JPS6312670B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はセメント製造工業等の粉砕工程等に
用いられるエヤセパレータに関するものである。

一般にこの種の粉砕工程はほぼ第１図に示すよ
うに構成されている。同図においてａはミルであ
り、これにより原料を粉砕してエヤセパレータｂ
に入粉として供給し、同セパレータｂにおいて入
粉中の精粉を分離し、これをサイクロン状に形成
された精粉室ｃに送り製品を得る。この精粉室ｃ
から排出される空気中には精粉が相当量含まれて
いるため、バツグフイルタｄにより回収し、これ
を前記製品に加える。

一方前記入粉中から精粉を除かれたものは、戻
粉としてミルａに、ミルａに供給される原料と共
に供給される。

次に前記エヤセパレータについてみると、ほぼ
第２図に示すような構造を有している。同図にお
いて本体ｂは空気室ｆ、分級室ｇ、精粉室ｃ、粗
粉室ｈ等から成つており、かつ分級室ｇには分散
板１、分級羽根ｊが回転自在に設けられている。
なおｋは空気口、ｌは入粉口、ｍは入粉、ｎは気
流を示す。

入粉ｍは入粉口ｌから、図示しない動力装置に
より回転させられている分散板ｉ上に投入され、
その遠心力により分級室ｇ内に散布される。そし
て同室ｇ内を上昇中の気流ｎ及び回転中の分級羽
根ｊにより、前記入粉ｍは精粉ｐと戻粉ｑとに分
離される。分離された精粉ｐは精粉室ｃに収容さ
れ、一方戻粉ｑは分級室ｇ内を旋回しながら落下
し、空気室ｆの入口附近で気流ｎにより所謂洗わ
れ、戻粉ｑ中の精粉ｐの一部が再び上昇し、分離
されて回収される。しかし前記戻粉ｑは層状とな
つて落下するため、戻粉ｑから上記のように抽出
される精粉ｐは、量的には少量であり、一般的に
は入粉ｍ中の精粉ｐのほぼ30％前後が戻粉ｑとし
て、前記ミルａに戻される。

この発明は上記の状況にかんがみてなされたも
ので、その目的は前記戻粉ｑ中の精粉ｐを従来の
ものより一層多量に回収させ、エヤセパレータの
性能を大巾に向上させることである。

この発明を一実施例を示す図面について述べる
と、第３図において、分級室１の下部に、空気口
２を有する空気室３を設け、又前記分級室１に精
粉室４を連通させ、かつ入粉を分散させる分散板
５と分級用の分級羽根６を回転自在に設けたエヤ
セパレータにおいて、前記分散板５より下に、か
つ前記空気口２からもたらされる気流の通路に、
上下両面にわたつて連通させた多数の穴を有する
部材により形成された、戻粉の流動層を形成する
流動層部１０を設けたエヤセパレータである。

これを図面について詳述する。第３図において
１は分級室であり、これに空気口２を形成した空
気室３が設けられている。４はサイクロン状に形
成された精粉室であり、又前記分散板５と分級羽
根６は共に主軸７に設けられており、この主軸７
は図示しない動力装置により回転させられるよう
になつている。８は入粉口、９は排気口を示す。
次に１０は流動層部であり、一例として金網によ
り形成された。この金網は好ましくは複数枚重ね
合せて形成する。又、金網の外これに類するもの
であれば任意に用いてよく、例えばメツシユ状の
織物、又は同不織布、あるいはそれらを樹脂加工
して剛性を持たしめたものでもよく、又は糸ある
いは糸片をランダムに重ね合わせて、樹脂加工等
によりその重ね合わせ部分を接着させたもの、又
は小棒状片をランダムに重ね合わせ、その重ね合
わせ部分を樹脂加工等により接着させて形成した
もので、又はラス、メタルラス、又は多孔体、又
は比較的あら目の連通型発泡体であつてもよく、
又はそれらを単独に、あるいは複数の種類を設け
たものでもよい。又それらは、図示は省略する
が、フレームに装脱自在に設けられていてもよ
い。上記流動層部１０はドーナツ状に形成され
た。１１は筒状通路を示す。

このエヤセパレータの作用について述べると、
まず入粉１２が入粉口８から、回転する分散板５
上に投入され、その遠心力により分級室１内に散
布される。

一方空気室３の空気口２からは空気が送入され
ており、その気流１３により、入粉１２中の精粉
１４は上昇し、精粉室４に入り製品として取り出
される。

次に上記の如く精粉１４を不充分に分離された
戻粉１５は、分級室１内を旋回しながら降下し、
空気室３の入口付近において気流１３に洗われ、
戻粉１５中の含有精粉１４の一部が上昇させられ
て回収され、ついで前記流動層部１０上に落下す
る。そしてこの流動層部１０上において、前記気
流１３により流動層を形成し、流動しつつ気流１
３により洗われる時間を比較的長く有することに
なり、これにより戻粉１５中に残存している精粉
１４を大量に、再度気流１３にのせ、上昇させて
精粉室４に回収することができる。この流動層部
１０において精粉１４を分離された戻粉１５は流
動層部１０から落下し、粗粉室１６を経て図示し
ないミルに戻される。

この発明は上記の如く構成され、分散板５より
下に、かつ空気口２からもたらされる気流１３の
通路に上下両面にわたつて連通させた多数の穴を
有する部材により形成された、流動層部１０を設
けたことにより、この流動層部１０において戻粉
１５を比較的長時間、気流１３により所謂洗うこ
とができ、これにより戻粉１５中の残存精粉１４
を、再び分離させることができるから、エヤセパ
レータの性能を一層向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はエヤセパレータを含む従来のセメント
工業における粉砕工程のブロツク図、第２図は従
来のエヤセパレータの一部断面図、第３図はこの
発明の実施例を示すエヤセパレータの一部断面図
である。 １……分級室、２……空気口、３……空気室、
４……精粉室、５……分散板、６……分級羽根、
１０……流動層部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 分級室の下部に、空気口を有する空気室を設
   け、又前記分級室に精粉室を連通させ、かつ入粉
   を分散させる分散板と分級用の分級羽根を回転自
   在に設けたエヤセパレータにおいて、前記分散板
   より下に、かつ前記空気口からもたらされる気流
   の通路に、上下両面にわたつて連通させた多数の
   穴を有する部材により形成された、戻粉の流動層
   を形成する流動層部を設けたことを特徴とするエ
   ヤセパレータ。