JPS63141609A - 親水性多孔質膜およびその製造方法 - Google Patents

親水性多孔質膜およびその製造方法

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JPS63141609A
JPS63141609A JP28682986A JP28682986A JPS63141609A JP S63141609 A JPS63141609 A JP S63141609A JP 28682986 A JP28682986 A JP 28682986A JP 28682986 A JP28682986 A JP 28682986A JP S63141609 A JPS63141609 A JP S63141609A
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JP
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porous membrane
hydrophilic porous
amphipathic lipid
hydrophilic
producing
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JP28682986A
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Yukio Kiyota
清田 由紀夫
Noriyuki Koyama
則行 小山
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D67/00Processes specially adapted for manufacturing semi-permeable membranes for separation processes or apparatus
    • B01D67/0081After-treatment of organic or inorganic membranes
    • B01D67/0088Physical treatment with compounds, e.g. swelling, coating or impregnation

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、親水性多孔質膜およびその製造方法に関する
ものである。詳しく述べると本発明は、疎水性多孔質膜
の表面に親水性を付与してなり、長期間安定した透水性
を示しかつ安全性に優れた親水性多孔質膜およびその製
造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、各種の濾過、透析等に用いられる高分子多孔質膜
としては、高い透水性を有するセルロース誘導体、特に
酢酸セルロースの多孔質膜が一般的なものであった。し
かしながら、このようなセルロース誘導体は、酸、アル
カリおよび有職溶剤等に対する耐性の面で劣っており、
また熱や圧力等により容易に変形する等の欠点を有して
いるため、その使用条件範囲は大幅に限定されるもので
あった。
これらのセルロース誘導体の多孔質膜に代わるものとし
て、非セルロース系合成樹脂製の多孔質膜が開発されて
おり、その種類も架橋された水溶性高分子、親水性モノ
マーと疎水性モノマーとの共重合体、極性モノマーから
の均質ポリマー、疎水性ポリマーに親水基を添加したも
の、芳香族または複素環式縮合物など多岐にわたってい
る。
このような非セルロース系合成樹脂製の多孔質膜のうち
、疎水性ポリマーに親水基を添加したものは、一般的に
膜素材自体が強度、耐薬剤等の諸性能に慶れたものであ
るため、親水性を確実に付与することができれば、透水
性と除去効率のバランスにおいて優れかつ高強度を有す
る優れた多孔質膜を得ることが可能である。
従来、疎水性多孔質膜を親水化する方法としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液処理
により膜表面へ親水基を付与する方法(特公昭58−9
3.73/1@等)があるが、この方法によるとアルカ
リによって膜強度が低下する虞れがあり、条件管理が難
かしいという問題点かあつた。また疎水性ポリマー表面
に親水性モノマーをグラフ!・重合させる方法(特公昭
56− 、ill、 098号等)もあるが、この方法
によると疎水性ポリマーが多孔質物質であるため、孔内
部にまで均一にグラフト重合が進行しにくく、不均一と
なる虞れが大きかった。ざらに、疎水性多孔質膜をアル
コール浸透復水溶性ポリマー水溶液で処理し、乾燥後膜
に付着残留する水溶性ポリマーを熱あるいは放射線等で
処理し不溶化する方法(特公昭54−17.978号)
