JPS6314593Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数条の苗を横方向に並列載置可能
で、かつ、横方向に往復駆動移動可能な苗のせ台
に、前記苗のせ台が横移動経路の所定箇所に至つ
たとき、各載せ苗を取出し部側に強制送りすべく
作動する苗送り具を設けてある複数条植え田植機
に関する。

一般に、この種、複数条植え田植機において
は、走行機体から苗のせ台が横方向に大きく突出
する為、路上を走行する場合には、従来、横外側
に位置する苗載せ部をそれの内側に隣接位置する
苗載せ部に対して取外していた（例えば、実開昭
54−3427号公報）。

ところが、このように、外側の苗載せ部を取外
すものでは、取外した苗載せ部をトレーラで運搬
したり、あるいは、取外した苗載せ部を走行機体
側に積込む為の収納部を走行機体側に設けておか
ねばならず、また、外側苗載せ部の苗送り具は、
その苗送り具を付設した苗送り軸が、内側苗載せ
部の苗送り軸と嵌合連結されて動力が伝達される
構造である為、取外した苗載せ部を装着する場合
には、苗送り軸の端部同士を嵌合連結させながら
苗載せ部同士を嵌合連結しなければならず、装着
作業が煩わしいと言う欠点があつた。

本考案は、内側苗載せ部に対する外側苗載せ部
の取付構造並びに外側苗載せ部の苗送り具に対す
る伝動構造を工夫することによつて上記欠点を解
消することを目的とする。

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、
前記苗のせ台の横外側に位置する苗載せ部及びそ
の苗載せ部に対する植付爪を備えた植付けケース
を含めて、それの内側に位置する苗載せ部に対し
て、前後方向軸芯周りでの揺動により、それの上
方に重ね合わせた折畳み姿勢と同一平面内で横方
向に並列位置させた展張姿勢とに換え可能に構成
するとともに、内側に位置する苗載せ部に対する
植付けケースに、苗送り具駆動軸を設け、この駆
動軸に、前記内側苗載せ部及び横外側苗載せ部の
各苗送り具の被動部に対して接当連動可能な伝動
用カムを付設し、さらに、内側苗載せ部の植付け
ケース側の駆動軸の先端と、横外側苗載せ部の植
付けケース側の被駆動軸の先端に夫々互いに嵌係
合可能な嵌合部を設けて前記駆動軸と被駆動軸と
を連動連結可能に構成するとともに、前記被駆動
軸を駆動軸側に弾性付勢した点にあり、斯かる構
成から次の作用効果を奏する。

すなわち、外側の苗載せ部を内側の苗載せ部に
対して前後軸芯周りで回動させて折畳み姿勢と展
張姿勢に切換え可能に構成するものであるから、
着脱式の場合のように、取外した苗載せ部をトレ
ーラで運搬したり、あるいは、走行機体側に取外
した苗載せ部を積込む為の収納部を設けておく必
要がなく、運搬作業の煩わしさ、軽量化が望まし
い機体重量の増大化を招くことがない。

そして、外側苗載せ部の苗送り具に対す伝動
は、苗送り具を付設した苗送り軸同士の嵌合連結
による伝動ではなく、内側植付けケースに設けた
苗送り具駆動軸に付設の伝動用カムによつて行う
ものであるから、着脱式の場合のように、苗送り
軸同士を嵌合連結する必要がなく、折畳み姿勢の
外側苗載せ部を展張姿勢に切換えるだけで伝動が
可能となり、路上走行から苗植付け作業への苗載
せ台の切換え作業が容易となる。

さらに、外側苗載せ部に対する植付けケース側
の被駆動軸を、内側苗載せ部に対する植付けケー
ス側の駆動軸側に付勢してあるから、外側苗載せ
部を展張姿勢に切換えた時に、嵌係合可能な嵌合
部同士の位相がずれていても、駆動軸を回動させ
ることで自動的に、駆動軸と被駆動軸との嵌合連
結が行われ、駆動軸と被駆動軸との連結が容易に
行える。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は、前後車輪１，２を有する走行機体Ａ
の後部に、リンク機構３を介して６条植えの植付
け装置Ｂを駆動昇降可能に連結してなるリヤーマ
ウント型式の乗用田植機を示し、前記植付け装置
Ｂは次の如く構成されている。

