JPS6315796B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はドロツプアウト補償回路に係り、円盤
状情報記録媒体（以下「デイスク」という）の再
生時において、特に再生素子を１トラツクピツチ
分強制的に移送（以下「キツク」という）した際
に生ずる再生カラー映像信号の一部欠落を好適に
補償し得るドロツプアウト補償回路を提供するこ
とを目的とする。

本出願人は先に静電容量変化検出型の針案内溝
のないデイスクを提案した。このデイスクには主
要情報信号（例えばカラー映像信号、音声信号な
ど）が断続するピツト列の主トラツクを螺施状に
形成して記録されており、相隣る主トラツクの各
トラツク中心線間の略中間部分には、デイスク一
回転周期毎に交互に第１及び第２のトラツキング
制御用参照信号fp₁及びfp₂が断続するピツト列の
副トラツクを形成して記録されており更にfp₁，
fp₂の切換接続部分の主又は副トラツクには第３
のトラツキング制御用参照信号fp₃が記録されて
おり、デイスク上を摺動する再生針の電極とデイ
スクとの間で形成される静電容量の変化を検出さ
れることにより既記録信号が読取り再生される。

かかる本出願人の提案になるデイスクの再生時
には、第１乃至第３のトラツキング制御用参照信
号fp₁〜fp₃の弁別再生出力に基づいて再生針をト
ラツキング制御することができるので、かかるデ
イスクにはトラツキング用の針案内溝が形成され
ていない。従つて、このデイスクのトラツク変更
は針案内溝によつて制限を受けることなく自由に
でき、再生針を相隣るトラツクへキツクさせるこ
とにより、ストツプモーシヨン再生、スローモー
シヨン再生、フアーストモーシヨン再生、高速位
置検索等の種々のトリツクプレイを行ない得るも
のである。

ここで、主要情報信号としてカラー映像信号が
記録されている上記のデイスクの再生装置におい
て、上記のキツクにより再生針が或る主トラツク
から内周側又は外周側に隣接する主トラツクに移
行する際に副トラツクを横切るため、必然的にド
ロツプアウトが生じ、ノイズが再生信号に混入す
る。このキツク位置が上記デイスクの垂直ブラン
キング期間内であれば上記ノイズは再生画面には
現われない。しかし、再生画像を見ながら所望画
面が得られる目的のデイスク上位置まで再生針を
高速で移送せしめる高速位置検索の場合は、再生
針は高速移送せしめられるほど既記録カラー映像
信号の垂直ブランキング期間記録部分以外の位置
でもキツクせしめられることになり、キツクの際
のドロツプアウトによる上記のノイズが再生画面
中に現われる割合が多くなる。

このため、上記のドロツプアウトを補償するた
めに、従来はドロツプアウトが発生した期間、再
生出力を１水平走査期間前の再生信号で置換する
ようにしていた。

しかるに、上記のデイスクの主トラツクに一定
周波数の信号を記録したとした場合、或る任意の
主トラツク上の位置の記録信号とその位置よりデ
イスク一回転期間だけ異なる主トラツク上の位置
（すなわち、相隣る主トラツクの半径方向上に隣
接する位置）の記録信号とは約200ns程度の時間
ずれがあるため、上記の主要情報信号としてカラ
ー映像信号が記録されたデイスク上、再生針をキ
ツクすると、キツクする前の主トラツクの再生カ
ラーバースト信号の位相とキツクした後の主トラ
ツクの再生カラーバースト信号の位相とが夫々一
致せず、2.56MHzで記録されている場合は約
184.3゜程度の位相ずれが生ずる。このため、従来
のドロツプアウト補償回路でドロツプアウトを補
償したとしても、ドロツプアウト補償直後の時点
からキツクされて再生が行なわれる次の主トラツ
クからカラーバースト信号が再生される時点まで
の期間は、キツクする前の主トラツクの再生カラ
ーバースト信号を色復調の基準信号として、キツ
クした後の主トラツクの再生搬送色信号の色復調
が行なわれるが、この基準信号はキツクした後の
主トラツクの再生搬送色信号のカラーバースト信
号と位相がずれているため、本来の色再現ができ
ず、再生画面が極めて見苦しくなるという欠点が
あつた。

