JPS6316296Y2

JPS6316296Y2 -

Info

Publication number: JPS6316296Y2
Application number: JP1982167204U
Authority: JP
Priority date: 1982-11-02
Filing date: 1982-11-02
Publication date: 1988-05-10
Also published as: JPS5972860U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、４個のブラシを有するブラシ装置
を精度よく取付けるようにした６極式磁石直流電
動機に関するものである。

第１図は従来のこの種磁石直流電動機の要部構
成を示すもので、図において、１は円筒状に形成
された継鉄、２は継鉄１の内周面に接着剤などに
より固着された永久磁石からなる界磁極、３は継
鉄１にはめ合い部１ａではめ合され、相互に位置
決めされた後ブラケツトで、この後ブラケツト３
は通しボルト（図示せず）により継鉄１および前
ブラケツト（図示せず）とともに一体に固着され
ている。４は後ブラケツト３の内側端面に取付け
られたブラシ装置で、金属材を円板状に形成して
なる支持板５と、この支持板５を後ブラケツト３
にねじ止めする取付ねじ６と、支持板５に絶縁板
８を介して固着されたブラシ保持枠７と、この保
持枠７の一部を曲げ起して形成されたばね掛け７
ａと、保持枠７のうちの１個から軸方向に突出し
て形成された位置決め片８と、保持枠７に摺動可
能に支持されたブラシ１０とばね掛け７ａに係合
され、ブラシ１０を押圧付勢するブラシばね１１
とから構成されている。ここで、位置決め片８は
軸方向に延長され、界磁極２の端部を切欠いて形
成された係合部２ａに係止されており、この結
果、界磁極２に対する支持板５の円周方向の位置
を所定の位置とすることができ、したがつて、ブ
ラシ１０の取付位置を設定することができる。

なお、このブラシ装置４は正極側であるため、
保持枠７と支持板５との間に絶縁板９を介装して
いるが、図示を省略した接地側の保持枠について
は絶縁板９を用いることなく直接支持板５に固着
されている。１２は回転駆動される電機子で、界
磁極２に対向配置された電機子鉄心１３と、この
電機子鉄心１３に装着された電機子コイル１４
と、電機子鉄心１３を支持する回転軸１５と、回
転軸１５に固着されるとともに電機子コイル１４
に接続され、かつ、ブラシ１０の先端部が摺接さ
れる整流子１６とから構成されている。この電機
子１２は回転軸１５の一端部が軸受１７を介して
後ブラケツト３に支持され、かつ、他端部が軸受
を介して前ブラケツト（いずれも図示せず）に支
持されている。

このような磁石直流電動機において、直流電源
回路（例えば蓄電池回路）が閉成されるとブラシ
１０および整流子１６を介して電機子コイル１４
に通電され、界磁極２の磁束により電機子１２が
回転駆動されることになる。このため、回転軸１
５に連結された負荷も回転駆動されることにな
る。

ところで、界磁極２に対するブラシ装置４の円
周方向の位置が正しく設定されていない場合、電
動機の出力を十分に取り出すことができず、この
ため、従来装置においては、保持枠７に一体に設
けられた位置決め片８を界磁極２の係合部２ａに
係合することによつて相対位置の精度を良好なも
のとしている。

しかしながら、このような構成においては、位
置決め片８が形成された保持枠７を他の保持枠と
同一形状とすることができず、このため保持枠７
を特殊なものとして別途製作しなければならず、
装置が高価なものとなつていた。また、位置決め
片８を設けた保持枠７が絶縁側であると、位置決
め片８を係合部２ａに絶縁した係合をしなければ
ならず、構造が複雑になつていた。

この考案は、上記先行技術のものの欠点を解消
するためなされたもので、継鉄と後ブラケツトと
のはめ合い部にブラシ装置の支持板をはめ込み、
支持板の径方向の支持を行なわせるとともに両側
を挾み付けることにより軸方向の保持を行なわ
せ、かつ、支持板の一部を折り曲げて形成した位
置決め片の先端を継鉄又は界磁極に係合させるこ
とにより界磁極に対するブラシ装置の円周方向の
位置決めを行なわせるようにした６極式磁石直流
電動機を提供するものである。

