JPS6314579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は畑地で使用する移植機に関するもの
で、一本一本に分けた苗を苗供給装置で自動的に
苗植付機構に供給し植付ける如くしものである。

従来畑作用土付苗、裸苗等の苗を移植機により
移植する場合は移植機の移植杆に苗植込具を装着
し、移植杆を上下させるとか、或は回転させ苗植
込具が上方或は側方に位置するとき苗を供給し、
苗植込具が接地したとき苗を解放して植付ける如
く構成されている。これらの移植機には各種のも
のが開発されており、自動的に苗を供給し植付け
る場合には苗供給装置として回動するコンベアに
苗箱より繰り出された苗を１本１本併列させ、該
装置を連動する苗植込具により植付けるか、人手
により列状に連結した苗列をコンベアに載置し、
コンベアの進行末端に設けた苗分離装置により１
本１本の苗に分け、苗植込具に供給するか、或は
苗をテープで連結し該テープを繰出し乍ら苗植込
具に連続供給するのが通常である。然し１本１本
の苗を植込具に供給する方法は人手による供給に
限界があるため、移植速度が遅くなり苗列を分離
しながら移植する方法は装置が複雑となつて高価
となり、テープ状苗を供給する場合はテープ苗を
作るのに多くの時間を要する欠点がある。一方、
近時ペーパーポツトの如き集合育苗容器で育苗し
た苗をばらばらにし、健苗のみ選別して再育苗
し、健全な苗を圃場に植付けるいわゆるばらし苗
育苗法が開発されて来たが、この種の苗を移植す
る場合は１本１本移植機に供給しなければなら
ず。移植に多くの労力を必要とするのでばらし苗
育苗を阻害する原因となつている。

本考案は上記事情によりなされたもので、苗を
供給する手段としてコンベアチエン上に苗受けを
設け、これに長辺を底辺とする鈍角三角形状に圏
回し、三角形状の上辺一辺側には苗供給ホツパー
の底側を対向せしめ、他辺を傾斜させその端部に
は弧状のガイドを設けこれと苗転送用羽根車のガ
イドを上下対向させ、前記苗受け上の苗をＳ字状
に誘導させて苗転送用羽根車を回転させ苗転送用
羽根車より苗植込具に供給することにより解決し
た。即ち本考案のコンベアーは三角形状に張設さ
れ、上辺１辺側部に苗供給ホツパーを設けたこと
が特徴の一つであるが、これにより従来の水平の
コンベアの如く苗取出しに際し確実に１本１本の
苗を取出すことができ、上下１組のＳ字形ガイド
を設けたことにより転送された苗を確実に苗植込
具に供給することができるのである。

本考案を図面により説明すると、第１図は本考
案の移植機の例で、１は機枠を示し、左右一対を
なし、機枠１の前方には機体の取付孔２，２を設
け図示しないトラクター等により矢印方向に牽引
する。機枠１，１のほぼ中央には軸受３，３を設
け、移植機構の取付用軸受となし、その後方には
軸受４を設け、接地輪５の軸６を遊嵌する。該軸
６の左右側何れか一側に鎖車７を設け、前記軸受
３，３間に遊嵌した軸８に鎖車９を固定し、鎖車
７，９間にはチエン１０を張設する。このため、
接地輪５が回転するとチエン１０を介して鎖車９
と回転させ鎖車９と同一回転する移植機構を回転
さす。又接地輪は通常の車輪でもよく、鎮圧輪で
あつてもよいが好ましくは土質等の圃場条件によ
りスリツプ率が余り変動しないよう周面に突起な
どを設けたものを使用する。前記軸８に取付ける
移植機構としては軸８を中心として回転し圃場に
強制植付する機構、或は移植用溝の中に苗を植付
ける機構等何れ使用することができ、図面では強
制植付する機構で以て示した。図中１１は軸８に
固定した円板で該円板１１には多数の移植杆１２
を放射状に固定し、その端部近傍に蝶番１３を介
して開閉する苗押え板１４を取付け、苗押え板１
４には背面に副い形の開閉棒１７を固定し、該開
閉棒１７の一端にはスプリング１８を取付け該ス
プリング１８の他端を隣接する移植杆１２に固定
し、移植杆１２を矢印方向に回転せしめ、前記開
閉棒１７が機枠１に固定したガイド板１９に当接
したとき苗押え板１４を開き、その係合がとかれ
たとき閉じるようにする。このため苗押え板１４
はガイド板１９により開い状態で苗を受取り、直
に閉じて上向きに回転し下方に達するとガイド板
１９に当接して開き苗を放出て植込む如くする。

