JPS63126458A - フアツトブル−ム防止剤及びそれを含有する油脂 - Google Patents

フアツトブル−ム防止剤及びそれを含有する油脂

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JPS63126458A
JPS63126458A JP61273522A JP27352286A JPS63126458A JP S63126458 A JPS63126458 A JP S63126458A JP 61273522 A JP61273522 A JP 61273522A JP 27352286 A JP27352286 A JP 27352286A JP S63126458 A JPS63126458 A JP S63126458A
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中野 章
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハードバター製品のファントブルーム防止剤
、詳しくはテンバリング型チョコレート及び/或いはノ
ーテンバリング型チョコレートのファントブルーム防止
剤、及びそれを含有する油脂に関するものである。
〔従来の技術〕
チョコレート或いはその他のハードバター製品は、保存
中、殊に温度変化の大きい条件では、ファツトブルーム
と呼ばれる表面上に白い粉をふいた状態が現れ、チョコ
レートを始めとするハードバター製品の商品価値を喪失
させる。一般にこのファツトブルームは、油脂の結晶型
が変化する際又は温度変化により油脂の一部が融解・再
結晶を繰り返す際に油脂の結晶成長が起こる事により発
生すると考えられる。
即ち、カカオ脂に代表されるテンパリング型チョコレー
トにおいては、チョコレート製造中にα型及び/或いは
β゛型の不安定結晶が生成し、これら不安定な結晶は保
存中に、より安定なβ型結晶に転移する。この転移はゆ
っくり進行し、且つ温度変化により繰り返し起こる為、
この転移過程で油脂結晶の粗大化が進行する。
又、同様に、温度変化により油脂の一部が融解・再結晶
化を繰り返す際にも油脂の結晶成長が起こり、粗大化し
た油脂結晶が肉眼的に観察されたものがファツトブルー
ムである。
ラウリン酸系及びトランス酸系のノーテンパリング型チ
ョコレート製品のファツトブルーム生成機構も、テンバ
リング型チョコレートの場合と同様に油脂の結晶転移又
は融解・再結晶を繰り返す過程で油脂結晶の粗大化が起
こる為と考えられる。例えば、ノーテンバリング型チョ
コレートに使用される油脂は一般にβ゛型結晶で安定で
あり、カカオ脂の安定結晶はβ型であるが、両者を融解
混合し冷却すると固化直後はβ゛型となる。カカオ脂の
配合量が少ない場合は、β型へ転移しにりく、又転移し
たとしてもカカオ脂含量が少ない為、粗大成長は起こり
にくいが、カカオ脂含量が多くなれば、カカオ脂の結晶
転移及び粗大化は起こり易くなり、ファツトブルームが
発生すると考えられる。この様な理由により、ノーテン
バリング型チョコレートでは、カカオ脂の配合量はファ
ツトブルームが発生しない範囲に限定されているのが現
状である。
この様なチョコレート等のハードバター製品のファツト
ブルームを抑制する方法に関しては、これまで種々の方
法が検討されてきた。その方法は大別すると3つに分類
される。
第1の方法は結晶成長の原因となる油脂の結晶転移を抑
制する方法に関するものであり、具体的には、a)不安
定な結晶(α型及び/或いはβ゛型)を少なくし安定な
β型結晶を多量に発生させる為の工程改良く例えばテン
バリング処理や種晶の添加)や、b)特定組成のトリグ
リセリドを10〜30%添加して、カカオ脂等の結晶転
移を抑制する方法(特公昭46−26823号公報、特
公昭46−26824号公報)などがある。
第2の方法としては、特定の添加物を添加して油脂中の
特定成分(液体油又は固体脂)の偏在・凝集・移行(例
えばビスケット組織及びビスケット表面への油脂成分の
移行・凝集)を抑制してブルームを抑制する方法(特開
昭58−60945号公報)に関するものである。
