JPS6312820Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はステンレス又はガラス製の両口真空二
重瓶の内容器を用い、湯沸し，保温を行う電気ポ
ツトに関するものである。

［従来の技術］ 従来、電気ポツトは外装ケースに囲まれたアル
ミニウム、又はステンレス製の一重瓶の内容器を
設け、この内容器の下部外周に湯沸し，保温兼用
のヒーターを固定し、ヒーターに近接して底部外
面にサーモスタツト等の温度調節装置を固定し、
この温度調節装置にて内容器内の液体温度を間接
的に感知してヒーターをON，OFFしていたが、
この種の電気ポツトは一重瓶の内容器のために保
温効力悪く、ヒーターのON，OFF切り換えが速
くなり、電力消費量増大し不経済でヒーター寿命
も短く又温度調節装置の温度感知が間接的なため
内容器内の液体温度範囲の巾も広く、常に高温度
を保つことができないという欠点があつた。

この保温効力の増大をはかり、液体温度範囲の
巾を狭くするために内容器をステンレス又はガラ
ス製の真空二重瓶としてヒーター並びにヒーター
に近接した温度調節装置を内容器の上部開口より
垂設するものも考えられたが液体注入時不便であ
ると共に、電気配線部分が非常に液体と接触し易
く感電等の危険性を伴うという欠点があつた。更
に、内容器を上，下端開口のステンレス又はガラ
ス製の真空二重瓶としてヒーター並びにヒーター
に近接した温度調節装置を下端開口より内容器内
底部に固定するものも考えられたが、下端開口を
広くすると保温効力に乏しく、この下端開口をで
きるだけ細くしているためにヒーター並びにヒー
ターに近接した温度調節装置の両方を内容器内底
部に固定し、内容器外側に電気配線をほどこすこ
とができず実用化できなかつた。

［考案の目的］ 本考案は上記の欠点に鑑みてなされたものであ
つて、保温効力に優れ経済的でしかも上，下端開
口の真空二重瓶からなる内容器にヒーター及び温
度調節装置を極めて容易に取付け、組立できる電
気ポツトを提供するにある。

［考案の構成］ 本考案によれば、上，下端開口のステンレス又
はガラス製真空二重瓶の内容器を設け、内容器を
囲む外装ケースの上端に水切部材を設け、水切部
材の後部内壁に横孔を穿設すると共に、外装ケー
スの下端に底部材を設け、底部材の後部下端にプ
ラグ受けを設け、内容器の下端開口より内容器内
底部にヒーターを固定し、ヒーターのリード線を
プラグ受けに接続する一方、内容器内の液体又は
雰囲気空気の温度を感知してヒーターをON，
OFFする温度調節装置を設け、温度調節装置の
温度調節用リード線を水切部材の横孔に貫通して
プラグ受けに接続し、温度調節装置を内容器内上
部に固定する構成だけで目的を達成しようとする
ものである。

［考案の実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

電気ポツト１は外装ケース２に囲まれる内容器
３と、外装ケースの上端に結合する水切部材４
と、水切部材の中央に着脱自在に装着する中栓５
と、ベローズポンプ６を内蔵する上蓋ケース７
と、内容器内の液体を沸し、加温する発熱体８
と、内容器内の液体又は雰囲気空気の温度を感知
して発熱体をON，OFFする温度調節装置９と、
内容器の底部を覆う底部材１０と、外部電源を受
けるプラグ受け１１とから構成されている。

外装ケース２は薄い鉄板を円筒状に形成し、
上，下端を内側へ折り曲げており、内容器３との
間に隙間を設けている。

内容器３は上端中央を広口とし下端中央を細口
としたステンレス又はガラス製の真空二重瓶であ
る。

水切部材４は中央に内容器上端の口元と連通す
る開口を設け、この開口を形成する内周壁１２よ
り斜上方に向けてすりばち状の受部１３を設け、
この受部先端より下方に垂下し、外装ケース２の
上端に無理嵌めする外周壁１４を設けている。水
切部材の開口を形成する内周壁１２後端には後述
の温度調節装置９の温度調節器用リード線５６を
外装ケース２と水切部材４の内周壁１２との間の
隙間７１に導く横孔７２を穿設している。

中栓５は後述のベローズポンプ６内の空気を内
容器３内に導く空気流通部及び内容器内の液体を
導く液体流通部を備えた中栓本体１６と上端を中
栓本体の液体流通部に連通し、下端を内容器内に
垂下した揚水パイプ１７と後端を中栓本体の液体
流通部に連通し、他端をポツト外部へ導いた吐出
パイプ１８と水切部材中央の開口を閉鎖するステ
ンレス製の覆板１９とからなつている。この覆板
１９は中栓本体下面に装着し、中栓本体の空気流
通部に連通する透孔を穿設しており、外周端に水
切部材の受部１３下端に当接するパツキンを張設
している。

