JPS6317573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、移送されてきたプリント基板を自
動的に着脱できるようにしたプリント基板の保持
装置に関するものである。

第１図、第２図はプリント基板をキヤリアに保
持する装置の従来例と他の従来例を示す断面図
で、いずれも本考案者が先に提案したものであ
る。

まず、第１図において、１はキヤリア、２はプ
リント基板、３は前記プリント基板２の基板保持
具、４は基板保持爪、５は基板押圧板、６は前記
基板押圧板５を押圧する操作桿、７は前記操作桿
６のカム、８は前記操作桿６の支承軸、９は前記
支承軸８に装着された圧縮ばねである。

次に、第２図において、第１図と同一符号は同
一部分を示し、１０は前記圧縮ばね９を装着する
ピンである。

このように、第１図においては、操作桿６を手
で把持して実線と二点鎖線との間を回動し、カム
７により基板押圧板５を上昇、下降させてプリン
ト基板２の装着、取り外しを行うものである。ま
た、第２図においては、基板押圧板５を手で持ち
上げてプリント基板２の装着、取り外しを行うも
のである。

ところで、上記の第１図、第２図に示す従来の
プリント基板の保持装置は、プリント基板２を単
に基板を保持する溝部に係合するものよりは、プ
リント基板２を上方から操作桿６と圧縮ばね９の
押圧力、または圧縮ばね９の押圧力により、基板
押圧板５を押えるので、プリント基板２にがたつ
きがない安定した保持力が得られるが、プリント
基板装着装置（図示せず）から移送されてきたプ
リント基板２を着脱するには、いずれも手作業に
より行わなければいけないため、プリント基板２
の着脱を自動化することができなかつた。

このため、はんだ付け装置においては、プリン
ト基板２にフラツクス処理、予備加熱、はんだ付
け処理、冷却、カツテイング等を行う工程はすで
に自動化されているので、特に、キヤリア１を第
１の搬送装置から移送により移動台へ載置した
後、移動台を移動して第２の搬送装置へ移送する
はんだ付け装置においては、キヤリア１にプリン
ト基板２が自動的に着脱できるようにすることが
要望されていた。

この考案は、上記の点にかんがみてなされたも
ので、移送されてきたプリント基板を自動的に着
脱できるようにした保持装置に関するものであ
る。

以下、この考案について説明する。

第３図はこの考案の一実施例を示す平面図、第
４図は第３図の矢印Ｂ方向から見た正面図、第５
図は第３図のＸ−Ｘ線による断面図、第６図は第
３図のＹ−Ｙ線による断面図、第７図は第３図の
Ｚ−Ｚ線による断面図である。