第２図はこの考案の一実施例による６極式磁石
直流電動機の要部を示す断面図であり、第３図は
第２図におけるブラシ装置を示す正面図である。
図中、１，１ａ，２，２ａ，９〜１７は上記従来
装置と同一のものである。２１は継鉄１のはめ合
い部１ａにはめ合い部２１ａで結合された後ブラ
ケツトで、はめ合い部２１ａの段付き部とはめ合
い部１ａの外端部とは所定のすき間が設けられて
ある。２２は４個所にブラシを配置してなるブラ
シ装置で、次のように構成されている。２３は金
属材からなり円板状をなす支持板で、外円周部が
後ブラケツト２１のはめ合い部２１ａにはめ込ま
れて径方向の位置決めがなされるとともにこのは
め合い部２１ａの段付き部と継鉄１のはめ合い部
１ａの外端との間に両側が挾み付けられて保持さ
れている。２４はプレス加工により支持板２３の
一部を折り曲げ、軸方向に延長して形成された一
対の位置決め片で、界磁極２の係合部２ａに先端
部を係止して支持板２３の界磁極２に対する円周
方向の位置決めをしている。なお、この位置決め
片２４を第４図に断面図で示している。２５は一
方の一対の保持枠で、接地側は支持板２３にバー
リング（はとめ）加工により直接かしめ付け部２
３ａで固定され、また、絶縁側は支持板２３のバ
ーリング加工によりかしめ付け部２３ｂで固定さ
れた絶縁板９に、保持枠２５のバーリング加工に
よりかしめ付け部２５ｂで固定されている。２６
は他方の一対の保持枠で、接地側は支持板２３に
バーリング加工により直接かしめ付け部２３ａで
固定され、また、絶縁側は支持板２３のバーリン
グ加工によりかしめ付け部２３ｂで固定された絶
縁板９に、保持枠２６のバーリング加工によりか
しめ付け部２６ｂで固定されている。２５ａ及び
２６ａはそれぞれ保持枠２５及び２６の一部を曲
げ起こして形成されたばね掛けで、それぞれブラ
シばね１１が装着されている。このようなブラシ
装置２２は正極Ａ位置のブラシ１０と隣接する負
極Ｂ位置のブラシ１０とが整流子１６を中心とし
て互いに60度の角度間隔で装着され、離間した双
方の正極Ａ，Ａ間及び双方の負極Ｂ，Ｂ間はそれ
ぞれ120度の角度間隔で配置されており、この中
間部に位置決め片２４が設けられている。

なお、後ブラケツト２１及び継鉄１は挿通され
た通しボルト２７を前ブラケツト（図示は略す）
へねじ込むことにより一体に固着されている。

このような６極式磁石直流電動機においては、
支持極２３が継鉄１と後ブラケツト２１との双方
のはめ合い部に挾み付けられて保持されるため保
持手段が簡単になり、また、保持枠２５，２６を
特殊なものとする必要がないため部品の種類が少
なくなり、結果として装置全体を安価に構成する
ことが可能となる。

なお、上記実施例では支持板２３に位置決め片
２４を２個所設けたが、１個所であつてもよく、
また、界磁極２の係合部として上記実施例では界
磁極２に切込んだ係合部２ａを設けたが、隣接す
る双方の界磁極２の対向する側面間により形成し
てもよい。さらに、上記実施例では、係合部２ａ
を界磁極２の端部に設けたが、継鉄１の端部内円
周部に切込みを設けて係合部を形成し、支持板の
位置決め片の先端側を半径方向に外方に曲げ、先
端を上記係合部に係合させ位置決めするようにし
てもよい。

以上のように、この考案によれば、ブラシ装置
の支持板を継鉄と後ブラケツトとのはめ合い部に
はめ込むとともに両側を挾み付けて保持したの
で、支持板の取付けが簡単になり、また整流子を
中心として120度の角度間隔で設けられた正極側
ブラシ間あるいは負極側ブラシ間の中間部分にお
ける支持板の一部を軸方向に折り曲げて位置決め
片を形成し、この位置決め片を継鉄又は界磁極に
係止させるように構成したため、安価で実用的な
６極式磁石直流電動機を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は先行技術による６極式磁石直流電動機
の要部を示す縦断面図、第２図はこの考案の一実
施例である６極式磁石直流電動機の要部を示す縦
断面図、第３図は第２図におけるブラシ装置の正
面図、第４図は第３図における−線断面図で
ある。図において、１……継鉄、１ａ……はめ合い
部、２……界磁極、９……絶縁板、１０……ブラ
シ、１１……ブラシばね、１２……電機子、１３
……電機子鉄心、１４……電機子コイル、１６…
…整流子、２１……後ブラケツト、２１ａ……は
め合い部、２２……ブラシ装置、２３……支持
板、２４……位置決め片、２５，２６……保持
枠。なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示
す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】円筒状に形成された継鉄１、この継鉄１の内周面に固着された永久磁石から
なる界磁極２、この界磁極２に対向配置された電機子鉄心１３
と、この電機子鉄心１３に装着された電機子コイ
ル１４と、この電機子コイル１４に接続された整
流子１６とを有してなる電機子１２、上記継鉄１にはめ合いにより係合された後ブラ
ケツト２１、上記継鉄１と上記後ブラケツト２１とのはめ合
い部にはめ込まれ、両側を挾み付けられて保持さ
れた円板状の支持板２３と、この支持板２３に固
着された複数個の保持枠２５，２６と、これらの
保持枠２５，２６にそれぞれ摺動可能に保持さ
れ、先端部が上記整流子１６に摺接される２個の
正極側ブラシ１０および２個の負極側ブラシ１０
とを有してなるブラシ装置２２を備え、上記整流子１６を中心として上記２個の正極側
ブラシ１０および２個の負極側ブラシ１０をそれ
ぞれ120度の角度間隔をもつて配設するとともに、
上記２個の正極側ブラシ１０間あるいは上記２個
の負極側ブラシ１０間の中間部分における上記支
持板２３の一部を軸方向に折り曲げて位置決め片
２４を形成し、この位置決め片２４を上記継鉄１
又は上記界磁極２に係合させて上記界磁極２に対
する上記ブラシ装置２２の円周方向の位置決めを
行わせるようにしたことを特徴とする６極式磁石
直流電動機。