本発明は上記の欠点を除去したものであり、以
下図面と共にその各実施例につき説明する。

第１図は本発明になるドロツプアウト補償回路
の一実施例のブロツク系統図を示す。同図中、１
は例えば前記した本出願人の提案になるデイスク
の主トラツクから再生されたFMカラー映像信号
が入来する入力端子、２は再生カラー映像信号の
水平同期信号入力端子、３は再生針（図示せず）
がキツクパルスによりキツクされている期間ハイ
レベルの信号が入来する入力端子である。入力端
子１に入来した再生FMカラー映像信号はスイツ
チ回路５の端子イに供給され、この端子イに接続
された状態にある端子ハを介して1H遅延回路４
に供給され、ここで１水平走査期間（1H）遅延
された後出力端子１０に供給されると共にスイツ
チ回路５の端子ロに印加される。またこれと同時
に入力端子１に入来した再生FMカラー映像信号
はドロツプアウト検出回路６に印加され、ここで
そのレベルが極めて小又は零になつた時、その期
間ハイレベルの第２図Ｃに示す如きドロツプアウ
ト検出信号ｃが取り出される。

一方、入力端子２に入来した第２図Ａに示す如
き再生水平同期信号ａは、フリツプフロツプ８の
リセツト端子Ｒに印加され、その立上り縁でこれ
をリセツトする。また再生針をキツクするために
トラツキングコイル（図示せず）に第２図Ｂに示
す如きキツクパルスが印加される期間ハイレベル
となるキツク信号（第２図Ｅに示す）ｅが、入力
端子３よりゲート回路７に印加される。ゲート回
路７は上記キツク信号ｅがハイレベルの期間ゲー
ト「開」状態とされ、この期間中に入来するドロ
ツプアウト検出信号ｃのみを通過させてフリツプ
フロツプ８のセツト端子Ｓに印加させる。フリツ
プフロツプ８はゲート回路７よりのドロツプアウ
ト検出信号ｃの立上り縁でセツトされ、前記した
ように再生水平同期信号ａの立上り縁でリセツト
されるので、そのＱ出力端子には第２図Ｄに示す
如き出力信号ｄが取り出されOR回路９を経てス
イツチ回路５にスイツチング信号として印加され
る。

スイツチ回路５は上記出力信号ｄがローレベル
の期間は端子イと共通端子ハとの間を接続し、信
号ｄがハイレベルの期間は端子ロと共通端子ハと
の間を接続するよう切換えられる構成とされてい
るため、キツクした際に発生するドロツプアウト
の検出期間中（ドロツプアウト検出信号ｃのハイ
レベル期間中）は従来と同様にスイツチ回路５の
端子ロ，ハを通り1H遅延回路４により再び1H遅
延されたキツクされる前の主トラツク（第２図中
Tiで示す）からの再生FMカラー映像信号を出力
端子１０へ選択出力するが、本実施例では更にキ
ツクによるドロツプアウトがキツクした後の主ト
ラツク（第２図中Ti₊₁で示す）の再生が始まる
ことにより消滅した時点からその主トラツク
Ti₊₁の再生水平同期信号ａが最初に再生される
時点までの期間（第２図Ｃにｔで示す）も、引続
きスイツチ回路５の端子ロ，ハを通り1H遅延回
路４により再び1H遅延されたキツクされる前の
主トラツクからの再生FMカラー映像信号を出力
端子１０へ選択出力する。

従つて、本実施例によれば、出力端子１０より
出力される再生FMカラー映像信号は、キツクし
た際にドロツプアウトが発生した時点からキツク
した後の目的の主トラツクTi₊₁より最初の水平
同期信号が再生されるまでの期間は、キツクする
前に再生していた主トラツクTiのドロツプアウ
ト発生時点より1H前の再生カラー映像信号に置
換されるので、上記期間ｔの間も同じＨ期間のカ
ラーバースト信号に基づく色復調ができ、よつて
正規の色再現ができる。そして、キツクした後の
主トラツクの既記録カラー映像信号は、ドロツプ
アウト消滅後水平同期信号が再生されるまで出力
端子１０より取り出されず、ドロツプアウト消滅
後最初に水平同期信号が再生された時点でスイツ
チ回路５が端子イとハとの間を接続するよう切換
えられるので、この時点から出力端子１０より取
り出される。カラーバースト信号はバツクポーチ
の所定期間に存在するから、これによりキツクし
た後の主トラツクTi₊₁の既記録カラー映像信号
も本来の色相でもつて再生される。

