JPS6313734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は壁掛け式家具ユニツトの支持機構、更
に具体的には壁面に対して掛吊り可能に設けられ
る家具ユニツトの壁面に対する支持機構に関する
ものである。

従来、壁掛け式家具ユニツトを壁面に取付ける
方法としては第６図に示す様に複数個の係合孔ａ
…を有する支柱ｂをパネルの継ぎ目部分に介在さ
せ、家具ユニツトｃ側に固着する取付け金具ｄを
上記係合孔ａに係合させる事によつて同家具ユニ
ツトｃを壁面に掛吊りさせる方法が提案されてい
るのであるが、この様な従来方法にあつては係合
孔ａに対する取付け金具ｄの係合位置を上下方向
に変える事により、家具ｃの高さを調節する事は
出来るものの、同家具ｃを左右方向へ移動させる
事が不可能である為、その取付け位置が制限され
自由なレイアウトが出来ないという不具合を生じ
ているのが実情である。

本考案は上記の様な従来の実情に鑑みてその改
善を試みたものであつて、本考案の目的は壁面に
対する家具ユニツトの取付けの自由性を高める事
にある。即ち本考案は家具ユニツトのジヨイント
ピンを壁面に沿つて水平方向に移動可能に設ける
事により、壁掛け式家具の取付け位置を自由に変
える事が出来る様にした事をその特徴とするもの
であつて、本考案の要旨は前面に向けて開口する
スリツトを存して断面形状を略Ｃ字型に形成する
ガイドレールを、壁面に沿つて横設するパネル間
に介在させるに同ガイドレールはスリツトがパネ
ルの継ぎ目部分より室内に臨む如く設け、同ガイ
ドレールにはスライダーを摺動自在に嵌挿させる
とともに同スライダーには家具ユニツトのジヨイ
ントピンを着脱自在に螺合させ、その先端部をス
リツトより室内に向けて突出する如く設ける様に
構成した事にある。

以下に本考案の具体的な実施例を例示の図面に
ついて説明する。図面に於いて１は建物を構成す
る壁であつて、同壁１には内壁面に沿つて適数本
の支柱２…が一定間隔毎に立設される。そして同
支柱２…には複数本のレール杆３…とパネル４…
が交互に横設される。更に具体的にはレール杆３
は支柱２に対する取付け部５と同取付け部５より
前方向に向けて突設するガイドレール６より成
り、同ガイドレール６は略Ｃ字型の断面形状を存
して形成される。即ち同ガイドレール６の前壁面
にはスリツト８が開口されるとともに上下両壁面
には同壁面を膨出させて係合凸部が設けられ、且
つ背壁面には同スリツト８と相対応させてＶ字型
に形成する係合溝９が形成される。一方パネル４
の継ぎ目部には継ぎ目部を構成する一対のパネル
４，４の上下両端部に上記ガイドレール６の係合
凸部に相対応させて係合凹所１０，１０が形成さ
れる。しかして上記パネル４，４間にレール杆３
を介在させるに取付け部５を螺子１１を介して支
柱２に固着させるとともに、ガイドレール６の係
合凸部をパネル４，４の係合凹所１０，１０内に
係合させて同パネル４，４の継ぎ目部分よりスリ
ツト８が室内に臨む如く設けられる。そして同ガ
イドレール６にはスライダー１２が長手方向に沿
つてスライド自在に嵌挿され、同スライダー１２
には家具ユニツト１７のジヨイントピン１４が着
脱自在に螺合される。更に詳しくはジヨイントピ
ン１４の基部はガイドレール６の背壁面に形成す
る前記係合溝９に接当する事が可能な如く螺合さ
れ、且つその先端部はスリツト８より室内に向け
て水平方向に突出する如く設けられる。そして同
ジヨイントピン１４の先端部には、同ジヨイント
ピン１４より小径の直径寸法を存して形成する連
結螺子１５が突設され、同螺子１５には適宜の厚
みを存して円盤状に形成する転子１９が着脱自在
に連結される。そして同転子１９の中心部には上
記螺子１５の頭部を収納するための凹所１９ａが
形成され、周壁部にはその周方向に沿つて切欠き
１９ｂが形成される。更に詳しくは同切欠き１９
ｂはその一端において螺子１５の頭部を挿通させ
ることが可能な幅を存して形成される。そして他
端方向に至るに従い螺子１５の軸部を挾着する事
が可能となる如く次第に先狭まりのテーパー状に
形成される。一方、家具ユニツト１７の左右の側
板１６には上記ジヨイントピン１４の通し孔１８
と転子１９の収納孔２０が連設される。そして通
し孔１８にはジヨイントピン１４が挿通され、収
納孔２０には転子１９が回動自在に嵌め込まれ
る。そして又、螺子１５を切欠き１９ｂに挿通さ
せた状態にて転子１９を回動させ、同切欠き１９
ｂによつて螺子１５の軸部を締付ける事によつて
ジヨイントピン１４に対して家具ユニツト１７を
連結する状態が得られる如く設けられる。その他
図面に於いて２２は収納孔２０の蓋体を示す。