即ち、第２図乃至第４図で示すように、６条の
苗を横方向に並列載置可能で、かつ、左右横方向
に一定ストロークで往復移動可能な前傾姿勢の苗
のせ台４の横移動を、それの苗送出し方向の中間
部及び下端部において摺接案内するためのレール
５，６のうち、下部レール６を、左右横方向に適
宜間隔を隔てて並設した３つの植付けケース７間
に亘つて固着している。一方、前記植付けケース
７から苗のせ台４の背部を通して前方上方に夫々
延出した支持フレーム８の駒部材８ａに嵌係合す
る前記の上部レール５を、苗のせ台４の横移動ス
トロークよりもやや大なる長さのものに構成し、
このレール５を、前記苗のせ台４の下面に、横方
向に一直線状で、かつ、２条単位如に適当間隔を
隔てて並置固着している。

また、前記各植付けケース７の後端両側部に
は、前記下部レール６に形成した苗取出し口９と
泥面との間に亘つて植付け爪１０を循環運動させ
る植付け機構１１を装着するとともに、前記植付
けケース７の下側部には、植付け予定箇所の泥面
を整地するフロート１２を取付け、かつ、前記苗
のせ台４の各苗載せ部の苗取出し口９近傍上方箇
所には、載置苗の茎葉部分を植付け爪移動軌跡よ
りも苗送出し方向上手側に押出す苗葉受け杆１３
を付設している。

前記苗のせ台４の各苗載せ部のうち、左右の最
横外側に位置する苗載せ部４Ａ，４Ａ及びそれの
内側に隣接位置する苗載せ部４Ａ，４Ａを、中央
の苗載せ部４Ｂ，４Ｂに対して、これらの隣接間
に位置する苗のせ部４Ａ，４Ｂ及び４Ａ，４Ｂの
側壁４ａ，４ｂ及び４ａ，４ｂ上端部における前
後軸芯ａ，ａ周りで揺動可能に構成するととも
に、前記下部レール６の、前記可動苗載せ部４
Ａ，４Ａ及び４Ａ，４Ａに対応するレール部分６
Ａ，６Ａを、中央のレール部分６Ｂに対して、前
記可動苗載せ部４Ａ，４Ａ及び４Ａ，４Ａの揺動
軸芯ａ，ａと同軸芯周りで揺動自在に構成し、以
つて、前記可動苗載せ部４Ａ，４Ａ及び４Ａ，４
Ａとこれらに対応する植付けケース７，７、フロ
ート１２，１２を、それらの外側端が上方に位置
する傾斜状態に折畳んだ姿勢と同一平面内で並列
位置させた展張姿勢とに切換え可能に構成してい
る。

また、前記苗葉受け杆１３の取付けブラケツト
１４のうち、可動苗載せ部４Ａに付設したブラケ
ツト１４を、その基端部の横軸芯周りでの揺動に
より、上方に突出する作用姿勢と苗載せ部４Ａの
側壁４ａと面一状態に折畳んだ非作用姿勢とに切
換え可能に構成している。

次に、前記植付け機構１１への伝動関係につい
て説明する。

即ち、前記植付けケース間に亘つて架設した左
右横方向に沿う植付け駆動軸１５を、左右の植付
けケース７側の植付け機構１１に対する第１駆動
軸１５Ａと中央の植付けケース７側の植付け機構
１１に対する第２駆動軸部１５Ｂとに分割し、前
記第１駆動軸部１５Ａの先端部に、駆動部として
の第２駆動軸部１５Ｂの嵌合部１５ｂに対して嵌
係合ならびに係合解除自在な嵌合部１５ｃを有す
る被駆動軸としての中間駆動軸部１５Ｃを、その
回転軸芯方向に一定範囲内で移動自在にスプライ
ン嵌合するとともに、この中間駆動軸部１５Ｃに
固着した鍔部材１６と第１駆動軸部１５Ａとの間
に、前記中間駆動軸部１５Ｃを第２駆動軸部１５
Ｂ側に移動付勢するスプリング１７を介装し、以
つて、前記中間駆動軸部１５Ｃの嵌合部１５ｃと
第２駆動軸部１５Ｂの嵌合部１５ｂとを、前記可
動側苗載せ部４Ａの展張姿勢と折畳み姿勢との姿
勢変更に伴なつて連動ならびに連動解除可能に構
成している。