第3の方法としては、特にカカオ脂の少ないノーテンバ
リング型チョコレートの場合、ベヘン酸からなる高融点
脂を添加し微細結晶を作らせる事で油脂の結晶成長を抑
制しようとする方法(特開昭58−19825号公報)
などである。
しかるに、この様な方法を用いても、特にカカオ脂含量
の高いテンバリング型チョコレートの場合や、保存温度
が高い場合での一部油脂の融解−再結晶過程での結晶成
長は抑制されず、未だ有効なファツトブルーム剤は見い
出されていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
チョコレート或いはその他のハードバター製品のファン
トブルーム発生の原因は、油脂の結晶成長(結晶転移過
程での結晶成長或いは融解後の再結晶過程での結晶成長
)であると考えられる為、ファツトブルームを抑制する
為には、カカオ脂等の油脂成分の結晶成長そのものを抑
制する必要がある。
C問題点を解決する為の手段〕 本発明者らは、前記問題点を解決すべく油脂の結晶成長
性に関して鋭意検討を行った結果、油脂の結晶成長性は
油脂の組成によって大きく影響され、アルキル基の組合
わせによってはそれ自身結晶成長しない油脂が存在する
事、並びにそれ自身結晶成長しない油脂を結晶成長し易
い油脂に少量添加する事で、結晶成長し易い油脂の結晶
成長を抑制できることを見い出した。
この性質を利用すれば、カカオ脂を代表とする結晶成長
し易い通常のハードバター系油脂でも、それ自身結晶成
長しない油脂を添加する事により結晶成長を抑制出来る
ので、ファントブルームを抑制出来ることを見い出した
油脂それ自身が結晶成長を起こすかどうかの評価は、油
脂が最も結晶成長を起こし易い条件、即ち液体油中に溶
解後徐冷することにより行う事が出来る。具体的にはナ
タネ油中に油脂を20重量%添加し、NMR法(日本油
化学協会制定基準油脂分析試験法、暫3−1983、暫
定固体脂含量)において結晶it(固体脂含量)が10
になる温度まで、その油脂の融点より10°C高い温度
から0.1℃/分の冷却速度で徐冷し、その温度(結晶
量が10になる温度)で1時間以上保存する。
尚、結晶量10になる温度は、上記NMR法において、
各温度(Ti)での結晶量(Si)を測定し、温度と結
晶量とを縦軸、横軸にとり、プロットする事により求め
ることができる。結晶成長を起こし易い油脂は徐冷中或
いはその後の保存中に徐々に結晶成長が起こり、粗大結
晶が生成して固液分離を起こす。一方、結晶成長をしな
い油脂の場合は、この様な徐冷下においても急冷結晶化
の場合と同様に微細な油脂結晶が液体油中に均一に発生
し、緻密な油脂結晶ネットワークを形成する為、系は均
一なゲル状固体となる。ゲル状固体であるか、固液分離
状態であるかの判定は、系の構造強度を測定する事によ
り行う事が出来る。即ち、内部構造を有するゲル状固化
物に荷重をかけた場合、荷重が小さい範囲内では弾性変
形をするが、荷重がある値を越えると構造破壊が起こる
。この構造破壊が起こる点が降伏点であり、その時の荷
重は降伏値として求める事が出来る。
本発明における降伏値の測定は、レオメータ−(不動工
業社製、NRM−2010J−CW)を用い、直径10
1111Ilの円板型アダプターを使用し、サンプルを
20mn+ /分の上昇速度で上昇させて行った。サン
プルの破壊荷重をagとすると、降伏値YはY (dy
n/cn+”) = a X980 ÷0.785で与
えられる。
本発明者らは、多量の液体油中に溶解し徐冷するという
最も結晶成長を起こし易い条件下においても、結晶成長
せず微細結晶になり系をゲル状に固化させる能力を有す
る、それ自身結晶成長しない油脂を用いる事により、カ
カオ脂に代表される結晶成長を起こし易いハードバター
系油脂の結晶成長は抑制され、ファントブルームの発生
が抑制される事を見い出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明者らによる第1の発明は、ナタネ油中に2
0重量%添加し、NMR法(日本油化学協会制定の基準
油脂分析試験法、暫3−1983゜暫定固体脂含量)に
よる測定で結晶量(固体脂含量)が10になる温度まで
