JPS6312773Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、座席に取付けられる可動式のアーム
レスト装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

乗物などの座席に使用されるアームレストは、
不使用時に収納できるようにしておけば邪摩にな
らない。従来この種の可動式アームレスト装置と
して、軸によつてアームレストを上下方向に回動
自在に取付け、使用時には水平に倒した位置でア
ームレストを支持させるとともに、不使用時には
アームレストを回動上昇させて背もたれ側に収納
できるようにしたものがある。しかしこの従来例
では使用時のアームレストの位置が決まつてお
り、任意の傾きで使用することができない。ま
た、ラツチなどを利用して複数段階にアームレス
トを固定できるようにしたもの、あるいは特定の
回動範囲内で無段階的に角度調整ができるように
したアームレストもあるが、ロツクおよびロツク
の解除をあらゆる位置で任意に無段階的に行なえ
る適当な構造のものが無かつた。

〔考案の目的〕

従つて本考案の目的とするところは、アームレ
ストを任意の位置で無段階的にロツクおよびロツ
ク解除を行なうことができるようなアームレスト
装置を提供することにある。

〔考案の概要〕

本考案の要旨とするところは、シートフレーム
側に固定される固定軸と；アームレスト本体に設
けられかつ上記固定軸の一部分に回転自在に嵌合
させられる回転筒と；上記固定軸の外周面と上記
回転筒の外周面とにわたつて設けられ、自由状態
において双方の外周面に密接し得るようなコイル
内径を有するとともに、一端側が上記アームレス
ト本体に係止され、かつ上記アームレスト本体を
回動降下させる方向が巻締め方向となる軸ロツク
用コイルばねと；操作子およびこの操作子の動き
を上記コイルばねの他端側に伝える連動部材を有
し、上記操作子を操作することによつて上記コイ
ルばねを巻戻し方向にねじることが可能な操作機
構と；を具備したことを特徴とするアームレスト
装置にある。

上記構成のアームレスト装置は、操作子を操作
しない状態においては、上記コイルばねは自由状
態にあり、固定軸と回転筒の双方にまたがつて巻
付く。この状態において、アームレストを回動降
下させる方向に力を加えると、コイルばねは回転
筒と固定軸の摩擦により巻締め方向に更にねじら
れ、回転筒と固定軸を強く締付けるため、この方
向にロツクされる。

一方、アームレストを回動上昇させる方向の力
に対しては、コイルばねを巻戻す方向つまりコイ
ル径が拡大する方向の回転となるため、この方向
にはフリーとなる。

また操作子を操作することにより、連動部材を
介してコイルばねを巻戻し方向にねじると、回転
筒および固定軸に対する締付けが弛み、両方向と
もフリーとなる。すなわちロツク解除となる。

〔考案の実施例〕

以下に本考案の一実施例につき図面を参照して
説明する。第１図に示されるシートフレーム１に
は、アームレスト取付け部１ａが設けられてお
り、この取付け部１ａに角孔２が形成されてい
る。シートフレーム１は、座席の背もたれ部分を
構成する。

そして上記角孔２に固定軸３の基端部３ｃが固
定される。上記固定軸３は中空であり、大径部３
ａと小径部３ｂを有している。そして小径部３ｂ
に回転筒５が回転自在に嵌合させられる。大径部
３ａの外径は回転筒５の外径と同一である。上記
回転筒５は、アームレスト本体６の一部を構成す
るベースプレート６ａに固定される。このベース
プレート６ａは本体プレート部６ｂに固定され
る。従つて回転筒５は、アームレスト本体６と一
体に回転する。なお、アームレスト本体６は適宜
のカバー材（図示せず）で覆われる。

そして上記大径部３ａの外周面と回転筒５の外
周面とにわたつて、軸ロツク用のコイルばね８が
設けられる。このコイルばね８は、自由状態にお
いては大径部３ａの外周面と回転筒５の外周面の
双方に密着し得るようなコイル内径を有してい
る。コイルばね８の素線は矩形断面である。また
コイルばねの一端部８ａは、アームレスト本体６
に設けられた係止部１０に係止される。

