JPS63129082A - セメント組成物用アルミニウム粉末 - Google Patents

セメント組成物用アルミニウム粉末

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JPS63129082A
JPS63129082A JP27459486A JP27459486A JPS63129082A JP S63129082 A JPS63129082 A JP S63129082A JP 27459486 A JP27459486 A JP 27459486A JP 27459486 A JP27459486 A JP 27459486A JP S63129082 A JPS63129082 A JP S63129082A
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surfactant
acid
salt
carbon atoms
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竹内 恒夫
酒井 公弍
智 田中
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、セメント組成物(モルタル又はコンクリート
)の体積膨張を行わせるためのアルミニウム粉末に関し
、更に詳しくはプレパックド・コンクリートあるいは逆
打ちコンクリートのように体積膨張を必要とし、かつ水
素ガスの発生時間を最低30分以上は遅延する必要があ
るセメント組成物に有用なアルミニウム粉末に関するも
のである。
〈従来の技術〉 −mに、モルタルあるいはコンクリートのようなセメン
ト組成物はブリージングなどにより体積収縮を生ずる。
従来、プレパックド・コンクリートにおいては、沈下収
縮を防ぐとともに旧コンクリートや骨材、鉄筋などとの
付着性を増加させる目的でアルミニウム粉末が用いられ
ている。しかし、この場合、通常のアルミニウム粉末は
セメント水と接触後ただちに発泡を開始し、短時間のう
ちに発泡を終了してしまうことから効果が少なく、発泡
倍率の少ないグラウトが得られるにとどまっていた。
また、上から下へコンクリートを順次打ち継いでゆく逆
打ちコンクリートにおいては、ブリージングによる沈下
から旧コンクリートと新コンクリートの間に空隙が生じ
たり、あるいはブリージングによるレイタンス層が生ず
る。このままでは漏水などの問題を引き起こすため、打
ち継ぎ部にシーリング処理をすることが必要になり、煩
雑かつ経済的にも高価なものとなる。このため、逆打ち
コンクリートにおいてもアルミニウム粉末を添加する膨
張コンクリートの使用により打ち継ぎ部を一体化させる
ことが考えられるものの、通常のアルミニウム粉末とセ
メント水との反応は非常に鋭敏なためコンクリートの運
搬中、あるいは打設中に膨張が生じてしまう難点があっ
た。
しかして、セメント組成物の効果的な体積膨張を得るた
めには、アルミニウム粉末の発泡開始時間を遅延させ、
モルタルまたはコンクリートの打設終了後に発泡を開始
させる必要があり、例えば、下記方法が従来から提案さ
れている。
■ アルミニウム粉末とセメント凝結遅延剤とを併用す
る。
■ アルミニウム粉末を陰イオン界面活性剤(脂肪酸な
ど)や非イオン界面活性剤の水溶液中に懸濁させ、コン
クリートなどに添加する。
■ アルミニウム粉末を電気炉などで焼成し、アルミニ
ウム粉末の表面に酸化皮膜を形成させ、発泡時間を遅延
させる。
〈発明が解決しようとする問題点〉 上記従来技術には下記の問題点がある。
■の場合、発泡開始時間の遅延効果は確かに認められる
。しかし、凝結遅延剤を併用すると、当然セメント組成
物の硬化を遅らせ、その結果、セメント組成物の早期強
度が弱くなる。このため、コンクリートの硬化が遅い時
期(冬期など)には使用しづらい難点がある。
■の場合、アルミニウム粉末の発泡開始時間が、界面活
性剤の種類、使用量にもよるが、せいぜい5〜20分程
度遅れるだけであり、実際の生コンの運搬時間や打設に
要する時間を考えると実使用上の効果は疑問である。
■の場合、酸化皮膜を有するアルミニウム粉末を用いれ
ば確かに遅延効果は認められる。しかし、焼成条件が難
