JPS63175110A - 特殊断面繊維およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、熱可塑性合成高分子からなる特殊断面繊維お
よびその製造方法に関するものであり、さらに詳細には
、良好な光沢性、柔軟でしかも腰のある獣毛ライクな風
合、および嵩高性を同時に有する、カーペット、ハイパ
イル、モケットおよび毛布などに適した扁平型中空断面
繊維およびその製造方法に関するものである。

〈従来の技術〉 ポリエステルやポリアミドなどの合成繊維は、その優れ
た物性の故に、広汎な用途に使用されている。カーペッ
ト、ハイパイル、モケットあるいは毛布などに用いる場
合には、それぞれに適した光沢性や風合を得るために、
繊維の断面形状に工夫をこらしている。例えば、三角形
あるいは、Ｔ字型の断面では、良好な光沢性が得られ、
扁平形の断面ではソフトな風合が、さらに中空部を有す
る断面の場合には嵩高性の優れたものとなる。例えば、
断面の扁平化による風合の改良は、実公昭６０−２３３
３０、実開昭５７−７６５８０号公報等に記載されてお
り、カットパイルカーペットとして用いることが提案さ
れている０ また丸型中空繊維を直列に接続した形の扁平形で、三次
元捲縮を有する多孔中空繊維が、嵩高性、保温性および
柔軟な風合を呈する繊維として、特開昭ｆｉ　１−４７
８０７号公報で知られている。

しかしながら、今までのところ、光沢性が良好で、柔軟
でかつ腰のある獣毛ライクな風合であり、しかも嵩高性
が優れているという全てを満足させる涜維は未だ得られ
ていない。例えば、上記の実用新案公報に記載されてい
る方法で得られる繊維は、しなりかな風合を有するが、
カーペット−？”イバイルなどの特性として重要な加圧
時の復元性、腰の強さおよび良好な光沢性という点で不
満足なものであるー また、上記特許公報に記載されている繊維は光沢性が乏
しく、カーペットやモケットなどの重要な特性の一つで
ある良好な光沢性に基く、優れた外観を得るには不満足
なものである。

〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明の目的は、従来技術では得られなかった、良好な
光沢性と柔軟でしかも腰のある獣毛ライクな風合、およ
び優れた嵩高性を満足する繊維とその製造方法を提供す
ることにある。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明者等は、前述した目的を達成すべく鋭意検討した
結果、繊維断面が特定の扁平型でかつ複数個の中空部を
有する繊維を一方冷却することにより、なめらかな光沢
をもち、柔軟でかつ嵩高性の優れた繊維が得られること
を見い出し、本発明に到達することができた。

即ち、本発明は、熱可塑性合成高分子からなる中空扁平
型繊維であって、該繊維の横断面の外形形状が末端の鋏
角部において略Ｂ字の形で置き換見られた略凸レンズ断
面形状であり、中空部が２個以上存在することを特徴と
する特殊断面繊維に、および溶融紡糸する際、口金とし
てその断面形状が、両末端部および彎曲部内側に突出し
た直線棒状スリット部を有する二つの千円弧状のスリッ
ト部が該末端部を相対して位置する形状をなす細孔を有
する口金を用いて紡糸し、該紡出糸条に直交して風速１
　ｍ　７秒以上の冷却気流を吹き付けて冷却することを
特徴とする特許 方法にある。

本発明の特殊断面繊維を図面にて説明する。第１、３、
４図は、本発明の特殊断面繊維の横断面形状の代表例を
示す。第２図は本発明の特殊断面の横断面形状を説明す
るための便宜上のモデルである。第２図において（ａ）
は末端の鋭角部分く略二等辺三角形部分）が切断さｈて
いる略凸レンズ断面形状（以下人形状と記すこともある
）を、また（ｂｌ）および（ｂ２）は８字形状を示す。

これらを用いて本発明の特殊断面繊維の横断面の外形形
状のモデルを示すと、それはＡ形状の両切断面（すなわ
ち、末端の錯角部分の切断面）と８字形状の直線部分と
が接合してなる形状（以下，ｑ−Ａ−Ｂ形状と記すこと
もある）となる。第１、３、４図に示すように、本発明
の特殊断面繊維の横断面の外形形状は、かならずしも完
全な対称軸を有するものでないが、もとになる凸レンズ
の断面形状とほぼ同じ２本の対称軸、すなわち、凸レン
ズの末端同志を結ぶ対称軸（イ）および該対称軸（イ）
と直交し、レンズの中心を通る対称軸（口）を有するこ
とが好ましい。Ａ形状と８字形状との接合部はなめらか
であるのが好ましく、８字形状の２つのＤ字状曲線が第
２図（ｂ２）のように上下反発し、かつ曲線の交わり部
分が鋭角ではなく、なめらかな曲線で形成されている形
状になっているのが望ましい。その場合には第１、３、
４図で示さわているようにＡ形状と８字形状との接合部
付近でくびれを有するのが好ましい。

