JPH05345900A - 硬質油脂の製造法 - Google Patents

硬質油脂の製造法

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JPH05345900A
JPH05345900A JP3194857A JP19485791A JPH05345900A JP H05345900 A JPH05345900 A JP H05345900A JP 3194857 A JP3194857 A JP 3194857A JP 19485791 A JP19485791 A JP 19485791A JP H05345900 A JPH05345900 A JP H05345900A
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oils
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palm
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Atsushi Nago
敦 名郷
Masaaki Miyabe
正明 宮部
Yoshitaka Ebihara
善隆 海老原
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Fuji Oil Co Ltd
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    • A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23D—EDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
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    • A23D7/005—Edible oil or fat compositions containing an aqueous phase, e.g. margarines characterised by ingredients other than fatty acid triglycerides
    • A23D7/0056—Spread compositions
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    • C11C3/10—Ester interchange

Abstract

(57)【要約】 【目的】チョコレート包餡食品の製造。 【構成】ジ飽和モノリノレート、含水液状糖、または液
体油を含有する可塑性チョコレートを外材として、内材
とともに吐出・成型する。 【効果】チョコレートを加熱溶融しないで包皮すること
ができ、内材の全面的被覆が容易、外材の垂れがなく、
また被覆後の製品形状を容易になめらかにすることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、マーガリン、ショー
トニングなどの可塑性油脂製品の原料に適した硬質油脂
の製造法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】マーガリン、ショートニングなどの可塑
性油脂製品は硬質油脂と液体性油脂を原料として製造さ
れることが多い。その製造の一例として、大豆油、コー
ン油、菜種油等の液体油とそれらの硬化油( 硬質油脂)
を調合して、適度な稠度（可塑性）を持つように調整す
ることが行われている。しかし、このように製造された
マーガリン、ショートニングは、その原料となる油脂が
殆ど同じ鎖長の脂肪酸によって構成されるといった脂肪
酸組成上の単一性が高いために結晶の粗大化を招きやす
い。その結果、可塑性が適度に保たれる温度域が狭く、
温度上昇があると液油がシミ出しやすくなるといった難
点がある。
【０００３】他方、マーガリン、ショートニングなどの
原料に適した別の硬質油脂の製造法として、パーム系油
脂を使用する方法、典型的にはパーム系油脂とラウリン
系油脂をナトリウムメチラート等の金属触媒によりラン
ダムエステル交換する方法がある（例えば特公昭58-538
94）。この方法はパーム系油脂のもつ基本的な対称型構