、その油脂の融点より10℃高い温度から0.1“07
分の冷却速度で冷却し、その温度(結晶量が10になる
温度)で1時間保存した時、系が5 X 104dyn
/cm”以上の降伏値を有する均一ゲル状固体となる様
な固体脂からなるファントブルーム防止剤に関するもの
である。(但し、ここでいう「降伏値」とは、系の構造
を破壊するのに要する力であり、一定速度で荷重をかけ
た場合の系の構造が破壊される時点での応力をag、荷
重面積をScm”とずれば、 S で与えられる。) 本発明者らによる第2の発明は、畝上の第1の発明のフ
ァツトブルーム防止剤を0.5〜30重量%含むチョコ
レート用又はその他のハードバター製品用の油脂に関す
る。
通常食用に用いられる動植物油脂、例えば牛脂、ラード
、魚油、ナタネ油、大豆油、サフラワー油、オリーブ油
、ヒマワリ油、米糠油、バーム油、パーム核油、ヤシ油
等や、それらの硬化油又は配合油等は、前記のナタネ油
中での徐冷による結晶成長評価法においては、過冷却状
態となり結晶析出が遅いものもあるが、結晶析出が始ま
ると結晶成長が起こり粗大結晶が生成して固液分離を起
こす為、降伏値はほとんど存在しない。
しかし、油脂のアルキル基を選択し特定組成の油脂を作
る事により、それ自身結晶成長しない油脂を得る事が出
来る。この様なそれ自身結晶成長しない性質を有する油
脂のアルキル基の組み合わせとしては、例えばベヘン酸
やアラキン酸の様な長鎖飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸や分
岐脂肪酸の様な立体障害を有する脂肪酸又は短鎖飽和脂
肪酸との組み合わせなどがあり、その典型的な例として
は、ABX型混酸恭トリグリセリド(A;炭素数20〜
24の長鎖飽和脂肪酸、B;炭素数16〜24の飽和脂
肪酸、X;炭素数16〜22の不飽和脂肪酸又は炭素数
8以上の分岐脂肪酸又は炭素数lO以下の短鎖脂肪酸)
などがあるが、これらに限定されるものではない。
この様な特定組成の油脂を得る方法は種々あり、特に限
定されるものではないが、次の製法を一例として挙げる
ことが出来る。
上記A、13.X成分の各脂肪酸とグリセリンとを用い
、化学的又は酵素的にエステル化して混酸基トリグリセ
リドを得る方法、A、 B、 X成分を主成分とするト
リグリセリド同志を化学的又は酵素的にエステル交換し
て混酸基トリグリセリドを得る方法(例えば極度硬化ハ
イエルシンナタネ油とナタネ油のエステル交lA)、及
びA、B又はX成分を主成分とするトリグリセリドと残
りの成分の脂肪酸とを酵素的にエステル交換する方法(
例えばオリーブ油とベヘン酸のエステル交換)などがあ
る。これらの方法によって得られた反応生成物は、必要
によっては脱グリセリン、脱脂肪酸、脱触媒を行い精製
する。又、得られたトリグリセリドを分別する事により
、目的とする混酸基トリグリセリドを濃縮する事が出来
る。
本発明は、それ自身結晶成長しない油脂(即ち、液体油
中に溶解し徐冷するという最も結晶成長を起こし易い条
件下でも結晶成長せず、微細結晶となって系をゲル状固
化する能力を有する油脂即ち本発明のファツトブルーム
防止剤)の特異的な結晶性を、カカオ脂に代表される最
も結晶成長を起こし易い油脂の結晶成長抑制に利用し、
チョコレート又はその他のハードバター製品中の油脂の
結晶成長を抑制する事で、ファツトブルームを抑制する
ものである。本発明品は少量でもかなりのファツトブル
ーム防止効果を示し、添加量が増すに従い、その効果は
増大する。本発明のファツトブルーム防止剤の好適な添
加量は、チョコレート用又はその他のハードバター製品
用の油脂に対して0.5〜30重量%、好ましくは2〜
20重量%である。
〔実施例〕
以下に合成例、実施例を示し、本発明を更に説明するが
、本発明はこれら合成例、実施例に限定されるものでは
ない。尚、合成例、実施例中の%1部は記載がない限り
重量%1重量部を意味する。
合成例1 エルカ酸を40%以上含有するハイエルシンナタネ油を
水素添加し、ヨウ素価2以下の極度硬化ハイエルシンナ
タネ油(脂肪酸組成:バルミチン酸3.9%、ステアリ
ン酸41.3%、アラキン酸5.5%、ベヘン酸46.
