JPS6312729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は腕時計ケースに時計バンドを取り付
ける際の腕時計のバンド取付装置に関する。

最近、腕時計の時計ケース及び時計バンドを合
成樹脂で形成して時計ケースの軽量化、低価格
化、デザインの多様化を計ることが行なわれてい
る。

しかしながら、合成樹脂製の時計ケースではそ
のケース本体と裏蓋との結合は合成樹脂同志の係
合で行なわれているが、合成樹脂であるがゆえに
裏蓋開閉によつて或いは外部からの衝撃等により
係合部が変形しやすく、ケース本体と裏蓋との間
の密封性が劣化する虞れがあつた。

また、一般に時計バンドと時計ケースとの接続
はバネ棒を用いて行なつているが、時計ケースが
合成樹脂で形成されている場合には時計バンドを
上下、左右に不必要に回転しすぎると、時計ケー
スのバネ棒挿入孔に強い力が加わり、バネ棒挿入
孔が変形したり、またひどい場合には挿入孔付近
の時計ケースまでも破損する虞れがあつた。

この考案は上記のような実情に鑑みてなされた
ものであつて、時計ケースと時計バンドとの接合
状態を良好に保持するのみならず時計ケース及び
時計バンドの耐久性を向上し得るばかりか裏蓋を
ケース本体に確実に取り付けられる腕時計のバン
ド取付装置を提供することを目的としている。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図は時計ケースのバンド取付部を示したも
ので、図中１は夫々硬質の合成樹脂で形成されて
いるケース本体２及び裏蓋３とからなる時計ケー
スである。この時計ケース１内面には金属板或い
は金属蒸着膜（図示せず）が被覆され時計ケース
１の静電気対策が施されている。また、ケース本
体２の相対向する両側部にはバンド取付凹部４が
設けられ、このバンド取付凹部４の上壁４ａは傾
斜されバンド係止部となり、バンド取付凹部４の
側壁４ｂには取付棒即ちバネ棒５のピン５ａが挿
入される孔４ｃが形成されている。第２図は時計
バンドのケース取付側端部を示したもので６はポ
リウレタン等の軟質の合成樹脂からなる時計バン
ドであり、この時計バンド６のケース側端面には
上記バンド取付凹部４の上壁４ａに当接する当接
部即ち舌片部６ａ及びこの舌片部６ａから時計ケ
ース１の裏面に回り込むように延出形成された係
止部６ｂが設けられており、この係止部６ｂの巾
はバンド取付凹部４の巾と略同一になつている。
そして舌片部６ａ、係止部６ｂの境目付近にはバ
ネ棒挿通孔６ｃが形成されている。

上記の構成において、上記時計ケース１に時計
バンド６を取付ける場合には、まず、時計バンド
６のバネ棒挿通孔６ｃにバネ棒５を挿通して、ケ
ース本体２のバンド取付凹部側壁４ｂの孔４ｃに
ピン５ａを挿入して時計バンド６を時計ケース１
に取り付ける。第３図、第４図は時計ケースと時
計バンドとを取付けた状態を示している。この状
態で時計バンド６の舌片部６ａの上面はバンド取
付凹部４の上壁４ａに当接すると共に係止部６ｂ
は時計ケース１裏面の裏蓋３の傾斜部３ａに当接
している。従つて、時計バンド６を上下方向或い
は左右方向に回転させようとしても舌片部６ａが
バンド取付凹部４の上壁４ａで、或いは係止部６
ｂが裏蓋３の傾斜部３ａで阻止され、不必要にバ
ネ棒５及び孔４ｃに力が加わることがない。そし
て、腕時計を腕に装着すると時計バンド６は図中
一点鎖線のように変形し、裏蓋３の斜面部３ａに
当接している係止部６ｂは時計バンド６の弾性力
により裏蓋３を弾圧するようになり、ケース本体
２と裏蓋３との結合状態をより確実なものとする
と共に時計バンド６を回転させるような力が加わ
つたとしても、それを防止するように働くもので
ある。

なお、時計バンド６に設けた係止部６ｂの形状
は上記実施例に限らず種々変形できるものであ
り、要は通常は裏蓋３に軽く接触しており、腕時
計を腕に装着した際に裏蓋を押圧するよう形状で
あればよい。

この考案の腕時計のバンド取付装置は上記のよ
うに、軟質の合成樹脂製の時計バンドにバンド取
付部上壁に当接する当接部及びバンド取付部の巾
と略同一の巾を有し裏蓋に当接する係止部を一体
形成したので、当接部及び係止部によりバンドの
不必要な回転を阻止でき時計バンド及び時計ケー
スの破損を防止できる。また時計ケースが合成樹
脂製であると、ケースと裏蓋との結合力が弱い
が、腕装着時に時計バンドの係止部で裏蓋を弾圧
するようにしたことにより、ケース本体と裏蓋と
の結合を確実に行なえる。また、軟質の合成樹脂
製の時計バンドに当接部及び係止部を一体形成し
たので、製造が簡単に行なえるばかりか、ローコ
ストで製造できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す時計ケース
のバンド取付部、第２図は同じく時計バンドのケ
ース取付側端部、第３図、第４図は同じく時計ケ
ースと時計バンドとを取付けた状態でのその接続
部の側面図及び断面図である。 １……時計ケース、２……ケース本体、３……
裏蓋、４……バンド取付凹部、５……バネ棒、６
……時計バンド、６ａ……舌片部、６ｂ……係止
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上壁及び両側壁を有するバンド取付部が相対向
   する両側壁に設けられた硬質の合成樹脂製のケー
   ス本体と、 このケース本体の下面に装着される裏蓋と、 前記ケース本体の前記バンド取付部上壁に当接
   する当接部及び前記バンド取付部の巾と略同一の
   巾を有し前記裏蓋に当接する係止部が一体形成さ
   れた軟質の合成樹脂製の時計バンドと、 この時計バンド先端に巾方向に挿通され両端が
   前記バンド取付部両側壁に取り付けられる取付棒
   とを具備し、 前記時計バンドは前記当接部が前記バンド取付
   部上壁に当接すると共に前記係止部が前記裏蓋に
   係止して前記裏蓋を弾圧するように前記取付棒に
   よつて前記バンド取付部に取り付けられることを
   特徴とする腕時計のバンド取付装置。