造をランダムな構造に変更するので、パーム油のもつ保
存期間中に経時的に硬化しやすい性質、可塑性油脂製品
としての好ましくない性質は改善されるものの、他方で
好ましくない３飽和トリグリセリドの増大による融点上
昇が不可避で、粗大結晶が可塑性油脂原料としての特性
を阻害し、また製品の口溶けを悪化させ、このためエス
テル交換反応後に分別や硬化を必要とする難点がある。
【０００４】しかしそのエステル交換を、リパーゼ酵素
を用いたエステル交換（特開昭61-95098) 特にグリセリ
ドの１，３位に対し選択的なエステル交換によって行え
ば、３飽和トリグリセリドの増大を抑制することができ
るものの、この方法ではパーム系油脂のもつ基本的な対
称型構造即ちβ結晶化しやすい性質が温存されてしま
い、マーガリンやショートニングに用いる硬質原料とし
ての結晶性改善は不充分であり、保存中の硬化、すなわ
ち可塑性食品の原料に用いるよ保存中に可塑性が劣化す
るという問題がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、豊富で安
価なパーム系油脂を利用して満足のできる良好な硬質油
脂を製造できないか種々検討する中で、ラウリン系油脂
だけでなくベヘン酸残基の存在下に１，３位特異性のあ
るエステル交換を実施すると、従来のランダムエステル
交換による欠点も、リパーゼによるエステル交換反応の
難点も克服し得ること、即ち、温度上昇による液油のシ
ミ出し防止、３飽和トリグリセリドの増大による融点上
昇の抑制、長期保存における経時的に組織が固くなる問
題点の解決等が可能であることを見出し、この発明を完
成した。
【０００６】
【課題を解決するための手段】この発明はパーム系油脂
及びラウリン系油脂、並びにベヘン酸またはそのエステ
ルの混合物に、リパーゼを作用させてエステル交換する
ことを骨子とする硬質油脂の製造法である。
【０００７】この発明で用いるパーム系油脂はパルミチ
ン酸含有量が３０％以上の油脂であって、パーム油自体
またはそれを分別、硬化などして得られる油脂のどれで
あってもよい。またラウリン系起源の油脂はラウリン酸
含有量が３０％以上の油脂であって、パーム核油、ヤシ
油、ババス油等、またはその分別、硬化等して得られる
油脂が使用できる。ベヘン酸またはそのエステルとは、
遊離脂肪酸として存在するベヘン酸、及び１価または２
価以上の多価アルコールのエステル例えばエチルアルコ
ール、メチルアルコール、エチレングリコール、グリセ
リンなどの脂肪酸エステルのいずれの形態であっても使
用できる。
【０００８】この発明では、エステル交換の原料油とし
て、パーム系油脂やラウリン系油脂以外の油脂を含めて
エステル交換を行うことはさしつかえないが、エステル
交換の原料油脂の脂肪酸組成中、ラウリン酸は６〜２５
％、パルミチン酸は２３〜４８％、ベヘン酸は 0.5〜５
％であるようにするのがよい。この範囲とすることによ
って、融点３０〜４５℃で、展延性がよく、常温ないし
常温よりやや高い温度範囲での液油のシミ出しを防止す
るのに優れた性質を示し、かつ可塑性油脂製品の硬質原
料油脂に用いて、製品の可塑性劣化を好適に防止する。
【０００９】特に、エステル交換後に分別や硬化の工程
なしに効率よく、口溶けのよい硬質油脂を得るための、
上記脂肪酸組成となる配合の例としては、パーム系油脂
としてパーム油またはそのステアリン画分；ラウリン系
油脂としてパーム核油、ヤシ油、ババス油等、またはそ
の分別によって得られるオレイン画分；並びにベヘン酸
またはそのエステルとしてベヘン酸含量を２０％以上含
む硬化油を、各々１３〜５０％、４８〜８５％、２〜１
０％の割合で含む原料が挙げられる。
【００１０】パーム系油脂とラウリン系油脂並びにベヘ
ン酸またはそのエステルの混合物にリパーゼを作用させ
てエステル交換することにより、生成する混酸基トリグ
リセリドの構成脂肪酸に鎖長の大きな幅ができて、パー
ム油系油脂の２位にオレイン酸が存在する構造が多く残
存されても、経時的結晶の粗大化を抑制し、可塑性油脂
としての結晶性がよく、マーガリンなどに用いて良好な
可塑性を示す。
【００１１】本発明のエステル交換に用いるリパーゼは
トリグリセリドの１、３位に対して特異性を有するもの
がよく、これによって、三飽和トリグリセリドの発生を
低く抑えて、前記鎖長に幅ができることとあいまって、
長期における保存をしても良好な物性を示す。１、３位