もあるが、この方法は、アルコール浸透からポリマー水
溶液による置換までに長時間を費やし、また不溶化処理
の際の熱、放射線等の影響により、膜強度の劣化、膜の
細孔の孔径の変化等の、起こる虞れが大きかった。また
親水化処理法として、疎水性多孔質膜に界面活性剤を物
理的に被膜させることも考えられ、簡便な操作で親水性
を付与することができるが、一般的な界面活性剤を用い
た場合には、水溶液が該多孔質膜を透過した際に、界面
活性剤の流出が起こり安全性の面から問題があり、また
再使用した際には十分な透水性が得られないなどの欠点
があった。
(発明が解決しようとする問題点〉 従って本発明は、新規な親水性多孔質膜およびその製造
方法を提供することを目的とする。本発明はまた、長期
間安定した透水性を示しかつ安全性に優れた親水性多孔
質膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明はさらに疎水性多孔質膜の全表面に均一にかつ十
分な親水性が簡便な操作で付与されてなる親水性多孔質
膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記諸目的は、疎水性ポリマーよりなる多孔質膜の表面
および孔内面に両親媒性脂質よりなる被膜を有すること
を特徴とする親水性多孔質膜により達成される。
本発明はまた、両親媒性脂質が、ホスファチジルコリン
、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリ
ン、リゾホスファチジルコリンまたはこれらの混合物で
ある親水性多孔質膜を示すものである。ざらに本発明は
、両親媒性脂質が、卵黄ホスファチジルコリン、あるい
はまた水素添加卵黄ホスファチジルコリンである親水性
多孔質膜を示すものである。本発明はさらに両親媒性脂
質が生体由来のものである親水性多孔質膜を示すもので
ある。本発明はまた疎水性ポリマーが、オレフィン系ポ
リマーである親水性多孔質膜を示すものである。本発明
はまた疎水性ポリマーが、フッ素樹脂系ポリマーである
親水性多孔質膜を示すものである。
上記諸目的はまた、疎水性ポリマーよりなる多孔質膜を
作成し、該多孔質膜に両親媒性脂質の溶液、コロイド、
または均一な懸濁液を浸透させ、その後乾燥し、該多孔
質膜の表面および孔内面に該両親媒性脂質の被膜を形成
することを特徴とする親水性多孔質膜の製造方法により
達成される。
本発明はまた、両親媒性脂質が、ホスファチジルコリン
、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリ
ン、リゾホスファチジルコリンまたはこれらの混合物で
ある親水性多孔質膜の製造方法を示すものである。ざら
にまた本発明は両親媒性脂質が、卵黄ホスファチジルコ
リン、あるいはまた水素添加卵黄ホスファチジルコリン
である親水性多孔質膜の製造方法を示すものである。本
発明はさらに両親媒性脂質が生体由来のものである親水
性多孔質膜の製造方法を示すものである。
本発明はまた、両親媒性脂質の溶液の溶媒として、アル
コール類、クロロホルム、ヘキサンおよびこれらと水と
の混合物からなる群より選ばれたいずれか一つのものを
用いるものである親水性多孔質膜の製造方法を示すもの
である。本発明はざらに両親媒性脂質の溶液の濃度が0
.1〜10.0重量%で必る親水性多孔質膜の製造方法
を示すものである。本発明はまた疎水性ポリマーが、オ
レフィン系ポリマーである親水性多孔質膜の製造方法を
示すものである。本発明はまた疎水性ポリマーが、フッ
素樹脂系ポリマーである親水性多孔質膜の製造方法を示
すものである。
(作用) しかして本発明においては、疎水性ポリマーよりなる多
孔質膜の親水化処理剤として、両親媒性脂質を用いるこ
とを最大の特徴とするものである。
すなわち、例えばホスファチジルコリンなどの生体由来
の両親媒性脂質は、その親水基により少量でも十分な親
水性を付与し、また一方疎水基を持つために疎水性ポリ
マーよりなる多孔質膜の疎水性表面との親和性が高く、
多孔質膜の表面および孔内面に良好に付着して被膜を形
成し、かつ水不溶性ないしは難溶性であるために多孔質
膜からの流出が起こりにくく、長期の使用において、必
るいは乾燥後の再使用に対しても十分な親水性を示すも
のである。これらの効果は、一般的な界面活性剤と比較
しても数段優れたものである。さらに多孔質膜より溶出
した場合においても生体由来物質であるために安全性は
高く、また多くの有機溶媒に可溶であるので疎水性ポリ
マーよりなる多孔質膜に対する被膜処理が容易にできる
ものである。
なお本明細書において、「脂質Jとは、水に不溶で非極
性溶媒に可溶な有機物を意味し、生物体内に存在するも
のの他、合成されたものも含む。
また本明S書において「両親媒性脂質Jとは、親水基お
よび疎水基を有する脂質を意味するものである。
