JPS6315081Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のエンジン始動装置に関する
ものである。

一般に自動車のエンジンを始動する場合は、ド
アを開いて車内に入り、車内のキースイツチを操
作する必要がある（例えば、実開昭56−4950号公
報参照）。しかし例えば出勤前にエンジンの暖機
運転をしながら出勤準備をする場合は、ドアを開
くことなく車外にいてエンジンを始動できること
が望ましい。また自動車の整備をする場合、従来
はエンジンを始動，停止する都度車内に入つてキ
ースイツチを操作する必要があつたが、このよう
なことは非常に煩雑であり、この場合も車外にい
てエンジンを始動，停止できることが望まれる。

この考案は以上のような状況に鑑みてなされた
もので、ドアをロツク，アンロツクするシリンダ
錠に、ロツク位置及びアンロツク位置とは位置を
異ならせてかつ上記ロツク位置を越してイグニツ
シヨン位置およびスタータ位置を設け、これらの
接点を車内のキースイツチのイグニツシヨン接点
およびスタータ接点にそれぞれ並列に接続するこ
とにより、車外からドアキーを用いてエンジンを
始動，停止できる自動車のエンジン始動装置を提
供することを目的としている。

以下本考案の一実施例を図について説明する。

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示
し、図において１はドアパネル４に固定されたシ
リンダ錠で、該シリンダ錠１はシリンダ外筒２
と、該シリンダ外筒２に挿入されキー６の挿入に
よつて回動自在となるシリンダ内筒３とから構成
されている。上記シリンダ外筒２には、ドアをア
ンロツク，ロツクするためのアンロツク位置２
ｃ，ロツク位置２ｄに加えて、該ロツク位置２ｄ
を越えてイグニツシヨン（以下IGと記す）位置
２ｅが、さらに該IG位置２ｅを越えてスタータ
（以下STと記す）位置２ｆが設けられており、さ
らにこのシリンダ外筒２の外周面にはIG位置２
ｅに対応するIG接点２ａおよびST位置２ｆに対
応するST接点２ｂが設けられている。また上記
シリンダ内筒３にはドアキー挿入孔３ｃが設けら
れており、このシリンダ内筒３はST位置２ｆか
らIG位置２ｅにスプリングバツクするように、
かつIG位置２ｅでドアキー６を抜くことができ
るように構成されている。さらにこのシリンダ内
筒３の後端には、ドアのロツク機構を作動させる
ためのＬ字形のロツクレバー３ａが一体に設けら
れるとともに、該ロツクレバー３ａの長孔３ｂに
はドアロツク（図示せず）と該ロツクレバー３ａ
とを連結するロツクロツド５の一端５ａが回動自
在に挿入されており、かつ上記ロツクレバー３ａ
が第３図に示すように上記シリンダ外筒２のアン
ロツク位置２ｃに対応するそのアンロツク位置２
c′からロツク位置２d′を越えてIG位置２e′、ある
いはさらにST位置２f′に回動された場合、ロツ
クロツド５の一端５ａは、第３図に破線で示す軌
跡を描いて上記長孔３ｂ内をスライドするように
なつている。

第４図は上記実施例装置の電気回路図を示す。
図において７は車内キースイツチであり、７ａは
ST接点、７ｂはIG接点、７ｃはACC（アクセサ
リー）接点、７ｂはOFF（オフ）接点である。８
はドアキーシリンダイグニツシヨンシステムであ
り、８ａは右ドアキーシリンダスイツチ、８a′は
左ドアキーシリンダスイツチ、２ａ，２ｂはそれ
ぞれシリンダ外筒２に設けられた上記IG接点お
よびST接点、２ｇはOFF接点である。

なおこのOFF接点２ｇは電気回路上に示した
だけで、実際にはそうした接点があるわけではな
く、ドアキー６がアンロツク位置２ｃ、ロツク位
置２ｄにあるときに上記スイツチ８ａ，８a′がこ
のOFF接点２ｇに倒れているものと考えること
ができる。また９は変速機（図示せず）がニユー
トラルの状態にあることを検出するニユートラル
検出スイツチであり、該ニユートラル検出スイツ
チ９は上記ST接点２ｂとスタータ１０との間、
および上記IG接点２ａと点火回路１１との間に
設けられている。またＥはバツテリ電圧、１２は
オートチヨークである。

