JPS6315900B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は防湿性包装容器本体の製造装置に係
り、特に、合成樹脂フイルム（シートを含む。以
下同様）に接着層を介して金属箔を貼合わせた積
層シート（フイルムも含む。以下同様）を用いて
防湿性に優れた包装用絞り容器を成形する装置に
関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

高度の防湿性を有する包装容器は、医薬錠剤、
食料品、精密機械部品およびその他の湿気を忌避
する内容物を包装するために利用される。これら
の包装容器は１個ずつ個別に成形されるのではな
く、多数個を同時に成形し、そのまま使用に供さ
れるのが一般的である。

従来、この種の防湿性包装容器の本体は、防湿
性を有する熱可塑性樹脂フイルム単体あるいはこ
の樹脂フイルムに防湿性を高めるために例えば塩
化ビニリデンをコーテイングしたものを用い、加
熱軟化した後、圧空成形または真空成形方式によ
り、多数個を同時に成形している。

これらの方式は、一種の張出し成形であるので
熱可塑性樹脂フイルムのような加熱による軟化に
よつて100％〜200％以上も延び得る材料について
は十分に成形可能であるが、熱可塑性樹脂フイル
ム単体あるいはこの樹脂フイルムに他の防湿樹脂
をコーテイングしたもので包装容器を成形した場
合、防湿機能の劣化の問題があり、高度の防湿性
を長期間にわたつて充分に維持するのが困難であ
つた。

一方、防湿性を高めるため、熱可塑性樹脂フイ
ルムに金属箔を積層した積層シートを用いて包装
容器を製造することが考慮されたが、この場合に
は成形時における成形材料の延び率が100％以上
であることが要求されるにも拘らず金属箔の延び
率は、加熱時でさえも、最大20〜30％程度である
ために金属箔を破断することなく成形することが
不可能であつた。

この欠点を除くために、特公昭52−26537号公
報には、熱可塑性樹脂フイルムと金属箔との間に
ホツトメルト接着剤層を介装した積層シートを形
成した後、積層シートの金属箔をブランク形状に
切断し、この切断後に積層シートを型成形して防
湿性包装容器本体を成形する方法が提案されてい
る。この方法により成形される包装容器は、熱可
塑性樹脂フイルムが張出し成形されると同時にブ
ランク形状の切断線で囲まれた金属箔が絞り加工
されるので金属箔は破断されることがない。この
ため、内容物収納用凹部内の金属箔に破断部が存
在せず、包装容器は非常に高度の防湿性を有する
ものである。

〔発明の目的〕

この発明は上述した点を考慮し、非常に高い防
湿性を有する包装容器本体を高能率的に製造する
防湿性包装容器本体の製造装置を提供することを
目的とする。

〔発明の概要〕

上記の目的を達成するため、この発明に係る防
湿性包装容器本体の製造装置は、金属箔と熱可塑
性樹脂フイルムとをホツトメルト接着剤で接着し
た積層シートを給送する給送装置と、この給紙装
置から供給される積層シートを予熱するプレヒー
タと、上記積層シートの金属箔に所要のブランク
形状の切断線を入れる半抜き装置と、上記積層シ
ートの切断線周辺部を狭持し、加熱しながら絞り
成形する成形装置と、成形された積層シートを搬
送させる搬送装置とを備えたものである。

〔発明の実施例〕

この発明に係る防湿性包装容器本体の製造装置
の実施例について添付図面を参照して説明する。

第１図はこの発明の防湿性包装容器本体の製造
装置を示す原理図であり、第２図は上記製造装置
の具体例を示す図である。

図中、符号１０は積層シートＳを給送する給送
装置を示す。この給送装置１０は積層シートＳを
巻装したシートリール１２を有し、積層シートＳ
はこのシートリール１２から送りローラ１３によ
り送り出される。

上記積層シートＳは、第３図に示すように例え
ば厚さ100〜500μの熱可塑性樹脂フイルム１５に
軟化点80℃〜100℃のホツトメルト接着剤１６を
３〜30μの厚さに塗布し、例えば厚さ30〜60μの
軟質アルミニウム製の金属箔１７を貼着したもの
で、積層シートＳの両側にこの送りを案内するガ
イド孔１８が所定のピツチ間隔に穿設されてい
る。熱可塑性樹脂フイルム１５としてポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリカーボネートなどがある。また、金属
箔１７としてアルミニウムの他に、錫、銅、鉄等
を挙げることができ、厚さは30〜150μ、好まし
くは30〜60μである。さらに、ホツトメルト接着
剤としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸
ビニル、ポリビニールブチラール、ポリエチレン
またはポリアミドを主成分とし、ロジン、エステ
ルガムまたはパラフインを助剤として添加したも
のが挙げることができる。