本考案の上記移植杆１２への苗供給は移植杆１
２の回転面と直角方向に機枠１に設けた苗供給装
置２０により行うもので、該苗供給装置２０は機
枠１に固定した副枠２１，２１間に設けるもので
ある。このため、副枠２１，２１間には、チエン
コンベア軸２２，２３，２４を底辺を水平とする
鈍角三角形状に遊嵌し、該軸２２，２３，２４に
はチエンスプロケツト２５，２６，２７をそれぞ
れ固定する。そしてチエンスプロケツト２５，２
６，２７にはチエン２８を張設し適宜の手段によ
り前記軸８と連動回転さす。チエン２８周面には
多数の苗受け２９を互に隣接して固定し、苗受け
２９は両側を解放したＵ字型をなし一本の苗を受
入れるに充分な形状とする。又前記軸２３，２
４，の回転上昇側及び軸２４，２５の回転下降側
にはチエン誘導板３０，３１を副枠２１，２１間
に設け、その間を移動するチエン２８が直線状に
摺接して移動するようにする。そして誘導板３１
側にはチエン２８をはさんで苗貯槽３２を対向さ
すが、苗貯槽３２は苗Ａを横方向に収納し底部及
び前方を解放し、底部間隙を苗受け２９が通過す
るようにし副枠２１，２１間に固定する。前記軸
２４の上方にして苗貯槽３２の側部には苗制御ロ
ーラ３３を設け、その軸３４に固定したプリー３
５と軸２４に固定したプリー３６の間にベルト３
７を張設し互いに反対方向に回転させ、苗制御ロ
ーラ３３の表面のスポンヂにより余分に掬い出さ
れた苗受け２９上の苗を押し戻すようにしてあ
る。又前記軸２２側部にはチエン２８を挾んで線
状の苗ガイド３８を弧字状に設け、その下側迄伸
長させ、苗受け２９上の苗Ａが回動時落下するの
を防止し、軸２２の斜め下方には羽根車軸３９を
副枠２１，２１間に張設し、軸２２に固定した歯
車４０と軸３９に固定した歯車４１を互に噛み合
せて同期回転さす。前記羽根車軸３９には２枚の
羽根車４２と、その中間に苗支持羽根４３を固定
し、前記羽根車４２は羽根４４が前記チエン２８
を左右から囲むように構成する。又前記羽根４４
の回転軌跡外側には、前記苗ガイド３８に対応し
て苗ガイド４５を弧状に設け、羽根４４との間で
苗Ａを保持できるように構成する。従つて苗ガイ
ド３８，４５は上下に位置し対をなしＳ字形に苗
Ａを誘導する。そして苗ガイド４５の誘導端部
は、前記ガイド板１９のほぼ末端部に位置し、前
記移植杆１２の回動軌跡内に臨ませるもので、下
方より回動した前記移植杆１２が羽根４４で送ら
れる苗Ａに接すると同時に、開閉棒１７とガイド
板１９の係合が解かれるので苗押え板１４が閉
じ、苗Ａを挾んで上方にのかれることになる。