まず、第３図〜第５図において、２はプリント
基板、１１はキヤリア、１２は枠体、１３は車
輪、１４は係止具、１５は前記車輪１３が走行す
るレール、１６は搬送チエン、１７は前記搬送チ
エン１６に固着されたピンで、係止具１４に係止
し、搬送チエン１６の走行によりキヤリア１１を
搬送する。１８は前記枠体１２に対して平行でか
つキヤリア１１の走行方向（矢印Ａ方向）と直角
方向に取り付けられた１対の支持軸、１９は長手
方向がキヤリア１１の走行方向（矢印Ａ方向）と
同一方向に形成された１対の基板保持具で、その
両端が支持軸１８に対して移動可能に軸支され、
プリント基板２の大きさによつてその位置が自在
に設定できるようになつている。２０は前記基板
保持具１９の下方に形成され、プリント基板２を
水平に保持する基板保持爪、２１は前記基板保持
具１９の長手方向に設けた作動桿で、基板保持具
１９の上方に形成した軸受２２，２３に軸支さ
れ、その軸心方向に対して摺動自在に移動できる
ようになつている。２４はそれぞれ作動桿２１の
所定位置に固着された上部摺動体で、第５図に示
すように矢印Ａ方向に向つて下降するように傾斜
したすべり面２５が形成されている。２６は前記
各上部摺動体２４と軸受２２，２３との間で作動
桿２１に取り付けられた圧縮ばね、２７は前記作
動桿２１が圧縮ばね２６の反発力により軸受２２
から抜け出すのを防止するピンである。２８は前
記各基板保持具１９の内側に対向して設けた板状
の基板保持具で、第６図に示すようにその下端部
２８ａは基板保持爪２０に保持されたプリント基
板２の両縁を上方から押圧して係合し、その上部
の水平面２８ｂはそれぞれ外方に向つて水平に折
り曲げられ、上部摺動体２４と対応する下部摺動
体２９が設けられている。下部摺動体２９の上面
は傾斜したすべり面３０が形成され、このすべり
面３０は上部摺動体２４のすべり面２５と対向し
て接触しながらすべるようになつている。３１は
前記基板保持具１９の上部に設けたピンで、基板
押圧具２８の水平面２８ｂに挿通され、かつ基板
押圧具２８が上下動するときのガイドとなつてお
り、さらに基板保持具１９と基板押圧具２８の水
平面２８ａとの間に基板押圧具２８を上方へ付勢
する圧縮ばね３２が取り付けられている。３３は
前記両基板保持具１９の外側で各支持軸１８に固
着され、かつキヤリア１１の走行方向と同一方向
で平行に取り付けられたガイド軸、３４は両端が
ガイド軸３３に対して移動可能に、かつ支持軸１
８と平行に取り付けられた支承軸、３５は前記プ
リント基板２の前縁と係合して保持する係合板、
３６は前記プリント基板２の後縁と係合して保持
する係合板で、第７図に示すように支持軸１８に
対して回動自在に嵌合された取付具３７の下方に
固着されている。３８は前記枠体１２に固定され
支持軸１８に軸支された軸受、３９は前記取付具
３７の上方に固着された係合板、４０は前記支持
軸１８に取り付けられたねじりコイルばねで、各
端部が取付具３７と軸受３８にそれぞれ固着され
ている。４１は前記各作動桿２１と係合板３９と
に当接して作動させる作動体、４１ａは前記各作
動桿２１に当接する先端部、４１ｂは前記係合板
３９に当接する先端部、４２は前記キヤリア１１
の前方に設けた係合板、４３はエアシリンダのス
トツパで、ロツド４４が下方へ突出して係合板４
２に当接し、キヤリア１１が走行方向（矢印Ａ方
向）に移動しないように停止させる。なお、４５
は締付用の蝶ねじである。

次に、動作について説明する。

まず、移送台（図示せず）により移送されて来
た空のキヤリア１１を所定の位置に停止させて、
キヤリア１１の基板保持具１９、支承軸３４、係
合板３５を移動してプリント基板２を保持、係合
する間隔に調整した後、蝶ねじ４５を締め付けて
固定する。次に、ストツパ４３の駆動によりロツ
ド４４を下方へ突出して係合板４２に当接させ、
キヤリア１１が走行方向（矢印Ａ方向）へ移動し
ないように固定する。

次に、作動体４１を作動して矢印Ａ方向へ移動
すると、第３図の二点鎖線に示す位置で作動体４
１の両先端部４１ａが両作動桿２１に、先端部４
１ｂが係合板３９にそれぞれ同時に当接する。そ
の後作動体４１はさらに移動を続けて両作動桿２
１と係合板３９とを押圧する。ここで、作動桿２
１の上部摺動体２４は第８図に示すように圧縮ば
ね２６を押圧しながら移動するので下部摺動体２
９から離れる状態になる。このため基板保持具１
９の圧縮ばね３２の復元力が作用して下部摺動体
２９はそのすべり面３０が上部摺動体２４のすべ
り面２５をすべつて上昇し、基板押圧具２８を上
方へ押し上げるので、基板保持爪２０と基板押圧
具２８の下端部２８ａとの間が上下方向に広く開
放される。また、作動桿２１の移動と同時に作動
体４１の先端部４１ｂが係合板３９を押圧するの
で、取付具３７と係合板３６とによりねじりコイ
ルばね４０を付勢しながら第７図に示すように矢
印Ｃ方向に回動した後、二点鎖線の位置に保持さ
せてプリント基板２が通過できる状態にする。

次に、作動体４１の下方にある基板移送装置
（図示せず）から移送されてきたプリント基板２
がキヤリア１１に向つて移送され、プリント基板
２の前縁が係合板３５に当接して停止すると同時
に、作動体４１が矢印Ａ方向と反対方向へ移動し
て各先端部４１ａと４１ｂが作動桿２１、係合板
３９から後退する。ここで、作動桿２１の押圧が
解除されると圧縮ばね２６の復元力により上部摺
動体２４が矢印Ａ方向と反対方向に移動する。同
時にそのすべり面２５が下部摺動体２９のすべり
面３０をすべりながな下部摺動体２９を下方へ押
圧する。このため、基板押圧具２８が圧縮ばね３
２を押圧し、基板押圧具２８の下端部２８ａで基
板保持爪２０上のプリント基板２を押圧して保持
する。また、作動桿２１の移動と同時に作動体４
１の先端部４１ｂが後退するので、ねじりコイル
ばね４０の復元力により係合板３６が第７図に示
すように矢印Ｃ方向と反対方向に回動した後、実
線の位置に復帰し、プリント基板２の後縁が係合
板３６に係合されて、プリント基板２はキヤリア
１１に装着される。このあと作動体４１はさらに
後退して先端部４１ａ，４１ｂが作動桿２１、係
合板３６から離脱し、第３図の実線の位置に復帰
する。