上蓋ケース７は上蓋２０と下蓋２１とベローズ
ポンプ６とベローズポンプを押上げる第１スプリ
ング２２とベローズポンプの上面に螺着する上板
２３と接当部２４を固定した押体２５と押体を押
上げる第２スプリング２６と押体の上下動を規制
する操作つまみ２７と上蓋ケースを水切部材４に
ヒンジするヒンジ装置２８と上蓋ケースを水切部
材上面にロツクするロツク装置２９とからなつて
いる。上蓋２０は水切部材の後端にヒンジ装置２
８を介して揺動自在に装着されており、内周面に
は後述の操作つまみ２７の閉の状態でのみ後述の
押体２５の傘部下端を当接しうる複数の横リブを
設け、後部上端に操作つまみ２７を摺動しうる長
孔を穿設し、上面中央部に下方に向けてガイド筒
３２を垂設している。ガイド筒３２の下端外周に
は所定の間隔を隔てて後述の上板２３の覆部上面
に当接する複数の垂下リブを設けている。下蓋２
１は上蓋の下端内周に嵌合しており、かつ下端中
央にはゴム弁を介して空気排出用孔が穿設されて
いる。ベローズポンプ６は上，下端中央を開口
し、下端開口を形成する周壁の外周面に上板用ネ
ジを刻設している。上板２３はベローズポンプ６
の上面を覆う覆部と覆部中央より上方に垂設した
筒状部と、筒状部上部より中央へ延びた環状のフ
ランジ部とを一体成形している。この筒状部下部
内周壁にはベローズポンプ６の上板用ネジに螺着
するネジを刻設している。

第１スプリング２２は下端をベローズポンプ６
内の下部内面に当接し、上端を上板２３のフラン
ジ部下面に当接して常時ベローズポンプを押し拡
げている。押体２５は天面の押圧部と押圧部の先
端より下方に垂下し、上蓋２０のガイド筒３２内
を上下動する円筒体部と円筒体部下端よりガイド
筒下方でガイド筒よりも拡がつた傘部とを一体成
形している。押圧部の中央下面には上板２３のフ
ランジ部上端と当接する接当部をビスにて固定し
ており、前部に蒸気抜孔を穿設している。この接
当部はシール部材を介して押体２５の押圧時のみ
上板のフランジ部上端と密に当接しており、常時
はフランジ部上端との間に空気流通用の隙間を設
けている。押体の傘部には周面にガイド筒３２の
垂下リブが貫通する複数の縦孔を穿設しており、
後部に後述の操作つまみ２７のレバー４６が貫通
するレバー用孔を穿設している。第２スプリング
２６は下端を上板２３のフランジ部上面に当接
し、上端を接当部の下面に当接し常時押体を上方
に押上げている。

操作つまみ２７は上蓋２０の後部上面に突出し
たつまみ４８と上蓋２０内で押体２５のレバー用
孔を貫通し、上蓋内よりつまみ４８にビス止めさ
れたレバー４６とからなつている。この操作つま
み２７の開の位置にするとレバー４６が押体２５
を回動させ、押体の傘部下端を上蓋２０の複数の
横リブ上面より離脱することとなり、押体の押圧
部を指で押し降下させることができる。

又、操作つまみ２７を閉の位置にするとレバー
４６が押体２５を回動させ、押体傘部下端を上蓋
２０の複数の横リブ上面に当接させて押体の押圧
部を指で押しても降下することができない。４９
は吐出パイプ先端からの液体を下方へ導く補助パ
イプで、５０は補助パイプを覆うカバーである。

発熱体８はニクロム線等のヒーター５１とヒー
ターを囲んだ覆部材５２とからなつており、この
ヒーター５１は湯沸し時約450W，保温時約10W
の二つを備えている。覆部材５２は碍子等の絶縁
材料にて上面視円形で縦断面略Ｔ字状に形成され
ており、ヒーターを囲んだ円板部とこの円板部下
端中央より内容器下部の細口を貫通した内部中央
のパイプ部とを備えている。ヒーター５１のリー
ド線は覆部材のパイプ部を碍子に囲まれながら通
り後述のプラグ受け１１後部に接続している。５
３は覆部材５２の円板部下面と内容器下部の細口
間に圧着した防水断熱パツキンで、５４はナツト
である。

