JP2503811B2 - 脂肪組成物の製造法 - Google Patents

脂肪組成物の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカレールーの製造に適し
た脂肪組成物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】本邦における固形のカレールーは、カレ
ー粉等のシーズニングと小麦粉を固形油脂にて固めた独
特のもので、固形油脂は風味の点から豚脂、牛脂を原料
とした硬化油またはそれらの調合油が使用されている。
しかしながら、近年の医学技術の発達により、動物系脂
肪による血中コレステロール上昇等の弊害が云々されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとす課題】カレールー用の固形油脂
が要求される物性は、保管中にカレールーの表面がカビ
の様に白色化するという現象を発生し難いこと、液油成
分がシミ出さないこと、使用時に適当な硬さで割れるこ
と、およびカレールー製造時の固化速度が速いこと等が
挙げられる。
【0004】従来より使用されている豚脂、牛脂を原料
とした調合油またはそれらの硬化油を、単純に植物油の
硬化油に置き換えると、これらの油脂を使用したカレー
ルーは保管中に著しい白色化現象を発生し、短期間のう
ちに商品価値を失ってしまう。この原因としては、これ
ら植物硬化油を構成するトリグリセリドの種類が少なく
単一結晶の粗大化が発生しているためと考えられる。
【0005】また、これらの硬化油は常温でのSFIが
高いためカレールーが非常に硬く、使用時に手で分割す
るのが困難であり、且つ調理中においても溶け残りがし
ばしば発生し、商品価値を低下させてしまう。
【0006】本発明者は天然の固体脂であるパーム油系
油脂を用い、それらの分画油を種々混合して脂肪酸組成
を調節しエステル交換することにより、カレールーとし
て適度な硬さを示す脂肪組成物が得られることに注目し
て検討を行った。
【0007】しかしながら、パーム油または種々のパー
ム油系分画油を配合しエステル交換を行うことによって
適度なSFIを示す油脂は得られるが、これらのエステ
ル交換油においても粗大結晶の発生による白色化現象が
観察され、何らかの方法によりこの欠点を改善する必要
のあることがわかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、如上の点に
鑑み鋭意研究した結果、特定の脂肪酸残基を油脂のトリ
グリセリド中に結合させることにより、上記する欠点を
解決し得るという知見を得た。本発明は以上の知見に基
づいて完成されたものである。
【0009】即ち本発明は、パーム油起源の油脂と炭素
原子数22個の飽和脂肪酸残基を持つ脂肪酸、脂肪酸エ
ステル、トリグリセリドの何れかまたは混合物とをエス
テル交換し、脂肪酸組成において炭素原子数16個の飽
和脂肪酸残基が35〜55重量%であり、かつ炭素原子
数22個の飽和脂肪酸残基が1〜10重量%である脂肪
組成物を得ることを特徴とする、カレールー製造に適し
た脂肪組成物の製造法、である。
【0010】以下、本発明について説明する。本発明に
おけるパーム油起源の油脂は、炭素原子数16個の飽和
脂肪酸(パルミチン酸)残基を35重量%以上含有する
油脂であって、パーム油自体またはそれを分画して得ら
れる分画油の何れを用いてもよい。
【0011】炭素原子数22個以上の飽和脂肪酸残基を
持つ脂肪酸の誘導体は、エステル、トリグリセリドの何
れの形態であってもよい。
【0012】本発明におけるエステル交換は、ナトリウ
ムメチラート等の金属触媒を用いる方法またはリパーゼ
を触媒とする方法の何れによっても行うことができる。
【0013】リパーゼを触媒とする方法は、それが1,
3位選択性を示す場合は金属触媒を用いる方法と比べ高
融点成分が少なくなる方向でトリグリセリド中の脂肪酸
残基の配列が行われるため、同一配合ではSFIが低く
なり、従ってエステル交換油の飽和酸含有量が多くなる
ように配合を調整することが好ましい。
【0014】本発明に用いるリパーゼは油脂に対しエス
テル交換活性を有するものであればどのような酵素であ
ってもよい。公知の物としては、例えば、リゾプス属リ
パーゼ、アスペルギルス属リパーゼ、ムコール属リパー
ゼ、パンクレアチツクリパーゼ、米ぬかリパーゼなどが
あげられる。
【0015】これらの酵素は反応系で単独使用すること
も可能であるが、通常はケイソウ土、アルミナ、活性炭
等の公知の支持体に固定化させて用いるのがよい。
【0016】
【実施例】以下、実施例を例示して本発明の効果をより
一層明瞭にするが、これは例示であって本発明の精神が
これらの例示によって制限されるものではない。なお、
例中に示す部、%は何れも重量基準を意味する。
【0017】
【実施例1】パームステアリン(沃素価33)43部、
パーム油(沃素価52)52部、ハイエルシン菜種油極
度硬化油5部の割合で混合し、ナトリウムメチラートを
触媒としてランダムエステル交換を行った後、水洗、脱
水、精製して融点45℃のエステル交換油を得た。この
エステル交換油を用いて以下の配合によりカレールーを
製造した。