ところで、上記の実施例ではキツクした後の主
トラツクTi₊₁からドロツプアウト消滅後最初の
水平同期信号が再生されるまでの期間の動作の改
善につき説明したが、更にこのキツクした後の主
トラツクTi₊₁からドロツプアウト消滅後２番目
の水平同期信号が再生されるまでは、ドロツプア
ウトが発生してもドロツプアウト補償を行なわな
い機能を付加するようにしてもよい。すなわち、
キツクした後の主トラツクTi₊₁の最切の1Hの再
生カラー映像信号にドロツプアウトが生じた場合
に、ドロツプアウトを補償するべく1H遅延回路
４の出力信号を出力端子１０へ導くようにスイツ
チ回路５を動作させると、1H遅延回路４の出力
信号はキツクされる前の主トラツクTiの再生FM
カラー映像信号であり、搬送色信号についてみる
とトラツクTiの再生搬送色信号がトラツクTi₊₁
の再生カラーバースト信号を基準信号として色復
調されることとなり、前記したと同様に色相が本
来のものとは大きく異なることになる。このドロ
ツプアウト補償による色相の変化は、ドロツプア
ウト補償をしない場合に生ずるノイズよりも見苦
しく、ドロツプアウトの補償は上記の場合に限り
行なわない方がむしろ望ましい。

そこで、第３図に示す如く、フリツプフロツプ
１１とAND回路１２とを更に設け、AND回路１
２の一方の入力端子にOR回路９の出力端子を接
続し、AND回路１２の他方の入力端子にフリツ
プフロツプ１１の出力端子を接続すると共に、
フリツプフロツプ１１を前記信号ｄの立下り縁で
セツトし、入力端子２よりの再生水平同期信号ａ
の立上り縁でリセツトすることにより、上記した
ようにキツクによるドロツプアウトの発生消滅
後、キツクした後のトラツクTi₊₁から２番目に
再生される水平同期信号までの期間（第２図Ａに
t_Hで示す）はフリツプフロツプ１１の出力がロ
ーレベルとなるからAND回路１２の出力スイツ
チング信号もローレベルとなり、スイツチ回路５
の端子イとハの接続状態を例えドロツプアウトが
生じたとしても保持する。これによりキツクによ
るドロツプアウトの発生消滅後キツクした後のト
ラツクT_i+1から２番目に再生される水平同期信号
までの期間t_Hは、ドロツプアウト補償動作を禁止
でき、ドロツプアウト補償による再生画像の色相
が大きく変わることを防止することができる。な
おキツク時に生ずるドロツプアウト以外の通常の
ドロツプアウト発生時にはドロツプアウト検出回
路６よりの検出信号がOR回路９を経てスイツチ
回路５に印加され、その端子ロとハを接続せしめ
るので従来と同様のドロツプアウト補償を行ない
得る。

また上記の各実施例ではスイツチ回路５は再生
FMカラー映像信号を1H遅延する1H遅延回路４
の入出力を切換えるように説明したが、FM復調
後のカラー映像信号を1H遅延する1H遅延回路の
入出力を切換えるようにしてもよい。また、本発
明は上記の如き本出願人の提案になるデイスクの
再生装置に適用する場合について説明したが、光
学ビームその他によりデイスクの既記録情報を読
み取り再生する装置に適用することもできること
は勿論である。

