JPS6314304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は外箱、内箱の両箱間に発泡性断熱材
を注入発泡してなる冷蔵庫箱体に係り、特に箱体
の強度を向上させるとともに断熱材の注入発泡の
際の漏出防止に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、硬質ポリウレタン等の発泡性断熱材を使
用する冷蔵庫の箱体は、第５図に示すように外箱
１を形成する鋼板からなる側板２と、この側板に
後板３、底板４および前板５をそれぞれスポツト
溶接により組立、固定するとともに各部品の接合
部にシール剤６を塗布した後、外箱の前面開口部
よりABS等のプラスチツク樹脂からなる内箱
（図示していない）を挿入固着し、外箱１と内箱
の両箱間に前記発泡性弾熱材を発泡充填してい
た。

また、外箱１と下方に圧縮機（図示していな
い）等を設置する機械室を区画する前記底板４の
周縁を折曲げて接合縁１１を形成し、この接合縁
を前記前板５および後板３にそれぞれスポツト溶
接にて密着固定している。しかし側板２と底板４
の接合部には側板２の美的外観を損なうとの理由
で、スポツト溶接等による接合は行われていな
い。

さらに、発泡性断熱材は注入発泡する際、第６
図に示すように底板４、側板２、後板３および前
板５とのそれぞれの接合部には、前記断熱材の漏
出を防止するためのシール剤６を塗布していた。

さらにまた、発泡性断熱材の注入発泡時に用い
られる発泡治具７は第７図に示すような形状で外
箱１に装着される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の冷蔵庫箱体は以上のように構成されてい
るので、底板と側板の接合部は単に両者を当接さ
せているので、断熱材の漏出防止用のシール剤を
多量に塗布する必要があつた。

また、底板の端部と側板と側板の底部折曲片で
囲まれて形成された袋状部は発泡治具で押えるこ
とができないので、第７図に示すように発泡性断
熱材注入発泡時の発泡圧Ａが底板４面に加わると
発泡治具７の角部Ｂを起点に底板４の側端は変形
する恐れがあり、シール剤の接着力で保持できず
シール剤が破壊して断熱材が漏出する。さらに発
泡性断熱材が充填されていない側板の下部は衝撃
強度が弱いという問題があつた。

この考案は上記のような問題点を解消するため
になされたもので、側板と底板との接合部のシー
ル作業を簡単にすることができるとともに側板の
下部の衝撃強度を向上させることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係わる冷蔵庫箱体は、底板の端部を
折曲げた接合縁を側板に当接重合させるとともに
底板の下面から側板の下部折曲片にわたつて形成
される袋状部に緩衝弾性体を側板に沿つて挿入嵌
着したものである。

〔作用〕

この考案における冷蔵庫箱体は、底板の下面か
ら側板の下部折曲片にわたつて緩衝弾性体を側板
側に沿つて挿入嵌着させたことにより、発泡性断
熱材の洩れをより少くすることができるのでシー
ル作業を簡単にすることができるとともに側板下
部の衝撃強度が向上する。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第１図において、１は外箱、２は鋼板を門形
に折曲げ形成するとともに前面周縁に前面折曲片
１０、後面周縁に後部折曲片８および下部両端に
下部折曲片９をそれぞれ折曲形成した側板、３は
後板、４は底板、５は前板である。

そして、前記外箱１は前記側板２の前面折曲片
１０下部に前記前板５を、また後部折曲片８に後
板３をそれぞれ重合させ、スポツト溶接した後、
周縁を折曲げて接合縁１１を設けた底板４を下方
に設置し、底板の接合縁１１を前記前板５および
後板３にそれぞれスポツト溶接で密着固定して構
成している。

１２はスチロール等の緩衝弾性体で、底板４の
下面から側板２の下部折曲片９にわたつて形成さ
れる袋状部Ｆに側板に沿つて挿入嵌着されてい
る。

以上のように構成した外箱１の前面開口部より
プラスチツク樹脂からなる内箱（図示していな
い）を挿入嵌着して、外箱、内箱の両箱間に形成
される空隙に硬質ポリウレタン等の発泡性断熱材
を注入発泡することにより冷蔵庫箱体は完成す
る。

そして、外箱、内箱間の空隙に発泡性断熱材を
注入発泡する際、第４図に示すように前記緩衝弾
性体１２は、底板４下面の側板２側に形成される
袋状部Ｆに挿入、嵌着されているので、発泡治具
７の代替となり発泡性断熱材の発泡圧力Ａによる
底板４端部の変形を防止することができるので、
側板２と底板４の当接部の隙間は生じないから、
断熱材の漏れを防止することができ、たとえ側板
２と底板４の当接部に発泡性断熱材が侵入したと
しても、前記緩衝弾性体１２によつて阻止され外
部へ漏出することがない。

また、発泡性断熱材が充填されていない側板２
の下部に局部的な衝撃を受けても、側板２に緩衝
弾性体１２を重合嵌着させるようにしたから抵抗
しうる強度を有するものである。

さらに外箱１の底板４下方は圧縮機（図示して
いない）を配設する機械室を形成するが、この機
械室の両側面を形成する底板４の下面から側板２
の下部折曲片９にわたつて形成される袋状部Ｆの
全巾に緩衝弾性体１２を挿入嵌着させることによ
り、冷蔵庫の運転中により生ずる圧縮機の騒音は
側板に直接当つて共鳴することがなくなり、緩衝
弾性体で吸収することができる。

なお上記実施例では、鋼板を門形に折曲形成し
スポツト溶接により形成した箱体について述べた
が、この考案はこれに限定されるものではなく、
側板を別体に形成し、ねじ等で締結固定した箱体
について適用できることはもちろんである。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば底板の下面か
ら側板の下部折曲片にわたつて形成される袋状部
に側板に沿つて緩衝弾性体を挿入、嵌着させるよ
うに構成したので、側板の下部に局部的な衝撃を
受けても抵抗しうる強度を有する箱体を提供する
ことができる。

また、緩衝弾性体を底板下部の側板の全巾にわ
たつて挿入嵌着することにより発泡性断熱材の漏
出の防止ができるので、シール作業を簡単にする
ことができる上、圧縮機の騒音を緩衝弾性体で吸
収することができるなどの多大の実用的効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による冷蔵庫箱体
の斜視図、第２図は第１図の−線の断面図、
第３図はこの考案による外箱の分解斜視図、第４
図は第２図に発泡治具を装着した断面図、第５図
は従来の冷蔵庫箱体の斜視図、第６図は第５図の
−線の断面図、第７図は第６図に発泡治具を
装着した説明図である。 １は外箱、２は側板、３は後板、４は底板、５
は前板、９は下部折曲片、１１は接合縁、１２は
緩衝弾性体である。なお、図中同一符号は同一、
または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 鋼板を折曲げ形成した側板、この側板に前
   板、後板および底板をそれぞれ配設固着した外
   箱に内箱を挿入固定し、これら内箱、外箱の両
   箱間に硬質ポリウレタンフオーム等の発泡断熱
   材を注入固化した箱体において、底板の両側端
   を折り曲げて接合縁を形成し、この接合縁を前
   記側板に当接重合し、この底板の下面から前記
   側板の下部折曲片にわたつて形成される袋状部
   に緩衝弾性体を側板に沿つて挿入嵌着させたこ
   とを特徴とする冷蔵庫箱体。 (2) 緩衝弾性体を底板下方から側板の下部折曲片
   にわたつて形成される袋状部の全巾にわたつて
   密着固定したことを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の冷蔵庫箱体。