次にその作用について説明する。スライダー１
２にジヨイントピン１４を螺合する状態に於い
て、同ジヨイントピン１４の螺合状態を弛める事
により、スライダー１２をガイドレール６に沿つ
て自由にスライドさせる事が可能な状態が得られ
る。そして同スライダー１２が任意の位置へスラ
イド移動した状態において、ジヨイントピン１４
を締付け方向に向けてねじ込む事により、その先
端部が係合溝９に接当する状態が得られる。そし
てこの様に先端部が係合溝９に接当した状態に於
いて更にジヨイントピン１４をねじ込む事によ
り、スライダー１２が前方へ押し出されてガイド
レール６の前壁面に圧接する状態、即ちスライダ
ー１２をガイドレール６に固定する状態が得られ
る。そしてこの様にジヨイントピン１４が固定さ
れた状態に於いて、同ジヨイントピン１４を家具
ユニツト１７の通し孔１８に挿通させ且つその先
端部に突設する螺子１５を収納孔２０に嵌め込ま
れる転子１９に挿通させた状態に於いて同転子１
９を回動させる事により、螺子１５の軸部を切欠
き１９ｂによつて挾みつける状態、即ち同転子１
９をジヨイントピン１４の先端部に固定する状態
が得られる。

本考案は以上の構成より成るものであり、上記
の様に構成した事によつて、壁掛け式家具ユニツ
トの取付け位置を任意に選択する事が可能とな
り、その結果同家具ユニツトを壁面に対して自由
にレイアウトする事が出来るに至つた。

又本考案にあつては上記の様にガイドレールに
対してスライダーを摺動自在に設け、同スライダ
ーの摺動を介してジヨイントピンを移動させる様
に設けたことにより、同ジヨイントピンの取付け
位置を無段階的に設定することが出来るに至つ
た。即ち従来構造と比較して家具ユニツトのその
取付けの自由性をより一そう高めることが出来る
に至つた。

更に本考案にあつては、前面に向けて開口する
スリツトと上下両壁面を膨出させて設ける係合凸
部を存して断面略Ｃ字型のガイドレールを形成す
る一方、パネルの上下継ぎ目部に上記係合凸部に
相対応させて係合凹所を形成し、同パネル間にガ
イドレールを介在させるに同ガイドレールの係合
凸部をパネルの係合凹所内に係合させる様にした
ことにより、各パネルの継ぎ目部分にスリツトを
開口する状態でガイドレールをパネルによつて覆
い隠すことが出来、その外的美観を向上させるこ
とが出来るとともに、パネルの係合凹所とガイド
レールの係合凸部との係合作用を介して同パネル
を保持することが出来、その取付け作業を簡単且
つ迅速に行なうことが出来るに至つた。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の実施例を示す図面
であり、第１図は壁掛け式家具ユニツトの取付け
状態を示す外観斜視図、第２図はパネル及びレー
ル杆の組み立て状態を示す外観斜視図、第３図は
レール杆及びスライダーの拡大斜視図、第４図は
要部の外観斜視図、第５図は同要部の縦断面図、
第６図は従来例を示す外観斜視図である。 １……壁、２……支柱、３……レール杆、４…
…パネル、５……取付け部、６……ガイドレー
ル、８……スリツト、９……係合溝、１０……係
合凹所、１１……螺子、１２……スライダー、１
４……ジヨイントピン、１５……連結螺子、１６
……側板、１７……家具ユニツト、１８……通し
孔、１９……転子、１９ａ……凹所、１９ｂ……
切欠き、２０……収納孔、２２……蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に向けて開口するスリツトと上下両壁面を
   膨出させて設ける係合凸部を存して断面形状が略
   Ｃ字型のガイドレールを形成する一方、壁面に沿
   つて横設するパネルの上下継ぎ目部に上記係合凸
   部に相対応させて係合凹所を形成し、同パネル間
   にガイドレールを介在させるに同ガイドレールは
   その係合凸部をパネルの係合凹所に係合させると
   ともに、スリツトがパネルの継ぎ目部分より室内
   に臨む如く設け、同ガイドレールにはスライダー
   を摺動自在に嵌挿させるとともに同スライダーに
   は家具ユニツトのジヨイントピンを着脱自在に螺
   合させ、その先端部をスリツトより室内に向けて
   突出する如く設けて成る壁掛け式家具ユニツトの
   支持機構。