以下本発明を実施態様に基づきさらに具体的に説明する
本発明の親水性多孔質膜の製造方法において用いられる
疎水性ポリマーよりなる多孔質膜は、十分な強度を有す
るものであればよいが、望ましくは耐熱性、耐薬剤性等
のその他の諸性質において優れた材質のものであること
が望ましい。このような疎水性ポリマーとしては、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系ポリ
マー、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチ
レン等のフッ素樹脂系ポリマーなどがあるが、好ましく
はフッ素樹脂系ポリマー、特にポリフッ化ビニリデンで
ある。ポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデ
ンホモポリマーの他に、フッ化ビニリデンを主体とした
四フッ化エチレン、アクリル酸メチル、六フッ化プロピ
レンなどとのコポリマーも含まれる。このような疎水性
ポリマーよりなる多孔質膜は、公知の方法によって調製
され得るが、例えば、疎水性ポリマーがポリフッ化ビニ
リデンである場合、樹脂を溶媒に溶解させて、所定の形
状に延展し、溶媒の一部を蒸発させた後、溶媒と混和性
を有する非溶媒中に浸漬して溶媒を扱出し、その後非溶
媒と残存溶媒を完全に蒸発させて多孔質膜を得る湿式法
、または樹脂を最初から溶媒および溶媒に混和し得る非
溶媒と混合溶解して、所望の形状に延々し、溶媒および
非溶媒を完全に蒸発させて多孔質膜を得る乾式法等によ
り調製される。望ましくは、ポリフッ化ビニリデン多孔
質膜は、特開昭49−126,572@および特開昭5
2−154,862号に示されるように上記湿式法また
は乾式法において使用される溶媒として蒸気分圧の異な
る速乾性溶媒と遅乾性溶媒との混合物を用い、ゲル化時
において、該遅乾性溶媒により一部樹脂を溶解または膨
潤状態となし、機械的強度を高めて調製される。このよ
うな方法により疎水性ポリマーの多孔質膜は、通常膜厚
50〜300μm1好ましくは100〜200μm、平
均細孔径0.1〜1.0!1m、好ましくは0.2〜0
.6μmのものに調製される。
本発明の製造方法において、上記のごとき疎水性ポリマ
ーよりなる多孔質膜は、両親媒性脂質の溶液により浸透
される。
両親媒性脂質としては、例えばその極性基として両性イ
オンを有する生体由来の両親媒性脂質などが必り、より
具体的に列挙すると、ホスファチジルコリン(レシチン
)、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエ
リン、リゾホスファチジルコリン(リゾレシチン)など
があり、これらは単独で用いられても、またいくつかを
組合せて用いてもよい。これらの中でホスファチジルコ
リンは、動物、植物、酵母、カビFAなど生物界におい
て広く存在し、例えば鶏卵の卵黄などから容易に抽出で
き、経済的にも安価なものであるゆえに好ましく、特に
卵黄ホスファチジルコリンあるいは水素添加卵黄ホスフ
ァチジルコリンは容易に入手可能である。ホスファチジ
ルコリンは一般式%式% (但し式中R1およびR2は同じまたは異なる脂肪族の
アシル残基である。) で表わされるように、構成成分として脂肪酸2、グリセ
リン1、リン酸1およびコリン1を含んだ両親媒性脂質
であり、生物界において生体膜成分等として存在し、そ
の界面活性作用により生体成分の吸収や輸送に関与して
いるものである。またR1およびR2は一般に14〜2
0個の炭素原子を持ち、例えば、テトラデカノイル、テ
1ヘラデカ−9−エノイル、ヘキサデカノイル、ヘキサ
デカ−9−エノイル、オクタデカノイルおよびオクタデ
カ−9−エノイルのような飽和あるいは不飽和物である
ことができる。
これらの両親媒性脂質の溶液を調製するために用いられ
る溶媒としては、両親媒性脂質に対して良好な溶解性を
示しかつ多孔質膜を溝或する疎水性ポリマーに対して良
好な安定性および濡れ性を示すものであることが望まれ
、例えばホスファチジルコリンを溶解する溶媒としては
、メタノール、エタノール、プロパツール等のアルコー
ル類、ヘキサン、クロロホルムおよびこれらと水などの
他の溶媒との混合溶媒などが用いられる。さらに、用い
られる溶媒により両親媒性脂質の状態が異なり、処理後
の親水性多孔質膜の性質に若干の影響を与えるが、ホス
ファチジルコリンの場合、上記の溶媒のうちアルコール
類、さらに望ましくはメタノールを用いると最も優れた
特性が得られる。
このような溶媒により上記の両親媒性脂質は溶解されて
溶液の形態に調製される。なお、この溶液にあける両親
媒性脂質の濃度は、浸透処理される多孔質膜の孔径およ
び288のWMによって左右され一概には言えないが、
総じて0.1〜10゜0重量%程度であり、例えば0.
