JPS631628Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、自動車フロアーカーペツトの固定構
造に関するものである。

〈従来の技術〉 自動車の床面上に敷設されるカーペツトは、そ
の端縁を乗降口のボデーシエルの上部近傍で固定
している。従来一般の固定構造は第１図で示すよ
うに、カーペツト６の端縁にカギ形に屈曲したフ
ツク８を取り付け、このフツク８をシエルインナ
１とシエルアウタ２との接合部であるフランジ３
に掛け止めし、シエルアウタ２上にフアスナー９
にて止着したキツキングプレート７の一端でカー
ペツト６の端縁上面を押さえた構造であつた。４
はシエルインナ１の上面に配線されたワイヤハー
ネス、５はそのプロテクタである。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記構造によりカーペツト６の端縁を固定する
手順としては、先ずフツク８をフランジ３に掛け
止めし、次いでキツキングプレート７の一端をカ
ーペツト６の端縁上に当てて他端をフアスナー９
にてシエルアウタ２上に止着する。

そこで、上記従来構造による問題点は、フツク
８でフランジ３に掛け止めしたカーペツト６の端
縁が浮き上がつてフツク８がフランジ３より外れ
ることである。これは、フツク８でフランジ３に
掛け止めされるカーペツト６の端縁は、シエルイ
ンナ１の側壁に沿つて立ち上げてプロテクタ５の
円弧面に沿つて折り曲げられる。従つて、この折
り曲げ部分がカーペツト６の弾性復元力によつて
フツク８がフランジ３より外れてシエルインナ１
の側壁に沿つた立ち上がり方向に浮き上がるので
ある。このカーペツト６の浮き上がりのために作
業者は片手でカーペツト６の端縁を押さえてキツ
キングプレート７を片手でカーペツト６の端縁上
に当接し、前記カーペツト６の端縁を押さえてい
る片手でキツキングプレート７の一端も一緒に押
さえた状態で片手でフアスナー９を差し込んで止
着しなければならず、組付け作業が非常に困難で
あつた。

もう一つの問題点は、フアスナー９の位置が乗
降の際に靴で踏み付ける部位であり、これがため
に破損し易く、また雨水等がたまつて錆びること
もあつた。さらに、ワイヤハーネス４のプロテク
タ５の部品も必要としている。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を改善した自動車
用カーペツトの固定構造を提供するものであり、
その特徴とする構成は、カーペツト６の端縁にフ
ツク８を取り付け、このフツク８をシエルインナ
１の側壁にフアスナー９で仮止めし、前記シエル
インナ１の側壁部位からシエルインナ１とシエル
アウタ２とを接合するフランジ３の部位を覆う硬
質合成樹脂よりなるキツキングプレート７の一端
で前記カーペツト６の端縁を挟着すると共に、キ
ツキングプレート７の一端を前記フアスナー９に
螺入するビス１１にてシエルインナ１の側壁に固
着し、前記フランジ３にウエザーストリツプ１０
を嵌着し、キツキングプレート７の他端に折曲縁
７ｂを設け、この折曲縁７ｂを前記ウエザースト
リツプ１０に係止したものである。

〈作用〉 上記構成により、カーペツト６の端縁はフアス
ナー９の仮止めによつてシエルインナ１の側壁に
定着され、この定着されたカーペツト６の端縁に
キツキングプレート７の一端を当接してビス１１
をフアスナー９に螺入して固定すると共に、他端
をフランジ３に嵌着したウエザーストリツプ１０
に掛け止めするものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第２図に基ずいて説明す
る。１はシエルインナ、２は前記シエルインナ１
とフランジ３によつて接合されているシエルアウ
タである。前記フランジ３には雨水等の浸水防止
のためにウエザーストリツプ１０を嵌着する。

