JPS6313740Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、地震時等における振動による家具の
傾倒を防止するための防震用家具固定金具に関す
る。

［考案の技術的背景とその問題点］ 近年、地震に対する関心が高まり災害発生時に
おけるさまざまな事故を未然にまたは最小限に防
止せんとする防災品が他数市場に出回つており、
とりわけ地震時等における家具が傾倒しないよう
にする家具固定金具の開発が強く要望されてい
る。

従来案出されたこの種の家具固定金具として
は、家具面に取付ける家具面固定金具と支持面に
取付ける支持面固定金具とをボルトで連結し、こ
れら両金具を、それぞれタンス等の家具と壁等の
支持面にねじ止めすることにより、その家具の傾
倒を防止するようにしたものがある。

しかしながらこのような構成の固定金具では地
震の最初の大きい振動による衝撃にねじ止め部分
が耐えられず、木ねじが抜け出てしまうという欠
点があつた。

また、ねじ止め部分が初期振動による衝撃に耐
えても大きい振動が長く続く場合には、家具の振
動により固定金具を引き起こす方向に力が作用
し、ボルトや金具に過大な力が加わつて金具が曲
つたり千切れたりしてしまうおそれがあつた。

［考案の目的］ 本考案はかかる従来の点に対処してなされたも
ので、地震時にねじ止め部分が抜け出したり、金
具が曲がつたりあるいは千切れたりするおそれの
ない防震用家具固定金具を提供することを目的と
する。

［考案の概要］ すなわち本考案の防震用家具固定金具は、水平
部に複数個のねじ止め孔を設け垂直部に除振ボル
ト挿通孔を設けたＬ字状の家具面固定金具と、こ
の家具面固定金具の除振ボルト挿通孔に水平部側
から第１のコイルスプリングを介して挿入されか
つ反対側において第２のコイルスプリングを介し
て第１のナツトで締付けられた除振ボルトと、除
振ボルト挿通孔を有する平板状部材の一端縁と複
数個のねじ止め孔を設けたＬ字状部材の一端縁と
をヒンジ連結してなり前記平板状部材の除振ボル
ト挿通孔に前記除振ボルトの先端部を挿入し前記
平板状部材を第２のナツトにより第１のナツト面
へ締付け固定してなる支持面固定金具とからなる
ことを特徴とする防震用家具固定金具である。

［考案の実施例］ 以下、本考案の詳細を図面に示す一実施例につ
いて説明する。

第１図は本考案の防震用家具固定金具の一実施
例を示す側面図、第２図はその平面図である。

これらの図面に示すように、本考案の防震用家
具固定金具は、家具面固定金具１と、支持面固定
金具２と、これらを連結する除振ボルト３とから
その主体部分が構成されている。

家具面固定金具１はＬ字状をしており、その水
平部１ａには複数個のねじ止め孔１ｂが設けら
れ、また垂直部１ｃには除振ボルト挿通孔１ｄが
設けられている。

また支持面固定金具２は、除振ボルト挿通孔２
ａを有する平板状部材２ｄの一端縁と複数個のね
じ止め孔２ｃを有するＬ字状部材２ｄの一端縁と
をピン２ｅによりヒンジ連結して構成されてい
る。

家具面固定金具１の除振ボルト挿通孔１ｂに
は、その水平部１ａ側から第１のコイルスプリン
グ４ａを介して除振ボルト３が挿入され、その出
口側において第２のコイルスプリング４ｂを介し
て先端のねじ部分が露出するようにして第１のナ
ツト５ａに締付けられている。

この除振ボルト３の先端部は支持面固定金具２
の平板状部材２ｂの除振ボルト挿通孔２ａに挿入
され第２のナツト５ｂで支持面固定金具の平板状
部材２ｂに締付け固定されている。符号６はポリ
エチレンのような軟質プラスチツクやゴムからな
る保護カバーであり、防塵、防錆あるいは意匠的
見地から必要に応じて被覆されるものである。

次に本考案の防震用家具固定金具の使用方法に
ついて説明する。

本考案の防震用家具固定金具を使用するにあた
つては、まず固定すべき家具の高さおよび重量に
応じて除振ボルト３の第１のナツト５ａおよび第
２のナツト５ｂを調節してコイルスプリング４
ａ，４ｂのばね特性を調節する。

次に図示するように、家具面固定金具１および
支持面固定金具２のねじ止め孔１ｂ，２ｃから家
具面Ｆおよび支持面Ｓに螺入して両者を固定す
る。

なお、図示の実施例では、家具面固定金具１と
支持面固定金具２のＬ字状部材が同方向を向くよ
うに両者を家具面Ｆと支持面Ｓとに固定した例を
示したが、両者を互いに90゜回転させた状態で固
定するようにしてもよい。また、家具面と平行あ
るいは垂直な適当な取付面を近くにとれない場合
は、除振ボルトの長さを変えて傾斜して取付ける
ようにしてもよい。

しかして本考案の防震用家具固定金具は、この
ように家具面固定金具１と支持面固定金具２と
を、それぞれ家具面Ｆと支持面Ｓとに固定した状
態で地震の振動を受けると、地震の初期の振動時
には家具が慣性により静止状態にあるため、家具
面固定金具１と除振ボルト２間に大きい衝撃が作
用するが、コイルスプリング４ａ，４ｂがこの衝
撃を緩和するので、木ねじが抜け出すようなこと
はない。

また、振動が継続して第１および第２のコイル
スプリング４ａ，４ｂと家具の形状、重量等によ
り決まる固有の振動を家具が行なうようになつた
場合にも、コイルスプリング４ａ，４ｂが振動を
抑制する作用をし、さらに、一般に家具は底面が
角張つた形状とされているため、振動に応じて除
振ボルト３が家具面に対して傾斜するような動き
をするが、支持面固定金具２の平板状部２ｂとＬ
字状部２ｄとがヒンジで連結されているのでねじ
止め部に引き起こし作用がおよぶようなことはな
い。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案の防震用家具固定金
具は、壁面等の支持面に取付ける支持面固定金具
と家具面に取付ける家具面固定金具とをコイルス
プリングを介挿させて除振ボルトにより連結した
から、地震時の衝撃や振動をコイルスプリングに
より有効に緩和することができる。もちろん、平
常時でも家具を確実に保持するから、子供のいた
ずら等による家具の傾倒も確実に制止し、事故発
生を未然に食い止めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の防震用家具固定金具の一実施
例を示す側面図、第２図は本考案の防震用家具固
定金具の一実施例を示す平面図である。 １……家具面固定金具、２……支持面固定金
具、２ｃ……ピン、３……除振ボルト、４ａ，４
ｂ……コイルスプリング、５ａ，５ｂ……ナツ
ト、Ｆ……家具面、Ｓ……支持面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平部に複数個のねじ止め孔を設け垂直部に除
   振ボルト挿通孔を設け家具本体の天板後方に固定
   されるＬ字状の家具面固定金具と、この家具面固
   定金具の除振ボルト挿通孔に水平部側から第１の
   コイルスプリングを介して挿入されかつ反対側に
   おいて第２のコイルスプリングを介して第１のナ
   ツトで締付けられた除振ボルトと、除振ボルト挿
   通孔を有する平板状部材の一端縁と複数個のねじ
   止め孔を設けたＬ字状部材の一端縁とをヒンジ連
   結してなり前記平板状部材の除振ボルト挿通孔に
   前記除振ボルトの先端部を挿入し前記平板状部材
   を第２のナツトにより第１のナツト面へ締付け固
   定してなる支持面固定金具とからなることを特徴
   とする防震用家具固定金具。