9%)を得た。この極度硬化ハイエルシンナクネ油50
部にサフラワー油(脂肪酸組成;バルミチン酸6.9%
、ステアリン酸2.7%、オレイン酸13.0%、リノ
ール酸76.0%)50部を配合し、油脂に対して0.
1%のナトリウムメチラートを触媒として、80℃30
分間エステル交換を行い、反応終了後水洗して脱触媒を
行ったあと脱水し、白土3%(対油)を添加して100
℃で20分間脱色処理を行いエステル交換油を得た。こ
のエステル交換油を1部当たり4mjのアセトンに溶解
し、攪拌下35℃まで冷却して析出した三飽和トリグリ
セリドを主体とした高融点部(収率;エステル交換油に
対して26%)を濾別した。この濾液を再度攪拌下10
℃まで冷却して、析出した結晶を採取し、更に溶剤を留
去したのち常法によりスチーミング脱臭して、本発明品
(1)を得た。
合成例2 トリベヘンく脂肪酸組成;ステアリン酸2.4%、アラ
キン酸9.9%、ベヘン酸84.9%)78部とトリブ
チリン(脂肪酸組成;酪酸98.3%)22部を配合し
、合成例1と同様にエステル交換反応及び精製を行い、
エステル交換油を得た。このエステル交換油を1部当た
り4m7のアセトン、に溶解後、35℃まで冷却して析
出するトリベヘンを主体とする高融点部(収率;エステ
ル交換油に対して22%)を濾別した。この濾液は再度
攪拌下10℃まで冷却して、析出した結晶を採取し、更
に溶剤を留去したのち常法によりスチーミング脱臭して
、本発明品(2)を得た。
合成例3 合成例2で用いたトリベヘン73部に対して、トリカブ
ロイン(脂肪酸組成;カプロン酸98.4%)27部を
配合し、合成例1と同様にエステル交換反応及び精製を
行い、エステル交換油を得た。このエステル交換油を1
部当たり4−のへキサンに溶解し、攪拌下27℃まで冷
却して析出するトリベヘンを主体とする高融点部(収率
:エステル交換油に対して16.5%)を濾別した。
濾液は再度攪拌下8℃まで冷却し、析出した結晶を採取
し、更に溶剤を留去したのち常法によりスチーミング脱
臭して、本発明品(3)を得た。
合成例4 合成例2で用いたトリベヘン70部に対して、トリカブ
リリン(脂肪酸組成;カプリル酸97.2%)30部を
配合し、合成例1と同様にエステル交換反応、及び精製
を行い、エステル交換油を得た。このエステル交換油を
1部当たり4m7のヘキサンに溶解し、攪拌下24℃ま
で冷却し析出するトリベヘンを主体とする高融点部(収
率;エステル交換油に対して18%)を濾別した。濾液
は溶剤を留去したのち1部当たl−のアセトンに溶解し
、攪拌下14℃まで冷却して析出した結晶部を採取し、
更に溶剤を留去したのち常法によりスチーミング脱臭し
て、本発明品(4)を得た。
合成例5 合成例2で用いたトリベヘン66部に対し、トリカプリ
ン(脂肪酸組成;カプリン酸99.1%)34部を配合
し、合成例1と同様にエステル交換反応、及び精製を行
い、エステル交換油を得た。
このエステル交換油を1部当たり4 mlのアセトンに
溶解し、攪拌下34℃まで冷却してトリベヘンを主体と
する高融点部(収率;エステル交換油に対して19%)
を濾別した。この濾液は再度攪拌下14℃まで冷却して
析出した結晶を採取し、更に溶剤を留去したのち常法に
よりスチーミング脱臭して、本発明品(5)を得た。
合成例6 ベヘン酸(脂肪酸組成;ステアリン酸2.4%、アラキ
ン酸9.9%、ベヘン酸84.9%) 48.6部とイ
ソステアリン酸(日産化学工業■製) 40.6部、及
びグリセリン10.2部を配合し、窒素気流中で常圧下
200℃〜250℃で10時間脱水エステル化反応を行