しく、また焼成に長時間(例えば、1日)を要すること
や、高温での焼成が必要であるなどの問題がある。
かかる状況下、本発明者らは、製造容易で、また凝結遅
延剤のようにコンクリートの硬化を遅らせるような混和
剤を使用することなく、かつセメント組成物の体積膨張
開始前に、少なくとも30分以上は水素ガスの発生を遅
延させることができるアルミニウム粉末につき、鋭意検
討した結果、本発明に到達した。
〈問題点を解決するための手段〉 すなわち、本発明は、カルボキシル基または/およびア
ミド基を有する界面活性剤を含有する水中で50〜80
℃、5〜120分間加温処理されて得られたセメント組
成物用アルミニウム粉末である。
本発明で加温処理されるアルミニウム粉末は原則として
うろこ状のものであり、JIS I+ 4191 rア
ルミニウムはく」の規定に適合するアルミニウムはくを
原料とし、酸化防止のための皮膜形成剤としてステアリ
ン酸などを添加し粉砕加工したものが用いられる。この
アルミニウム粉末はセメント水中へ添加されると同時に
水酸化カルシウムなどのアルカリ成分と反応して水素ガ
スを発生し、短時間のうちに発泡を終了してしまうもの
である。
本発明に用いられるカルボキシル基または/およびアミ
ド基を有する界面活性剤としては、下記+11〜(6)
のものが挙げられる。
(1)  炭素数8〜25の飽和または不飽和アルキル
基を有する脂肪酸(塩)。ここに、脂肪酸(塩)とは脂
肪酸若しくはその塩を怠味する。以下、同様の記載を用
いる。
(2)分子内にカルボキシル基を有する単量体の1種以
上を重合して得られる分子il 1.000〜300゜
000の高分子化合物(塩)。
(3)分子内にカルボキシル基を有する単量体の1種以
上を10〜90モル部と、分子内にカルボキシル基を有
する単量体または/および分子内にアミド基を有する単
量体の1モル当たり、炭素数2〜4のアルキレンオキシ
ドを1〜20モル付加させて得られる!!量体、または
/および分子内に水酸基を有する単量体1モル当たり、
炭素数2〜4のアルキレンオキシドを0〜20モル付加
させて得られる単量体90〜10モル部とを共重合して
得られる分子量1 、000〜300.000の高分子
化合物(塩)。
(4)全炭素数が15〜45の範囲内にあるダイマー酸
(塩)。
(5)  全炭素数が7〜30の範囲内にあるアルケニ
ルコハク酸く塩)。
(6)全炭素数が7〜60の範囲内にあるアルケニルコ
ハク酸のモノまたはジアミド化物(塩)。
上記(1)に記載の界面活性剤〔以下、界面活性剤(1
1と略称する。(2)〜(6)の界面活性剤も同様の記
載を用いる。〕の例としては、ペラルゴン酸、カプリン
酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリス
チン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル
酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン
酸、リグノセリン酸、セロチン酸のような飽和脂肪酸(
塩)や、ウンデシル酸、オレイン酸、エライジン酸、セ
トレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リノール酸、リ
ルン酸、アラキドン酸、ステアロール酸、トール油脂肪
酸のような不飽和脂肪酸(塩)などが挙げられる。これ
らのうち、好ましいものは炭素数12〜20の飽和また
は不飽和アルキル基を有する脂肪酸(塩)である。
界面活性剤(2)の例としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸のようなモノ・カルボン酸単量体や、
マレイン酸(無水物も本発明に含まれる。)、フマル酸
、シトラコン酸、イタコン酸などのジ・カルボン酸単量
体のうちから選ばれる1種以上の単量体を重合して得ら
れる分子ffi 1,000〜300.000の高分子
化合物(塩)が挙げられる。
このような高分子化合物は工業的に一般に用いられてい
る方法に準じて得られる。例えば、反応の形態としては
ラジカル重合が一般的であり、このとき溶液重合が好ま
