JPS6316460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、窓の防水構造の改良に係り、具体
的には窓枠又は障子框にガラスを嵌装する際に押
し縁を使用して成る窓、即ちガラスの取り付けに
際し窓枠、障子框を分解しないでガラス溝の少な
くとも１つを２分割出来るようにしてなる窓の防
水構造に関するものである。

従来、この種の押し縁を使用した窓に於て、該
押し縁を室内側に取り付けた場合ガラス溝に侵入
した雨水が押し縁と枠材との当接部から室内に流
入する欠点があつた。また、前記押し縁を室外側
に取り付けた場合でも、排水孔を室外側に設ける
ために、ガラス面から多量に流下した雨水が水膜
となり、この水膜が排水孔を閉塞し、ガラス溝に
流入した雨水が排水孔から排水されずに室内へ流
入するという欠点があつた。

この考案は上述した事情に基づいてなされたも
のであり、室外側に取り付けられた押し縁自体に
水切フインを設け、この水切りフインがガラス溝
より室外側に形成した排水孔及び押し縁と枠材と
の当接部を包囲するようにしたことにより、室外
側に排水孔を設けてもガラス面から流下する雨水
により排水孔が閉塞されずガラス溝からの排水が
スムーズになり、また排水孔よりガラス溝内に外
気が導入され、風の脈動により圧力の変化が生じ
ても前記排水孔とガラス溝との圧力差が生じなく
而もガラス外面とガラス溝間の防水部分より何ら
かの原因で漏水しても、すぐ排水孔から排水され
る窓の防水構造を提供するものである。

以下添付図面に従つて本考案の一実施例を説明
する。尚、同一部材には同一符号を付してある。
第１図は竪骨Ｂ及び中桟Ｃを有する嵌殺し窓の正
面図であり、竪枠A¹，A¹、上枠A²、下枠A³によ
り窓枠Ａを構成し、前記竪骨Ｂ及び中桟Ｃで４分
割された窓枠Ａには複層ガラス１が各々組込まれ
ている。第２図は第１図−線による断面図で
あり、第３図は第１図−線による断面図であ
る。第２図に示す通りガラス嵌合溝１０を構成す
る中桟Ｃは、中桟枠材１１と押し縁１２とに２分
割されている。中桟枠材１１はガラスセツテイン
グブロツク１５を支持する水平な支持面１１ａ
と、室外面１１ｂよりも室内側に形成された係合
溝１１ｃと、室外面１１ｂと係合溝１１ｃとの間
に形成された凹溝１１ｄと、凹溝１１ｄと連通す
るように室外面１１ｂに形成された排水孔１６と
を備えている。また、押し縁１２は凹溝１１ｄ内
に嵌め込まれ両端が室外面１１ｂと係合溝１１ｃ
とに係合される水平壁１２ｃとを備えている。前
記ガラス１を現場に於て組込む際には、室外側に
取り付けた押し縁を外してからガラス１を嵌装し
た後、該押し縁１２によつてガラス１を固定せし
めている。１３はシール材でありガラス１に対し
て内外四周張りめぐらせて水密機能を保持してい
る。尚、このシール材１３をガスケツトにすれば
シール受１４は不用となる。１５はガラス１の下
端を支持するセツテイングブロツクであり中桟枠
材１１及び下枠A³の適宜位置に各々設けられて
いる。

また、ガラス嵌合溝１０、押し縁１２の切欠き
１２ｂ、排水孔１６は、連通状態にあり、ガラス
１の外面とシール材１３との間から侵入した雨水
がガラス嵌合溝１０から切欠き１２ｂ、排水孔１
６の順序で流れ速やかに外部へ排水させている。
前記排水孔１６と切欠き１２ｂとは中桟枠材１１
及び下枠A³の長手方向に於て位置をずらせて、
仮に排水孔１６から雨水が侵入してもガラス嵌合
溝１０に流入して室内に入り込まないようにして
ある。

更に、１２ａは押し縁１２に一体に設けられた
水切フインであり、本考案の特徴部分である。こ
の水切フイン１２ａは断面Ｌ字状で而も垂下する
ように形成して排水孔１６及び押し縁１２と中桟
枠材１１との当接部Ｘを包囲するように成してあ
る。加えて水切フイン１２ａを形成したことによ
り、排水孔１６及び押し縁１２と中桟枠材１１と
の当接部Ｘには、ガラス外面を流下する雨水が流
れないようにしてある。

尚、この考案の特徴部分を中桟に於て説明した
が下枠A³に取り付けた押し縁１２も略同様な構
造である。

また、嵌殺し窓について説明したが他の押し縁
を使用する窓に応用できることは云うまでもな
い。

以上詳細に説明したように、この考案が押し縁
と一体に水切フインを設けたことによつて、押し
縁と枠材との当接部から雨水の侵入を防止するこ
とができ、而も従来のように水膜が張つてしまう
面に設けられた排水孔は、ガラス嵌合溝と外気と
を等圧に依持できないが、本考案が水切フインで
水膜を切つてしまうため排水孔に水膜を生じなく
小さな孔でも十分等圧状態を依持する。また、中
桟枠材自体でガラスセツテイングブロツクを支持
できるとともに押し縁を係合することができるか
ら、構造が簡単になつて製作が容易である。

また水切フインで排水孔を隠すので美観上の長
所となり、而も従来の押し縁は形材がフラツトな
為、押し縁を納める際手掛りがなく作業しにくか
つたのを水切フインをつかむことによりこの欠点
を解消できる等実用上の効果が顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による嵌殺し窓の概略正面図、
第２図は第１図−線による断面図、第３図は
第１図−線による断面図である。 Ａ……窓枠、Ｂ……竪枠、Ｃ……中桟、１……
ガラス、１０……ガラス嵌合溝、１１……中桟枠
材、１１ａ……支持面、１１ｂ……室外面、１１
ｃ……係合溝、１１ｄ……凹溝、１２……押し
縁、１２ａ……水切フイン、１２ｃ……水平壁、
Ｘ……当接部、１６……排水孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガラスセツテイングブロツクで支持されたガラ
   ス下端を押し縁により室外側から中桟枠材に押圧
   して固定するとともに前記押し縁を前記中桟枠材
   に係合してなる窓において、 前記中桟枠材は前記ガラスセツテイングブロツ
   クを支持する水平な支持面と、室外面よりも室内
   側に形成された係合溝と、前記室外面と係合溝と
   の間で、上記支持面より下方に形成された凹溝
   と、凹溝と連通するように前記凹溝の室外面に形
   成された排水孔とを備えてなり、前記押し縁は前
   記凹溝内に嵌め込まれ両端が前記室外面と係合溝
   とに係合される水平壁と、前記水平壁に形成され
   た切欠きと、前記排水孔の上方で室外面に突出す
   る水切フインとを備えてなることを特徴とする窓
   の防水構造。