JPS6140091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、苗載せ台に載置されたマツト状苗
を、その床土根部に下方からくい込ませる係止搬
送用突起を備えた無端回動帯状体により苗取出部
に強制移送させるように構成した田植機の苗供給
装置に関する。

上記苗供給装置にあつては、苗移送が、突起の
係止により確実に行える反面、突起のために供給
苗を苗載せ台に載せて摺動させる事ができず、供
給苗の所定位置へのセツトが困難で、苗供給作業
に手間が掛かる問題があつた。

本考案は、苗植え時において突起を所望どおり
作用させられるようにしながら、苗を摺動供給で
きるように、しかも、そのための構成を苗植え時
状態と苗供給時状態とに迅速に切換えられるよう
にする事を目的とする。

次に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

前部にエンジンＥを、後部に操縦ハンドル１を
夫々備えさせると共に、それらの間に走行用車輪
２を昇降可能に備えさせた自走機体の後部に、４
個の苗植付装置３を機体横方向に並設すると共
に、これら苗植付装置３…に対する苗供給装置を
設け、そして、泥面上を滑走させる前後一対のフ
ロート４，５を、前記自走機体の下方に設けて、
４条植え可能な歩行型田植機を構成してある。

前記苗供給装置を構成するに、第２図及び第３
図に示すように、苗植付装置３に各別に供給する
４枚のマツト状苗を機体横方向に並置すべく構成
し、かつ、そのための苗載せ面夫々を苗植付装置
３による苗取出部側が低くなる傾斜面に構成して
ある苗載せ台６を、苗植付装置３に対してその苗
植え運動に伴つて機体左右方向に往復摺動される
べく連動させると共に、マツト状苗を一株分ずつ
に区画すべく床土部下面に予め形成してある溝を
通つて床土部にくい込ませる係止用搬送突起７を
有する板体８の多数と、これらの板体８を無端帯
状に連結させてある一対の無端チエーン９，９と
から成る無端回動帯状体１０を、前記苗載せ面
夫々に設け、そして、苗載置せ台６のミツシヨン
ケース１１に対する摺動自在な取付軸１２を、苗
載せ台６が摺動ストロークエンドに達する毎に一
定角度だけで往復回動されるべく構成すると共
に、前記帯状体１０の全てを一体回動させる駆転
軸１３と前記取付軸１２とを、帯状体１０に対し
て苗移送方向への駆動力のみを伝達するための一
方向クラツチ１４を有する連動機構１５により連
動させてある。つまり、苗載せ台６が左右の摺動
ストロークエンドに達する毎に、苗が帯状体１０
により苗取出部に向けて苗植付装置３の取出し長
さに相当する分だけ強制移送されると共に、その
移送が突起７の係止により確実かつ正確に行われ
るように構成してある。

第４図に示すように、前記苗載せ台６の苗取出
部側に形成した長孔に、１本の横軸１６を昇降可
能に係入させると共に、苗載せ台６の上端側に、
１本の横軸１７をハンドル１８により回動操作可
能に取付け、そして、苗載置面夫々に配置した平
板状の苗供給用受止め具１９夫々の前端側を前記
苗取出部側横軸１６に連結し、後端側を、前記上
端側横軸１７から延出のアーム２０の遊端側に回
転可能に支持させた筒軸２１に溶接し、もつて、
前記ハンドル１８を回転操作すると、前記受止め
具１９の全てが、一挙に上下に平行移動して、作
用面が前記突起７より上方に位置した使用姿勢
と、作用面が突起７より下方に引退した格納姿勢
とに切換るように構成してある。前記受止め具１
９夫々を使用姿勢にした場合には、苗取出部側横
軸１６が長孔の上端側の切欠内に係入して受止め
支持される事と、前記ハンドル１８に付設のボー
ルストツパー２２の苗載せ台６に対する係合によ
り、上端側横軸１７の回動が阻止される事とによ
つて、受止め具１９夫々の下降ロツクが行われる
ように構成してある。つまり、苗植え時には、苗
受止め具１９を前記格納姿勢にしておく事によ
り、突起７を所望どおり作用させる事ができ、そ
して、苗供給時には、苗受止め具１９を前記使用
姿勢にしてそれに苗を載置する事により、供給苗
を苗取出部側に摺動させて所定位置に容易にセツ
トできるように構成すると共に、受止め具１９の
平行移動により、その姿勢切換に要する操作量が
比較的少なくなるように配慮してある。

尚、本考案は、上記実施例に示した如く、苗載
せ面が傾斜しているものに採用すると、受止め具
１９を平行移動させる関係上、その使用姿勢時に
おける作用面が急傾斜角にならなくて、供給苗が
急速下降し苗ストツパー２３に撃突して破損する
トラブルを回避できて有利であるが、苗載せ面が
水平やそれに近いものにも適用でき、又、前記帯
状体１０が苗載せ面の一部にのみ設けたものにも
適用できる。

以上要するに、本考案は、冒記した田植機の苗
供給装置において、前記苗載せ台６に供給するマ
ツト状苗を前記苗取出部側に載置摺動させる苗供
給用受止め具１９を、その作用面が前記突起７よ
り上方に位置する使用姿勢と、前記作用面が前記
突起７より下方に引退する格納姿勢とに、ほぼ平
行移動により切換え可能に設けてある事を特徴と
する。

つまり、前記受止め具１９を使用姿勢にして利
用する事により、苗を摺動させる事が可能になつ
たので、供給苗を所定位置に容易迅速にセツトで
きるようになり、しかも、受止め具１９を平行移
動させるようにしたから、作用面を全面にわたつ
て突起７より浮上あるいは引退させるに要する操
作量が比較的少なくて済み、姿勢変更が迅速に行
えるようになつたのであり、全体として、苗供給
を能率よく行えるようになつた。

その上、受止め具１９を格納姿勢にする事によ
り、突起７を所望どおり作用させられるので、苗
植え時における苗移送を従来どおり確実に行え
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の苗供給装置の実施
例を示し、第１図は歩行型田植機の全体側面図、
第２図は苗供給装置の平面図、第３図は同一部切
欠側面図、第４図は受止め具構造を示す斜視図、
第５図は第４図のＶ−Ｖ断面矢視図である。 ６……苗載せ台、７……突起、１０……無端回
動帯状体、１９……受止め具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 苗載せ台６に載置されたマツト状苗を、その
   床土根部に下方からくい込ませる係止搬送用突
   起７を備えた無端回動帯状体１０により苗取出
   部に強制移送させるように構成した田植機の苗
   供給装置であつて、前記苗載せ台６に供給する
   マツト状苗を前記苗取出部側に載置摺動させる
   苗供給用受止め具１９を、その作用面が前記突
   起７より上方に位置する使用姿勢と、前記作用
   面が前記突起７より下方に引退する格納姿勢と
   に、ほぼ平行移動により切換え可能に設けてあ
   る事を特徴とする田植機の苗供給装置。 前記苗載せ台６の苗載置面を、前記苗取出部
   側が低くなる傾斜面に構成してある事を特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第項に記載の装
   置。