次に、苗送り機構について説明する。

即ち、第４図、第５図で示すように、前記苗の
せ台４の固定苗載せ部４Ｂ及び可動苗載せ部４Ａ
の下面で、かつ、苗取出し口９，９近くに夫々、
左右横方向に沿う苗送り軸１８，１８を回転自在
に架設し、これら各苗送り軸１８，１８の長手方
向複数箇所に、固定苗載せ部４Ｂ及び可動苗載せ
部４Ａの苗載せ面に形成した切欠孔１９，１９を
通して出退移動可能な苗送り爪２０，２０を固着
するとともに、前記各苗送り軸１８，１８と苗の
せ台４との間には、苗送り爪２０，２０を引退方
向に移動付勢するスプリング２１，２１を介装
し、以つて、苗のせ台４が横移動経路の端部に至
つたとき、固定苗載せ部４Ｂ及び可動苗載せ部４
Ａ上の各載せ苗を取出し口９，９側に向つて強制
送りすべく作動する苗送り具２２及び２２を構成
している。

また、前記各苗送り軸１８，１８に、苗のせ台
４の横移動ストロークと等しい間隔を隔てて玉子
状の被動カム２３，２３及び２３，２３を固着す
るとともに、前記中央の植付けケース７には、常
時駆動回転される軸２４を、前記苗送り軸１８，
１８と平行に架設し、この駆動軸２４には、苗の
せ台４が横移動経路の端部に至つたとき、前記各
苗送り軸１８，１８の被動カム２３，２３又は２
３，２３に接当して、前記苗送り爪２０，２０を
スプリング２１，２１の付勢力に抗して突出移動
させる伝動用カム２５，２５を付設している。

第６図は他の実施例を示し、前記内側可動苗載
せ部４Ａ側の苗葉受け杆１３を、可動苗載せ部４
Ａを折畳み姿勢に切換えたとき、その長手方向の
中央部で上方又は下方に屈曲変形可能な２つの杆
部分１３Ａ，１３Ｂから構成したものである。
尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照
を便利にする為に符号を記すが、該記入により本
考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る複数条植え田植機の実施例
を示し、第１図は乗用田植機の全体側面図、第２
図は背面図、第３図は要部の一部切欠側面図、第
４図は要部の一部切欠背面図、第５図は要部の縦
断側面図、第６図は他の実施例を示す要部の一部
切欠背面図である。 ４……苗のせ台、４Ａ，４Ｂ……苗載せ部、２
２……苗送り具、２３……被動部、２４……駆動
軸、２５……伝動用カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数条の苗を横方向に並列載置可能で、かつ、
   横方向に往復駆動移動可能な苗のせ台４に、前記
   苗のせ台４が横移動経路の所定箇所に至つたと
   き、各載せ苗を取出し部側に強制送りすべく作動
   する苗送り具２２……を設けてある複数条植え田
   植機において、前記苗のせ台４の横外側に位置す
   る苗載せ部４Ａ及びその苗載せ部４Ａに対する植
   付爪１０を備えた植付けケース７を含めて、それ
   の内側に位置する苗載せ部４Ｂに対して、前後方
   向軸芯周りでの揺動により、それの上方に重ね合
   わせた折畳み姿勢と同一平面内で横方向に並列位
   置させた展張姿勢とに切換え可能に構成するとと
   もに、内側に位置する苗載せ部４Ｂに対する植付
   けケース７に、苗送り具駆動軸２４を設け、この
   駆動軸２４に、前記内側苗載せ部４Ｂ及び横外側
   苗載せ部４Ａの各苗送り具２２，２２の被動部２
   ３，２３に対して接当連動可能な伝動用カム２
   ５，２５を付設し、さらに、内側苗載せ部４Ｂの
   植付けケース７側の駆動軸１５Ｂの先端と、横外
   側苗載せ部４Ａの植付けケース７側の被駆動軸１
   ５Ｃの先端に夫々互いに嵌係合可能な嵌合部１５
   ｂ，１５ｃを設けて前記駆動軸１５Ｂと被駆動軸
   １５Ｃとを連動連結可能に構成するとともに、前
   記被駆動軸１５Ｃを駆動軸１５Ｂ側に弾性付勢し
   てあることを特徴とする複数条植え田植機。