けない値を有する炭素粉末と、 樹脂材料からなり熱により硬化されたときにその結合力
    により各成分に耐水性を付与する樹脂成分の硬化剤と、 無機材料からなり水に殆ど溶解せず、耐熱性、耐火性を
    有する硬度の大きな無機成分の耐熱材と、 空気並びに熱と接する時に各成分を安定化する安定化用
    充填剤と、を含むことを特徴とする非石綿成形磨擦材用
    組成物。
  2. 【請求項2】上記組成物から非石綿成形磨擦材が製造さ
    れたときに該磨擦材により強い密着力を付与する為に銅
    粉末を含むことを特徴とする請求項1記載の非石綿成形
    磨擦材用組成物。
  3. 【請求項3】上記組成物が、上記繊維状金属を25〜4
    0重量部、上記炭素粉末を15〜25重量部、上記樹脂
    成分硬化剤を15〜25重量部、上記無機成分の耐熱材
    を5〜10重量部、上記安定化用充填剤を5〜15重量
    部の範囲内で含み、全体が100重量部になるように混
    合されてなることを特徴とする請求項1記載の非石綿成
    形磨擦材用組成物。
  4. 【請求項4】上記炭素粉末がコークスとピッチとの各5
    0重量部からなり、その結晶格子定数が6.75乃至
    6.85に結晶化されていることを特徴とする請求項1
    記載の非石綿成形磨擦材用組成物。
  5. 【請求項5】上記樹脂成分の硬化剤がフェノール樹脂を
    含むことを特徴とする請求項1記載の非石綿成形磨擦材
    用組成物。
  6. 【請求項6】上記無機成分の耐熱材が酸化アルミニウム
    からなることを特徴とする請求項1記載の非石綿成形磨
    擦材用組成物。
  7. 【請求項7】上記安定化用充填剤が硫酸バリウムからな
    ることを特徴とする請求項1記載の非石綿成形磨擦材用
    組成物。
  8. 【請求項8】上記組成物が、直径0.01〜0.05m
    m、長さ2〜3mmの短繊維状の上記繊維状金属30重
    量部、180メッシュ以下の上記炭素粉末20重量部、
    フェノール樹脂20重量部、45メッシュの銅粉末15
    重量部、硫酸バリウム10重量部、250メッシュ以下
    の酸化アルミニウム粉末5部の比率で混合されてなるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の非石綿成
    形磨擦材用組成物。
  9. 【請求項9】亜鉛、マンガン、炭素、クロム、ニッケ
    ル、銅、硫黄及びアルミニウムを含む非鉄金属材の塊状
    体を短繊維状に切削加工して繊維状金属を用意する繊維
    状金属製造工程と、 コークスとピッチとからなる混合物を低温で焼成したの
    ち、さらに高温で焼成して、その結晶格子定数が湿度の
    変化により影響を受けない値を有する炭素粉末を用意す
    る炭素粉末製造工程と、 上記繊維状金属製造工程で得られた繊維状金属と、上記
    炭素粉末製造工程で得られた炭素粉末と、樹脂材料から
    なり熱により硬化されたときにその結合力により各成分
    に耐水性を付与する樹脂成分の硬化剤と、無機材料から
    なり水に殆ど溶解せず、耐熱性、耐火性を有する硬度の
    大きな無機成分の耐熱材と、空気並びに熱と接する時に
    各成分を安定化する安定化用充填剤とを含む組成物を所
    定の金型の内部に投入して、その性質が変わらない範囲
    の温度、加熱時間及び圧力にて加圧成形する加圧成形工
    程と、 上記加圧成形工程で得られた成形物の硬化を維持し、上
    記組成物、特に樹脂成分の硬化剤の性質が変わらない範
    囲内の温度及び加熱時間にて硬化させる硬化工程とから
    なることを特徴とする非石綿成形磨擦材の製造方法。
  10. 【請求項10】上記繊維状金属製造工程において、上記
    繊維状金属は上記塊状体を噛み工具が備えられたモータ
    で高速に回転させながら、切削用バイトにより繊維径
    0.01〜0.05mmの繊維状金属とし、さらに2〜
    3mmの長さに切断してなることを特徴とする請求項9
    記載の非石綿成形磨擦材の製造方法。
  11. 【請求項11】上記炭素粉末製造工程において、上記炭
    素粉末はコークスとピッチとの各50重量部からなる混
    合物を約500〜600℃の範囲の一次焼成温度で10
    乃至20分間加熱して低温焼成したのち、約2000〜
    2500℃の範囲の二次焼成温度で10乃至20分間加
    熱して高温焼成し、その結晶格子定数が6.75乃至
    6.85になるように結晶化させることを特徴とする請
    求項9記載の非石綿成形磨擦材の製造方法。
  12. 【請求項12】上記無機成分の耐熱材が酸化アルミニウ
    ムからなることを特徴とする請求項9記載の非石綿成形
    磨擦材の製造方法。
  13. 【請求項13】上記安定化用充填剤が硫酸バリウムから
    なることを特徴とする請求項9記載の非石綿成形磨擦材
    の製造方法。
  14. 【請求項14】上記加圧成形工程は、30〜50kg/
    cm2 の範囲の圧力で加圧した状態で、160〜185
    ℃の範囲の温度で加熱して行うことを特徴とする請求項
    9記載の非石綿成形磨擦材の製造方法。
  15. 【請求項15】上記硬化工程は、160〜185℃の範
    囲の温度で7〜9時間加熱することによりアフターキュ
    アにより硬化が行われるようにしたことを特徴とする請
    求項9記載の非石綿成形磨擦材の製造方法。
  16. 【請求項16】上記組成物を上記加圧成形工程に供する
    直前に、上記組成物に含まれている水分を脱水するため
    に約100℃内外の水分が蒸発される範囲の温度で1〜
    3時間加熱することを特徴とする請求項9記載の非石綿
    成形磨擦材の製造方法。
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