温度調節装置９は内容器３内上部に位置してお
り、温度調節器５５と温度調節器用リード線５６
と温度調節器用覆部材５７とからなつている。

温度調節器５５は底面を内容器内の液体又は雰
囲気空気と直接接触しており、内容器内の液体又
は雰囲気空気の温度を感知して例えば、上記温度
が80℃になると発熱体８のヒーターをONし、
100℃に達するとヒーターをOFFするといつたよ
うにON，OFF動作の温度範囲が適当なサーマル
リードスイツチ等からなつている。

温度調節器用覆部材５７は防水断熱材料にて形
成されており、温度調節器５５の底面を除く外周
を覆つた温度調節器用被覆部７３と温度調節器用
リード線５６を囲んだリード線用パイプ部７４と
からなつている。

このリード線用パイプ部７４の後端は、水切部
材４の横孔７２を密に貫通している。５８はリー
ド線用パイプ部を温度調節器５５と共に、水切部
材４に固定する固定用ナツトである。

温度調節器用リード線５６はリード線用パイプ
部７４内を通り内容器３と外装ケースとの間を通
過して一方を湯沸し、保温用ランプ５９に接続
し、他方をプラグ受け１１に接続している。

底部材１０は外装ケースの周下端に結合するネ
ジ輪６０と内容器の底部を常時押上げる締上げ部
材６１と底板６２とからなつている。ネジ輪６０
は内周に締上げ部材６１を螺着する雌ネジを刻設
している。締上げ部材６１は中央に発熱体８のリ
ード線を通す透孔を穿設し、その外方に内容器の
底部と接触する筒状当接部を設け、最外方にネジ
輪６０と螺着する雄ネジを設けている。底板６２
は締上げ部材６１と所定の空間を設けて複数のビ
ス６６，６６にて締上げ部材に固定され、前部に
湯沸し、保温用ランプ５９を設け、後部にプラグ
受け１１を固定し、底部に複数の透孔を穿設して
いる。底板６２の後部は外装ケース２の下部との
間に隙間を設けて外装ケース後下端を覆つてい
る。締上げ部材の下面で底板との空間内には発熱
体８用の温度ヒユーズ６９を固定する基板７０を
ビス止めしている。発熱体８のリード線は内容器
と締上げ部材との間を通りプラグ受けに接続する
のではなく、締上げ部材下面より底板との空間内
を通りプラグ受けに接続しており、又、温度調節
器用リード線５６は水切部材と外装ケースとの隙
間７１より内容器と外装ケースとの間を通り、更
に外装ケースを貫通して外装ケース後下部と底板
後部との隙間を通りプラグ受けに接続している。
プラグ受け１１は締上げ部材との間に空間を設け
た底板の後部に固定されており、外装ケース及び
締上げ部材に囲まれた内容器とは全く隔離されて
いる。

［考案の効果］ 本考案に於いては、温度調節装置の温度調節器
が密閉された内容器内の液体又は雰囲気空気に直
接接触しているために、この液体又は雰囲気空気
の温度を正確に感知してヒーターをON，OFFす
ることができ、内容器内の温度範囲巾が小さく常
に高い温度を保つことができる。又、内容器を真
空二重瓶としているために保温効力に優れ、しか
も所定の保温温度範囲を低下してもほんの短時間
ヒーターにて加熱するだけで保温効力を維持でき
非常に経済的である。

更に、温度調節装置を発熱体より離して設けて
いるために下端細口の両口真空二重瓶の内容器に
容器を取付け、組立できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施例の縦断面図である。 １……電気ポツト、３……内容器、４……水切
部材、８……発熱体、９……温度調節装置、１１
……底部材、５１……ヒーター、５５……温度調
節器、５６……温度調節器用リード線、５７……
温度調節器用覆部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上，下端開口のステンレス又はガラス製真空二
   重瓶の内容器を設け、内容器を囲む外装ケースの
   上端に水切部材を設け、水切部材の後部内壁に横
   孔を穿設すると共に、外装ケースの下端に底部材
   を設け、底部材の後部下端にプラグ受けを設け、
   内容器の下端開口より内容器内底部にヒーターを
   固定し、ヒーターのリード線をプラグ受けに接続
   する一方、内容器内の液体又は雰囲気空気の温度
   を感知してヒーターをON，OFFする温度調節装
   置を設け、温度調節装置の温度調節用リード線を
   水切部材の横孔に貫通してプラグ受けに接続し、
   温度調節装置を内容器内上部に固定したことを特
   徴とする電気ポツト。