しく、水や、メチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコールなどの低級アルコール類、ベンゼ
ンなどの炭化水素類、アセトンなどのケトン類などが溶
媒として使用される。重合開始剤としては、過酸化ベン
ゾイル、過硫酸塩で代表される過酸化物、あるいはアゾ
ビスイソブチロニトリルで代表されるアゾ化合物などが
適宜使用される。高分子化合物の分子量は、溶媒中の単
量体濃度、反応温度、反応時間などを変えることにより
調整できる。しかし、良好な水溶解性と発泡開始時間の
著しい遅延性を示す高分子化合物は、分子量が1 、0
00〜300 、000の範囲内にあるものである。分
子量が1 、000未満では発泡開始の遅延効果が少な
く、300 、000を超えると、発泡量が低下する。
より好ましいものは、分子量が3,000〜30,00
0の範囲内にあるものである。これら(2)の各種界面
活性剤は、アルミニウム粉末の発泡開始を遅延させる効
果にほとんど差がなく、すべて有用であるが、経済的な
面からはアクリル酸、メタクリル酸による重合物(塩)
が好ましい。
界面活性剤(3)の例としては、界面活性剤(2)の項
目で記載したようなカルボキシル基を有するa9体10
〜90モル部と、これらカルボキシル基を有する重量体
や、アクリルアミド、メタクリルミドなどのアミド基を
有する単量体、さらにはアリルアルニ1−ル、クロチル
アルコール ール たり、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレ
ンオキシドのような炭素数2〜4のアルキレンオキシド
を1〜20モル(水酸基を有する単量体の場合には0〜
20モル)付加させて得られるf119体90〜10モ
ル部とを共重合させて得られる分子量1,000〜30
0,000の高分子化合物(塩)が挙げられる。この高
分子化合物の製造方法は、界面活性剤(2)と同様であ
る。これら界面活性剤(3)のうらで、好ましいものは
、発泡開始遅延効果の点よりカルボキシル基を有する単
口体1モル当たり、アルキレンオキシド1〜5モル付加
させた単量体から得られるものである。また、分子量的
には発泡開始の遅延効果、発泡倍率の点より分子量3,
 000〜30,000のものが特に好ましい。
また、界面活性剤(3)には、前記のカルボキシル基を
有する単量体と水酸基を有する単量体とを共重合して得
る方法以外にも、結果として類似の構造になるものであ
れば、他の方法により得られたものも含まれる。例えば
、カルボキシル基を有する単量体にアルキレンオキシド
を付加させた単量体を共重合して得る方法以外にも、カ
ルボキシル基を有する単量体とアルキレンオキシドを重
合して得られるグリコール類とをエステル化して得たも
のを共重合する方法、さらには、カルボキシル基を有す
る単量体を重合させたのち、所定量のフルキレンオキシ
ドを付加させる方法などにより得られたものも含まれる
上記界面活性剤(2)、(3)には、性能を阻害しない
程度であれば、他の不飽和単量体を共重合して得られた
ものも併用できる。これら他の不飽和単量体の例として
は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの
(メタ)アクリレート類(エステル部分の炭素数は20
以下)、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニル
エステル類、スチレンなどのビニル芳香族炭化水素類、
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン
MIJI、ブテン、イソブチン、オクテンなどのオレフ
ィン類など種々のものを挙げることができる。これら他
の不飽和単量体の添加量は、本発明の界面活性剤中のカ
ルボキシル基の種類や、水酸基の種類などにより変化す
るが、通常70重量%以下である。
界面活性剤(4)のダイマー酸は、上記界面活性剤(1
)の項目で説明した不飽和脂肪酸を230〜270℃程
度の高温下に2量化させたものである。このダイマー酸
は通常、アクリリック・タイプ、モノ・サイクリック・
タイプ、ジ・サイクリック・タイプなど種々の化合物の
混合物である。これらの界面活性剤(4)のうち、発泡