2〜0.6μm程度の平均孔径を有する多孔質膜の親水
化をホスファチジルコリンのメタノール溶液で行なう場
合には、0.5〜5.0重量%、より好ましくは7゜O
〜3.0重量%の濃度が適当である。
上記疎水性ポリマーよりなる多孔質膜は、このように調
製された両親媒性脂質の溶液が多孔質膜の外表面および
孔内面に均一に付着するように、該溶液中に例えば5〜
300秒間、好ましくは10〜60秒間浸漬されて接触
処理される。
また接触処理に両親媒性脂質の溶液の代わりに、両親媒
性脂質のコロイド、または均一な懸濁液を用いることも
可能である。
生体由来の両性界面活性剤の溶液での浸透処理を行なわ
れた多孔質膜は、次に乾燥処理、例えば40〜60’C
に保ったオーブン、赤外線ランプ等で十分に乾燥し、溶
媒を除去して、該多孔質膜の外表面および孔内面に、両
親媒性脂質のS膜を均一に付与した親水性多孔質膜とな
る。
以上のようにして得られる親水性多孔質膜1は、上記の
ごとき疎水性ポリマー2よりなる多孔質膜の表面および
孔内面に、両親媒性脂質3からなる被膜を有することを
特徴とするものであり、第1図に示すように、両親媒性
脂質3は疎水性ポリマー2よりなる多孔質膜の表面4お
よび孔内面5に付着し、該多孔質膜を極性基の作用によ
り親水化するものである。またこの両親媒性脂質3の付
着により、疎水性ポリマー2よりなる多孔質膜の細孔6
の本来有する孔径は膜性能を実質的に低下させるほど縮
径されることはない。
本発明の親水性多孔質膜は、その優れた透水性、濾過効
率、機械的強度ゆえ、種々の分野において用いられるが
、主な用途例としては、薬液、輸液用ファイナルフィル
ターおよび製薬フィルター、人工腎臓、血漿分離等の人
工m器用膜などがある。
つぎに、本発明の親水性多孔質膜の具体的作用を輸液フ
ァイナルフィルターの場合を例にとり説明する。
第2図に示すように輸液バッグ7に連通する輸液チュー
ブ8の途中には、本発明の親水性多孔質膜1を組込んだ
ファイナルフィルター9が滅菌して取付けられている。
輸液は、輸液バッグ7より輸液チューブ8を通りファイ
ナルフィルター9へと滴下される。ここで輸液中に混入
した真菌、細菌、微粒子等は、ファイナルフィルター9
の親水性多孔質膜1に捕捉され、清浄化された輸液のみ
がファイナルフィルター9を通過し輸液チューブ8を通
り注入針11から患者12の静脈中へ送り込まれる。従
って輸液中に混入した真菌、R菌、微粒子等に起因する
合併症は防止される。
(実施例) 以下、本発明を実施例によりざらに具体的に説明する。
実施例1 ポリプロピレンく三井東圧■製)を添加物とともに溶融
し、流動パラフィン溶媒中で冷却固化して膜厚0.15
mm、平均孔径0.45um、空孔率70.3%のポリ
プロピレン製多孔質膜を得た。
この膜を卵黄レシチン(キューピーM>2.0重量%の
メタノール溶液に数秒間浸漬し、その後赤外線ランプを
用いて60’Cの雰囲気中で十分に乾燥させた。
このようにして得られた多孔質膜を水中に浸漬させると
、すぐに孔内部にまで水が侵入し、完全かつ均一に親水
化されていることが明らかとなった。
ざらにこの多孔質膜に対して透水試験を、水温18.7
°Cの蒸溜水を用いて10DSiの圧力下で透過させる
ことにより行なったところ16.0ml/min−cm
の透水量を示した。測定後、多孔質膜を60’Cに保っ
たオーブンにて十分に乾燥し、再度上記と同条件で透水
試験を行なったところ十分な親水性を示し透水量は16
.0mff1/min −=と低下しなかった。またタ
ンパク質透過性を血漿タンパクを用いて調べたところ9
5%以上の優れた1直を示した。
比較例1 実施例1におけると同様にして得られた膜厚O0’15
mm、平均孔径0.45μm、空孔率70.3%のポリ
プロピレン製多孔質膜を、エタノールに渇漬後水で十分
に洗浄して親水化した。この多孔質膜に対して実施例1
におけると同様の条件で透水試験を行なったところ最初
は16.0mi/min・dの透水量を示したが、乾燥
後、再度行なった透水試験においては多孔質膜は水に全
くぬれず透水量はOであった。またエタノール親木処理
後においてタンパク質透過性を調べたところ95%以上
であった。
実施例]および比較例1の結果より、本発明の親水性多
孔質膜は、基材である疎水性多孔質膜の孔径等の形状構
造をほとんど変化させずかつ十分に親水化させているこ
とがわかった。なお上記比較例1では置換したエタノー
ルが乾燥させることにより消失するので、乾燥後は疎水