い、反応終了抜脱グリセリン及び脱脂肪酸を行い合成ト
リグリセリドを得た。この合成トリグリセリドを1部当
たり4m7のアセトンに溶解し、攪拌下35℃まで冷却
して析出しなl・リベヘンを主体とした高融点部(収率
;合成トリグリセリドに対して13%)を濾別した。濾
液は再度攪拌下14℃まで冷却し析出する結晶を採取し
、更に溶剤を留去したのち常法によりスチ−ミング脱臭
して、本発明品(6)を得た。
比較合成例1 合成例4で用いたトリカブリリン35部に対し、トリス
テアリン(脂肪酸組成;ステアリン酸98.3%)65
部を配合し、合成例1と同様にしてエステル交換反応、
及び精製を行いエステル交換油を得た。このエステル交
換油を1g当たり4−のアセトンに溶解後、攪拌下24
℃まで冷却して析出するトリステアリンを主体とした高
融点部(収率;エステル交換油に対して21%)を濾別
した。この濾液を再度攪拌下17℃まで冷却して析出し
た結晶を採取し、更に溶剤を留去したのち常法によりス
チーミング脱臭して、比較品(1)を得た。
これら合成例及び比較合成例で得られた本発明品(1)
〜(6)及び比較品(1)の分析値を表1に示す。
実施例1 合成例1〜6で得られた本発明品(1)〜(6)の結晶
成長性を下記の方法により評価した。尚、比較の為、比
較合成例1で得られた比較品(1)及び通常油脂の代表
例として、硬化パーム油(ヨウ素価40.1、融点45
.3、脂肪酸組成;CI4 (1,3%)、Cl6(4
3,1%) 、Cla (8,7%”) 、Cl5F、
(46,1%)〕、硬化魚油〔ヨウ素価47.8、融点
45.4℃、脂肪酸組成;C14(5,8%) 、Cl
a(20,9%) 、Cl6F+ (3,0%) 、C
+5(15,4%) 、C+aF+(13,3%) 、
Cza (8,2%) 、CzJt (11,5%) 
、CzoFz (1,4%)、C2t(6,5%)、0
2□F+ (9,8%)、02□Fz (1,9%)〕
の結晶成長性も同様に評価した。尚、硬化パーム油及び
硬化魚油の脂肪酸組成におけるCIIIP+は、二重結
合1個を有する炭素数18の不飽和脂肪酸を意味する。
即ちC,F、は、二重結合n個を有する炭素数mの不飽
和脂肪酸を意味する。
く降伏値測定用試料の調製方法〉 容N20−のビーカーに供試油脂〔本発明品(11〜(
6)、比較品(1)、硬化パーム油、及び硬化魚油から
なる群の中から選ばれる油脂1種)2gとナタネ油8g
を配合し80℃の温浴中で溶解する。
溶解した配合油は供試油脂の融点より10℃高い温度か
らNMR法(日本油化学協会制定の基準油脂分析試験法
、暫3−1983、暫定固体脂含量)において結晶量(
固体脂含量)が10になる温度まで0.1°C/分の冷
却速度で徐冷し、その温度(結晶量がlOになる温度)
で1時間保存し、これを降伏値測定用試料とした。
〈降伏値の測定〉 上記方法で調製した降伏値測定用試料について、レオメ
ータ−(不動工業社製、NRM−2010J−CW)を
用いて一定速度で荷重を加え、発生する応力を測定した
測定条件;試料上昇速度;20mm/分、アダプター;
直径101の円板(面積;0、785cm”)。
ゲル状固化した試料は第1図に示す曲線αの様な応力応
答を示し、点Aまで弾性変形し、点Aで構造破壊を起こ
す。点Aでの応力をagとすると降伏値Y(単位;dy
口/cm”)はY = a X980 +o、’yss
で与えられる。
これに対し、内部構造を有しない固液分離した系では、
応力応答はほとんどなくβの直線が得られる。
各試料の降伏値は表2に示した。本発明品(1)〜(6