第１図を用いて本発明の特殊断面の大きさについて説明
すると、次のようになる。

繊維断面における最大短径０に対する最大長径勾の比（
Ｌ／Ｄ　）　、すなわち扁平度は用途によって異なり、
−概にはいえないが１．５〜７．０の範囲にあるのが好
ましい。カーペットに用いる繊維の場合には１．８〜３
．０の範囲にあるのが好ましい。また３字形状部分の［
（ｇ’）に対するＡ形状の＠（ｊ）の比（１７１’）は
３〜８、好ましくは４−６の範囲にあるのが望ましい。

Ａ形状と３字形状との接合部の長さくｄ）に対する最大
短径（Ｄ）との比は１．２〜４．５の範囲にあるのが望
ましい。なお、３字形状が第２図（ｂ２）で示されるよ
うなはみ出し部を有する形状の場合には、Ｂ字部からの
はみ出し部分の長さくｄ′）はＢ字の直線状の長さくｄ
）の１〜２、好ましくは、１〜１．５倍の長さを有する
のが望ましい。

上述したように、本発明の特殊断面繊維はその１黄断面
の外形形状において３字形状の末端部を有するものであ
る。かかる３字形状は繊維の光沢に対してはマイナスに
作用すると予想される。しかしながら実際、その理由は
かならずしも明白ではないが、驚くべきことにｆＭ、維
の光沢に大きな寄与をしている。

本発明の特殊断面ｆＪ、維において、中空部は少なくと
も２個必要である。好ましくは２〜５個の範囲で存在す
るのが好ましい。中空部の形状はほぼ三角形、はぼ短形
、またはほぼ台形であるのが好ましく、特に末端部分に
位置する中空部においてはほぼ三角形、中央部において
は短形または台形であるのが望゛ましい。末端部分に位
置するほぼ三角形の中空部は前述した対称軸（イ）およ
び（ロ）が対称軸となるように配置さｔしていることが
望ましい０ 本発明の特殊断面繊維において、外周部に囲まれた全面
積に対し、中空部の総面積の割合は、１０〜３０係であ
ることが好ましい。ここで言う中空部の総面積の割合、
すなわち中空率は、下記の式％式％ これを第１図を用いて説明すると、 である（但しＳｌ、Ｓｚ；中空部の面積　Ｓ３；熱可塑
性高分子の占める面積入こうして得られた繊維において
中空部の総面積の割合が１０％未満であると嵩高性不足
となり、３０％以上になると中空部が変形し易くなる傾
向が認められる。

本発明の特殊断面繊維の単糸繊度は特に限られないが、
０．０５〜５０デニールの範囲にあるとその断面形状か
らくる特性が十分生かされる。

本発明の特殊断面繊維は、口金としてその断面形状が両
末端部および弯曲部内側に突出した直線状スリット部を
有する二つの半円弧状のスリット部が該末端部を相対し
て位置する形状をなす細孔を有する口金を用いて熱可塑
性合成高分子を紡糸し、該紡出糸条に直交して風速１　
ｍ　７秒以上の冷却気流を吹き付けて冷却することによ
って得らねる０ 前記口金の例としては第５〜７図に示す断面形状のもの
が代表的なものとして挙げらねる。

第５〜７図の口金の断面形状においてｍは、二つの半円
弧状のスリット部の両末端部にある直線状スリットで、
ｎ＃″ｌ：弯曲部内側に突出した直線状スリットであり
、該口金は直線Ｔ　Ｔ’に関して対称な形状となってい
る。半円弧状スリット部の最大半径をＲとし、直線状ス
リット部ｍおよびｎの長さをそれぞれｍおよびｎ′とし
、相対する各スリットの距離をｑとすると、ｍ’／　Ｒ
は０．３〜０．６　、　ｎ’／Ｒは０．２〜０．６、ｑ
／Ｒは０．０５〜０．２の範囲にあるのが望ましい。第
５図の口金を用いて紡糸した場合第１図に示す如く二つ
の中空部を有する繊維断面と々り第６図の口金を用いた
場合は、第３図に示す如く、三つの中空部、第７図の場
合は、第４図に示す如く、四つの中空部を有する断面形
状の繊維が得られる。

次に本発明において、第５〜７図の口金を用いて紡糸す
る際冷却風速は、紡出糸条に直交して１ｍ／秒以上で吹
き付ける必要がある。冷却風用媒体としては、１５〜３
５℃の空気が経済的に望ましい。風速が１ｍ／秒未溝で
あると急冷効果が少なく中空率も低く、特に嵩高性の良
好なｆＭ雄を得ることは難しい。冷却風を吹き付ける位
置は紡糸口金に近い程、急冷効果が認められるが、糸揺
れ、単糸切れ等の紡糸性を考慮すると口金面下５〜３０
αの範囲が好ましい。同時に、吹き付ける方向は、吐出
糸条の走行方向に対し、直交する方向であればよいが好
ましくは、第５〜７図に示すＴ　Ｔ’の方向から吹き付
ければ、より満足な品質を得ることができる。