送りローラ１３から繰り出された積層シートＳ
は張力調節装置２０のダンサローラ２１により所
定の張力に保持される。ダンサローラ２１は、例
えば第１図に示すように支点Ａ回りに揺動自在に
支持される。ダンサローラ２１の揺動は近接スイ
ツチ２２により検知される。ダンサローラ２１の
揺動が上限位置にくると、近接スイツチ２２から
の信号により送りローラ１３を回転させ、下限位
置に達すると送りローラ１３の回転を停止させ
る。なお、第２図は揺動タイプではなく、摺動タ
イプのダンサローラを示す。

張力調節装置２０によりテンシヨンが調整され
た積層シートＳは続いてガイドローラ２４を経て
プレヒータ２５で予熱される。予熱された積層シ
ートＳは続いて半抜き装置２６に送られ、ここで
積層シートＳの金属箔１７にのみブランク形状の
切断線Ｌが入れられる。切断線Ｌは第４図に示す
ように例えば円形である。この場合、積層シート
Ｓは金属箔１７を下向きにしてプレヒータ２５、
半抜き装置２６へと送られる。

半抜き装置２６は、第５図に示すように固定プ
レート２７と可動プレート２８とを有し、可動プ
レート２８は、エアシリンダ等のシリンダ装置２
９により固定プレート２７に進退可能に対向設置
される。両プレート２７，２８間に積層シートＳ
が通るようになつている。固定プレート２７には
複数のカツタ３０が、積層シートＳの幅方向に複
数列、例えば２列をなして列状に配設されてお
り、カツタ３０の切断刃は固定プレート２７のプ
レート面から所望長突出している。これにより、
両プレート２７，２８間を移送される積層シート
Ｓは、シリンダ装置２９の作動により、カツタ３
０側に押圧され、金属箔１７のみに切断線Ｌが入
れられる。

切断線Ｌが入れられた積層シートＳは続いて成
形装置３２に案内され、ここで図示しないヒータ
により加熱を受けながら絞り加工され、内容物収
納用凹部３３が形成される。成形装置３２は、第
６図に示すように、しわ押え板３４とダイス３５
およびポンチ３６とから構成される。ダイス３５
はしわ押え板３４にエアーシリンダ等のシリンダ
装置３７により進退可能に対向設置される。ま
た、しわ押え板３４には、ポンチ３６を案内する
孔３８が穿設され、ポンチ３６は各孔３８を介し
てエアーシリンダ等のシリンダ装置３９により、
ダイス３６の各ダイス穴４０に挿入される。ま
た、しわ押え板３４の上面には複数の突出部４１
が形成される。各突出部４１は孔３８の周辺に位
置され、しわ押えとして機能する。

しかして、半抜き装置２６で切断線Ｌが入れら
れた積層シートＳは後述する間欠送り用搬送装置
４３により間欠的に移送され、成形装置３２に案
内される。積層シートＳが成形装置３２に案内さ
れると、シリンダ装置３７が作動し、ダイス３５
を後退位置からしわ押え板３４側に下動させ、し
わ押え板３４の突出部４１とダイス３５との間で
積層シートＳを第７図に示すように挾持する。こ
の挾持状態から他のシリンダ装置３９を作動させ
て第８図に示すように、ポンチ３６を上動させ、
ポンチ３６とダイス３５とにより積層シートＳの
切断線Ｌで囲まれた領域（以下これをブランク部
分という。）を絞り加工し、ブランク部分に内容
物収納用凹部３３が形成される。

その際、積層シートＳの金属箔１７はブランク
形状に切断されており、さらに、熱可塑性樹脂フ
イルム１５と金属箔１７との間にホツトメルト接
着剤１６が塗布されているので、金属箔１７は破
断することなく成形される。また、ホツトメルト
接着剤１６は積層シートＳを加熱しながら絞り成
形する場合軟化され、潤滑剤的役割を果たすので
ブランク部分は成形の進行に伴い、ポンチ３６お
よびダイス３５により中心に向つて絞り込まれる
が、その際、金属箔１７のブランク部分はダイス
３５としわ押え板３４の突出部４１により強く挾
圧されているので、フランジ部にしわが形成され
るのを有効的に防止することができる。

この絞り成形により、積層シートＳの各ブラン
ク部分に、第９図に示すように、下方に開口する
内容物収納用凹部３３が同時に複数形成される。
内容物収納用凹部３３が下方に開口していること
により、凹部３３内にゴミ等の異物が入ることが
ない。また、絞り加工により内容物収納用凹部３
３が形成されると、ポンチ３６およびダイス３５
はシリンダ装置３７，３９の各作動により互いに
離れる方向に後退せしめられる。ダイス３５およ
びポンチ３６が後退した後、積層シートＳは搬送
装置４３により順次間欠送りされ、ガイドローラ
４４を介して成形装置３２から次工程に移送され
る。

