JPS6316800Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、隣接する二枚の引戸門扉から構成さ
れる両引戸門扉の突き当て部を改良した引戸門扉
装置に関する。

一般の引戸門扉装置は、第１図の平面図に示す
ように、門扉１，１の突き当て部１ａ，１ａを単
に突き当てるだけの構成からなり、必要により突
き当て部下端に落し棒を設けたり、突き当て部の
上端同志を施錠するようにしている。従来はこの
ような構成ゆえに、閉鎖時に両引戸が横風等によ
る風圧や衝撃を受けると、突き当て部下端は落し
棒によつて戸内外方向である前後移動を防止でき
ても、突き当て部上半は支持するものがないた
め、図面の鎖線で示すように、上端部が施錠状態
で前後方向に揺れ倒伏変形して、両端支持部を破
損したり、引戸摺動に支障を来す等の弊害をもた
らしていた。

本考案は上記点に鑑みてなされたもので、隣接
する引戸門扉の突き当て部の一方に簡易な移動支
柱を取付けて、該支柱によつて両引戸門扉の突き
当て部を嵌合連結等せしめることにより、閉鎖時
に引戸門扉の突き当て部上半が風圧・衝撃によつ
て前後方向に揺れ倒伏するのを確実に防止する引
戸門扉装置を提案するものである。

以下図面に示す実施例に基づいて本考案を説明
する。第２図は本考案装置の使用状態正面図で、
同図において、隣接する二枚の引戸門扉１，１の
突き当て部１ａ，１ａの一方に、門扉１の高さと
略同等程度の高さ寸法を有する補強杆２を係止せ
しめてある。この補強杆２の高さは、門扉１より
やや高くする方が望しいが、これよりやや低く形
成してもよい。

上記補強杆２は、第３，４図に示すように、二
枚の引戸門扉１，１の両突き当て部１ａ，１ａが
共に嵌合する一対の嵌合溝３，３を背合わせに設
けて構成される。この補強杆２は、例えばアルミ
ニウムの押出し型材にて形成され、戸内杆部４ａ
と戸外杆部４ｂを仕切杆部４ｃで連結した横断面
形状を有して構成される。

上記補強杆２の一方の嵌合部３を、一方の引戸
門扉１の突き当て部１ａに嵌装し、該嵌合部３の
仕切杆部４ｃに突設した一対の係合突片５を突き
当て部１ａに凹溝１１に係合せしめて、上下摺動
自在ならしめてある。この補強杆２の突き当て部
１ａに対する係合手段は、上記係合突片５と凹溝
１１によることなく、仕切杆部４ｃ側に凹溝を設
け、これに突き当て部１ａを係合させてもよい。

仕切杆部４ｃには、任意の係止具６を設けて、
補強杆２を上下摺動自在の構成において任意位置
で固定できるようにしてある。上記係止具６は、
その一例として第５図の断面図に示すように、変
曲せしめた板バネ６ａの一端を仕切杆部４ｃにビ
ス固定し、その変曲突出部６ｂが突き当て部１ａ
の長手方向に複数形成した通孔６ｃ，６ｃに係止
するようにして構成される。

上記係止具６の他の例としては、突き当て部１
ａに形成したギザギザ段部に、仕切杆部４ｃ側に
設けた突条板バネを押圧係止させる構成とするこ
ともでき、また一方、抜き差し自在のかんぬき棒
を補強杆２から突き当て部１ａに差込むようにし
てもよい。

第５図において、閉鎖状態における二枚の引戸
門扉１，１の突き当て部１ａ，１ａの下方には、
上記補強杆２の下部を落し込む受け穴７を設けて
ある。この受け穴７は、一例としてスチール、ア
ルミニウム等のケース体を、地表面に設けた穴に
埋設することによつて簡易に体裁よく形成するこ
とができる。更にこのケース体には、常時閉鎖構
造の蓋体７ａを開閉自在に取付けることによつ
て、穴内に雨水等が侵入するのを防止することが
できる。またケース体の下部には水抜き孔を設け
るとよい。上記ケース体からなる受け穴７の横断
面形状は、第４図に示すように補強杆２の下端部
を落し込み可能な範囲において該補強杆２の外形
に適宜合わせて決定される。