６はカーペツトである。このカーペツト６の端
縁にはフツク８が取り付けられている。このフツ
ク８は平板状でありフアスナー９を挿通する穴が
開設されている。前記カーペツト６の端縁とフツ
ク８とをシエルインナ１の側壁に沿つて対接し、
フアスナー９にてフツク８をシエルインナ１に止
着してカーペツト６の端縁を仮止めする。

７はキツキングプレートである。このキツキン
グプレート７は硬質合成樹脂により成形されてい
て、シエルインナ１の側壁部位からフランジ３の
部位を覆うよう円弧状断面となつている。そし
て、その内側面には円弧状断面に沿つて補強のた
めのリブ７ａが図面の紙面に直角な方向の長手方
向（車両の前後方向）に一定のピツチで突設され
ている。また、キツキングプレート７の一端には
カーペツト押さえ部７ｃが、他端には前記リブ７
ａを含めて折曲縁７ｂが形成されている。

上記形状、構造のキツキングプレート７の一端
のカーペツト押さえ部７ｃを前記仮止めしたカー
ペツト６の端縁に当接し、ビス１１をフアスナー
９に螺入してカーペツト６の端縁をシエルインナ
１の側壁に挟着し、キツキングプレート７の他端
の折曲縁７ｂを前記ウエザーストリツプ１０に係
止したものである。尚、ワイヤハーネス４はシエ
ルインナ１の折り曲げ水平部１２上にそのまま挿
入され、キツキングプレート７によつて保護され
る。

〈考案の効果〉 上記本考案は次のような効果を有している。カ
ーペツト６の端縁はフツク８を介してフアスナー
９によりシエルインナ１の側壁に仮止めされるた
め、従来のようにフツクが外れてカーペツト６の
端縁が弾性復元力にて浮き上がることがなくな
り、シエルインナ１の側壁に確実に仮止めされ
る。従つて、作業者は片手でカーペツト６の端縁
の浮き上りを防止するために押さえることがなく
なり、次の組付けのキツキングプレート７を両手
で持つて所定の部位に組付けることができ、組付
け作業が非常に容易となる。

また、フアスナー９並びにビス１１はシエルイ
ンナ１の側壁、すなわち室内側に位置されている
ため、乗降の際に靴で踏み付けて破損させること
や、雨水等により錆を発生させることもなくな
る。

さらに、硬質合成樹脂よりなるキツキングプレ
ート７はシエルインナ１の折り曲げ水平面部１２
上を通るワイヤハーネス４の保護部材を兼ねるた
め、従来のように専用のプロテクタ５を不要とし
部品点数、組付け工数を削減することができる。
また、フランジ３にウエザーストリツプ１０を嵌
着し、これにキツキングプレート７を密接係止し
ているため、ワイヤハーネス４の部位への雨水等
の侵入を阻止し、漏電あるいはシエルインナ１の
錆を防止する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車用カーペツトの固定構造
を示す断面図、第２図は本考案の実施例を示す断
面図である。 １……シエルインナ、２……シエルアウタ、６
……カーペツト、７……キツキングプレート、８
……フツク、９……フアスナー、１１……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室床面上のカーペツトの端縁をボデーシエル
   の上部に固定する構造であつて、前記カーペツト
   ６の端縁にフツク８を取り付け、このフツク８を
   シエルインナ１の側壁にフアスナー９で仮止め
   し、前記シエルインナ１の側壁部位からシエルイ
   ンナ１とシエルアウタ２とを接合するフランジ３
   の部位を覆う硬質合成樹脂よりなるキツキングプ
   レート７の一端で前記カーペツト６の端縁を挟着
   すると共に、キツキングプレート７の一端を前記
   フアスナー９に螺入するビス１１にてシエルイン
   ナ１の側壁に固着し、前記フランジ３にウエザー
   ストリツプ１０を嵌着し、キツキングプレート７
   の他端に折曲縁７ｂを設け、この折曲縁７ｂを前
   記ウエザーストリツプ１０に係止し１ことを特徴
   とする自動車用カーペツトの固定構造。