性にもどってしまい、親水性の維持はできないものであ
る。
実施例2 ポリフッ化ビニデン(ペンワルト社[PenwaltC
O’、]製)をアセトン/ジメチルホルムアミド合溶媒
に溶解してなる溶液を、ガラス平板上にキャストした後
、イソプロピルアルコール凝固浴中で固化させ、膜厚0
.15mm、平均孔径0.65μ凱、空孔率79.6%
のポリフッ化ビ°ニデン製多孔質膜を得た。この膜を卵
黄レシチン(キューピーl製)3.0重量%のエタノー
ル溶液に数秒間浸漬し、その後赤外線ランプを用いて6
0℃の雰囲気中で十分に乾燥させた。
このようにして得られた多孔質膜を水中に浸漬させると
、すぐに孔内部にまで水が侵入し、完全かつ均一に親水
化されていることが明らかとなった。
さらに実施例1におけると同様の条件下で透水試験を行
なったところ28.6d/min−cmの透水」を示し
、また多孔質膜を乾燥後再度透水試験を行なっても28
. 6mfl/min −cMと透水量は変化しなかっ
た。
比較例2 実施例2におけると同様にして得られた膜厚0。
15mm、平均孔径0.65μ空、空孔率79.6%の
ポリフッ化ビニリデン製多孔質膜を、エタノール50重
量%の水溶液に浸漬後、水で十分に洗浄して親水化した
。この多孔質膜に対して実施例2と同様に透水試験を行
なったところ30.1m1/min−(、jの透水量を
示したが、多孔質膜を乾燥後再度行なった透水試験にお
いては水に全くぬれず透水量はOであった。
比較例3 実施例2におけると同様にして得られた膜厚O。
”15mm,平均孔径0.65μm、空孔率79.6%
のポリフッ化ビニリデン製多孔質膜をポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油系界面活性剤(日光ケミカルズ(!1製
)5重量%のエタノール溶液に数秒間浸漬し、赤外線ラ
ンプを用いて60’Cの雰囲気中で乾燥させた。
このようにして得られた多孔質膜を水中に浸漬させると
、孔内部にまで水が侵入し、十分な親水、性を示した。
さらにこの多孔質膜に対して実施例2と同様に透水試験
を行なったところ30. 0m/min −crAの透
水量を示したが、多孔質膜を乾燥後再度行なった透水試
験においては水に全くぬれず透水量はOでおった。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明は、疎水性ポリマーよりなる
多孔質膜の表面および孔内面に両親媒性脂質よりなる被
膜を有することを特徴とする親水性多孔質膜であるから
、疎水性ポリマーよりなる多孔質膜の膜強度をそのまま
享受しかつ長期間安定した透水性を示し、しかもその安
全性も高いものであるゆえ医療、製薬分野を含む広い分
野において限外濾過膜、逆浸透膜等として好適に使用さ
れるものである。さらに本発明の親水性多孔質膜におい
て、両親媒性脂質がホスファチジルコリン、ホスファチ
ジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、リゾホス
ファチジルコリンまたはこれらの混合物、さらに望まし
くは卵黄ホスファチジルコリンまたは水素添加卵黄ホス
ファチジルコリンであると、より優れた親水性を示しか
つ経済的にも安価なものとなり、また両親媒性脂質が生
体由来のものであるとより安全性の高いものとなりざら
に疎水性ポリマーが、ポリオレフィン系ポリマーあるい
はフッ素樹脂系ポリマーである場合には、耐熱性、耐薬
品性等の良好な性能も兼ね備えた高強度の親水性多孔質
膜となるゆえ、より一層高い信頼性をもって各種用途へ
の応用が期待できる。
また本発明は、疎水性ポリマーよりなる多孔質膜を作成
し、該多孔質膜に両親媒性脂質の溶液、コロイドまたは
均一な懸濁液を接触させ、その後屹燥し、該多孔質膜の
表面および孔内面に該両親媒性脂質の被膜を形成するこ
とを特徴とする親水性多孔質膜の製造方法であるから、
上記のごとき優れた性能を有する親水性多孔質膜を、放
射線照射装置、プラズマ照射装置等の特別な装置を必要
とすることもなく、強Mおよび強塩基を使用することも
なく、また復処理工程を必要とすることもなく、容易か
つ迅速)に製造し得るものであり、しかもこの製造ライ
ンも単純であるゆえに経済部から見ても有利である。さ
らに本発明の親水性多孔質膜の製造方法において、両親
媒性脂質がホスファチジルコリン、ホスファチジルエタ
ノールアミン、スフィンゴミエリン、リゾホスファチジ