このようにして、プリント基板２は基板保持具
１９、基板保持爪２０、係合板３５，３６により
両縁と前、後縁の四方が係合、保持されるので安
定した保持が得られ、加熱に対する反りを防止す
ることができる。

次にストツパ４３が作動して係合板４２にロツ
ド４４が係合しているのを解除し、搬送チエン１
６の駆動によりキヤリア１１を次段の工程へ搬送
し、プリント基板２にはんだ付けの処理が行われ
る。

また、はんだ付けが終了したプリント基板２を
キヤリア１１から取り外す場合も上記と同一動作
で行われる。

以上説明したようにこの考案は、プリント基板
の両縁を保持するための基板保持爪を対向して形
成した１対の基板保持具を設け、基板保持爪に保
持されるプリント基板の両縁を上方から押圧して
固定する基板押圧具を両基板保持具の内側側面に
対向して設け、一方、後方から押圧することによ
り移動する作動桿を両基板保持具の上部に設けた
軸受けに軸支し、これらの作動桿の移動により各
基板押圧具を上方へ押し上げ、かつ各作動桿の押
圧解除により各作動桿が復帰する手段と、プリン
ト基板の前縁が当接して係合する係合板を設け、
さらに後方から押圧されることにより回動してプ
リント基板をキヤリアに着脱可能の状態に保持す
るとともに、押圧解除によりプリント基板の後縁
が係合される係合板を設けたので、キヤリアに移
送されてきたプリント基板をキヤリアに対して自
動的に着脱することができる。そのため省力化が
できるとともにプリント基板を両縁と前、後縁の
四辺で保持できるのでキヤリアに対して移動する
ことがなく、安定した保持が得られ、また、プリ
ント基板が加熱により生ずる反りも防止できる等
の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はプリント基板をキヤリアに保
持する装置の従来例と他の従来例を示す断面図、
第３図はこの考案の一実施例を示す平面図、第４
図は第３図の矢印Ｂ方向から見た正面図、第５図
は第３図のＸ−Ｘ線による断面図、第６図は第３
図のＹ−Ｙ線による断面図、第７図は第３図のＺ
−Ｚ線による断面図、第８図は第５図の作動後の
状態を示す断面図である。 図中、２はプリント基板、１１はキヤリア、１
２は枠体、１３は車輪、１４は係止具、１５はレ
ール、１６は搬送チエン、１７はピン、１８は支
持軸、１９は基板保持具、２０は基板保持爪、２
１は作動桿、２２，２３は軸受、２４は上部摺動
体、２５，３０はすべり面、２６，３２は圧縮ば
ね、２７はピン、２８は基板押圧具、２９は下部
摺動体、３１はピン、３３はガイド軸、３４は支
承軸、３５，３６，３９は係合板、３７は取付
具、３８は軸受、４０はねじりコイルばね、４１
は作動体、４２は係合板、４３はストツパ、４４
はロツド、４５は蝶ねじである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プリント基板の両縁を保持するための基板保持
   爪を対向して形成した１対の基板保持具を設け、
   前記基板保持爪に保持される前記プリント基板の
   両縁を上方から押圧して固定する基板押圧具を前
   記両基板保持具の内側側面に対向して設け、一
   方、後方から押圧することにより移動する作動桿
   を前記両基板保持具の上部に設けた軸受に軸支
   し、これらの作動桿の移動により前記各基板押圧
   具を上方へ押し上げ、かつ前記各作動桿の押圧解
   除により前記各作動桿が復帰する手段を設け、ま
   た、前記プリント基板の前縁が当接して係合する
   係合板を設け、さらに後方から押圧されることに
   より回動して前記プリント基板をキヤリアに着脱
   可能の状態に保持するとともに、押圧解除により
   前記プリント基板の後縁と係合する係合板を設け
   たことを特徴とするプリント基板の保持装置。