本考案は上記の如くしてなり、運転に際しては
ペーパーポツト等で育苗したばらし苗を苗貯槽３
２に入れ、移植機を走行さす。走行により軸８及
びこれに固定した移植杆１２が回転し、これと同
時にチエン２８も同期回転する。従つてチエン２
８の苗受け２９が前記苗貯槽３２に侵入するが、
苗受け２９は互に密接連続しているので苗Ａは苗
受け２９内にのみ入り、更に回動して苗貯槽３２
外にのかれる。元来苗のようにからみ易い物体を
ホツパーに充填すると上部よりの圧力を受け団塊
を作り易く、特にペーパーポツトで育苗した苗は
紙筒表面に多少の粘性が残存するのでその傾向が
強い。従つてホツパーに苗を充填し、下方から水
平コンベアーで取出そうとすると最初の内は順調
に取出すことができるが、団塊をなした部分の苗
はホツパー側壁に支えられ落下しない所謂ブリツ
ヂがおこる。このような状態になると作業者が人
手でブリツヂを壊し作業を続けなければならな
い。しかし本考案では苗貯槽３２が傾斜したコン
ベアの１側に設けられているので、下部にブリツ
ヂを起こしても上部はおこすことはなく苗受け２
９の回動下部で苗Ａが入らなくても上部で入るこ
とになる。又上部に苗Ａが取り去られることも下
部のブリツヂを解消するのに役立つているものと
思われる。このようにして運転すると上部の苗Ａ
は自由に移動し、苗受け２９上に２本以上の苗が
載置される場合があるが、この場合は苗制御ロー
ラ３３が余分の苗を押し戻し、余分の苗を取出す
ことはない。若し不良苗が混入した場合は誘導板
３１側で人手により取除き良い苗と入れ替えると
よい。チエン２８の搬送末端においては、前記し
た上下対向しＳ字状をなす１対の苗ガイド３８，
４５と羽根車４２に支持され移植杆１２に渡され
る。このＳ字状とした結果苗Ａの移動は移植杆１
２の移動と同一方向であるから移植杆の挾持タイ
ミングが多少変つても確実に挾持でき、且つ、移
植杆１２は苗Ａを下方から上向きに受取つて挾持
し上向きに回転する。一般に通常の移植機の回転
はこれとは逆で、挾持後植付迄の巨離をできるだ
け少くするため移植杆を移植機の進行方向即ち下
向きに回転させるものであるが、この方式では挾
持された苗Ａは移植杆の回転に先行して接地す
る。従つて移植時移植杆は植付けた苗の上方を通
過するためそのまゝ運転すると植付けた苗を押し
倒すので、移植機の設計に当り、機体の進行速度
と移植杆の回転速度を考慮しほどよいサイクロイ
ド曲線を描くようにしなければならないが、この
ようにしても大きい苗を移植する場合は押し倒す
場合が往々にある。しかし本考案では移植杆１２
が常に苗Ａより先行するので、植付け後は苗Ａの
下部をけらないようにすればよく大きい苗でも支
障なく植付けられる。この結果苗貯槽３２に苗を
入れるだけで自動的に植付けることができ、従来
のように１本１本の苗を移植機に供給する必要は
ないので極めて省力的となり植付速度も向上して
能率のよい移植機となるのである。

本考案の装置は、場合によつては誘導板３１側
で人手により供給移植してもよいもので、ビート
の移植機、野菜類の移植機、玉ねぎ移植機等に使
用して極めて便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置を装置した移植機の側面
図第２図は本考案の苗供給装置の側面図第３図は
第２図の要部平面図を示す。 １……機枠、１２……移植杆、２８……チエ
ン、２９……苗受け、３２……苗貯槽、３８，４
５……苗ガイド、４２……羽根車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 苗供給コンベア上面に苗受けを設け苗箱から苗
   を連続的に取り出し苗転送用羽根車を介して植付
   部に供給する移植機において、苗供給コンベア２
   ８を鈍角三角形状に張設し、その回転上昇側に無
   底の苗箱３２を設け、回転下降側端にその外側を
   掩う弧状のガイド３８を設け、該ガイド３８の苗
   誘導端には苗転送用羽根車４２の外側を掩う弧状
   のガイド４５を設けて互に対向させ、前記弧状の
   ガイド３８と４５により苗をＳ字状に誘導する如
   くした移植機の苗植付部への苗供給装置。