次に動作について説明する。

ドアをロツクする場合は、従来どおりシリンダ
錠１のドアキー挿入孔３ｃにドアキー６を挿入
し、シリンダ内筒３をシリンダ外筒２のアンロツ
ク位置２ｃからロツク位置２ｄまで回転させてド
アキー６を抜けばよく、ドアはこれによりロツク
される。

次にエンジンを始動する場合は、上記ロツク位
置２ｄを越えてシリンダ外筒２のIG位置２ｅま
でドアキー６によりシリンダ内筒３を回転させ、
さらに上記IG位置２ｅを越えてST位置２ｆまで
シリンダ内筒３を回転させれば、ニユートラル検
出スイツチ９が閉じている場合は、これによつて
点火回路１１およびスタータ１０が作動し、エン
ジンは始動する。

なおエンジン始動後は、シリンダ内筒３はST
位置２ｆからIG位置２ｅまでスプリングバツク
するが、このIG位置においてはドアキー６をシ
リンダ内筒３から抜くことができるので、自動車
から離れて暖機運転を継続することができる。

またシリンダ内筒３をアンロツク位置２ｃから
ロツク位置２ｄまで回転させれば、ロツクロツド
５の一端５ａはロツクレバー３ａによつてアンロ
ツク位置２c′からロツク位置２d′まで引き上げら
れ、これによりドアロツクを作動させてドアをロ
ツクできるようになつているが、このロツクロツ
ド５の一端５ａを該ロツク位置２d′よりさらに上
方に大きく引き上げることはロツク機構の構造上
無理である。そこで本装置においてはロツクレバ
ー３ａに長孔３ｂを設けることにより、ロツクレ
バー３ａがロツク位置２d′を越えてIG位置２e′さ
らにはST位置２f′まで回転されたときは、上記
ロツクロツド５の一端５ａは第３図に破線で示す
軌跡を描いてスライドするようにしている。その
ためロツクロツド５の一端５ａがロツク位置２
d′より上方に引き上げられる量は少なくなつてい
るものである。

以上のように本考案に係る自動車のエンジン始
動装置によれば、ドアをロツク，アンロツクする
シリンダ錠に、ロツク位置及びアンロツク位置と
は位置を異ならせてからロツク位置を越してIG
位置およびST位置を設け、これらのIG接点およ
びST接点を車内のキースイツチのIG接点および
ST接点にそれぞれ並列に接続したので、車外か
らドアキーを用いてエンジンを始動，停止でき、
これにより自動車の整備等におけるエンジンの始
動，停止操作の煩雑さを解消でき、しかも暖機運
転を行う上で、エンジン始動はロツク位置，アン
ロツク位置とは異なる位置でしかも該ロツク位置
を越えた位置で行われるために、ドアをロツクし
たまま暖機運転が可能となり、盗難防止上極めて
有利であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるシリンダ錠の
側面図、第２図は第１図の−線断面図、第３
図は第１図の−線断面図、第４図は上記実施
例の電気回路図である。 １……シリンダ錠、２ａ……IG接点、２ｂ…
…ST接点、２ｄ……ロツク位置、２ｅ……IG位
置、２ｆ……ST位置、７……車内キースイツチ、
７ａ……ST接点、７ｂ……IG接点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアをロツクするロツク位置とドアをアンロツ
   クするアンロツク位置とを有するシリンダ錠に、
   上記ロツク位置およびアンロツク位置と異ならせ
   てかつ上記ロツク位置を越してイグニツシヨン位
   置とスタータ位置を設け、上記イグニツシヨン位
   置のイグニツシヨン接点および上記スタータ位置
   のスタータ接点を車内のキースイツチのイグニツ
   シヨン接点およびスタータ接点にそれぞれ並列に
   接続したことを特徴とする自動車のエンジン始動
   装置。