なお、本発明で使用する熱可塑性合成高分子とは、ポリ
エチレンテレフタレート　ポリブチレンテレフタレート
、ナイロン６、ナイロン６６、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンおよびこれらを主とする共重合物等の溶融紡糸で
きる重合体である。熱可塑性合成高分子は、つや消削、
帯電防止剤、難燃剤、芳香剤、抗菌剤、耐光剤等の添加
剤を含有していてもよい。

？実施例〉 以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明は、
これらの実施例によって限定されるものではない。

実施例１ 固有粘度が０．６５　ｄｔ／ｆのポリエチレンテレフタ
レートを第６図に示す断面形状で１５０個の孔を有する
口金を通して２９０℃で溶融紡糸し、１０００ｍ／分で
引取シ、単糸デニールが１８デニールの未延伸糸を得た
。引取りの際には、口金直下５〜２０備の位置で糸条に
対して直交して２４℃の冷却風（空気）を１．２５ｍ／
秒の風速で吹き付けた。

このようにして得られた未延伸糸を１２０万デニールと
なるよう集束し、８５℃の水浴中で３倍に延伸した。次
いで押込型捲縮機で１インチあたり７〜８個の捲縮を付
与した後１４０°Ｃで弛緩熱処理を行った。その後、１
００〜１５０悶の長さに切断した。得られた繊維は、第
３図に示した横断面形状を有し、中空率２０％で良好な
嵩高性および光沢性を示し、また獣毛ライクな柔軟性を
有するものであった。

実施例２ 第５図に示した断面形状でホール数１２０個の孔を有す
る口金を用い、固有粘度０１８７ポリブチレンテレフタ
レートを２６０℃で溶融紡糸し、８００１／分で引取シ
、単糸デニール３２デニールの未延伸糸を得念。引取り
の際の冷却風速等の冷却条件は、実施例１と同等とし九
。こうして得られた未延伸糸を１１０万デニールとなる
ように集束し、８０℃の水浴中で２．７倍に延伸した。

押込型捲縮機で１インチあたり８個の捲縮を付与した後
、１３０°Ｃで弛緩熱処理を行った。その後、１００〜
１５０ｆｆＪの長さに切断した。得らｈた繊維は、第１
図に示した横断面形状を有し、中空率１７％で良好な嵩
高性、およびなめらかな光沢性を示し、風合も柔軟でか
つ腰のある獣毛ライクな風合を示した。

〈発明の効果〉 本発明の特殊断面ｌｉｔ維を、カーペット、ハイパイル
、モケット等に用い九とき、優れた光沢性、風合、バル
キー性等を兼ね備え九製品が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１．３，４図は、特殊断面繊維の横断面形状の例を示
し、第２図は絹の横断面形状に近いモデルの形状を示す
。第５〜７図は本発明において使用する紡糸口金の断面
形状を示す。なお、第１．３．４図は、第５〜７図に各
々示されている断面形状の口金を用いて得られる繊維の
断面形状に対応している。 第１図中、Ｌは長径、Ｄは最大短径、ｄは最小短径を示
し、８１〜３は各部における面積を示す。 また第４〜７図中、ｍは半円弧状スリット部の両末端に
ある直線状スリット部　ｎは弯曲部内側に突出した直線
状スリット部であり、直４１　Ｔ　Ｔ’は対称軸である
ことを示す。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）熱可塑性合成高分子からなる扁平型中空断面繊維
   であって、該繊維の横断面の外形形状が末端の鋭角部分
   において略Ｂ字の形で置き換えられた略凸レンズ断面形
   状であり、中空部が２個以上存在することを特徴とする
   特殊断面繊維。
2. （２）少なくとも中空部の２つの形状がほぼ三角形であ
   る特許請求の範囲第１項記載の特殊断面繊維。
3. （３）特殊断面繊維の横断面において、外周部に囲まれ
   た全面積に対し、中空部の総面積の割合が１０〜３０％
   である特許請求の範囲第１項記載の特殊断面繊維。
4. （４）熱可塑性合成高分子からなる中空扁平型特殊断面
   繊維を溶融紡糸により製造するに際し、口金として、そ
   の断面形状が、両末端部および弯曲部内側に突出した直
   線棒状スリット部を有する二つの半円弧状のスリット部
   が、該末端部を相対して位置する形状をなす細孔を有す
   る口金を用いて紡糸し、該紡出糸条に直交して風速１ｍ
   ／秒以上の冷却気流を吹き付けて冷却することを特徴と
   する特殊断面繊維の製造方法。