)はいずれも結晶成長せず、微細結晶が均一に分散した
ゲル状固化物を形成する為、大きな降伏値を示す。一方
、比較品i1)や通常油脂(硬化パーム油、硬化魚油)
ではこの様な徐冷では微細結晶が生成せず、内部構造が
形成されない為降伏値は認められなかった。
表    2 実施例2 本発明品(1)〜(6)及び比較品(1)、更には通常
油脂(実施例1で使用した硬化パーム油及び硬化魚油)
を、チョコレート中の油分に対して夫々2%、10%、
20%配合したチョコレートを製造し、そのファツトブ
ルーム防止効果を評価した。
〈チョコレートの配合〉  く配合例1) (配合例2
)(配合例3)ビターチョコレート   35  % 
 35  %  35  %扮     糖     
51  %  51%51  %カ  カ  オ  脂
        13.0 %   10.4 %  
 7.2 %油       脂       0.6
  %   3.2  %   6.4  %し  シ
  チ  ン          0.3  %   
 0.3  %    0.3 %香       料
      0.1  %   0.1  %   0
.1  %(注)*;油脂は本発明品(1)〜(6)又
は比較品(1)又は硬化パーム油又は硬化魚油を使用 した。
くチョコレートの製造方法〉 上記配合からカカオ脂の一部を除いて油分20%ニ調整
し、3段ロールに3回通した。その後、残りのカカオ脂
を追加し55℃で72時間コンチングを行った後30℃
まで冷却して10分間テンバリングを行った。テンバリ
ング後、温度を31℃まで上げ、型流しを行い、次に型
に流したチョコレートを5℃で1時間冷却固化した後、
型抜きを行い、20℃で1週間エージングした。
くブルーム試験〉 1週間安定化を行ったチョコレートを、20℃14時間
、更に30℃8時間(昇降温容1時間)を1サイクルと
する周期的温度変化条件下に保存し、何サイクル目にブ
ルームが発生するかを測定した。
結果は表3に示したが、それ自身結晶成長せずその為に
徐冷下においても液体油をゲル状固化させる能力を有す
る本発明品(1)〜(6)はチョコレートのブルーム耐
性を向上させる効果を有しているのに比べ、それ自身結
晶成長を起こす比較品(11及び通常油脂(硬化パーム
油、硬化魚油)では、何等効果は認められなかった。
表      3 表3のつづき (注)*コントロール;カカオ脂100%〔発明の効果
〕 本発明品のファツトブルーム防止作用は、ファツトブル
ームの原因と考えられるチョコレート等のハードバター
製品中の油脂の結晶成長そのものを、それ自身結晶成長
しない油脂(本発明のファツトブルーム防止剤)を添加
して抑制する事で、ファントブルームを抑制するもので
ある。それ自身結晶成長しない油脂が存在する事で、結
晶成長を起こし易い油脂の結晶成長は抑制され、チョコ
レート等のハードバター製造時においてハードバター中
の油脂は微細化され、不安定結晶の偏在・′a集・移行
が抑制されるのみならず、結晶転移過程あるいは温度変
化の大きな条件下で一部の油脂の融解−再結晶が繰り返
される場合においても、油脂結晶の成長が起こらず、フ
ァツトブルームが抑制されるものと考えられる。
この様な作用・効果により、本発明のファツトブルーム
防止剤は、従来の技術では困難であった高温又は温度変
化の大きな条件下におけるチョコレート又はその他のハ
ードバター製品のファツトブルームの抑制を可能とし、
これらハードバター製品の保存安定性を大幅に向上させ
る事が出来る。
本発明のファツトブルーム防止剤はチョコレート又はそ