開始遅延効果の点より、オレイン酸、エライジン酸、リ
ノール酸、トール油脂肪酸などにより得られた全炭素数
30〜40のダイマー酸が好ましい。
界面活性剤(5)としては、炭素数3〜26の不飽和炭
化水素を高温下(たとえば150〜250℃)で無水マ
レイン酸に付加させて得られる一般的にアルケニルコハ
ク酸と総称されるものが挙げられる。
この不飽和炭化水素の例としては、プロピレン、ヘキセ
ン、ノネン、ドデセン、ペンタデセン、オクタデセン、
ヘネイコセン、テトラコセン(炭素数3の倍数のものを
具体例として挙げたが、これに限定されるわけではない
)などのα−オレフィン類や内部オレフィン類(不飽和
結合がα位以外にあるもの)が挙げられ、また不飽和炭
化水素は直鎖のものだけでなく、分枝不飽和炭化水素(
アルキル基が側鎖として存在するもの)であってもよい
(たとえば、プロピレンの2〜8量体など)。
これら種々のアルケニルコハク酸のうち発泡開始の遅延
効果の点より炭素数7〜21の不飽和炭化水素により得
られた全炭素数11〜25のアルケニルコハク酸が好ま
しい。
界面活性剤(6)としては、前記(5)のアルケニルコ
ハク酸をアンモニア、アミン類によりモノまたはジ・ア
ミド化したものが挙げられる。これに用いられるアミン
類の例としては、全炭素数1〜30の飽和または不飽和
の脂肪族の1.2級モノアミン類(メチルアミン、プロ
ピルアミン、ヘキシルアミン、ノニルアミン、ドデシル
アミン、ペンチルアミン、ステ7リルアミン、ジメチル
アミン、ジエチルアミン、メチル・エチルアミン、メチ
ル・ペンチルアミン、メチル・ステアリルアミン、オレ
イルアミン、牛脂アミンなど);脂肪族ポリアミン類(
エチレン・ジアミン、トリエチレン・テ1−ラミン、ペ
ンタエチレン・ヘキサミン、ステアリル・プロピレン・
ジアミン、牛脂プロピレン・ジアミンなど);脂環式ア
ミン類(シクロヘキシルアミン、イソホロン・ジアミン
など);芳香族アミン類(ベンジル・アミン、キシレン
・アミンなど)の各種アミン類が挙げられる。これら各
種のアルケニルコハク酸アミド類のうち、ジアミド化物
よりモノ・アミド化物が好ましく、特に炭素数1〜8の
1.2級脂肪族アミンのアミド化物が好ましい。
上記、界面活性剤(1)〜(6)のうち、発泡の遅延効
果、発泡量の点より(3)〜(6)のものが好ましく、
特に好ましいのは(5)のものである。
本発明に用いられる界面活性剤を塩として使用する場合
には、カルボキシル基の一部または全部をアルカリ全屈
、アルカリ土類金属、あるいはアンモニア、有機アミン
類、アルカノールアミン類により塩にする。これらのう
ち、好ましいのは発泡開始時間の遅延効果の点よりモノ
、ジまたはトリエタノールアミンや、シクロヘキシル・
モノまたはジェタノールアミンのようなアルカノール・
アミンの塩であり、特に好ましいのはシクロヘキシル・
モノまたはジェタノールアミンのような脂環式アルカノ
ール・アミン類の塩である。
本発明のアルミニウム粉末を製造するには、カルボキシ
ル基または/およびアミド基を有する界面活性剤を含有
する水中で50〜80℃の温度条件下に加温処理するこ
とが必須である。50℃未満の加温処理で得られたアル
ミニウム粉末の場合、発泡開始の遅延効果が少なく、実
際上、使用に耐えないものとなる。また、80°Cを超
える温度条件下では、加温処理中に水素ガスの発生が著
しく、製造上の危険があるばかりでなく、得られたアル
ミニウム粉末をセメント組成物に添加した場合、発泡量
が少なくなり、所定の発泡量を得るために多量のアルミ
ニウム粉末を使用しなければならない難点を生ずる。好
ましくは、60〜75℃の温度条件下に加温処理したア
ルミニウム粉末である。本発明における加温処理時間は
、使用する界面活性剤の1(類、倍、加温温度条件によ
って異なるが、一般的には5〜120分間である。5分
未満では加温温度を75〜80℃というように比較的高
くしても、得られたアルミニウム粉末の発泡開始時間の
遅延効果が少なくなり、また120分を超えると遅延効
果は増してゆくもののセメン1−組成物に添加した場合
の発泡量が少なくなる傾・向にある。
アルミニウム粉末を加温処理する際の、水溶液中の界面
活性剤濃度については、特に限定されないが、通常0.