ルコリンまたはこれらの混合物、さらに望ましくは卵黄
ホスファチジルコリンあるいは水素添加卵黄ホスファチ
ジルコリンを、また溶媒として、アルコール類、クロロ
ホルム、ヘキサンおよびこれらと水との混合物を用い、
両親媒性脂質の溶液の濃度が0゜1〜10.0重量%で
あり、さらに疎水性ポリマーとしてオレフィン系ポリマ
ーあるいはフッ素樹脂系ポリマーを用いるものであると
、より安定して長期間高い透水性を示し、機械的強度等
のその他の諸性能においても優れ、かつ経済的にも安価
な優れた親水性多孔質膜を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の親水性多孔質膜を模示する拡大断面図
であり、また第2図は本発明の親水性多孔質膜の一実施
例を用いた輸液用ファイナルフィルターの使用態様を示
す図である。 1・・・親水性多孔質膜、 2・・・疎水性ポリマー、
3・・・両親媒性脂質。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)疎水性ポリマーよりなる多孔質膜の表面および孔
    内面に両親媒性脂質よりなる被膜を有することを特徴と
    する親水性多孔質膜。
  2. (2)両親媒性脂質が、ホスファチジルコリン、ホスフ
    ァチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、リゾ
    ホスファチジルコリンまたはこれらの混合物である特許
    請求の範囲第1項に記載の親水性多孔質膜。
  3. (3)両親媒性脂質が、卵黄ホスファチジルコリンであ
    る特許請求の範囲第2項に記載の親水性多孔質膜。
  4. (4)両親媒性脂質が、水素添加卵黄ホスファチジルコ
    リンである特許請求の範囲第2項に記載の親水性多孔質
    膜。
  5. (5)両親媒性脂質が生体由来のものである特許請求の
    範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の親水性多孔質膜
  6. (6)疎水性ポリマーが、オレフィン系ポリマーである
    特許請求の範囲第1項に記載の親水性多孔質膜。
  7. (7)疎水性ポリマーが、フッ素樹脂系ポリマーである
    特許請求の範囲第1項に記載の親水性多孔質膜。
  8. (8)疎水性ポリマーよりなる多孔質膜を作成し、該多
    孔質膜に両親媒性脂質の溶液、コロイド、または均一な
    懸濁液を接触させ、その後乾燥し、該多孔質膜の表面お
    よび孔内面に該両親媒性脂質の被膜を形成することを特
    徴とする親水性多孔質膜の製造方法。
  9. (9)両親媒性脂質が、ホスファチジルコリン、ホスフ
    ァチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、リゾ
    ホスファチジルコリンまたはこれらの混合物である特許
    請求の範囲第8項に記載の親水性多孔質膜の製造方法。
  10. (10)両親媒性脂質が、卵黄ホスファチジルコリンで
    ある特許請求の範囲第9項に記載の親水性多孔質膜の製
    造方法。
  11. (11)両親媒性脂質が、水素添加卵黄ホスファチジル
    コリンである特許請求の範囲第9項に記載の親水性多孔
    質膜の製造方法。
  12. (12)両親媒性脂質が生体由来のものである特許請求
    の範囲第8項〜第11項のいずれかに記載の親水性多孔
    質膜の製造方法。
  13. (13)両親媒性脂質の溶液の溶媒として、アルコール
    類、クロロホルム、ヘキサンおよびこれらと水との混合
    物からなる群より選ばれたいずれか一つのものを用いる
    ものである特許請求の範囲第8項に記載の親水性多孔質
    膜の製造方法。
  14. (14)両親媒性脂質の溶液の濃度が0.1〜10.0
    重量%である特許請求の範囲第8項〜第12項のいずれ
    かに記載の親水性多孔質膜の製造方法。
  15. (15)疎水性ポリマーが、オレフィン系ポリマーであ
    る特許請求の範囲第8項に記載の親水性多孔質膜の製造
    方法。
  16. (16)疎水性ポリマーが、フッ素樹脂系ポリマーであ
    る特許請求の範囲第8項に記載の親水性多孔質膜の製造
    方法。
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