【0018】カレールー配合 油 脂 36 部 カレー粉 29 部 粉 糖 13 部 小麦粉 11 部 食 塩 9 部 グルタミン酸ソーダ 2 部 レシチン 0.4 部
【0019】なお、比較のため油脂として硬化牛脂(融
点45℃)、硬化菜種油(融点45℃)を使用して同様
に実施した。
【0020】以上により製造したそれぞれのカレールー
の品質を評価した。
【0021】 (1). 20℃における白色化現象の発生状況 製造直後 10日 30日 ──────────────────────────────────── 実施例1 無し 無し 無し 硬化牛脂 無し やや発生 やや発生 硬化菜種油 無し 発生 激しく発生 ────────────────────────────────────
【0022】 (2).レオメーター(プランジャーΦ=3mm)測定による硬さ(g) 製造直後 10日 30日 ──────────────────────────────────── 実施例1 1600 1650 1680 硬化牛脂 1500 1550 1550 硬化菜種油 2300 2500 2800 ────────────────────────────────────
【0023】以上の結果から明らかなように、本発明の
エステル交換油を使用して製造したカレールーは硬化菜
種油に比べ遙かに良好な耐白色化性を示す。また、硬さ
においても硬化牛脂とほぼ同等の物性を示しており、固
化速度も速く、使用時の作業性も良好であった。
【0024】
【実施例2】実施例1で使用したパームステアリン、パ
ーム油、ハイエルシン菜種極度硬化油、パームオレイン
(沃素価56)及びベヘン酸エステルを用いて以下の配
合にてエステル交換を行い、脱色、脱臭をして以下に示
す物性の脂肪組成物を得た。
【0025】 油脂の配合 実験番号 1 2 3 4 5 6 ──────────────────────────────────── パームステアリン 43 46 35 45 ── 45 パーム油 52 54 40 50 ── 50 パームオレイン ── ── ── ── 80 ── ハイエルシン 菜種極硬油 5 ── 25 5 20 ── ベヘン酸エステル ── ── ── ── ── 5 ──────────────────────────────────── エステル交換触媒の種類 金属 金属 金属 リパーゼ 金属 金属 ──────────────────────────────────── エステル交換後の油脂の 沃素価 41.2 43.2 32.4 40.9 44.8 40.9 パルミチン酸残基含量 47.8 50.0 39.6 48.0 33.6 51.7 ベヘン酸残基含量 2.5 0 12.5 2.5 10.0 5.0 融点(℃) 45.1 46.7 46.8 44.5 38.2 44.8 ────────────────────────────────────
【0026】これらの油脂を用い実施例1と同じ方法に
よりカレールーを製造し、それらの白色化テストを行っ
た。
【0027】 (1).20℃における白色化現象の発生状況 実験番号 製造直後 10日 30日 ──────────────────────────────────── 1 無し 無し 無し 2 やや発生 発生 激しく発生 3 無し やや発生 発生 4 無し 無し 無し 5 無し やや発生 やや発生 6 無し 無し 無し ────────────────────────────────────
【0028】以上の白色化テストの結果より、パーム油
系油脂のみのエステル交換油は結晶粗大化により激しい
白色化現象を発生したが(実験番号2)、長鎖の飽和脂
肪酸残基をトリグリセリド中に分散させる事による白色
化現象発生の抑制効果が確認された(実験番号1,4,
6)。
【0029】しかし長鎖の飽和脂肪酸残基の配合量は多
すぎてもその効果が減じ(実験番号3,5)、エステル
交換油の脂肪酸組成中10%までが適量である(実験番
号1,4,6)。
【0030】また、パーム油起源の油脂部から発生する
パルミチン酸含量は、35%より少ないと白色化現象に
対する耐性が不良となる傾向を示す(実験番号5)。こ
れは飽和酸含量が減少し、エステル交換油の液体成分が
増加するためトリグリセリドの移動が容易となり、単一
結晶の粗大化が発生しやすくなるためと考えられ、カレ
ールーの硬さ、シミ出し防止の点からもパルミチン酸含
量35%以上が必要である。
【0031】
【発明の効果】本発明によるエステル交換油は、白色化
現象に対する耐性が良好で、使用時の硬さが適度であ
る、カレールー用油脂として良好な品質を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パーム油起源の油脂と炭素原子数22個の
    飽和脂肪酸残基を持つ脂肪酸、脂肪酸エステル、トリグ
    リセリドの何れかまたは混合物とをエステル交換し、脂
    肪酸組成において炭素原子数16個の飽和脂肪酸残基が
    35〜55重量%であり、かつ炭素原子数22個の飽和
    脂肪酸残基が1〜10重量%である脂肪組成物を得るこ
    とを特徴とする、カレールー製造に適した脂肪組成物の
    製造法。
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