3〜20%程度が好ましい。製造上、効率的に本発明の
アルミニウム粉末を得ることができるからである。また
、加温処理時における界面活性剤水溶液に対するアルミ
ニウム粉末の濃度についても、特に限定されないが、す
J率的に本発明のアルミニウム粉末が製造できる点で1
〜40%程度が好ましい。また、界面活性剤とアルミニ
ウム粉末との比率については、界面活性剤の種類、濃度
、加温温度条件、加温時間などにより異なり限定困難で
あるが、通常、アルミニウム粉末100重量部に対して
界面活性剤5〜200重9部の範囲にあることが好まし
い。
本発明のアルミニウム粉末が発泡開始時間を遅延させる
理由については不明であるが、界面活性剤のアルミニウ
ム粉末への吸着と加温処理との相乗効果により薄い均一
なベーマイト層がアルミニウム粉末の表面に形成され、
このベーマイ)75と界面活性剤層とが、セメント水と
いう強アルカリ水に対して保護皮膜の役割をするからで
あると推定される。界面活性剤を使用せず、単に水中で
加温処理すると、加温処理中に多量の水素ガスを発生し
、その結果得られたアルミニウム粉末をセメント組成物
に添加すると、発泡量が非常に少なく、また、発泡遅延
効果もほとんど無く使用に耐えないものとなる。また、
界面活性剤を含有する水中にアルミニウム粉末を浸漬し
加温処理を施さない場合には、発泡開始の遅延効果がほ
とんど認められない。このようなことから、本発明のア
ルミニウム粉末を得るには、特定の界面活性剤と特定の
温度での加温処理が必須であり、その両者の相乗効果に
より性能を発揮しており、この点が従来公知のアルミニ
ウム粉末とは全く異なる。
なお、本発明のアルミニウム粉末をセメント組成物に添
加する場合には、加温処理後、水懸濁液の状態で添加し
てもよく、また加温処理後、吸引脱水などにより脱水し
た状態で添加してもよく、さらには脱水後、乾燥させて
得たアルミニウム粉末の形態で添加してもよい。しかし
、セメント組成物の用途によっては、本発明に用いられ
る界面活性剤の悪影響(たとえば、空気連行性を大きく
したり、セメントの凝結速度を遅延させるなどの悪影響
)が出る場合もあるため、脱水又は脱水・乾燥させたア
ルミニウム粉末にしておくことが好ましい。
本発明のアルミニウム粉末を使用するに際し、必要に応
じて他の任意成分を併用することができる。このような
任意成分としては、公知の空気連行剤〔ヴインゾール(
商品名、山宗化学■製)、高級脂肪酸アルキレンオキシ
ド付加物の硫酸エステル塩、アルキル・ベンゼンスルホ
ン酸塩等〕 ;公知の減水剤(リグニンスルホン酸塩、
オキシカルボン酸塩、ポリアルキレングリコール類等)
;公知の高性能減水剤や流動化剤(ナフタリン・スルホ
ン酸ホルマリン縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物塩、鎖状オレフィンとα、β−不飽和ジカルボ
ン酸との共重合体、スチレンスルホン酸重合体、ポリエ
チレンスルホン酸塩、重質芳香族炭化水素又はこれのホ
ルマリン縮合物等);公知のセメント硬化促進剤(塩化
カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、チオ硫
酸ナトリウム、炭酸塩、アルカノール・アミン類、アル
ミン酸塩等);公知のセメント凝結遅延剤(リグニンス
ルホン酸塩、グルコン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、ポ
リリン酸塩等);公知の防錆剤(亜硝酸塩等);公知の
糊剤又は増粘剤(ポリビニルアルコール、澱粉、メチル
セルロース、ヒドロシキエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース等)や公知の膨張材(カルシウム・ス
ルホアルミネート、鉄粉等)など種々のものを挙げるこ
とができる。
本発明のアルミニウム粉末が使用できるセメントとして
は、普通、早強、超早強、中庸熱などの各種ポルトラン