の他のハードバター製品用の油脂に0.5〜30重量%
含有せしめる事により畝上の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、降伏値測定用試料の応力応答状況(応力と時
間の相対関係)を示す説明図である。 A・・・降伏点(構造破壊点)、 a・・・点Aでの応力、 α・・・応力・時間曲線(本発明試料の場合)、β・・
・応力・時間直線(比較試料の場合)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ナタネ油に20重量%添加し、NMR法(日本油化
    学協会制定の基準油脂分析試験法、暫3−1983、暫
    定固体脂含量)による測定で結晶量(固体脂含量)が1
    0になる温度まで、その油脂の融点より10℃高い温度
    から0.1℃/分の冷却速度で徐冷し、その温度(結晶
    量が10になる温度)で1時間保存した時、系が5×1
    0^4dyn/cm^2以上の降伏値を有する均一ゲル
    状固体となる様な固体脂からなるファットブルーム防止
    剤。 (但し、ここでいう「降伏値」とは、系の構造を破壊す
    るのに要する力であり、一定速度で荷重をかけた場合の
    系の構造が破壊される時点での応力をag、荷重面積を
    Scm^2とすれば、 降伏値(dyn/cm^2)=(a×980)/Sで与
    えられる。) 2、ナタネ油に20重量%添加し、NMR法(日本油化
    学協会制定の基準油脂分析試験法、暫3−1983、暫
    定固体脂含量)による測定で結晶量(固体脂含量)が1
    0になる温度まで、その油脂の融点より10℃高い温度
    から0.1℃/分の冷却速度で徐冷し、その温度(結晶
    量が10になる温度)で1時間保存した時、系が5×1
    0^4dyn/cm^2以上の降伏値を有する均一ゲル
    状固体となる様な固体脂からなるファットブルーム防止
    剤を0.5〜30重量%含むことを特徴とする、チョコ
    レート用又はその他のハードバター製品用の油脂。 (但し、ここでいう「降伏値」とは、系の構造を破壊す
    るのに要する力であり、一定速度で荷重をかけた場合の
    系の構造が破壊される時点での応力をag、荷重面積を
    Scm^2とすれば、 降伏値(dyn/cm^2)=(a×980)/Sで与
    えられる。)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4883684A (en) * 1988-07-01 1989-11-28 The Procter & Gamble Company Functional hardstock fat composition
JP2019088269A (ja) * 2017-11-15 2019-06-13 株式会社Adeka 常温ブルーム防止材
US11457647B2 (en) 2017-02-28 2022-10-04 Fuji Oil Holdings Inc. Oil and fat for suppressing bloom

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62210949A (ja) * 1986-03-11 1987-09-17 Kao Corp カカオバタ−代用組成物

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