次に補強杆２の断面形状は、戸外杆部４ｂを中
空状にして補強室を形成することにより、曲げ強
度の向上を図ることができる。この戸外杆部４ｂ
の内側片が戸内杆部４ａと対向して嵌合溝３，３
を形成し、該溝３，３内において門扉突き当て部
１ａ，１ａを規制することにより、これらの前後
方向の倒れを防止することになる。上記中空補強
室は、戸内杆部４ａ及び仕切杆部４ｃにおいても
形成することができる。第４図の実施例における
戸内杆部４ａは、両端を隆起させたやや彎曲状の
板状に形成して、支柱としての曲げ強度を向上せ
しめると共に、突き当て部１ａと内掛錠９との間
隙内に収まる程度の出巾とすることにより、内掛
錠９の開閉操作に支障を来さないようにしてい
る。また、戸内外杆部のうち一方を省略すること
もでき、また断面形状を、中空室をなくしてＨ形
に形成することもできる。第６図は補強杆の他の
実施例図で、アルミ等の鋳物にて成形した例を示
してある。本図においては、中空状に形成した戸
内外杆部４ａ，４ｂの一方の嵌合溝３内に突起４
ｄ，４ｄをそれぞれ設け、これらを突き当て部１
ａ，１ａの表面に形成した縦溝１ｂ，１ｂに係合
させることにより、補強杆２と突き当て部１ａの
上下摺動を円滑且つ強固に行なうようにしてあ
る。なお上記突起４ｄは、差込側の嵌合溝３内に
は設けない。

第２図に戻つて、門扉１の走行レール１０に
は、門扉閉鎖位置にＶ字山型のストツパ８を取付
けてあり、これにより補強杆２を吊持した側の門
扉１が自動的に閉鎖位置で停止位置決めされるこ
とから、該位置で補強杆２を係止具６の押圧力に
抗して押し下げることにより、該杆２の下部が自
動的に受け穴７に落し込まれることになる。そこ
で、他方の門扉１を補強杆２側に移動当接させる
ことにより、その突き当て部１ａが他方の嵌合溝
３に嵌入して、両門扉１，１が閉鎖されることに
なる。もつとも、補強杆２は落し錠の作用も有す
ることから、常時一方の門扉１だけを強固な施錠
状態で閉鎖させておくこともできる。

本考案は以上のように構成されるので、門扉を
閉鎖する時は、一方の門扉に取付けた補強杆を上
下摺動させてその下部を地表面に設けた受け穴に
落し込むことにより施錠をなし、次いで他方の門
扉をその突き当て部が嵌合溝に嵌入すべく横移動
させることにより両門扉を閉鎖させることがで
き、この閉鎖状態にある両門扉は、補強杆によつ
て強固に嵌合支持されて前後方向の揺れを確実に
防止され、風圧・衝撃によつて門扉が倒伏変形す
るのを確実に阻止することができる。しかも、閉
鎖時は補強杆によつて門扉突き当て部に隙間が発
生するのを防止することから、外観上の体裁を向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来門扉装置の全体平面図、第２図は
本考案装置の使用状態正面図、第３図は第２図の
拡大平面図、第４図は第３図の要部拡大図、第５
図は第３図のＡ−Ａ断面図、第６図は補強杆の他
の実施例断面図である。 １……門扉、１ａ……突き当て部、２……補強
杆、３……嵌合溝、４ａ，４ｂ，４ｃ……各杆
部、５……係合突片、６……係止具、７……受け
穴、８……ストツパ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 少なくとも二枚の引戸門扉から構成される両引
   戸門扉の突き当て部において、下記の要件を備え
   てなることを特徴とする引戸門扉装置。 (a) 門扉の高さと略同等程度の高さ寸法を有し、
   二枚の引戸門扉の両突き当て部を共に嵌合する
   一対の嵌合溝を背合わせに設けてなる補強杆を
   形成し、 (b) 該補強杆を、その嵌合溝の一方を一方の引戸
   門扉の突き当て部に嵌装して上下摺動自在なら
   しめると共に、任意の係止具によつて該突き当
   て部に係止せしめ、 (c) 上記補強杆の下部を落し込む受け穴を、閉鎖
   状態における二枚の引戸門扉の突き当て部下方
   に設けてなること。