ド・セメント、アルミナ・セメントや高炉セメントのよ
うな混合セメント、ケイ酸・カルシウム系のセメントな
どが挙げられる。
また、本発明のアルミニウム粉末の使用量は、セメント
組成物の用途、要求される状態などに応じて種々変える
ことができるが、セメントに対して通常0.001〜3
重量%である。本発明のアルミニウム粉末をセメント組
成物に添加する時期は、セメントと水、骨材等との混練
後でも、混練水と同時でもよく、また、水や骨材を加え
る前に予めセメントに添加しておいてもよい。
本発明のアルミニウム粉末を含むセメント組成物の施工
方法は、従来と同様、コテ塗り、吹き付は塗り、型枠へ
の充填、コーキング・ガンによる注入など種々の方法を
取り得る。また、養生法としては、気乾養生、湿空養生
、水中養生、加熱促進養生(蒸気養生、オートクレーブ
養生)のいずれでもよく、これら各方法を併用してもよ
い。
〈発明の効果〉 本発明のアルミニウム粉末は、セメントの凝結遅延剤を
用いることなく発泡開始時間を遅延させることができる
特徴を有する。すなわち、本発明のアルミニウム粉末を
体積膨張を必要とするコンクリートやモルタルなどのセ
メント組成物に用いることにより、セメントの硬化を遅
らせることなく膨張開始時間を遅延させることが可能で
あり、生コンクリートの運搬時間や打設時間が長い場合
にもアルミニウム粉末が有効に働く特徴を有する。
したがって、本発明のアルミニウム粉末は、特に逆打ち
工法でコンクリート構造物を施工する場合や、プレパッ
クド・コンクリート、裏込めモルタル等を施工する際に
有用である。
く実 施 例〉 以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
実施例1 表−1に示す各種化合物のジェタノール・アミン塩より
なる界面活性剤5重量%、通常のアルミニウム粉末(東
洋アルミ@製)10重量%を含有する水分散液を70“
Cで30分間加温処理し吸引脱水後、乾燥させ本発明の
アルミニウム粉末を得た。これらを用いて下記セメント
組成物を作り、セメント・スラリーの膨張開始時間およ
び膨張率を測定して表−1の結果を得た。なお、セメン
ト組成物は水/セメント比50%のセメント・スラリー
で評価を行い、アルミニウム粉末は0.02重量%/セ
メントを使用した。また、評価方法は、PCグラウトの
膨張率試験方法(土木学会規準)に準じて行い、膨張開
始時間、膨張率を測定した。表−1中には、本発明のア
ルミニウム粉末と比較するため、処理を施さない通常の
アルミニウム粉末、界面活性剤を用いず70℃の温水で
30分間処理したアルミニウム粉末、ならびに界面活性
剤を用いたが加温処理しなかったアルミニウム粉末の場
合の結果も併せて示した。
本頁以下余白 表−】 (表−1中の比率はモル比を示す) 表−1より明らかなように、本発明のアルミニウム粉末
は、処理を行わない通常のアルミニウム粉末と比較して
、通常のアルミニウム粉末が添加直後より膨張を開始す
るのに対し30分以上の膨張開始の遅延効果を有してい
ることが判る。
実、絶倒2 ペンタデセニルコハク酸(PDSAと略す)のカルボキ
シル基を表−2に示す各種塩とした界面活性剤を用い、
実施例1と同様な方法で加温処理等を行い本発明のアル
ミニウム粉末を得た。本アルミニウム粉末を用いて実施
例1と同様な方法にて膨張開始時間、膨張率の測定を行
い表−2の結果を得た。
! 実施例3 PDSへのシクロヘキシル・ジェタノールアミン塩より
なる界面活性剤5重量%、通常のアルミニウム粉末10
重9%を含有する水分散液を、表−3に記載した処理温
度で30分間、加温処理し、脱水・乾燥したアルミニウ
ム粉末を用い実施例1と同様な方法で膨張開始時間、膨
張率の測定を行い表−3の結果を得た。
表−3 実施例4 PDSAのシクロヘキシル・ジェタノールアミン塩より
なる界面活性剤を用い、その濃度、ilr!當のアルミ
ニウム粉末濃度を実施例3と同条件とし、70℃温度条
件下に、表−4に示す加温時間を変えて処理したアルミ
