JPS6313847Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は堅型圧延機のガイドローラ装置に関す
る。

堅型圧延機に於いて、被圧延材は圧延機前後の
テーブルローラで運搬されながら一対の堅ロール
で両幅端を圧延される。この時例えば上流側のテ
ーブルローラから運搬された被圧延材の先端が支
障なく下流側のテーブルローラに乗移れば問題な
いが、往々にして隣接する水平圧延機で圧延され
た被圧延材の先端は下側に反ることがあり、該下
反り先端が堅型圧延機のハウジングに衝突して進
まなくなることがある。又、被圧延材に反りがな
くとも板厚が薄く剛性が十分でない時は上流側の
テーブルローラから片持梁的に突出した先端が自
重で垂下がり、やはりハウジングに衝突すること
がある。更に、被圧延材の長さが短い場合には被
圧延材が上流側、下流側のテーブルローラ間に落
下してしまうことがある。

この為、従来の堅型圧延機では上流側と下流側
のテーブルローラの中間にガイドローラ装置を設
置し、下反り先端、自重垂下り先端、短小被圧延
材先端を下から支え、被圧延材先端が下流側のテ
ーブルローラ上に円滑に乗移れる様にしている。

然しながらこのガイドローラ装置に於いて、被
圧延材裏面に当接するガイドローラは非駆動式で
あつたため、ガイドローラが接触する圧延材裏面
にスリツプ傷を発生させる欠点があつた。この傾
向はリバース圧延を行う方式の場合に著しい。そ
の理由は、リバース圧延でない場合はガイドロー
ラの周速が０か又は被圧延材搬送速度より遅い状
態から搬送速度まで加速されるだけであるが、リ
バース圧延の場合は前のパスで被圧延材によつて
回転させられたガイドローラが停止しない内に回
転している方向とは逆の方向から次パスの被圧延
材が進入して来るため、ガイドローラが被圧延材
に当接して停止し、引続き圧延材の運搬速度と同
一速度まで加速する間はスリツプすることにな
り、リバース圧延でない場合に比べスリツプする
時間が著しく長くなるからである。

尚上記圧延材裏面のスリツプ傷はガイドローラ
を駆動してその周速を被圧延材搬送速度に一致さ
せれば防止出来るが、従来はガイドローラを挟ん
で対持する一対の堅ロールがあるためガイドロー
ラを駆動する機構を設置する十分な空間がなく、
ガイドローラは非駆動のまま放置されていた。

本考案は上記実情に鑑みなしたものであり、従
来非駆動式であつたガイドローラを摩擦駆動輪を
介して駆動して、被圧延材の搬送速度と同一周速
（堅ロールの周速と同一）となる様加減速及び正
逆回転させようとするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づき説明する。

水平に対峙せしめた上、下ハウジング１，２に
水平方向に摺動自在に２対の上、下軸箱３，４と
５，６を嵌装し、該軸箱３，４と５，６に堅ロー
ル７，８を回転自在に支承せしめる。堅ロール
７，８は図示しない駆動装置によつて回転させる
様にすると共に上、下軸箱３，４と５，６に当接
したスクリユー装置９，１０により被圧延材１１
の幅方向に移動させ得る様にしてあり、後述する
ガイドローラは前記堅ロール７，８の下軸箱４，
６で挟まれた狭隘な空間に設けられ、この空間は
被圧延材の板幅が狭い時は両軸箱がスクリユー装
置９，１０によつて中心方向へ移動され、更に狭
隘となる。

尚、１２は上流側に配したテーブルローラ、１
３は下流側に配したテーブルローラを示す。

下ハウジング２の中央下面側よりビーム１４を
取付け、該ビーム１４に下ハウジング２に嵌合せ
しめた軸受ブロツク１５を取付ける。軸受ブロツ
ク１５の中央はくり抜いてあり、この中空部に軸
１６を介しガイドローラ１７を被圧延材１１の搬
送方向に回転自在なる様収納せしめ、中空部の側
壁下部は後述する摩擦駆動輪１８が出入自在な様
に欠切してある。