上述の如く、本発明になるドロツプアウト補償
回路は、円盤状情報記録媒体から既記録信号をピ
ツクアツプ再生するための再生素子をトラツク変
更のために記録媒体の半径方向上強制的に移送し
た際に生ずるドロツプアウトを検出する検出回路
と、上記記録媒体から再生されたカラー映像信号
を１水平走査期間遅延する遅延回路と、この遅延
回路の入力信号と出力信号のうちの一方を選択出
力するスイツチ回路と、検出回路によりトラツク
変更の際のドロツプアウトを検出した時点からド
ロツプアウト消滅後に最初の水平同期信号がトラ
ツク変更後のトラツクから再生されるまでの期間
上記スイツチ回路をして遅延回路より取り出され
るトラツク変更前のトラツクから再生されたカラ
ー映像信号を選択出力せしめる制御回路とよりな
るため、ドロツプアウト消滅後に直ちにトラツク
変更後のトラツクから再生されたカラー映像信号
を復調させる従来回路に比し、常に同じ水平走査
期間のカラーバースト信号を基準信号とする再生
カラー映像信号の色復調を行なわせ得るので、特
に再生画面を見ながら行なう高速位置検索時にお
いて正しい色相のカラー画像を得ることができ、
よつて従来回路の如くドロツプアウト補償直後の
カラー画像の色相の大きな乱れを防止することが
でき、また上記期間経過した時点よりドロツプア
ウト消滅後２度目の水平同期信号がトラツク変更
後のトラツクから再生されるまでの期間、上記ス
イツチ回路をして遅延回路の入力信号を選択出力
せしめる状態に保持するようにしたため、上記の
ドロツプアウト消滅後の１水平走査期間に再びド
ロツプアウトがあつたとしてもドロツプアウト補
償動作を行なわないようにでき、よつてドロツプ
アウト補償した場合の再生カラー画像の色相の大
きな乱れを防止することができる等の数々の特徴
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明回路の一実施例を示すブロツク
系統図、第２図Ａ〜Ｅは夫々第１図の動作説明用
信号波形図、第３図は本発明回路の他の実施例の
要部を示す回路系統図である。 １……再生FMカラー映像信号入力端子、２…
…再生水平同期信号入力端子、３……キツク信号
入力端子、４……1H遅延回路、５……スイツチ
回路、６……ドロツプアウト検出回路、８，１１
……フリツプフロツプ、１０……再生FMカラー
映像信号出力端子。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円盤状情報記録媒体の一回転期間異なる時点
   における夫々のカラーバースト信号の位相が互い
   にずれて再生されるようなカラー映像信号記録ト
   ラツクが形成された円盤状情報記録媒体を再生す
   る再生装置のドロツプアウト補償回路において、
   上記円盤状情報記録媒体から既記録信号をピツク
   アツプ再生するための再生素子をトラツク変更の
   ために該記録媒体の半径方向上強制的に移送した
   際に生ずるドロツプアウトを検出する検出回路
   と、上記記録媒体から再生されたカラー映像信号
   を１水平走査期間遅延する遅延回路と、該遅延回
   路の入力信号と出力信号のうちの一方を選択出力
   するスイツチ回路と、該検出回路によりトラツク
   変更の際のドロツプアウトを検出した時点から該
   ドロツプアウト消滅後に最初の水平同期信号がト
   ラツク変更後のトラツクから再生されるまでの期
   間該スイツチ回路をして該遅延回路より取り出さ
   れるトラツク変更前のトラツクから再生されたカ
   ラー映像信号を選択出力せしめる制御回路とより
   なることを特徴とするドロツプアウト補償回路。 ２ 円盤状情報記録媒体の一回転期間異なる時点
   における夫々のカラーバースト信号の位相が互い
   にずれて再生されるようなカラー映像信号記録ト
   ラツクが形成された円盤状情報記録媒体を再生す
   る再生装置のドロツプアウト補償回路において、
   上記円盤状情報記録媒体から既記録信号をピツク
   アツプ再生するための再生素子をトラツク変更の
   ために該記録媒体の半径方向上強制的に移送した
   際に生ずるドロツプアウトを検出する検出回路
   と、上記記録媒体から再生されたカラー映像信号
   を１水平走査期間遅延する遅延回路と、該遅延回
   路の入力信号と出力信号のうちの一方を選択出力
   するスイツチ回路と、該検出回路によりトラツク
   変更の際のドロツプアウトを検出した時点から該
   ドロツプアウト消滅後に最初の水平同期信号がト
   ラツク変更後のトラツクから再生されるまでの期
   間該スイツチ回路をして該遅延回路より取り出さ
   れるトラツク変更前のトラツクから再生されたカ
   ラー映像信号を選択出力せしめ、かつ、該期間経
   過した時点より該ドロツプアウト消滅後２度目の
   水平同期信号がトラツク変更後のトラツクから再
   生されるまでの期間該スイツチ回路をして該遅延
   回路の入力信号を選択出力せしめる状態に保持す
   る制御回路とよりなることを特徴とするドロツプ
   アウト補償回路。