ニウム粉末を用い膨張開始時間、膨張率を測定して表−
4の結果を得た。
表−4 特許出願人  株式会社 間   組 三洋化成工業株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、カルボキシル基または/およびアミド基を有する界
    面活性剤を含有する水中で50〜80℃、5〜120分
    間加温処理されて得られたセメント組成物用アルミニウ
    ム粉末。 2、カルボキシル基または/およびアミド基を有する界
    面活性剤が下記(1)〜(6)より選ばれるものである
    特許請求の範囲第1項記載のアルミニウム粉末。 (1)炭素数8〜25の飽和または不飽和アルキル基を
    有する脂肪酸(塩)。 (2)分子内にカルボキシル基を有する単量体の1種以
    上を重合して得られる分子量1,000〜300,00
    0の高分子化合物(塩)。 (3)分子内にカルボキシル基を有する単量体の1種以
    上を10〜90モル部と、分子内にカルボキシル基を有
    する単量体または/および分子内にアミド基を有する単
    量体の1モル当たり、炭素数2〜4のアルキレンオキシ
    ドを1〜20モル付加させて得られる単量体、または/
    および分子内に水酸基を有する単量体1モル当たり、炭
    素数2〜4のアルキレンオキシドを0〜20モル付加さ
    せて得られる単量体90〜10モル部とを共重合して得
    られる分子量1,000〜300,000の高分子化合
    物(塩)。 (4)全炭素数が15〜45の範囲内にあるダイマー酸
    (塩)。 (5)全炭素数が7〜30の範囲内にあるアルケニルコ
    ハク酸(塩)。 (6)全炭素数が7〜60の範囲内にあるアルケニルコ
    ハク酸のモノまたはジアミド化物(塩)。 3、界面活性剤が(3)、(4)、(5)、(6)の1
    種以上である特許請求の範囲第2項記載のアルミニウム
    粉末。 4、界面活性剤が(5)、(6)の1種以上である特許
    請求の範囲第2項記載のアルミニウム粉末。 5、界面活性剤が(5)である特許請求の範囲第2項記
    載のアルミニウム粉末。 6、界面活性剤がアルカノールアミン塩である特許請求
    の範囲第1〜5項のいずれかに記載のアルミニウム粉末
    。 7、アルカノールアミン塩が炭素数4〜8の脂環式アル
    カノールアミン塩である特許請求の範囲第6項記載のア
    ルミニウム粉末。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0710652A (ja) * 1993-06-21 1995-01-13 Asahi Chem Ind Co Ltd 軽量気泡コンクリートの製造方法
EP0690034A1 (de) * 1994-06-30 1996-01-03 Wagina, Ludmila Philippovna Gasporenbildner für die Porenbildung von Frischbeton sowie Verfahren zu seiner Anwendung für die Herstellung einer Zellenbetonmischung

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EP0690034A1 (de) * 1994-06-30 1996-01-03 Wagina, Ludmila Philippovna Gasporenbildner für die Porenbildung von Frischbeton sowie Verfahren zu seiner Anwendung für die Herstellung einer Zellenbetonmischung

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