前記ビーム１４の両外側面にはブラケツト１９
を突設し、該ブラケツト１９にはピン２０を介し
リテーナ２１を枢支せしめ、リテーナ２１には上
端に摩擦駆動輪１８が固着してある回転軸２２を
回転自在に挿通する。ビーム１４の下方にはベー
スプレート２３が配設されており、ベースプレー
ト２３にリテーナ２１と対峙するギアボツクス２
４を固着し、ギアボツクス２４と回転軸２２とを
自在継手２５により連結し、ギアボツクス２４，
２４間をジヨイント２６で連結する。一方のギア
ボツクス２４には連結ロツド２７を介しモータ２
８を接続してあり、モータ２８を回転することに
より連結ロツド２７、ギアボツクス２４，２４、
回転軸２２，２２を介して摩擦駆動輪１８，１８
を回転させ得る様にしてある。又、モータ２８は
図示しないテーブルロール用駆動モータ、又は堅
ロール用駆動モータと同期させ加減速及び正逆運
転する様にしてある。

前記ピン２０の上方及び下方に位置せしめたシ
リンダ２９，３０をビーム１４に貫通させて設
け、下方のシリンダ３０の伸長動作で摩擦駆動輪
１８，１８をガイドローラ１７の側面に押圧でき
る様にし、上方のシリンダ２９の伸長動作でガイ
ドローラ１７より離反させる様にする。

被圧延材１１を幅方向に圧延する場合は、スク
リユー装置９，１０によつて堅ロール７，８の距
離が所定の値となる様位置決めし、テーブルロー
ラ１２，１３及び堅ロール７，８を所要方向へ回
転させ被圧延材１１の搬送圧延を行う。シリンダ
３０を伸長させ摩擦駆動輪１８をガイドローラ１
７に押圧した状態で、テーブルローラ１２，１３
及び堅ロール７，８の回転と同期して、モータ２
８により摩擦駆動輪１８，１８を回転し、ガイド
ローラ１７がその周速と被圧延材１１の搬送速度
と一致する様回転される。従つて被圧延材１１の
先端がガイドローラ１７に乗移つた際の被圧延材
１１とガイドローラ１７とのスリツプは生じな
い。リバース圧延を行つた場合でも同様であつ
て、モータ２８は前述した様にテーブルローラ用
駆動モータと堅ロール用駆動モータと同期連動し
て加減速及び正逆運転する様にしてあるので、ガ
イドローラ１７と被圧延材１１とはスリツプする
ことはない。

尚、上記ガイドローラ１７の駆動で摩擦駆動輪
１８の押圧面はガイドローラ１７の側面でありガ
イドローラ１７の周面を傷付けることがなく、ガ
イドローラ１７と被圧延材１１との接触で被圧延
材１１が傷付くことはない。又、摩擦駆動輪１８
を介して、ガイドローラ１７を駆動しているの
で、ガイドローラに異常な力が加わつたとしても
駆動系を破損することがない。

ガイドローラ１７の周面が肌荒れしたら、研磨
再生するが、この時はシリンダ２９を伸長させ、
摩擦駆動輪１８をガイドローラ１７より離反さ
せ、ビーム１４、軸受ブロツク１５を下ハウジン
グ２より取出し、更にガイドローラ１７を取外し
て必要な再生研磨をする。

尚、第３図は他の実施例を示すもので、ガイド
ローラ１７の軸１６にベベルギア３１及び回転軸
２２にベベルギア３２をそれぞれ固着して両ベベ
ルギア３１，３２を噛合させ、ガイドローラ１７
を摩擦クラツチ３３を介して回転させる様にした
ものである。

以上述べた如く本考案によれば、堅ロール間と
いう狭隘な場所に設けられるガイドローラを同期
駆動し得る様にしたのでガイドローラと被圧延材
とをスリツプさせないので、被圧延材裏面にスリ
ツプ傷を与えることがなく良質な被圧延材を供給
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のガイドローラ駆動装置を備え
た堅型圧延機の切断正面図、第２図は第１図のＡ
−Ａ矢視図、第３図は他の実施例の部分説明図で
ある。 １，２は上、下ハウジング、１１は被圧延材、
１７はガイドローラ、１８は摩擦駆動輪、２８は
モータ、２９，３０はシリンダを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 堅形圧延機の下ハウジングの中央付近にガイド
   ローラを被圧延材搬送方向と同方向に回転自在に
   設け、該ガイドローラ両側面を電動機により駆動
   される摩擦駆動輪で挟持して前記ガイドローラを
   被圧延材の搬送作動に同期連動して駆動し得る様
   構成したことを特徴とする堅形圧延機のガイドロ
   ーラ装置。