に対して特異性を有する酵素には、例えば、リゾプス属
由来のリパーゼ、アスペルギルス属由来のリパーゼ、ム
コール属由来のリパーゼ、パンクレアチツクリパーゼ、
米ぬかリパーゼ、等があげられる。これらの酵素単独で
使用してエステル交換反応を行わせることも可能である
が、通常はケイソウ土、アルミナ、活性炭等の支持体に
吸着させて用いるのがよい。
【００１２】また、特開昭56-127087 号、特開昭62-134
090 号のように良好に調製された乾燥酵素は、特に水を
加えることなく活性を有し、反応系中、ジグリセリドな
どの副反応生成物の生成を低く抑制できる。反応はバッ
チ式または連続式、溶剤の存在下または不存在下、２０
〜７０℃の温度範囲で行わしめる。
【００１３】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより一層明瞭
にするが、これは例示であって本発明の精神がこれらの
例示によって制限されるものではない。なお、例中に示
す部、％は何れも重量基準を意味する。
【００１４】
【実施例１】パームステアリン、パーム油、パーム核オ
レイン及びハイエルシン菜種油の極度硬化油を、表１の
割合で混合し、これを１，３位選択性を有する酵素剤を
用いてエステル交換して硬質油脂を得た。また比較のた
めに、ハイエルシン菜種極硬油を配合しないで得たエス
テル交換油脂（比較１）、配合は実施例１と同じだがエ
ステル交換していない調合油（比較２）、及び硬化大豆
油（比較３）も調製した。これらの油脂の分析値も表１
に記載した。
【００１５】またこれら硬質油脂の各々５０部を精製大
豆油５０部と調合し、その８０部を、水、脱脂粉乳、及
び食塩からなる水相と配合し、常法によりマーガリンを
製造して、５℃または２５℃に保存してマーガリン物性
評価を行った。それらの結果は表２に示した。なお硬さ
の経時的変化は「レオメーター」（不動工業株式会社
製）測定値(10mm 径プランジャー、5cm/min のテーブル
上昇速度で測定) により測定した。
【００１６】
【表１】
【００１７】
【表２】
【００１８】以上の結果が示すように、硬化大豆油を用
いた場合のマーガリン（比較３）は２５℃で液油分離を
起こし、パーム／ラウリン系油脂のエステル交換油のマ
ーガリン（比較１）も若干の液油分離を起こす他、硬さ
の経時的変化が大きく可塑性が劣化した。原料の一部に
ベヘン酸残基を使用することにより、液体油の分離は防
止されるが、エステル交換を施さない単なる調合（比較
１）では、口溶けが悪く、展延性が不良、硬さの経時的
変化が大きく可塑性も劣化するところ、エステル交換を
施す（本例）ことによりそれらの点はいずれも改善され
た。
【００１９】
【実施例２〜５】エステル交換する原料の配合を表３の
ようにして実施する他は、実施例１と同様の方法でエス
テル交換及びマーガリン製造を行った。（ただしハイエ
ルシン菜種極度硬化油を使用せず、ベヘン酸エステルを
使用したものは、エステル交換反応後、蒸留によりエチ
ルエステル区分の除去を必要とした。）
【００２０】
【表３】
【００２１】
【表４】
【００２２】ラウリン酸含量が６％を割ると展延性、口
溶け、経時による物性変化が悪くなり、液体油の分離も
不良となる。また２５％以上となると口溶けは良くなる
が他の物性は同様に不良であり、ラウリン酸含量６〜２
５％の範囲外では長鎖脂肪酸の効果は低い。ベヘン酸に
ついても含有量が５％を超えるとマーガリンの口溶けが
不良であった。
【００２３】
【発明の効果】本発明によって得られる硬質油脂は、マ
ーガリン、ショートニング等の可塑性油脂製品の原料と
して好適に使用でき、液体油の分離抑制、口溶け性に優
れ、長期保存における経時的な可塑性劣化を防止でき
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 パーム系油脂及びラウリン系油脂、並び
    にベヘン酸またはそのエステルの混合物に、リパーゼを
    作用させてエステル交換することを特徴とする硬質油脂
    の製造法。
  2. 【請求項２】 混合物の脂肪酸組成中、ラウリン酸６〜
    ２５％、パルミチン酸２３〜４８％、ベヘン酸 0.5〜５
    ％である請求項１記載の硬質油脂の製造法。
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