搬送装置４３により間欠送りされる際、積層シ
ートＳを正確に間欠送りするため、積層シートＳ
のガイド孔１８に搬送ローラ４５の送りピン４６
が係合するようになつている。

搬送装置４３から搬送される積層シートＳは、
例えば反転されて次工程である内容物充填装置
（図示を省略）に送られ、ここで内容物Ｇが充填
される。内容物Ｇが充填された積層シートＳは続
いて金属箔４７からなる蓋シートが覆せられる。
蓋シート４７にはヒートシール性接着剤４８が塗
布されている。これにより覆せられた蓋シート４
７はヒートシールにより積層シートＳに第１０図
に示すように接着され、高度の防湿性包装容器が
製造される。

〔発明の効果〕

以上述べたようにこの発明に係る防湿性包装容
器本体の製造装置においては、金属箔と熱可塑性
樹脂フイルムとをホツトメルト接着剤で接着した
積層シートを用いたもので、半抜き装置により積
層シートの金属箔にブランク形状の切断線を入
れ、切断線が入れられた積層シートを加熱しなが
ら、成形装置により絞り成形するようにしたの
で、金属箔が破断することなく絞り成形されて内
容物収納用凹部が形成される。形成される凹部は
金属箔による覆われているので、非常に高い防湿
性を有する包装容器本体を高能率的に製造するこ
とができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る防湿性包装容器本体の
製造装置の一実施例を示す原理図、第２図は上記
製造装置の具体的実施例を示す図、第３図は、防
湿性包装容器本体を形成する積層シートを示す斜
視図、第４図は前記製造装置に組み込まれる半抜
き装置により切断線が入れられた積層シートを示
す図、第５図は第４図に示す積層シートに切断線
を入れる半抜き装置を示す断面図、第６図は前記
製造装置に組み込まれる成形装置を示す断面図、
第７図および第８図は上記成形装置による各成形
工程を示す断面図、第９図は成形装置により成形
された包装容器本体を示す断面図、第１０図は包
装容器本体に蓋シートを接着させて得られる包装
容器を示す断面図である。 １０……給送装置、Ｓ……積層シート、１３…
…送りローラ、２０……張力調節装置、１５……
熱可塑性樹脂フイルム、１６……ホツトメルト接
着剤、１７……金属箔、２５……プレヒータ、２
６……半抜き装置、Ｌ……切断線、２７……固定
プレート、２８……可動プレート、３２……成形
装置、３３……内容物収納用凹部、３４……しわ
押え板、３５……ダイス、３６……ポンチ、４１
……突出部（しわ押え部）、４３……搬送装置、
Ｇ……内容物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属箔と熱可塑性樹脂フイルムとをホツトメ
   ルト接着剤で接着した積層シートを給送する装置
   と、この給送装置から供給される積層シートを予
   熱するプレヒータと、上記積層シートの金属箔に
   所要のブランク形状の切断線を入れる半抜き装置
   と、切断線が入れられた積層シートを切断線周辺
   部を挾持し、加熱しながら絞り成形する成形装置
   と、成形された積層シートを搬送する搬送装置と
   を有する防湿性包装容器本体の製造装置。 ２ 積層シートは金属箔が下向きになるようにし
   てプレヒータ、半抜き装置、および成形装置内を
   案内される特許請求の範囲第１項に記載の防湿性
   包装容器本体の製造装置。 ３ 半抜き装置は所要ブランク形状のカツタを複
   数個備えた固定プレートと、この固定プレートに
   向つて進退される可動プレートとを有し、両プレ
   ート間で積層シートを挾圧することにより積層シ
   ートに切断線を入れるようにした特許請求の範囲
   第１項に記載の防湿性包装容器本体の製造装置。 ４ 成形装置はしわ押え板と、このしわ押え板に
   進退可能にそれぞれ設けられたダイスおよびポン
   チとを有し、上記ポンチをダイスのダイス穴にし
   わ押え板の孔を通して挿入自在とした特許請求の
   範囲第１項に記載の防湿性包装容器本体の製造装
   置。 ５ 固定板の上方および下方にダイスおよびポン
   チが設置されるとともに、しわ押え板の上面であ
   つて孔の周辺にしわ発生防止用の突出部が形成さ
   れた特許請求の範囲第４項記載の防湿性包装容器
   本体の製造装置。