また上記固定軸３の端面に端部材１２が固定さ
れる。この端部材１２には弧状の長孔１３が形成
されている。この長孔１３には、固定軸３の端面
に形成された凸部１４が挿入される。そして、ね
じ１６によつて端部材１２と固定軸３が一体とな
つて上記取付け部１ａに固定される。取付け部１
ａの内側には、上記ねじ１６を螺合させるための
ナツト（図示せず）が設けられている。端部材１
２はコイルばね８の抜け止めをなす。

またアームレスト本体６に操作機構２０が設け
られる。この操作機構２０は、挺子状の操作子２
１と、連動部材２２を備えている。上記操作子２
１の基部２１ａには孔２４，２５が形成されてい
る。一方の孔２４は、アームレスト本体６に設け
られた軸部２７に回転自在に挿入され、ワツシヤ
２８を挟み、かしめる。

他方の孔２５にはピン３０が挿入される。更に
このピン３０は連動部材の端部に形成された孔３
１に挿入され、止め輪３２を用いて抜け止めがな
される。

また連動部材２２の他端側に孔３５が形成され
ており、この孔３５にコイルばね８の他端部８ｂ
が挿着される。

上記操作子２１を操作しない状態においては、
コイルばね８は自由状態にあり、固定軸３の大径
部３ａの外周面と、回転筒５の外周面の双方に巻
付く。この状態において、第２図中のＸ方向（回
動降下させる方向）の力がアームレスト本体６に
加わると、コイルばね８の内周面と大径部３ａお
よび回転筒５の外周面との間に生じる摩擦によ
り、コイルばね８は巻締め方向に更にねじられ、
回転筒５と大径部３ａに強く巻付く。従つてこの
方向の回転に対しては、コイルばね８を介して大
径部３ａと回転筒５が一体化する。よつてＸ方向
にはロツクされる。

一方、アームレスト本体６にＹ方向の力を加え
た場合には、回転筒５はコイルばね８を巻戻す方
向すなわちコイル径が拡大する方向に回転する。
従つてＹ方向には実質的に拘束力が発揮されず、
アームレストを回動させることができる。すなわ
ち上昇のみ可能なワンウエイロツクとなる。

またロツクを解除させるには、操作子２１を第
２図中のＺ方向に動かす。これにより軸部２７を
中心に操作子２１が回動し、ピン３０を介して連
動部材２２が引かれる。こうして上記端部８ｂが
コイルばね８を巻戻す方向にねじられ、コイルば
ね８の径が拡大する。よつて回転筒５は固定軸３
に対して正逆いずれの方向にもフリーとなり、ロ
ツクが解除される。この状態ではアームレストを
任意の角度に移動させることができ、操作子２１
から手を離せばコイルばね８自身の反発力により
元の状態に戻り、再びロツクされる。

以上のように、操作子２１を操作すればアーム
レストがいかなる位置にあつても任意にロツクの
解除と再ロツクを繰返すことができ、しかも無段
階に角度調整できるため、使い易いアームレスト
装置となる。

なお本考案を実施するに当つては、本考案の要
旨を逸脱しない範囲で固定軸や回転筒、コイルば
ね、操作機構の操作子や連動部材などを適宜変更
して実施できることは言うまでもない。

〔考案の効果〕

前述したように本考案によれば、操作子を操作
することにより任意の位置でロツクおよびロツク
解除を行なうことができ、かつ無段階に角度調整
が行なえる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はアー
ムレスト装置の分解斜視図、第２図は組立てた状
態の斜視図である。 １……シートフレーム、３……固定軸、５……
回転筒、６……アームレスト本体、８……軸ロツ
ク用コイルばね、８ａ……一端部、８ｂ……他端
部、２０……操作機構、２１……操作子、２２…
…連動部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートフレーム側に固定される固定軸と、 アームレスト本体に設けられかつ上記固定軸の
   一部分に回転自在に嵌合させられる回転筒と、 上記固定軸の外周面と上記回転筒の外周面とに
   わたつて設けられ、自由状態において双方の外周
   面に密接し得るようなコイル内径を有するととも
   に、一端側が上記アームレスト本体に係止され、
   かつ上記アームレスト本体を回動降下させる方向
   が巻締め方向となる軸ロツク用コイルばねと、 操作子およびこの操作子の動きを上記コイルば
   ねの他端側に伝える連動部材を有し、上記操作子
   を操作することによつて上記コイルばねを巻戻し
   方向にねじることが可能な操作機構と、を具備し
   たことを特徴とするアームレスト装置。